完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

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第4章 王都へ

第69話 祝福

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「ゼクシーかあさん。そろそろ俺は行きますね」
「また来てねエリアス。かあさんは待っているわ」
「えぇ、王都から戻ったらまた来ます」

 あぁ~エリアスは行ってしまったわ。
 なんだか寂しいものね。

 女神になってから数万年。
 良縁にも恵まれず独り身だった。

 後輩の女神に合コンに誘われても、しょせん私は数合わせ。
 数千年の若い女神の方が人気があって、私なんか相手にされない。
 しかも最近はその『数合わせ』にも、呼ばれなくなった。

 このまま風化していくのかしら?
 
 そんな時だった。
 現世とあの世の狭間はざまに壮年の男性がやって来た。

 異世界『エニワン』の新しい風になればと転移を誘った。
 彼は承諾し、私に名前を付けてほしいと願った。

 そんなことを言われるのは初めてだった。
 私はその壮年の男性に、エリアス・ドラード・セルベルトと名付けた。

 名を与えると言うことは、力を与えること。
 そんな事も忘れて私は彼は名を与え、私の息子になった。

 黒髪、黒い瞳の美形の少年。
 彼は15歳に若返り人の心を引きつける、雰囲気を持つ少年になっていた。

 そんな彼が明日から王都に行くという。

 エリアスには将来は安定した職に就いてほしい。
 だから結婚も私が気に入った、女性の中からと思っていたのに…。

 いきなり嫁2人の姑になるなんて。
 子どもが一人暮らしを始め一人で、できるようになると強い寂しさを感じる。
 これが母なのね…。

 ゼクシーは忘れていた。
 ついさっきまでエリアスの事なんて、記憶の隅にしかなかったことを。
 一人劇場はさらに続く…。

 でも不安だわ。
 彼のやることはこの世界の活性化を、極端に進めそうな気がする。
 それに周りからも狙われるかもしれない。

 誰かが守ってあげないと。
 実際にエリアスが強いのか、弱いのかさえ分からない。
 そんな変なステータスだから。

 でも私は女神だから、天界から彼を見守る事しかできない。
 彼が殺されるようなことがあっても、私には干渉することは出来ないわ。

 そうだわ!!
 それならエリアスの側に居る、この2人の女に守ってもらえばいいのよ。
 エリアスを守れるように、2人に祝福を授けてと。



 森妖精エルフは知力が高く、風魔法も得意のようだから…。
 2割ほど『知力』と『魔力』を上げて。
 彼女はエリアスの盾ね。


 それから虎猫族のこの女ね。
 な、なんと言うことなの?!
 こ、この女は転移して、右も左も分からないエリアスの…。
 エ、エリアスちゃんのチェリーを奪うなんて!!
 オルガという女は、どこの馬の、いいえ猫の骨よ!!

 で、でも落ち着いて…。
 そうだわ、虎猫族の女は戦力になる。
 仕方がない。
 2割ほど『筋力』と『攻撃力』を上げてあげようかしら。
 彼女はエリアスのほこと。
 
 それからもう1つこの女には、加護をあげることにするわ。
 ・・・。

◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇

「さあ、行きましょうか」
 俺はお祈りが終わり立ち上がった。

「随分、祈っていたのねエリアス君」
「そうですかアリッサさん」
「まあ、そんなに長いほどでもないがな」
 オルガさんに聞くと、2人よりは少し長いくらいだったらしい。
 やはり天界での時間の流れは、下界とは違うのか。
 あれだけ長く居たのに。


 こんな広い空間で、一人は余りにも寂しいだろう。
 これからは頻繁に参拝に来よう。
 かあさんも寂しそうだったし。
 聞くと自分の創生した世界だから、24時間女神は対応しないといけない。
 だから休みもないと言う。

 母さんが言うには、天界は求人募集を出しても中々女神が集まらない。
 最近の若い女神は、お金は欲しいくせに努力はしない。
 キツく言うとハラスメント行為だと言われ、こちらが悪くなるそうだ。

 仕事は辛くて大変なのは当たり前。
 なぜって好きで働いていないから。
 生活のため、収入を得るために働いているのに。
 無理なく無難な範囲で仕事を選ぶ、これが今の若い子よ!とかあさんは言ってた。

 次世代の女神も育ってはいるが、数千年の女神ではまだ任せられないそうだ。
 どれだけ奥が深いんだ、女神仕事は。

◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇

 俺達3人は教会を出て集合場所の、冒険者ギルドに向って歩く。
 するとギルドにはもうDランクパーティー『赤い翼』の4人が居た。

「やあエリアス。久しぶりだな」
「ご無沙汰しております、アドレーさん」
 剣士のアドレーさん。
 重騎士で片手剣と大きな盾を持ったジェイ さん。
 斥候役のシーフで、ショートソードを持ったランダルさん。
 紅一点の弓を持ったエリノルさんの、22~26歳の4人組パーティーだ。

 ちなみにリーダーのアドレーさんと、エリノルさんはデキている。
「な、なにを言っているんだ?エリアス」
「そ、そうよ、エリアス君たら、もう~」
 あれ?
 どうしたんだろう?
 み、みんな俺の思考が読める超能力があるのか?

「4人共、お久しぶりですね」
 知り合いだったのか?
 あれ?オルガさんが敬語を使っている。
 どうしたんだ?
 明日は雨か…。
 やめてくれ、これから王都に行くのに…。

「当たり前だろう。同じ冒険者でもみんな私より年上なんだから」
 そんなもんですか。
 しかしなぜ、俺の心の声と会話ができるんだ?

「口にでてるぞ、エリアス」
 そうですか、オルガさん…。

「それにしても。なんでアリッサさんまでここにいるの?」
 エリノルさんは不思議そうに聞く。
「それは…」

「みなさん、お早うございます」
 アリッサさんが答えようとした時だ。
 アバンス商会のアイザックさんがギルドに入って来た。

「本日はみなさん、よろしくお願いいたします」
 アイザックさんは受付をして、『赤い翼』と初対面なので挨拶を交わした。

「どうしてアリッサ様が、レザーアーマーを着てここにいるのでしょうか?」
「私も同行しようと思いまして」
「同行ですか?」
「えぇ、護衛も致します。それに料金は頂きません」
「なぜでしょうか?」
「エリアス君の側に居たいからです」

「「 きゃ~!! 」」
 ギルドの受付の女性たちが騒ぐ。

「アリッサは昨日からエリアス君と暮らし始めたの。1日で離れ離れは寂しいよね」
 受付のコルネールさんが一言余計な事を…。

「あの誰に誘われても、なびかなかったアリッサさんが…」
「俺もファンだったのに」
「あんな若い男が良いのか…」
 残っていた男の冒険者達が騒ぐ!!


「アリッサさんは、エリアス君と…そう…離れたくないよね」
 『赤い翼』のエリノルさんが、一人納得している。
「アリッサ様まで同行して頂けるとはこれは心強い。多少ならお支払い出来ますので、よろしくお願いいたします」
 アイザックさんが挨拶をする。

 アリッサさんも冒険者登録をしており、さっそく受付で護衛の追加登録をする。
「それではまず、私の店に寄ってください」
 アイザックさんに言われギルドの外に出る。
 するとお披露目会の時に居た、影の薄いお供2人が待っていた。
 これからアバンス商会に寄り、王都で売る商品を俺のストレージに収納するんだ。


 俺達はアバンス商会まで歩いた。
 アバンス商会はギルドの近くにあるから、それほど歩かなくて良いから助かる。


「エリアス様、荷物はこちらにあります」
 俺は倉庫らしいところに案内される。

「王都まで運ぶ荷物は、ここです」
「穀物ですか?」
「えぇ、そうです。この領から王都で売れるものなど、穀物くらいしかありません」
「アレン領は特産品はないのでしょうか?」
「特産品ですか」
「このアレン領のみで生産されたり、収穫される物品のことです」
「今のところそんな品はありません。そんな品があればいいのですが…」

 この領だけでも人気が出るものがあれば、それだけでやって行けるかもしれない。
 王都から戻ったら、何か考えてみようかな。

◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇

『女神ゼクシー』の祝福を受けた2人は…。

『名前:アリッサ』
 種族:森妖精エルフ
 年齢:250歳
 性別:女
【加護】
 女神ゼクシーの祝福
 『知力』、『魔力』2割UP


『名前:オルガ 』
 種族:虎猫族
 年齢:17歳
 性別:女
【加護】
 女神ゼクシーの祝福
 筋力』、『攻撃力』2割UP
 マル秘の祝福(-5

「痛い!!」
 これ以降、オルガは時々、物の角に足の小指をぶつけるようになった。
 可愛い息子を取られた、母のささやかな嫌がらせだった。

 祝福が必ずしも、いいものとは限らない。
 早く子離れしよう!

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 読んで頂いてありがとうございます。
 物語はまったり、のんびりと進みます。
 まだ出発してないし…。
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