完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

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第4章 王都へ

第76話 エターブの町

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 ファイネン公爵から紋章が入ったメダルを手渡された。
「何か困ったことがあったら、このメダルを見せるといいだろう」
「このメダルは?」
「ファイネン公爵の紋章が刻まれており、当家と関係があるものと言う事になる」
 このメダルは売れるのかな?俺はふと不謹慎なことを思ってしまった。

「では次のエターブの町まで一緒に行こうか」
 そう言われ俺達は次の町まで、同行することになった。


 俺は『手品』を見たい、という貴族のお嬢様に答えて一番先頭に立ち『道路整備』を行いながら進んでいる。
 行きか、帰りにやるかだけの違いだけど、どうせやるなら早く整備したい。
 そんな俺の横でお嬢様が『凄い、凄い』と、はしゃいでいる。


 アリッサさんはファイネン公爵に、なにやら話があると言われ馬車に乗っている。
 アバンス商会のアイザックさんにはファイネン公爵より、アリッサさんが抜けた代わりとして一時的に護衛は公爵家の騎士が代わりに着いてくれることになった。
 何の話があるというのだろう?




「あの疾風のアリッサ様と、こうしてお会いできるとは」
「『様』付けはおやめください。私はただのエージェントです」

 ファイネン公爵家の2台目の馬車に私は公爵と2人で乗っている。
 奥様は他の馬車に移っているようだ。
 公爵と出会った際に見せたのは、私が持っているエージェントのメダルだ。
 この国の機関では身分証明として、刻印が刻まれたメダルが使われている。

 貴族なら馬車などに家紋を描けば身分の証となる。
 そして個人としても身分を示すメダルを所持している。

「しかし私が小さいときに絵本の中で見た、あのドラゴン大戦の英雄ですからな」
「もうそのお話は…、お恥ずかしい限りです」
「そうですか、では本題に入るとしよう。エージェントとしてあなたは、こんなところでなにをしているのかな?」
「ある人物の護衛です」
「ほう、それはあのエリアスとかいう青年のことかな?」
「そうです」

「彼には馬車を修理してもらった借りがある。しかし彼の言う『手品』は異質だ」
「そう思われますか」
「勿論だ。そして『道路整備』と言いながら彼が、先頭で行っていることは異常だ」
「やはりですか」
「あれが普通に見えるのかね?」
「いいえ」

「彼の前の木々や地面が何かに吸い込まれたように一瞬で消え、整備された道が目の前に出来る。こんな馬鹿な話は聞いたことがない。いったい彼は何者だ」
「エリアス君には不干渉ふかんしょう条例が発令されています」
「どこかで聞いた名だとは思ったが、あの条例は彼だったのか」
「はい、そうです」

「では私は干渉出来ないな。それで、これから王都にいくのかね」
「それが今回の目的です」
「そうだろうな、分かった。おい、馬車を止めてくれ」
 ファイネン公爵は馭者に声を掛け、馬車を止めさせた。

 そこで私は馬車を降り先頭に居るエリアス君と合流した。
 私と入れ替わりにお嬢様と奥様が公爵の馬車に乗り込んだ。

 ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇

☆アリッサ視点
 そして私達はエターブの町に入った。
 ファイネン公爵様は、そのまま領地に向かうそうだ。
 アバンス商会のアイザックさんが旅の途中、商売の関係で各村や町に寄っている。
 普段ならエターブの町は、ほとんどの人が通り過ぎる町のようだわ。

 そして私達は宿屋を見つけ、部屋をとった。
 エリアス君、オルガさんと私。
『赤い翼』のアドレーさん、ジェイさん、ランダルさん、エリノルさん。
 アバンス商会はアイザックさん。
 お供2人と御者が1人。
 このメンバーで4部屋ね。

 朝の出発まで自由時間で、今は13時頃だと思う。
 夕食まで時間があり、エリアス君とオルガさんと私の3人で街を歩くことにした。

 町を歩いても、これといった物はない。
 市場を歩いてもアレン領より人口の少ないこの町は寂れている。
 仕事が無いのか、昼間から座り込んでいる人達。
 200年前から何も変わらない進歩がない世界。

 誰か助けて、この何もない世界を変えてほしい。
 私はそう思った。


 ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇

★エリアス視点
 俺はアリッサさんとオルガさんと、3人で市場を歩いている。
 食と言えば市場を歩くのが一番だ。

 
 市場を歩いていると少年達の元気な声が聞こえる。

「美味しいイールだよ。一串500円だよ!!」
「500円だよ~」
 見ると7歳くらいの女の子と、12歳くらいの男の子と2人が何かを売っていた。
 この子達は孤児なのか?
 それに近い風体だった。
 見ると他にも同じような子供たちが居た。
 でも誰も立ち止まらず、売れているようにも見えない。
 俺は興味を持ち近づいて行った。

 屋台には蛇の様なものをぶつ切りにし、串に刺して焼いていた。
 これはなんだ?

「おにいちゃんたち、いらっしゃい~!!」
 女の子が一生懸命に声を出す。
「これは何だい?」
「イールだよ。おいしいよ~」
 俺は首を傾げオルガさん達を見た。

 するとオルガさんが教えてくれた。
「イールは河や湿地でとれる蛇の様な魚さ」
 蛇の様な魚?
 俺は思い付くものがあった。

「でも皮が厚く美味しくないのさ」
 そうなんだ。
「生きたイールはあるのかな?」
「あるよ、これ~」
 女の子は屋台の中を指差した。

 見ると桶の中に細長くて黒い生き物がうねっていた。
 これは?!
「ねえ、この生きているのを全部売ってくれないかな?」
「いきているのがほしいの?」
「そうだよ」
「まってね」
 そう言うと女の子は、一緒に居た男の子に聞いている。

 男の子の1人が俺に聞いてくる。
「生きているのが欲しいのですか?」
「あぁ、そうだ」
「焼く手間が無いから1匹300円で良いよ。全部で13匹いるよ」
「では3,900円だね。はい」
 俺は男の子にお金を渡した。
「ありがとう」
 とても嬉しそうだった。

「ここら辺はイールがたくさん捕れるのかな?」
「うん、湿地が多いから捕れるよ。逆にそれくらいしかこの町にはないよ」
 イールしか特産がない町か。

 俺はストレージの中で『創生魔法』でバケツを2つ創り水を張り、イールを入れて宿屋に持ち帰った。

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 読んで頂いてありがとうございます。
 物語はまったり、のんびりと進みます。
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