完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

文字の大きさ
125 / 254
第8章 開拓村

第125話 忘れ者

しおりを挟む
「昨日は我が部族のものが世話になりました。言葉にも出来ないほどです」

 部族長カーティスさんが話始める。
 緑竜は雑食で食料をあさり、ダークエルフの村を目指して進んでいたそうだ。
 それを食い止めるために戦士が出たが、全滅寸前になり俺が助けたらしい。

 あのままなら村は、壊滅していた可能性が高いと言っていた。

 ディオさんは部族長を連れ何度も留守の間に、お礼の果物や魔獣の肉を携え訪ねてきてくれたそうだ。
「アスケルの森はどの国も所有しておらず、切り取り自由だと聞きました」
「その通りです、エリアス様。そのため、われらダークエルフもこの森に住んでおります」
 部族長カーティスさんが答える。
「俺はここに農園や畜産をやろうと思っています。人集めはこれからですが…」
「どうして、そのようなことを。エリアス様は人族の方ですよね」
「そうです。ですが国に干渉されずに生活をしたいのです。しかし関わり合わない訳にはいきません。そこで距離を取るため、ここを開拓し人を増やし住みたいのです」

「ほほぅ、それはそれは。こんなアスケルの森の奥の危険な土地で村作りとは酔狂すいきょうですな。ところであなたは我々ダークエルフをどう見ますかな?」
「どうとは?違いは褐色かっしょくの肌くらいでしょうか。俺には皮膚や外見での偏見はありませんから」
「偏見は無いと」
「はい、ここにいる3人いる妻の内の1人もエルフですから。俺の生まれたところでは『天は人の上に人を創らず、人の下に人を創らず』という言葉があります。人は平等なものです」
「その猫族の方も奥様でしょうか?」
「そうです」
 するとオルガさん達は奥様と言われ、クネ、クネしている。

「しかし凄いものですな。あの城壁の高さと言い、厚さと言い。あれなら夜も魔物の心配はせず、寝ることが出来そうです。羨ましい限りです」

 ダークエルフ達も森の中に簡単な家を建て暮らしているとか。
 しかし常に魔物におびえ、夜は交代で見張りをしているそうだ。
 それならここに移住しませんか?と俺は誘った。
 するとダークエルフの人達はとても驚いていた。
 直ぐには決めることはできず、部族会議で決めるそうだ。

 俺達も普段は、ここにはいないことを話しておいた。
 帰り際にカーティスさんが『また会いましょう』と言って去っていった。
 ノエルさんにもこの機会に、アリッサさんがエルフであることを話しておいた。



 それから俺は物見やぐらなどを創り、足りないものは街に買い出しにいった。
 数日すると、門の前が騒がしい。
 行ってみるとダークエルフが30人くらい居た。
 そこには部族長カーティスさんもいて、移住したいという。
 聞いてみると緑竜の戦いで殆どの戦士は死に、残ったのは女と子供達だけだった。
 あれから村に戻り再建について話し合い、開拓村の話が出たという。
 緑竜を倒すほどの村長が居る村なら、移住をしたいと言う事になったそうだ。

 女子供を含めると移民は28人。
 その内、成人男性は8人。女性15人。
 残りの5人が10~12歳の子供達だ。

 ダークエルフが村に移住してきてから、俺の作業はとても楽になった。
 住民がおおくなったので、開拓村の面積も野球のグラウンド40面分に増やした。
 これだけ広ければ、当面は間に合うだろう。
 畑の他に果実園も作った。
 畜産も始めムッカ(牛もどき)は街で雄雌4匹購入し、養鶏場のラプタ(卵を産む鳥)も、森に探しに行ってくれ、雄雌合わせて30匹くらいになった。
 その世話も彼らに任せている。

 肉にするなら良いが、卵をこれから取ることを考えると先は長い。
 元々、森の中で暮らしていただけあって知識も豊富だ。
 そして彼らに手伝ってもらい麦を植えた。

 彼らはアリッサさん同様に弓が得意で矢に風の魔法を乗せ、目もよく遠くの的でも正確に打ち抜く。
 そして手が空けば森に行き、魔獣を狩り夕食になる。
 いい戦力だ。

 村に来た当初屋敷の寝具や部屋が足りず、ホールなどに寝てもらっていた。
 さすがに28人になるとね。
 その後、屋敷ではなくそれぞれで住みたい、と言うので伐採済みの木材を与えた。
 彼らは非常に手先が器用で俺の屋敷を中心にして、逆さの扇状にあっという間に左右に何件も家を建ててしまった。
 そして俺の『創生魔法』で家具も創って渡した。

 彼らには衛生面で毎日、体を洗うように伝えた。
 お風呂の習慣がなく水浴びならあると言うので、彼らの家の並びにシャワー小屋を建て、毎日浴びるように伝えた。

 ムッカが畑を耕すことが出来るように代掻き馬鍬しろかきまぐわを作って置いた。
 これは地球で言えば昭和初期のTVニュースなどでよく見る、木製の枠に細く鋭い鉄の歯を複数付けて牛や馬に引かせ、水を張った田んぼの表面を平らにし、苗の発育や田の土を細かくする農具だ。

 いずれ子供が出来て、お乳が出るようになったら牛乳を搾ろう。



 ダークエルフの人達が来てから問題が1つある。
 それは男女比だ。
 28人中、成人男性8人。成人女性15人。
 残りの5人が10~12歳の子供達だ。
 男女関係なく彼らは戦士だ。
 
 ダークエルフは18歳くらいで成長が止まり、300~500歳くらいで寿命を迎える。
 部族繁栄のためにも子作りは大事だ。
 だが男性は女性15人から好きな人を選べば良い、というものではないらしい。
 俺から見たら彼女らは18歳くらいに見えても高齢の人もおり、若い男性のダークエルフからすれば『お婆ちゃんとできるか!!』と、なるらしい。
 元々、長寿のため、子供を作る意識が低い。
 その上、中々カップルが出来ないイコール子供が増えない、になる。

 他のダークエルフの部族を探すことを勧めたが、生活圏内で他のダークエルフを見たことはなかったという。

 そしてその矛先が回ってきたのが俺だった。
 戦闘力が高く若い。
 嫁にはエルフ、猫族もいる。
 差別意識がなく優れた子孫を残すには丁度、いいらしい。

 品種改良を受ける家畜か!
 生まれてくる子供も、ダークエルフ、ハーフエルフ、人族の3パターンらしい。
 どんな子が生まれても部族で可愛がり育て、村長の俺には責任を求めないと言う。
 なにか釈然としないものが俺にはある。


 俺が困っているとオルガさんが助けてくれた。
「エリアスには今、嫁が4人いる。4人で十分、から必要ない」
「そうよ、もうなの」
 アリッサさんもそう言い、ノエルさんは首をかしげている。
 いったい何が『補える』とか『大丈夫』なのだろうか?

◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇

「あの~、いつまでお待ちすれば、よいのでしょうか?」
 
「申し訳ございません」
 私の名はアルバン。
 エリアスの奴隷、エリアス様は従業員だと言ってくださる。
 数日前からファイネン公爵家のお嬢様、エリザ様がいらしている。

 エリアス様に嫁いで来られたとか。
 その侍女のネリーという女性に、私は何度も頭を下げている。

 数日前からエリアス様達も、奥様全員と出かけてられている。


 ま、まさか忘れているとかは無いですよね?


 早く帰ってきて~~!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 読んで頂いてありがとうございます。

 明けましておめでとうございます。
 本年も変わらずよろしくお願いいたします。


 更新は毎回18:30となります。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。 そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。 カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。 やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。 魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。 これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。 エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。 第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。 旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。 ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載

目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。

桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。

不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。 強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。 死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。 再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。 ※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。 ※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

処理中です...