完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

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第12章 セトラー開国

第170話 メイドのアーネ

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 それから3週間後、侍女のネリーさんの代わりの人がやって来た。
 アーネさんと言って緑色の髪をした30代前半の女性だった。
 迎えに行ったディオさんが屋敷の中に案内すると、アーネさんはリスのように目を丸くして驚いていた。
 
 それはそうだよね。
 一階はホールの正面に大階段がある。
 どこかの貴族みたいだよね。
 そして客間で対面することになった。

 部屋には俺、アリッサさん、オルガさん、ノエルさん。
 エリザちゃん、ネリーさん、アーネさんだ。



「アーネと申します。誠心誠意努めますので、よろしくお願いいたします」
 エリザちゃんに聞くと、古くから屋敷に勤めている侍女さんだと言う。

辺鄙へんぴなところですが、こちらこそよろしくお願いします」
 俺達も挨拶をした。

 エリザちゃんの侍女だが、人柄が分からないと困る。
 俺は簡単な質問をする事にした。

「アーネさんのご家族は」
「夫と息子がおりましたが…。3年前にウォルド領へ作物を売りに行く際に、盗賊に襲われその時に…」
「わ、分かりました。ごめんなさい」

「いえ、構いません」
「屋敷ではエリザちゃんの、お世話だけして頂ければ大丈夫ですから」

「えっ、炊事、洗濯、お掃除はどうされているのでしょうか?」

 う~ん。
 炊事は俺がやっているし、ストレージの中にも料理の在庫がたくさんある。
 掃除はストレージで埃や汚れを収納している。
 庭の雑草はアリッサさんの風魔法で刈り、俺のストレージに収納している。
 全部ストレージで済んでいる。

 することがあるとすれば、洗濯くらいか。
 でも他人に下着を洗ってもらうのも嫌だしな。

 よく考えるとメイドさん自体、俺達は必要に感じない。
 エリザちゃんのお世話に専念してくれればいい。

「ではエリアス様。お客様がおいでになった場合、おもてなしはどの様にされるのでしょうか?」
「お客様ですか?」
「はい、この国の当主様である以上は、お客様がお見えになることもあるでしょう。そうなった場合のお相手や、ご用意はいかがされていますか?」
 
 えっ?
 誰か来ることあるの?
 はい?そんなことは、いっさい用意しておりません。

「さようですか、そのための食器などのご用意もしなければなりません。メイドが居なければ、エリアス様や奥様方がされることになります。そして主人が自らされるのは、見栄えが良くありません」

 メイドに任せることが、一種のステータスてことだよね。

「そしてお客様をお迎えする時の作法など、ご存じでしょうか?」
 ドアを開け、いらっしゃい!とか。

「いいえ、それはなりません。迎えはメイドがするものですから」
 あれ?さっきから話しているけど。
 アーネさんも相手の思考が読める超能力者なのか?

 貴族ではない俺達は貴族の常識を知らない。
 だからメイドさんを雇う事で、その知らないところを埋めると言う訳か。
 

「俺達は屋敷の3階に住んでいます。空いている部屋があるので、アーネさんもそこを使ってください」
「分かりました」
「それから足りないものがあれば言ってください。揃えますから」
「後で確認させて頂きます」

 俺はアーネさんを屋敷の中を案内した。
 侍女のネリーさんでもよかったが、この屋敷は特殊だからね。

「お屋敷の中がとても綺麗ですね。皆様、綺麗好きなのですね」
 いいえ、まったくしてません。
 ほこりはストレージで収納です。

「それにお庭もとても綺麗に手入れをされています。これはどなたが、されているのでしょうか?」
 これもストレージ収納です…。




 それから屋敷で必要な物を書き出してもらった。
 後でウォルド領に行って買って来きます、そう言うと一緒に買いに行くと言う。
 よく見ると台所用品が殆どだ。
 それならとストレージからフライパン、鍋、やかん、塩、胡椒、マヨネーズ、味元あじげん、醤油、ソースを出して渡した。

 アーネさんは、マジック・バッグと言うのを初めて見ました。
 一財産ですね、と言っていた。

「さ、先ほどからエリアス様が言っているストレージと言うのは、マジック・バッグのことだったのですね」
 そうか口に出ていたのか。

【メンタルスキル】高速思考のおかげで、エリアスは物事を瞬時に考えられる。
 しかし絶えず人は物事を考えている。
 そのため情報量が多くなり、独り言を言うのを自分自身では自覚していなかった。



 次はアーネさんが使いやすい様に、台所の収納棚に食器類を仕舞う。
「どの陶器に水を溜めておくのでしょうか?」
「水を溜めるのですか??」
「水を溜めて洗い物に使ったり、飲み水にしたりしていなかったのでしょうか?」
「あぁ、この蛇口と言うのを捻ってください」
 そう言って水道から水を出して見せた。

「まあ、それでは火を起こす火打石はどこでしょうか?」
「俺達は火打石はいりませんから」
 そう言うと俺は魔道コンロのノブを、ひねって火をつけて見せた。
「ほらね。火打石で火を点けるのは時間が掛かり大変だから」

 そしてこの屋敷は水やお湯は水道と言うのを捻れば出ること。
 照明は壁のスイッチと言うのを、押せば点く事。
 冷蔵庫、ドライヤーなど移動可能な物は、壁の2つ穴にコードを指せば利用できることを話した。
 そう言うとアーネさんは目を大きく見開き驚いていた。
 俺にとっては当たり前の世界が、この世界の人にしてみれば驚愕ぎょうがくする事なのだろう。

 しかし色々な魔道具を作ろうとしたが、さすがに洗濯機は無理だった。
 逆回転や自動すすぎなんて普通出来ないだろ。




 季節は秋。
 そろそろ寒くなる頃だ。
 森に入った際に1階の居間の暖炉用に、たくさん薪になる木を切って裏庭に積み上げている。
 その事も話しておいた。

 エアコンも良いけど、やはり暖炉の火の方が暖まるからね。
 
 アーネさんはさっきから、呆然としているようだが。
 いったい、どうしたんだろう?

◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇

 私はメイドのアーネ。

 このお屋敷は素晴らしいわ。
 蛇口を捻れば水とお湯が出てくる。
 壁のボタンを押せば灯りが点く。

 そして困ったことにメイドの仕事があまりない。
 お屋敷の中はとても綺麗になっている。
 掃除はエリアス様のマジック・バッグで、埃や汚れを収納しているとか。

 庭の雑草はアリッサ奥様の風魔法で刈り、こちらもマジック・バッグに。

 恐るべしマジック・バッグ。
 こんなに便利な物なら誰も手放さないわ。
 だからマジック・バッグは高価なのね。
 これ1つで一生遊んで暮らせるくらいの価値があるのも分かるわ。
  だってこんなに家事に役立つんだもの。


 そして洗濯もやらせて頂けない。
 みなさん恥ずかしいとおっしゃって。

 私はここに何をするために居るんでしょう?

 せめてできることは美味しい食事を作って差し上げる事ね。
 普段なら手がでない調味料も揃っているわ。
 塩、胡椒だけではなく、街で噂のマヨネーズ、味元あじげん、醤油、ソースも使わせて頂けるなんて。

 
 それなら私がみなさんの帰ってくる場所になろう。
 毎日、笑顔になれる美味しい食事を作ろう。

 そしてみなさんに可愛いお子さんができたら、私がこの腕に抱いて面倒をみよう。
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