完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

文字の大きさ
180 / 254
第13章 南のラードルフ国

第180話 いいえ、魔女です!

しおりを挟む
 エリザちゃんとメイドのアーネさんを連れて、マンフレートにやってきている。
 魔物の襲撃を受け傷ついた人々を、エリザちゃんが回復魔法で治した。

「「「 聖女様!! 」」」「「「 聖女様!! 」」」
 「「「 聖女様!! 」」」「「「 聖女様!! 」」」
  「「「 聖女様!! 」」」「「「 聖女様!! 」」」
  「「「 聖女様!! 」」」「「「 聖女様!! 」」」
 「「「 聖女様!! 」」」「「「 聖女様!! 」」」
「「「 聖女様!! 」」」「「「 聖女様!! 」」」

 人々は両手を胸の前で組み、口々にそう叫んでいる!!

「そ、そんな~、困ります。いくら私が若く見えるからと言って。こう見えても30代半ばですし、子供も産んだ経験がありまして…」
 はい、ノエルさんのことではありませんから!!

「みなさん、静まってください!!私は聖女ではありません!!」
 エリザちゃんが集まった人達に声を掛ける。
「しかし…」
「あんな凄い魔法は見たことが無い…」

 普通、教会で回復魔法で治してもらうことはとても高額だった。
 わずかな怪我でも支払う事も出来ないような、金額を要求される場合もある。
 それだけ回復魔法が使えることは貴重なことだ。
 まして複数人、同時に回復させるなどあり得ない。
 町の人々にしてみれば回復魔法自体、見るのは初めてのことだろう。

「わ、私は…」
 エリザちゃんが困った顔をしている。
 俺が話に割って入ろうとすると、エリザちゃんが意を決した顔で言う。
「わ、私は聖女ではありません。魔女、そう私は魔女です!!」

 魔女か?!
 そう言えばここに来る途中、暇なので『ふかし話』をエリザちゃん達に話したな。
 
 例えばだ。
 魔法はイメージが大切だということ。
 発動させる時、もっともそうな呪文を唱えると効果が高くなる。(かも?)
 俺が以前、居たところでは魔法を使う女性を魔女と言ったこと。(空想の中では)
 魔女は黒いローブと頭頂部がとがった、黒いとんがり帽子をかぶっている。
 力のある魔女は右手に暗黒の意思を封印し、左目は邪気眼じゃきがんと言う選ばれし者が持つという第三の眼を持っている。
 その封印を解くことにより、特殊能力が呼び起されることを話して聞かせた。

 まあ以前、住んでいた世界なら『右手がうずく』のは、「マウス操作と軽作業からくる腱鞘炎けんしょうえん」だし。
 『左目がうずく』のは、「近視や遠視からくる眼精疲労」だけど!!


 魔女、初めて聞くその名前に人々は、戸惑ったがそれも一瞬のことだった。

「あの~、魔女様のお名前は…」
「私の名はエリザです」

 ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、
  魔女エリザ様、魔女エリザ様、魔女エリザ様、魔女エリザ様、魔女エリザ様、
  ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、
 魔女エリザ様、魔女エリザ様、魔女エリザ様、魔女エリザ様、魔女エリザ様、

 人々の心の中には、魔女エリザの名が刻み込まれた。



 買い物に来たが、これでは今日は無理だろう。
「俺達はまた日を改めてきます」
 門番さんにまた来ることを伝える。

「えっ?またですか」
「これでは買い付けどころではないでしょうから」
「わかりました、お待ちしております」

 門番さんは頭を下げ、俺達は出直すことにした。

◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇

 2週間が経ち、俺達はマンフレートの町へやってきた。
 あれからエリザちゃんは右手首に布を巻き左目に黒い眼帯をして、とんがり帽子と黒い服を着たいと言っていたが皆に反対され町人の姿のままだった。

 門のところに来るといつもの門番さんが居た。

「や、やあ、いらっしゃい」
「こんにちは!」
 俺達は挨拶をして市場まで歩く。
 朝、早い時間なのにたくさん人が居る。

 市場に並んでいる魚を見て、エリザちゃんが驚いている。
「まあ、凄い!!」
「お、おや?魔女様ではないですか?!先日はありがとうね」
 市場のおばちゃんが気さくに声を掛けてくる。

「ここにある物、全部買います!!」
 ストレージに入れておけば、駄目にならないからね。
 そう言って俺はお金を渡す。
「ジリヤ国硬貨なんだね。両替が本当は必要になるけど、魔女様御一行なら、私が後で換金しておくから。それに助けてくれた上に、そんなに買ってくれるのかい?!」
 そう言って喜んでくれた。
 やはり国によって貨幣は違うんだね。
 ストレージに驚いていた、店のおばちゃんが嬉しそうな顔をする。
 そして俺達は干物や生の魚をあるだけ買い付けた。


「エリアス様、これはなんですか?」
 生の海老を見て、エリザちゃんが不思議そうな顔をしている。
 交通手段が確立していないから、生ものは離れた場所では手に入らないから見たことが無いのも分かる。
「これは海老と言うんものだよ」
「海老ですか?」
「醤油をかけて食べると、美味しいんだよ」
「おじさん、海老を買うからここで食べて行っていいかな?」
「あぁ、いいよ。ここでないと生では食べれないからね」
 そう言われ俺はストレージから皿を出した。
 殻をむき皿に醬油をたらし海老に付けて口に入れる。
「う~ん、美味しい!!」
「ほんと、美味しいです」
「美味しいですわ」
 エリザちゃんとメイドのアーネさんも絶賛している。

「それはなんだい?」
 店のおじさんが聞いてくる。

「これは醤油と言う調味料です」
「醤油?」
「えぇ、生ものや焼き魚に合う調味料で刺身にも合います」
「俺も付けて食べても良いかな?」
「どうぞ、どうぞ」
 おじさんも興味があるのか、海老を1匹むき醬油に付けて口に入れる。
「美味い!!なんという、美味しさだ」
「醬油はジリヤ国の商業ギルド経由で買えますよ」
「ほう、そうなのか?」

 すると周りの商人やお客さんが集まってくる。
「俺にもくれ!」
「俺にも!」
「私にもおくれ!!」

 みんな手に手に海老をむき始める。
「旨い!!」
「美味しい!!」
「ほんと。美味いよ」
「醤油がこんなに合うとは知らなかった」

 みんな喜んでいる。
 これでワサビがあれば…。

 しかし、この海老の代金は誰が払うんだ?
 俺じゃないよね?
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。 そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。 カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。 やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。 魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。 これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。 エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。 第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。 旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。 ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載

目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。

桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。

不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。 強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。 死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。 再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。 ※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。 ※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

処理中です...