完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

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第14章 マジスカ領

第186話 第一歩

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 デリクさんが荷物を下ろしている間、俺とエリザちゃんは客間に通された。
 
「お待たせして申し訳ありません」
 そう言いながらデリクさんが、部屋に入って来た。
「あ、いえ、大丈夫ですから」
 俺がそう答えるとデリクさんは、俺達が座っているソファの向かいに腰掛ける。
「では早速ですが、これをお納めください」
 そう言うとデリクさんは15cmくらいに膨らんだ、金貨が入ったと思われる布袋をテーブルの上に置いた。
 ガシャ!!

「300万円あります。今、我が商店でご用意できるのはこれだけです。助けて頂いたのに、申し訳ありません」
 デリクさんがすまなそうに頭を下げる。
「十分ですから。ありがとうございます」
 特に報酬が目的で助けたわけではない。
 降りかかる火の粉を、指ではじいた程度だ。
 丁度、この国の貨幣が手に入ったので助かるよ。


「それでエリアス様達は、これからどうされるので?」
「そうですね、まずはマジスカ公爵様に会えればと思いまして」
「マジスカ公爵様にですか?」
「えぇ、そうです」
「ですがマジスカ公爵様と、面識やお約束はあるのでしょうか?」
「いえ、ありません」
「それでは、難しいのではないのでしょうか?」
 ごもっともです。
 確かに貴族に会うには事前にアポを取り、日を改めるのが普通だけど。
 でもなぜ今、本人が居て返答が出来るのに日を改める必要がある?

「エリアス様は商人を、されておいでですよね。ご紹介がない方とはお会いしないと思いますが。失礼ですが、どんなご用件なのでしょうか?」
「実は貿易をしたいと思いまして」
「貿易ですか?交易ではなく」
 デリクさんが聞き返してくる。
 貿易とは国同士で売り買いの、取引することを言うからだ。
「はい、そうです。鉄、鋼、銀、銅、鉛などの鉱物です」
「鉱物ですと?!そ、それは凄い事です、本当でしょうか!!」
 この世界で鉱山を持っている国は少ない。
 そのため、それ以外の国は他国から輸入する他はない。
 しかしルートが更に安く開けるなら、それは画期的なことになる。
「本当です。マジスカ領と貿易できればと思いまして」
「ではエリアス様は、ジリヤ国の方なのでしょうか?」
 あぁ、そうか。
 今、鉱物取引が出来るとしたら、俺のセトラー国かジリヤ国くらいだろう。

「えぇ、ジリヤ国のほうから来ました」
 決してジリヤ国から来たとは言っていない。
 よく訪販販売が使う『〇〇のほう(方向)から来ました』
 というやつだ。
 そこから来たとは言っていない。
 今は俺がセトラー国の人間だと言う事は伏せて置きたい。

「ですが身分を証明できる物がございませんと」
 身分証明??
 そう言えば以前、ファイネン公爵から紋章が入ったメダルを手渡されたな。
 俺はストレージから、メダルを出した。
「これならどうでしょうか?」
「これは?」
「ジリヤ国東にあるファイネン公爵家のメダルです」
「?!あのジリヤ国で8領中、2代筆頭と言われるファイネン公爵家ですか!」
「えぇ、そうです。ちなみにエリザちゃんは、そのファイネン公爵様の娘です」
「おぉ、こ、これは失礼いたしました!!」
 俺も貴族と思ったのか、デリクさんが膝まづこうとする。

「かしこまらないでください。今まで通りで結構ですから」
「そ、そうですか。ありがとうございます」
 デリクさんは礼を言い、またソファに座りなおした。

「ではエリアス様。いかがでしょうか?メダルを預けて頂ければ手紙を添えて、我が家から使いの者を出しましょう」
 それはお願いしたいところだ。
 まさか他国とは言え、公爵のメダルを悪用するとも思えない。
「それは願ってもないことです。是非、お願いします」

 俺は手紙に自分の名前とセトラー国を建国したこと。
 鉄、鋼、銀などの鉱物取引の事を手紙に書きデリクさんに渡した。
 取引をするならエリアス商会を置き、そこから卸さないと。
 もうアルバンさんのところも、人も育っているだろうから。
 それから運送用の鉄道を引くことや駅設立を書いた。
 蒸気機関車の技術を教えるかはその後の話し次第だ。

 使いの者には俺のことはまだ確約していない話なので、ジリヤ国の要人だと思われていることも書いた。

「お預かり致します。さっそく使いの者に届けさせますから」
 そう言うとデリクさんは、手紙をすぐに届ける手配をしてくれた。



「公爵様よりお返事を頂くのに、お時間がかかると思われます。それまでどこかに泊まられるといいでしょう」
「そうですね、おすすめの宿屋はありますか?」
「えぇ、この近くに『桃源とうげんの湯』と言う温泉宿がありまして」
「温泉ですか?!いいですね」
「そこのお湯につかると子宝に恵まれるという…「泊まります!!さあ、参りましょう、エリアス様。畑に種を蒔きましょう」
 見るとエリザちゃんが俺の手を取り立ち上がろうとする。

 まだそれは早いと思います!!
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