神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました

下菊みこと

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商人

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そんな会話をしていたら、商人が到着したらしい。

「ゴッドリープ様、キューケン様。商人が到着しました。大広間にてたくさんの商品を並べてお待ちしております」

「わかったよ、ありがとう。キュー、行こうか」

「うん、兄様」

兄様と手を繋いで、大広間へと向かう。

大広間にはたくさんの商品がずらりと並んでいて、中央にやや細身だが身なりのいい綺麗なおじさんがいた。

「これはこれはゴッドリープ様。大切な愛らしい妹御が出来たとか」

「はは。久しいね、ルーヴ。この子が可愛いオレの妹だよ」

「おや、これはまるで生き写しのようにそっくりだ」

「血の繋がりはおそらくないのだけどね」

「キューはキューケンです。ルーヴのおじ様、よろしくね」

幼女の皮を被ってご挨拶。

ルーヴとやらは、一瞬きょとんとしたが人に好かれる穏やかな笑みを浮かべた。

「キュー様、よろしくお願い致しますね」

「うん」

「ではさっそくですがキュー様。まずは家具から、欲しいものはありますか?」

大広間に広げられた商品を見るに、必要なものは全て揃っている。

あとは好きなシリーズを選べってことらしい。

「じゃあ…キュー、これがいい」

見た目に女の子らしさはありつつも落ち着きのある自然な木の色を活かした、可愛らしさと大人っぽさの中間をいくデザインの家具シリーズを選ぶ。ちなみに和風な家具だ。

大人になった後もずっと愛用できるだろうものだ。

「へえ、キューはこういうのが好みなんだね」

「うん」

「さすがはキュー様、お目が高い」

ということで家具のシリーズは決定。

カーテンや敷物は白や青の落ち着いた色を選ぶ。

私に与えられた部屋は例に漏れず和洋折衷な感じのお部屋だったので、まあ全体的に家具シリーズ含めそこまでチグハグに見えることはないだろう。

「では、あとは服ですね」

「服かぁ」

あまりセンスがない人間なので、不安。

そう思っていたら、それが伝わったのか単なる気分か。

兄様が前に出た。

「キュー、もし嫌じゃなければ兄様が選んでもいいかな」

「うん、お願い」

ということで兄様が私の服を選んでくれる。

国が和洋折衷な文化だからか、パラディース教が和風びいきだからか。

商人さんが持ってきた服も洋服も有れども大体は和風な着物で。

それも一目でわかるほど高級そうなものが多い。

そこから兄様が片っ端からお気に召した服を選んでいく。

「これとこれとこれとこれとこれもいいね」

「こ、こんなに?」

「キューは見た目がいいから似合うものが多いからね」

「キュー様、とても良くお似合いですよ」

「えっと、えっと。ありがとう…?」

ただ、兄様の気遣いだろうか。

着物にせよ洋服にせよ子供用の服なのに、あまりにも子供っぽすぎるデザインは避けてくれている。

ありがたや、ありがたや。

精神的にはそこまで子供でない私でも抵抗なく着れるデザインのモノばかりで一安心。

「じゃあ、今回の買い物はこの辺にしておこうかな」

「ありがとうございました。お部屋にお運びいたしますね」

「よろしく。料金はこれでいいかな」

「…毎回ですが、いつも多過ぎます」

「チップだよチップ」

ジャラジャラと金貨の入っているだろう袋を受け取る商人さんは、嬉しそうだが複雑そう。

手の感覚で大体の金額に察しがつくほどの金貨の量とかやばいな。

パラディース教、庇護とその後の自立を主としているからこそ自立後の教徒たちから自主的に願い出るお布施の額もそれなりなのかもしれない。

兄様が教徒たちに与えた恩は、本人たちにとってはものすごいだろうからなぁ。

そんな風に思っている間に、商人さんは部下に商品を運ばせ帰っていった。

「兄様、色々ありがとう」

「ふふ、じゃあさっそく着たい服を選んで着替えようか。キューを捨てた人たちから与えられたその服は捨てちゃおうね」

おや。

意外と、兄様は私の両親や乳母に思うところがある様子。

深く突っ込まれていないからとはいえ、自分からは詳しい事情をあまり話さないでおいているのは正解っぽいなと思った。
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