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皇帝陛下の愛娘は女神ではなく皇女として生きる
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「パパ!」
リリアージュはいるはずのないナタナエルの登場に驚きつつも、嬉しくて抱きついた。若干、あまりに一方的で不快なプロポーズを早く忘れてしまおうという気持ちもある。
ナタナエルはリリアージュを優しく抱き抱え、そのままウジェーヌ王国の国王と王太子を一瞥する。が、その場を付いて来させたルイスに任せてリリアージュの友人共々さっさと転移魔法で帰ろうとした。ルイスは一人でも転移魔法で帰って来られるし、命令が無くてもナタナエルの望む処罰など手に取るようにわかるからだ。
しかしそれにすぐに気付いたリリアージュが待ったをかける。いい加減、リリアージュも自分が持つ影響力は自覚済み…とまではいかないが、なんとなく父が望む処罰はわかっていた。せっかく助けた同盟国を失うのはどうかと思う。
ナタナエルの転移魔法を止めさせたリリアージュはナタナエルの腕から抜け出し、胸を張って王太子に向かって言い放った。
「私は女神ではなく皇女として生きるつもりです。そしていずれは皇太子、女帝にまで上り詰めて見せましょう。その時に、同盟国が一つ減っていたらとても悲しいです。わかっていただけますか?」
その言葉にさすがにこれはまずいと思った国王は非礼を詫び土下座した。ナタナエルは興味なさげに見下ろしていたが、リリアージュはニコリと微笑む。
しかし、王太子の方は納得していなかった。
「何故ですか、リリアージュ様。今のナタナエル皇国ほど広い国土は持ちませんが、ウジェーヌ王国は十分に栄えている国です!経済的な面ではナタナエル皇国にだって引けは取らない!絶対生活には困らせません!」
ナタナエルの機嫌が絶対零度まで下がる。リリアージュは背中から感じるブリザードに気付かない振りをしつつ、言い切った。
「私、貴方に恋をしていないんです」
「…!」
「貴方が私のどこを気に入って、あるいはどんな打算でプロポーズしてくださったのかはわからないです。けど、私は愛のある結婚を目指しているので、ごめんなさい」
「打算なんかじゃない!私は貴女の慈悲深さに、美しさに、強さに惚れ込んだのです!」
リリアージュは困ったように笑う。
「私は優しいだけではありません。醜い部分もあります。心はむしろ弱い方です。きっと、期待外れですよ。それより、お互い良き統治者を目指して切磋琢磨できる関係を築きましょう」
リリアージュの言葉に、王太子はしばらく項垂れるものの土下座して先程までの非礼を詫びた。その上で、神殿の保持とリリアージュを信仰する許可を請い願う。
「いやぁ…それはちょっと…」
「リリアージュ様、お願いです」
「んー?」
「リリアージュが嫌がっているだろう、やめろ」
またブリザードが吹き荒れる。いい加減さすがにこれ以上はリリアージュでも庇えない。
「やめてください、王太子殿下」
「…わかりました」
これにてせっかく建てられた立派な神殿は取り壊しが決定し、リリアージュ達はさっさと帰っていった。リリアージュの計らいでなんとかウジェーヌ王国は許されたが、本来ならナタナエルに目を付けられた時点で終わりである。リリアージュの懐の深さに、ますます心酔する王太子に国王は頭を抱えた。
とはいえ一応、一件落着である。あんなことがあった後も変わらず無邪気に笑うリリアージュに、ナタナエルはもっと早くに助けに行ければよかったのにと残念に思ってはいたが、ルイスにギリギリまで助け舟は出さないように釘を刺されていたので仕方がなかった。当のルイスはナタナエルに恨みがましい目を向けられても何処吹く風であった。
リリアージュはいるはずのないナタナエルの登場に驚きつつも、嬉しくて抱きついた。若干、あまりに一方的で不快なプロポーズを早く忘れてしまおうという気持ちもある。
ナタナエルはリリアージュを優しく抱き抱え、そのままウジェーヌ王国の国王と王太子を一瞥する。が、その場を付いて来させたルイスに任せてリリアージュの友人共々さっさと転移魔法で帰ろうとした。ルイスは一人でも転移魔法で帰って来られるし、命令が無くてもナタナエルの望む処罰など手に取るようにわかるからだ。
しかしそれにすぐに気付いたリリアージュが待ったをかける。いい加減、リリアージュも自分が持つ影響力は自覚済み…とまではいかないが、なんとなく父が望む処罰はわかっていた。せっかく助けた同盟国を失うのはどうかと思う。
ナタナエルの転移魔法を止めさせたリリアージュはナタナエルの腕から抜け出し、胸を張って王太子に向かって言い放った。
「私は女神ではなく皇女として生きるつもりです。そしていずれは皇太子、女帝にまで上り詰めて見せましょう。その時に、同盟国が一つ減っていたらとても悲しいです。わかっていただけますか?」
その言葉にさすがにこれはまずいと思った国王は非礼を詫び土下座した。ナタナエルは興味なさげに見下ろしていたが、リリアージュはニコリと微笑む。
しかし、王太子の方は納得していなかった。
「何故ですか、リリアージュ様。今のナタナエル皇国ほど広い国土は持ちませんが、ウジェーヌ王国は十分に栄えている国です!経済的な面ではナタナエル皇国にだって引けは取らない!絶対生活には困らせません!」
ナタナエルの機嫌が絶対零度まで下がる。リリアージュは背中から感じるブリザードに気付かない振りをしつつ、言い切った。
「私、貴方に恋をしていないんです」
「…!」
「貴方が私のどこを気に入って、あるいはどんな打算でプロポーズしてくださったのかはわからないです。けど、私は愛のある結婚を目指しているので、ごめんなさい」
「打算なんかじゃない!私は貴女の慈悲深さに、美しさに、強さに惚れ込んだのです!」
リリアージュは困ったように笑う。
「私は優しいだけではありません。醜い部分もあります。心はむしろ弱い方です。きっと、期待外れですよ。それより、お互い良き統治者を目指して切磋琢磨できる関係を築きましょう」
リリアージュの言葉に、王太子はしばらく項垂れるものの土下座して先程までの非礼を詫びた。その上で、神殿の保持とリリアージュを信仰する許可を請い願う。
「いやぁ…それはちょっと…」
「リリアージュ様、お願いです」
「んー?」
「リリアージュが嫌がっているだろう、やめろ」
またブリザードが吹き荒れる。いい加減さすがにこれ以上はリリアージュでも庇えない。
「やめてください、王太子殿下」
「…わかりました」
これにてせっかく建てられた立派な神殿は取り壊しが決定し、リリアージュ達はさっさと帰っていった。リリアージュの計らいでなんとかウジェーヌ王国は許されたが、本来ならナタナエルに目を付けられた時点で終わりである。リリアージュの懐の深さに、ますます心酔する王太子に国王は頭を抱えた。
とはいえ一応、一件落着である。あんなことがあった後も変わらず無邪気に笑うリリアージュに、ナタナエルはもっと早くに助けに行ければよかったのにと残念に思ってはいたが、ルイスにギリギリまで助け舟は出さないように釘を刺されていたので仕方がなかった。当のルイスはナタナエルに恨みがましい目を向けられても何処吹く風であった。
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