56 / 62
皇帝陛下の愛娘は皇配教育を受ける婚約者を応援する
しおりを挟む
今日、リリアージュはシモンとラウル、エミリアとレオノールと共にキッチンに立っている。それというのも愛しい婚約者、ニコラの為である。
ニコラは毎日、皇配教育で忙しく過ごしている。しかし、リリアージュに対しては常にいつも通り柔らかな微笑みを浮かべている。そんなニコラをリリアージュは心配していた。
そこでリリアージュは、シモンとラウル、エミリアとレオノールに皇配教育を頑張っているニコラを応援したいがどうすればいいかと相談をしたのだ。
シモンが素直に応援の言葉をくれてやるだけでニコラは喜ぶといい、ラウルは何かご褒美のプレゼントをするのもモチベーションが上がるかもしれないという。
ならば応援の言葉と共にプレゼントを贈ろうということになったが、問題はプレゼントである。あまりに仰々しいものではかえってニコラが困るだろう。けれど心のこもったプレゼントを贈りたい。
そこでエミリアが、ならば手作りの品を贈るのが一番ではないかと提案した。それは良いということになり、レオノールが手作りの品なら焼き菓子などはどうかと、それならばレオノールが教えられるから一緒に作ろうと言った。
ということで、レオノールが簡単で可愛らしい焼き菓子の作り方を教えてくれる。簡単と言っても、他のお菓子作りと比べてである。お菓子作り初心者のリリアージュには充分に難しかったが、なんとか形になった。
ついでに、一緒に作っていたシモンとラウル、エミリアとレオノールも上手く作れたらしい。婚約者同士で交換し合いきゃっきゃうふふと食べている。いや、実際には案外さらっと交換して感想を述べ合っていただけだが、リリアージュにはラブラブな婚約者同士の甘い時間に見えていた。その光景を見たリリアージュはニコラにも喜んで貰えそうだと期待する。
そして、リリアージュはそろそろ勉強の終わっただろうニコラを迎えにいく。少しの時間ではあるがリリアージュとニコラにとっては大切な逢瀬の時間。リリアージュはニコラに可愛らしくラッピングした焼き菓子を渡した。
「ニコラ、いつも皇配教育を頑張ってくれてありがとう。頑張り屋さんなニコラのために、焼き菓子を作ってみたの。食べてくれる?」
「…もしかしてリリアージュの手作り!?絶対食べる!今食べても良い?」
「もちろん!」
ニコラは大切そうに丁寧に包みを開けて、焼き菓子を一つ手に取る。手作りだとわかりやすい、ちょっとだけ歪なそれがニコラには心底愛おしかった。
「では、いただきます」
一口口に含むと優しい甘さが広がった。まるでリリアージュのくれる感情そのもののような味に、ニコラは思わず自然に微笑む。
「美味しい…リリアージュ、最高の贈り物をありがとう。これで明日からもまた頑張れるよ」
ニコラの眩しいくらいの笑みにリリアージュも嬉しくなる。リリアージュはニコラに抱きついた。そんなリリアージュを優しく抱きとめたニコラは、リリアージュの柔らかな髪に指を絡ませて幸せを感じる。
実のところを言えば、ニコラは少し疲れていた。いくら勉強を頑張っても、学ぶべきことはまだまだ多い。幼いうちから勉強出来ていれば違ったかもしれないが、ニコラがリリアージュの婚約者になったのは三年前。よく三年でここまで皇配教育が進んだものだと思うほどニコラは優秀だったが、それでもまだまだ足りなかった。
当然先生方はニコラに厳しく接するし、あまり褒めてはもらえない。ストレスは徐々に蓄積していった。
しかし、ここにきてリリアージュからの嬉しい言葉付きの手作りの焼き菓子のプレゼントである。ニコラは俄然やる気が出るのを感じた。
さらにリリアージュからのハグですごく癒される。ニコラは先程まで感じていた疲労とストレスが霧散していく感覚を覚えた。
「リリアージュ、もしよかったらまた何か作って欲しいな」
ニコラはちょっとだけリリアージュに甘えてみる。リリアージュはニコラに甘えられたのが嬉しくて笑顔で受け入れる。
「もちろんだよ!そうしたら、明日はレオノールちゃんに教えてもらってガトーショコラを作ってみるね!」
ちなみにガトーショコラはリリアージュの好物である。そんなリリアージュにニコラは愛おしさが募る。
「うん、楽しみにしているね」
そして逢瀬の時間は終わる。けれどリリアージュは目的であったニコラへの応援が叶い、ニコラと甘い時間を過ごせたことで大満足でニコラを見送る。さらに、明日の目標が決まったことで、るんるん気分だった。
翌日レオノールに相談して、皇配教育があるニコラ以外のみんなでガトーショコラを作ってみる。
わいわいと楽しみながら、ニコラへの愛情たっぷりに作ったガトーショコラはレオノールが教えてくれただけあって初めてにしては上出来だった。
今日も皇配教育の終わったニコラを迎えに行き、リリアージュの部屋でほんの少しの逢瀬の時間にガトーショコラをプレゼントする。
ニコラは本当に嬉しそうに受け取り、美味しい美味しいと完食してくれた。リリアージュは心が満たされるのを感じ、ニコラも幸せを噛み締めていた。
ニコラは毎日、皇配教育で忙しく過ごしている。しかし、リリアージュに対しては常にいつも通り柔らかな微笑みを浮かべている。そんなニコラをリリアージュは心配していた。
そこでリリアージュは、シモンとラウル、エミリアとレオノールに皇配教育を頑張っているニコラを応援したいがどうすればいいかと相談をしたのだ。
シモンが素直に応援の言葉をくれてやるだけでニコラは喜ぶといい、ラウルは何かご褒美のプレゼントをするのもモチベーションが上がるかもしれないという。
ならば応援の言葉と共にプレゼントを贈ろうということになったが、問題はプレゼントである。あまりに仰々しいものではかえってニコラが困るだろう。けれど心のこもったプレゼントを贈りたい。
そこでエミリアが、ならば手作りの品を贈るのが一番ではないかと提案した。それは良いということになり、レオノールが手作りの品なら焼き菓子などはどうかと、それならばレオノールが教えられるから一緒に作ろうと言った。
ということで、レオノールが簡単で可愛らしい焼き菓子の作り方を教えてくれる。簡単と言っても、他のお菓子作りと比べてである。お菓子作り初心者のリリアージュには充分に難しかったが、なんとか形になった。
ついでに、一緒に作っていたシモンとラウル、エミリアとレオノールも上手く作れたらしい。婚約者同士で交換し合いきゃっきゃうふふと食べている。いや、実際には案外さらっと交換して感想を述べ合っていただけだが、リリアージュにはラブラブな婚約者同士の甘い時間に見えていた。その光景を見たリリアージュはニコラにも喜んで貰えそうだと期待する。
そして、リリアージュはそろそろ勉強の終わっただろうニコラを迎えにいく。少しの時間ではあるがリリアージュとニコラにとっては大切な逢瀬の時間。リリアージュはニコラに可愛らしくラッピングした焼き菓子を渡した。
「ニコラ、いつも皇配教育を頑張ってくれてありがとう。頑張り屋さんなニコラのために、焼き菓子を作ってみたの。食べてくれる?」
「…もしかしてリリアージュの手作り!?絶対食べる!今食べても良い?」
「もちろん!」
ニコラは大切そうに丁寧に包みを開けて、焼き菓子を一つ手に取る。手作りだとわかりやすい、ちょっとだけ歪なそれがニコラには心底愛おしかった。
「では、いただきます」
一口口に含むと優しい甘さが広がった。まるでリリアージュのくれる感情そのもののような味に、ニコラは思わず自然に微笑む。
「美味しい…リリアージュ、最高の贈り物をありがとう。これで明日からもまた頑張れるよ」
ニコラの眩しいくらいの笑みにリリアージュも嬉しくなる。リリアージュはニコラに抱きついた。そんなリリアージュを優しく抱きとめたニコラは、リリアージュの柔らかな髪に指を絡ませて幸せを感じる。
実のところを言えば、ニコラは少し疲れていた。いくら勉強を頑張っても、学ぶべきことはまだまだ多い。幼いうちから勉強出来ていれば違ったかもしれないが、ニコラがリリアージュの婚約者になったのは三年前。よく三年でここまで皇配教育が進んだものだと思うほどニコラは優秀だったが、それでもまだまだ足りなかった。
当然先生方はニコラに厳しく接するし、あまり褒めてはもらえない。ストレスは徐々に蓄積していった。
しかし、ここにきてリリアージュからの嬉しい言葉付きの手作りの焼き菓子のプレゼントである。ニコラは俄然やる気が出るのを感じた。
さらにリリアージュからのハグですごく癒される。ニコラは先程まで感じていた疲労とストレスが霧散していく感覚を覚えた。
「リリアージュ、もしよかったらまた何か作って欲しいな」
ニコラはちょっとだけリリアージュに甘えてみる。リリアージュはニコラに甘えられたのが嬉しくて笑顔で受け入れる。
「もちろんだよ!そうしたら、明日はレオノールちゃんに教えてもらってガトーショコラを作ってみるね!」
ちなみにガトーショコラはリリアージュの好物である。そんなリリアージュにニコラは愛おしさが募る。
「うん、楽しみにしているね」
そして逢瀬の時間は終わる。けれどリリアージュは目的であったニコラへの応援が叶い、ニコラと甘い時間を過ごせたことで大満足でニコラを見送る。さらに、明日の目標が決まったことで、るんるん気分だった。
翌日レオノールに相談して、皇配教育があるニコラ以外のみんなでガトーショコラを作ってみる。
わいわいと楽しみながら、ニコラへの愛情たっぷりに作ったガトーショコラはレオノールが教えてくれただけあって初めてにしては上出来だった。
今日も皇配教育の終わったニコラを迎えに行き、リリアージュの部屋でほんの少しの逢瀬の時間にガトーショコラをプレゼントする。
ニコラは本当に嬉しそうに受け取り、美味しい美味しいと完食してくれた。リリアージュは心が満たされるのを感じ、ニコラも幸せを噛み締めていた。
12
あなたにおすすめの小説
【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
騎士団の繕い係
あかね
ファンタジー
クレアは城のお針子だ。そこそこ腕はあると自負しているが、ある日やらかしてしまった。その結果の罰則として針子部屋を出て色々なところの繕い物をすることになった。あちこちをめぐって最終的に行きついたのは騎士団。花形を譲って久しいが消えることもないもの。クレアはそこで繕い物をしている人に出会うのだが。
【完結】断頭台で処刑された悪役王妃の生き直し
有栖多于佳
恋愛
近代ヨーロッパの、ようなある大陸のある帝国王女の物語。
30才で断頭台にかけられた王妃が、次の瞬間3才の自分に戻った。
1度目の世界では盲目的に母を立派な女帝だと思っていたが、よくよく思い起こせば、兄妹間で格差をつけて、お気に入りの子だけ依怙贔屓する毒親だと気づいた。
だいたい帝国は男子継承と決まっていたのをねじ曲げて強欲にも女帝になり、初恋の父との恋も成就させた結果、継承戦争起こし帝国は二つに割ってしまう。王配になった父は人の良いだけで頼りなく、全く人を見る目のないので軍の幹部に登用した者は役に立たない。
そんな両親と早い段階で決別し今度こそ幸せな人生を過ごすのだと、決意を胸に生き直すマリアンナ。
史実に良く似た出来事もあるかもしれませんが、この物語はフィクションです。
世界史の人物と同名が出てきますが、別人です。
全くのフィクションですので、歴史考察はありません。
*あくまでも異世界ヒューマンドラマであり、恋愛あり、残業ありの娯楽小説です。
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
妹の身代わりに殺戮の王太子に嫁がされた忌み子王女、実は妖精の愛し子でした。嫁ぎ先でじゃがいもを育てていたら、殿下の溺愛が始まりました・長編版
まほりろ
恋愛
国王の愛人の娘であるアリアベルタは、母親の死後、王宮内で放置されていた。
食事は一日に一回、カビたパンやまふ腐った果物、生のじゃがいもなどが届くだけだった。
しかしアリアベルタはそれでもなんとか暮らしていた。
アリアベルタの母親は妖精の村の出身で、彼女には妖精がついていたのだ。
その妖精はアリアベルタに引き継がれ、彼女に加護の力を与えてくれていた。
ある日、数年ぶりに国王に呼び出されたアリアベルタは、異母妹の代わりに殺戮の王子と二つ名のある隣国の王太子に嫁ぐことになり……。
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
※中編を大幅に改稿し、長編化しました。2025年1月20日
※長編版と差し替えました。2025年7月2日
※コミカライズ化が決定しました。商業化した際はアルファポリス版は非公開に致します。
【完結】王太子と宰相の一人息子は、とある令嬢に恋をする
冬馬亮
恋愛
出会いは、ブライトン公爵邸で行われたガーデンパーティ。それまで婚約者候補の顔合わせのパーティに、一度も顔を出さなかったエレアーナが出席したのが始まりで。
彼女のあまりの美しさに、王太子レオンハルトと宰相の一人息子ケインバッハが声をかけるも、恋愛に興味がないエレアーナの対応はとてもあっさりしていて。
優しくて清廉潔白でちょっと意地悪なところもあるレオンハルトと、真面目で正義感に溢れるロマンチストのケインバッハは、彼女の心を射止めるべく、正々堂々と頑張っていくのだが・・・。
王太子妃の座を狙う政敵が、エレアーナを狙って罠を仕掛ける。
忍びよる魔の手から、エレアーナを無事、守ることは出来るのか?
彼女の心を射止めるのは、レオンハルトか、それともケインバッハか?
お話は、のんびりゆったりペースで進みます。
残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる