111 / 113
4-27
しおりを挟む
◇
薄い消毒液のにおいで夏弥の意識は冴え出してくる。
目を開けるとそこは保健室。ベッドの上。
視界には灰色の天井がただのっぺりと広がっているだけだ。
直後、横から聞き慣れた女の子の声が飛んでくる。
「あ、なつ兄起きた!」
「……秋乃?」
その声の主は藤堂秋乃だった。
夏弥が目覚めるまでのあいだ、ベッドの脇の長椅子に腰を下ろしていたらしい。
夏弥のことが心配でたまらなかったご様子。
黒髪のパーマはいつものようにくるくるとカールしていた。
ただメガネの奥の瞳はちょっぴり潤んでいて、不安という名の毒がいつまでも癒えずにいるみたいだった。
「身体の調子、大丈夫……?」と秋乃はうかがってくる。
「だ……大丈夫……。いやごめん。ウソだ。……ちょっとダルいかも」
「そっか……。やっぱり風邪もらったんじゃない? ……まだ美咲ちゃんの風邪、治ってないんだよね?」
秋乃はメガネをずらし、目元を少しこする。
夏弥が倒れたことで、さっきまで少々涙ぐんでいたようだった。
「まぁ……今朝の時点で美咲はもうほとんど治ってたと思うんだ。ていうか……俺、どうなったんだ? 体育館のギャラリーに行こうとしたところまでは覚えてるんだけど、その先の記憶がハッキリしてないわ……」
「……はぁ」
秋乃は安堵のため息を一つついてから、ここまでの流れを話し始める。
「なつ兄が倒れそうになった所を私が支えたんだよ。その後、たまたま近くの廊下を歩いていた先生が私の声に気付いて、助けてくれて。……それにしても、階段からあのまま落ちなくてほんっとによかった! 一時はどうなるかと思ったよ~」
ベッドで横になり続けている兄に向って、秋乃は柔らかい笑顔を浮かべてみせる。
ひと安心ひと安心。
そんな心の声が聞こえてきそうな表情だった。
「そうだったんだな。……いや、心配かけて悪かったわ。……俺もまさか、いきなり意識が遠のくなんて思ってなくて……。寒い寒いとは思ってたんだけどさ」
「咳とかの症状が出てないからって、風邪ひいてないとは限らないんだよ? ……って、これさっき、保健のセンセーに言われたことだけどね」
「そうなんだな。……ていうか、その先生は? 今居ないみたいだけど」
夏弥は保健室の気配から、ここには自分と秋乃しか居ないようだと感じていた。
「今ね、職員室に行ってるんだよ。もうすぐ帰ってくるんじゃない?」
「そっか。……はぁ。この前に引き続き、また保健室に来るなんてな……。俺は保健室の神様にでも好かれてるのかもなぁ……。色々無茶するもんじゃないね。今日ので思い知りました」
「思い知ったか、なつ兄!」
「なんでお前が偉そうなんだよ……。ふざけてん、のかぁ……」
夏弥はちょっとだけ頭痛がして、声が変に伸びてしまう。
「ぷはっ。弱ってるなつ兄、おもしろいかも。今なら私が特別にお願いを聞いてしんぜようかなぁ」
夏弥の意識が戻り、一大事にならなかったこと。
そのことに秋乃は心底嬉しさを感じているようだった。
いつもの数倍はお調子に乗っていて、ずっとニコニコしている。
これはとんだブラコン妹でございます。
「お願いを聞いてしんぜようって……?」
「うん! 今ならなんでも言っていいよ? ワガママの一つや二つ、病気で弱ってる兄のためなら妹は喜んでひと肌脱ぎますよっ」
「うっ。……なんだか……嫌な予感がするから却下」
「あっ⁉ なんで⁉ こういう時はガッツリ頼っちゃっていいんだよ? それとも『妹にかいがいしくお世話なんてされたくねぇよ』とかいう強情っ張りな兄貴肌が出てきたの?」
「そういうわけじゃない、けど。……うーん……そうだな。じゃあ、一ついい? お願いっていうか、驚かないで聞いてほしい話があるんだ」
「聞いてほしい話?」
夏弥は防災訓練の時、あの場では秋乃に言えなかったことを、今ここで言ってしまおうと思っていた。
なんとなく今の秋乃になら、スッと伝えられるような気がした。
夏弥はベッドで仰向けになった体勢のまま、目線を天井に預け、ぼそぼそと話し出す。
「実は俺…………今、美咲と付き合ってるんだ」
「えっ? そうだったんだ⁉」
秋乃は彼の言葉に素直に驚いた。
黒縁メガネの奥にある瞳をぱちくりとさせ、思考が一時停止する。
「うん。……ほら、一緒に登校してたのも、付き合い始めたからで……」
「……。そ、そっか。そうだよね! なつ兄と美咲ちゃんかぁ~。……。昔からすっごく仲良いって思ってたし、全然違和感ないよ。お似合いじゃないですかぁ!」
秋乃はさっきにも増してニコニコとしていた。
長椅子に座りながらそのお話を聞いていた秋乃は、制服のスカートに乗せていた手に、なぜか少しだけ力を入れていた。
その細かい仕草に、夏弥は気付けなかった。
仰向けで寝ていたため、無理もなかった。
「お似合いって……そうでもないだろ……? むしろビジュアル的には不釣り合い感がすごいと思うよ。俺の同級生も散々陰で言ってたと思うしなぁ」
「ううん、いいと思う。私は応援するよ~? 小さい頃から知ってる二人だしね。こういうのってロマンだよね、うんうん。……幼馴染同士がくっつくなんて、胸アツ展開過ぎるでしょ! 誰も割り込めないって感じじゃん?」
秋乃は、務めていつも通りの秋乃だった。
気さくな口ぶりに、柔軟な表情。それはセリフ通り、二人のことを明るく応援しようという態度だった。
さらにそのまま藤堂兄妹の会話は続き。
「それに、なつ兄と美咲ちゃんが一緒に登下校してるって知った時、さすがに私も薄々勘付いてたしねぇ~」
「やっぱりそうだったのか。……あ、でもこれ、実はまだ洋平には言ってないことなんだよな……」
「え、そうなの⁉」
夏弥の現状報告に、秋乃は驚かされてばかりだった。
「うん。アイツに言っちゃうと、俺達の関係が複雑になっていくような気がして……なんか言い出しにくくてさ」
「複雑……?」
「複雑だ。洋平にも色々あると思うしな……。あ、ところで、秋乃の相談ってなんだったんだよ? ずっと聞けずじまいで悪いと思ってたんだ。教えてくれない?」
「……っ!」
夏弥は自分の恋愛を打ち明けたことで、秋乃にも同じように相談事を打ち明けてほしいと思っていた。
この話題の振り方はとても自然だった。
尋ねられた秋乃のほうも、今なら話してしまってもいいような気がして。
「実はその……」
「うん」
夏弥は仰向けのまま、顔を少しだけ秋乃のほうに向ける。
珍しく秋乃は伏し目がちになって、言いづらそうに例の件を話し始めた。
「これ、言っていいのかわからないんだけど……。ほら、洋平ってよく彼女さんを家に連れ込んでくるじゃん?」
「ああ……なんだ。それぐらいだったら日常的に――」
夏弥は、やれやれと言った様子でそこまで聞いていた。
洋平が藤堂家のアパートに女の子を連れ込むことなんて、今更なお話。その程度であれば、住む場所を入れ替えたばかりの頃に大体予想はできていたものだ。
ただ、秋乃の言葉はそこで止まらなかった。
「夏休みの夜、私がトイレに行こうと思って部屋から出たら、なつ兄の部屋から変な音が聞こえてきたんだよね。……それで、そっと覗いてみたら、なつ兄のベッドでエッ〇してたみたいで……その、どうしたらいいか……私、わからなくて……」
「っ⁉」
秋乃から聞かされたその衝撃的な事実に、夏弥は声すら出せなかった。
イチャついたり添い寝をする程度ならともかく。
自分の部屋で、自分のベッドで、あの行為まで洋平が致してしまうのはさすが無いだろうと思っていたからである。
薄い消毒液のにおいで夏弥の意識は冴え出してくる。
目を開けるとそこは保健室。ベッドの上。
視界には灰色の天井がただのっぺりと広がっているだけだ。
直後、横から聞き慣れた女の子の声が飛んでくる。
「あ、なつ兄起きた!」
「……秋乃?」
その声の主は藤堂秋乃だった。
夏弥が目覚めるまでのあいだ、ベッドの脇の長椅子に腰を下ろしていたらしい。
夏弥のことが心配でたまらなかったご様子。
黒髪のパーマはいつものようにくるくるとカールしていた。
ただメガネの奥の瞳はちょっぴり潤んでいて、不安という名の毒がいつまでも癒えずにいるみたいだった。
「身体の調子、大丈夫……?」と秋乃はうかがってくる。
「だ……大丈夫……。いやごめん。ウソだ。……ちょっとダルいかも」
「そっか……。やっぱり風邪もらったんじゃない? ……まだ美咲ちゃんの風邪、治ってないんだよね?」
秋乃はメガネをずらし、目元を少しこする。
夏弥が倒れたことで、さっきまで少々涙ぐんでいたようだった。
「まぁ……今朝の時点で美咲はもうほとんど治ってたと思うんだ。ていうか……俺、どうなったんだ? 体育館のギャラリーに行こうとしたところまでは覚えてるんだけど、その先の記憶がハッキリしてないわ……」
「……はぁ」
秋乃は安堵のため息を一つついてから、ここまでの流れを話し始める。
「なつ兄が倒れそうになった所を私が支えたんだよ。その後、たまたま近くの廊下を歩いていた先生が私の声に気付いて、助けてくれて。……それにしても、階段からあのまま落ちなくてほんっとによかった! 一時はどうなるかと思ったよ~」
ベッドで横になり続けている兄に向って、秋乃は柔らかい笑顔を浮かべてみせる。
ひと安心ひと安心。
そんな心の声が聞こえてきそうな表情だった。
「そうだったんだな。……いや、心配かけて悪かったわ。……俺もまさか、いきなり意識が遠のくなんて思ってなくて……。寒い寒いとは思ってたんだけどさ」
「咳とかの症状が出てないからって、風邪ひいてないとは限らないんだよ? ……って、これさっき、保健のセンセーに言われたことだけどね」
「そうなんだな。……ていうか、その先生は? 今居ないみたいだけど」
夏弥は保健室の気配から、ここには自分と秋乃しか居ないようだと感じていた。
「今ね、職員室に行ってるんだよ。もうすぐ帰ってくるんじゃない?」
「そっか。……はぁ。この前に引き続き、また保健室に来るなんてな……。俺は保健室の神様にでも好かれてるのかもなぁ……。色々無茶するもんじゃないね。今日ので思い知りました」
「思い知ったか、なつ兄!」
「なんでお前が偉そうなんだよ……。ふざけてん、のかぁ……」
夏弥はちょっとだけ頭痛がして、声が変に伸びてしまう。
「ぷはっ。弱ってるなつ兄、おもしろいかも。今なら私が特別にお願いを聞いてしんぜようかなぁ」
夏弥の意識が戻り、一大事にならなかったこと。
そのことに秋乃は心底嬉しさを感じているようだった。
いつもの数倍はお調子に乗っていて、ずっとニコニコしている。
これはとんだブラコン妹でございます。
「お願いを聞いてしんぜようって……?」
「うん! 今ならなんでも言っていいよ? ワガママの一つや二つ、病気で弱ってる兄のためなら妹は喜んでひと肌脱ぎますよっ」
「うっ。……なんだか……嫌な予感がするから却下」
「あっ⁉ なんで⁉ こういう時はガッツリ頼っちゃっていいんだよ? それとも『妹にかいがいしくお世話なんてされたくねぇよ』とかいう強情っ張りな兄貴肌が出てきたの?」
「そういうわけじゃない、けど。……うーん……そうだな。じゃあ、一ついい? お願いっていうか、驚かないで聞いてほしい話があるんだ」
「聞いてほしい話?」
夏弥は防災訓練の時、あの場では秋乃に言えなかったことを、今ここで言ってしまおうと思っていた。
なんとなく今の秋乃になら、スッと伝えられるような気がした。
夏弥はベッドで仰向けになった体勢のまま、目線を天井に預け、ぼそぼそと話し出す。
「実は俺…………今、美咲と付き合ってるんだ」
「えっ? そうだったんだ⁉」
秋乃は彼の言葉に素直に驚いた。
黒縁メガネの奥にある瞳をぱちくりとさせ、思考が一時停止する。
「うん。……ほら、一緒に登校してたのも、付き合い始めたからで……」
「……。そ、そっか。そうだよね! なつ兄と美咲ちゃんかぁ~。……。昔からすっごく仲良いって思ってたし、全然違和感ないよ。お似合いじゃないですかぁ!」
秋乃はさっきにも増してニコニコとしていた。
長椅子に座りながらそのお話を聞いていた秋乃は、制服のスカートに乗せていた手に、なぜか少しだけ力を入れていた。
その細かい仕草に、夏弥は気付けなかった。
仰向けで寝ていたため、無理もなかった。
「お似合いって……そうでもないだろ……? むしろビジュアル的には不釣り合い感がすごいと思うよ。俺の同級生も散々陰で言ってたと思うしなぁ」
「ううん、いいと思う。私は応援するよ~? 小さい頃から知ってる二人だしね。こういうのってロマンだよね、うんうん。……幼馴染同士がくっつくなんて、胸アツ展開過ぎるでしょ! 誰も割り込めないって感じじゃん?」
秋乃は、務めていつも通りの秋乃だった。
気さくな口ぶりに、柔軟な表情。それはセリフ通り、二人のことを明るく応援しようという態度だった。
さらにそのまま藤堂兄妹の会話は続き。
「それに、なつ兄と美咲ちゃんが一緒に登下校してるって知った時、さすがに私も薄々勘付いてたしねぇ~」
「やっぱりそうだったのか。……あ、でもこれ、実はまだ洋平には言ってないことなんだよな……」
「え、そうなの⁉」
夏弥の現状報告に、秋乃は驚かされてばかりだった。
「うん。アイツに言っちゃうと、俺達の関係が複雑になっていくような気がして……なんか言い出しにくくてさ」
「複雑……?」
「複雑だ。洋平にも色々あると思うしな……。あ、ところで、秋乃の相談ってなんだったんだよ? ずっと聞けずじまいで悪いと思ってたんだ。教えてくれない?」
「……っ!」
夏弥は自分の恋愛を打ち明けたことで、秋乃にも同じように相談事を打ち明けてほしいと思っていた。
この話題の振り方はとても自然だった。
尋ねられた秋乃のほうも、今なら話してしまってもいいような気がして。
「実はその……」
「うん」
夏弥は仰向けのまま、顔を少しだけ秋乃のほうに向ける。
珍しく秋乃は伏し目がちになって、言いづらそうに例の件を話し始めた。
「これ、言っていいのかわからないんだけど……。ほら、洋平ってよく彼女さんを家に連れ込んでくるじゃん?」
「ああ……なんだ。それぐらいだったら日常的に――」
夏弥は、やれやれと言った様子でそこまで聞いていた。
洋平が藤堂家のアパートに女の子を連れ込むことなんて、今更なお話。その程度であれば、住む場所を入れ替えたばかりの頃に大体予想はできていたものだ。
ただ、秋乃の言葉はそこで止まらなかった。
「夏休みの夜、私がトイレに行こうと思って部屋から出たら、なつ兄の部屋から変な音が聞こえてきたんだよね。……それで、そっと覗いてみたら、なつ兄のベッドでエッ〇してたみたいで……その、どうしたらいいか……私、わからなくて……」
「っ⁉」
秋乃から聞かされたその衝撃的な事実に、夏弥は声すら出せなかった。
イチャついたり添い寝をする程度ならともかく。
自分の部屋で、自分のベッドで、あの行為まで洋平が致してしまうのはさすが無いだろうと思っていたからである。
14
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる