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おそらくこちらが本性です2 ※
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翌朝、かすかな陽の光で目が覚めた。
しばらくぼんやりしたあと、真っ白な枕とシーツに、ここは旅先なのだと思い出した。エアコンが効いているせいか喉が渇いている。
吐息を感じて隣を見たら、八木沢さんが眠っていた。全裸で、無防備に。
悲鳴を上げそうになって息を飲んだら、軽く咳込んでしまった。
記憶違いでも夢でもない。彼の肩にある私のつけた爪痕が生々しい。きっと腕や背中にも傷があると思う。
(ああ、喉がカラカラなのは、喘ぎすぎたからだ……)
自分も全裸だから「服を着なくては」と上半身を起こすと、八木沢さんがゆっくり目を開いた。眠そうにぼんやりしていて、ちょっと可愛い。
「起こしてごめんなさい。おはようございます」
「ああ、すみません。寝すぎました……?」
「いえ、まだ六時前です」
「……そう」
現状を確認するかのように、ベッドサイドの時計を見て、それから隣にいる私を見て、八木沢さんがちょっと驚いた顔をしていた。
さすがに驚くよね。私も驚いたもん、この状況。
八木沢さんが横になったまま、腕をあげて髪をかきあげる。やっぱり腕にも爪痕がある。それをじっと見て彼が呟くように言った。
「……昨夜のこと、覚えてますか?」
私は即答できなかった。途中からぼんやりしていたけど、ちゃんと覚えている。
どれだけ自分が乱れたか、どれほど彼が淫らだったか。
「よ、酔っていたので、覚えてません!」
私がそう答えたら、八木沢さんが意地悪そうに笑った。一緒にディナーに行ったのだから、私が飲んだのは乾杯のスパークリングワインと、グラスワイン一杯だけだと知っている。
「嘘つき」
「ごめんなさい。嘘つきました。覚えています。全部……」
素直に謝ったのが面白いのか、彼が前髪をくしゃくしゃにしながら楽しそうに笑っているのを見て、愛おしいと思ってしまった。
「昨夜のあなたはとても可愛かったです」
「それは、きっと一時の気の迷いです。朝食の頃には忘れてますよ」
「そう思いますか? 試してみます?」
八木沢さんはそう言って私の腕を引くと、布団の中に引きずりこんだ。体勢を変えて私を寝かせると首筋にキスするからびっくりした。
「わ、私、朝風呂に入ろうかと……」
「ああ、いいですね。汗かいたし、流した方がいい。一緒に行きましょう」
「い、い、一緒に? なにするつもりですか!?」
「おや、お風呂に入るだけですよ。何か期待したんですか?」
笑っているのが悔しい。完全にからかっている。八木沢さんがこんなこと言うなんて想像してなかった。おそらくこちらが本性ですね。
「期待なんかしてません!」
「期待に応えてもいいんですよ?」
「だめ! 八木沢さん朝からえっちです!」
「普通です」
八木沢さんが楽しそうに笑いながら、私の胸にキスをする。ぴくりと反応してしまい、それをまた面白がっているから、逃げようとした。
「んーっ、や、です、だめだめ吸わないで……あっ、あぁ、んっ」
両腕を押さえつけてくるから逃げられない。乳房から先端までを、何度も舐められて甘く吸われて、背がのけ反る。寝起きで鈍感だと思っていたのに。
優しく甘噛みされたら気持ちいい。もう体を作り替えられている気がする。少し触れられただけなのに、自分でもわかるくらいに愛液が溢れている。
昨夜と違って、明るいから全部見えている。それが恥ずかしくて目を閉じた。顔を見られたくないから腕で隠した。
「恥ずかしい?」
私が頷くと、彼の体の下で、ひょいとうつぶせにされた。確かにお互い顔が見えないけど、これはこれで恥ずかしいような……。
腰を持ち上げられて膝が震えた。ちょっと怖い。
「入れますよ」
「は、い……」
私の中に入ってきた質量に下腹が苦しくなる。無防備な背中に視線を感じて、ぞくぞくした。私の視界には枕とシーツしかないけど、八木沢さんには全部見えてる。見られている。
奥まで充たされていたのに、ゆっくりと引き抜かれて背がのけ反った。愛液が溢れて内腿を伝う。もう一度挿入されて、また喘いだ。
「っ……あ、あぁ……!」
「綺麗だ」
そう呟いて、彼がビクビクと震える私の腰から背中を撫でる。優しく触れられただけなのに、背中ってこんなに感じるんだと驚いた。
後背から突き込まれると、昨夜と当たる場所が違う。でも痛くない。気持ちいい。
ガツガツと最奥を責め立てられて、律動とともに喘いだ。過ぎる快感に怖くなって、シーツを握りしめて逃げようとしたけど、ベッドの端まで追い詰められただけだった。
抵抗できないし、逃げられない。容赦なく激しく穿たれて、何度も小さく達していた。もう力が入らない。
「や、あっ、あぁっ……ッ、いく」
絶頂してもやめてくれなくて、八木沢さんが果てる頃には、もう自分の体を動かすことさえできなかった。
意識を失うようにもう一度寝てしまったらしく、次に目覚めたときにはリビングルームに朝食が揃っていた。
八木沢さんはすでに着替えていて、七分袖の白いシャツが眩しい。
「目が覚めましたか? 今朝は晴れて、富士山がよく見えますよ」
また完璧で隙のない八木沢さんに戻っていたので、なんだかものすごく悔しくなった。
しばらくぼんやりしたあと、真っ白な枕とシーツに、ここは旅先なのだと思い出した。エアコンが効いているせいか喉が渇いている。
吐息を感じて隣を見たら、八木沢さんが眠っていた。全裸で、無防備に。
悲鳴を上げそうになって息を飲んだら、軽く咳込んでしまった。
記憶違いでも夢でもない。彼の肩にある私のつけた爪痕が生々しい。きっと腕や背中にも傷があると思う。
(ああ、喉がカラカラなのは、喘ぎすぎたからだ……)
自分も全裸だから「服を着なくては」と上半身を起こすと、八木沢さんがゆっくり目を開いた。眠そうにぼんやりしていて、ちょっと可愛い。
「起こしてごめんなさい。おはようございます」
「ああ、すみません。寝すぎました……?」
「いえ、まだ六時前です」
「……そう」
現状を確認するかのように、ベッドサイドの時計を見て、それから隣にいる私を見て、八木沢さんがちょっと驚いた顔をしていた。
さすがに驚くよね。私も驚いたもん、この状況。
八木沢さんが横になったまま、腕をあげて髪をかきあげる。やっぱり腕にも爪痕がある。それをじっと見て彼が呟くように言った。
「……昨夜のこと、覚えてますか?」
私は即答できなかった。途中からぼんやりしていたけど、ちゃんと覚えている。
どれだけ自分が乱れたか、どれほど彼が淫らだったか。
「よ、酔っていたので、覚えてません!」
私がそう答えたら、八木沢さんが意地悪そうに笑った。一緒にディナーに行ったのだから、私が飲んだのは乾杯のスパークリングワインと、グラスワイン一杯だけだと知っている。
「嘘つき」
「ごめんなさい。嘘つきました。覚えています。全部……」
素直に謝ったのが面白いのか、彼が前髪をくしゃくしゃにしながら楽しそうに笑っているのを見て、愛おしいと思ってしまった。
「昨夜のあなたはとても可愛かったです」
「それは、きっと一時の気の迷いです。朝食の頃には忘れてますよ」
「そう思いますか? 試してみます?」
八木沢さんはそう言って私の腕を引くと、布団の中に引きずりこんだ。体勢を変えて私を寝かせると首筋にキスするからびっくりした。
「わ、私、朝風呂に入ろうかと……」
「ああ、いいですね。汗かいたし、流した方がいい。一緒に行きましょう」
「い、い、一緒に? なにするつもりですか!?」
「おや、お風呂に入るだけですよ。何か期待したんですか?」
笑っているのが悔しい。完全にからかっている。八木沢さんがこんなこと言うなんて想像してなかった。おそらくこちらが本性ですね。
「期待なんかしてません!」
「期待に応えてもいいんですよ?」
「だめ! 八木沢さん朝からえっちです!」
「普通です」
八木沢さんが楽しそうに笑いながら、私の胸にキスをする。ぴくりと反応してしまい、それをまた面白がっているから、逃げようとした。
「んーっ、や、です、だめだめ吸わないで……あっ、あぁ、んっ」
両腕を押さえつけてくるから逃げられない。乳房から先端までを、何度も舐められて甘く吸われて、背がのけ反る。寝起きで鈍感だと思っていたのに。
優しく甘噛みされたら気持ちいい。もう体を作り替えられている気がする。少し触れられただけなのに、自分でもわかるくらいに愛液が溢れている。
昨夜と違って、明るいから全部見えている。それが恥ずかしくて目を閉じた。顔を見られたくないから腕で隠した。
「恥ずかしい?」
私が頷くと、彼の体の下で、ひょいとうつぶせにされた。確かにお互い顔が見えないけど、これはこれで恥ずかしいような……。
腰を持ち上げられて膝が震えた。ちょっと怖い。
「入れますよ」
「は、い……」
私の中に入ってきた質量に下腹が苦しくなる。無防備な背中に視線を感じて、ぞくぞくした。私の視界には枕とシーツしかないけど、八木沢さんには全部見えてる。見られている。
奥まで充たされていたのに、ゆっくりと引き抜かれて背がのけ反った。愛液が溢れて内腿を伝う。もう一度挿入されて、また喘いだ。
「っ……あ、あぁ……!」
「綺麗だ」
そう呟いて、彼がビクビクと震える私の腰から背中を撫でる。優しく触れられただけなのに、背中ってこんなに感じるんだと驚いた。
後背から突き込まれると、昨夜と当たる場所が違う。でも痛くない。気持ちいい。
ガツガツと最奥を責め立てられて、律動とともに喘いだ。過ぎる快感に怖くなって、シーツを握りしめて逃げようとしたけど、ベッドの端まで追い詰められただけだった。
抵抗できないし、逃げられない。容赦なく激しく穿たれて、何度も小さく達していた。もう力が入らない。
「や、あっ、あぁっ……ッ、いく」
絶頂してもやめてくれなくて、八木沢さんが果てる頃には、もう自分の体を動かすことさえできなかった。
意識を失うようにもう一度寝てしまったらしく、次に目覚めたときにはリビングルームに朝食が揃っていた。
八木沢さんはすでに着替えていて、七分袖の白いシャツが眩しい。
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