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第17章 魔王軍との戦い
第557話 鬼人無限組手R
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「死にさらせやクソジャリがああぁぁぁぁ!」
自分たちの周りに誰もいなくなったことで、溜まりに溜まったフラストレーションを拳に乗せて撃ち放つヴァンの剛腕を、ケビンは受けるでもなく避けた。
「避けるなゴラァァァァ!」
「いや、当たったら痛いでしょう」
「当てるために殴っとんじゃあ!」
「それなら尚更避けますよ」
「大人しく殴られとけやああぁぁぁぁ!」
更に振り下ろされ続ける剛腕からの拳をケビンはひょいひょいと避けていき、それを見ているヴァンは更にヒートアップしていく。
「漢なら撃ち合えぇぇぇぇ!」
「『漢』とかそういうの結構なんで」
そして幾度となく繰り返される光景にお約束通り熱い展開とはいかないケビンの行動は、その展開を期待していた戦闘民族(ケビン談)の鬼人族にとっては異色に映ってしまう。
だが、いくら熱い展開でなくともヴァンの繰り出す攻撃をひょいひょいと躱していくケビンに、それを見ている鬼人族たちはいったい何者なのかと色々な憶測が飛び交っている。
「ぜぇぜぇ……クソジャリぃぃぃぃ……」
そして全力全開で殴り続けて(空振り)いたヴァンはとうとう体力の限界が近づいてきたようで、一旦休憩を取ることにしたようである。
「もう若くないんですから無理はしないでくださいよ。お義父さん」
「おんどりゃあぁぁぁ! まだ『お義父さん』などと抜かしおるかああっ――ゴホッゴホッ……」
「ほらほら、もう体が限界なんですから無理は禁物ですよ。お義父さん」
「きさっ――ゴホッゴホッ……ぜぇぜぇ……」
そのような2人のやり取りを見ているティナたちは、相変わらずなケビンの対応に一部の嫁が呆れていてヴァンに対する同情が込み上げていた。
「あれって絶対わざとだよ」
「逆撫で作戦」
「さすが私のケビンね!」
「ケビン君もあくどいねー」
「いかなる時も勝負事に卑怯はないのです!」
「主殿もすぐにケリをつければ良いものを」
「ケビンはんもいけずやな」
「親父……弱いな……」
「母ちゃん……身内ならせめて応援してやれよ」
そのような中でもある程度回復したヴァンが再びケビンに挑みかかるが、回復した体力が全快時に比べると程遠いということもあり、すぐにまた限界が訪れたところでケビンが足払いをしてヴァンに尻もちをつかせる。
「俺の勝ちです」
「――ッ!」
今まで散々まともに殴り合いもせず避け続けてきておいて、最後の最後でへばっているヴァンに足払いをかけ尻もちをつかせたケビンが勝利宣言をすると、それを聞いたヴァンはワナワナと震えていたが、周りの鬼人族たちは呆気に取られポカンとしてしまっていた。
「貴様ぁぁぁぁ……何故戦わない?!」
「いや、普通に考えて嫁の父親を殴るとかナシでしょ。外道とかならいざ知らず」
「本人である俺が許可する! だから戦え!」
「そう言われてもなぁ……」
「ケビーン、俺も許可するぞ。親父なんかぶっ飛ばしちまえ」
「母ちゃん……」
「ヴァ、ヴァレリア?! 俺の応援はしてくれないのか!?」
まさか愛娘からの裏切りというほどでもないがぶっ飛ばせ宣言に、ヴァンは自分の後ろをついてきていた可愛かった頃のヴァレリアを想像しては、その面影が微塵も感じられない今の成長ぶりに対して、その原因ではないかと予想をしているケビンを見ながら奥歯をギリギリと噛み締める。
「……さん、許さんぞ、馬の骨! こうなったら鬼人無限組手だ!!」
ヴァンの宣言を聞いたケビンは意味がわからずポカンとしていたが、その代わりに鬼人族たちはその内容を知っているのか、戦々恐々としておりざわつきがあちこちで聞こえてきた。
「ヴァリー、鬼人無限組手って何?」
「知らねぇ」
「知らねぇのかよ!」
「フッフッフ……ヴァレリアが知らなくても当然のことだ。これは代々の族長を決める儀式だからな。俺が族長となってからは挑む者がいなくなったのだ! 当然生まれてくる前のヴァレリアが知るはずもない!」
「で、その中身は?」
「読んで字のごとく延々と鬼人族たちとの組手をしてもらう。集落に住む鬼人族が全て再戦できぬほどになったら挑戦者の勝ち。途中で挑戦者が再戦できなくなったら挑戦者の負けだ。どうだ、シンプルでわかりやすいだろう!」
「それをお義父さんはクリアしたと?」
「まだ『お義父さん』と言うかっ!!」
「で、クリアは?」
「チッ……俺の場合は相手が五体満足でも戦おうとせず棄権したからな。全員を倒しきる前に終わったのだ。どうだ、凄いだろう! 最強の俺と戦うのを恐れた者たちが多かったということだ!」
自信満々に自身の武勇伝を語るヴァンに対して、ケビンは素直に感じたことを口にしてしまう。
「つまり楽をしたと?」
「クソジャリぃぃぃぃ! 絶対に鬼人無限組手をクリアしなければヴァレリアとの結婚は認めんからな! 認めんからな!!」
「はぁぁ……父親を倒して終わりじゃなかったの?」
「俺は倒されてない! 尻もちをついただけだ!」
「なんだか男版のヴァリーを相手にしているみたいだ……やっぱり親子だな」
「んなっ!? 俺は弱っちぃ親父とは違うぞ!」
「ヴァレリア?!」
まさかの2度目となる愛娘からの痛烈な言葉を浴びたヴァンは、その場で膝を折り手をついて項垂れると、瞳からは愛娘からのグサによる汗が落ち、乾いた地面を濡らしていく。
「えぇーっと……まあ……気を落とさないでお義父さん」
そして同じ娘を持つ存在としてケビンがヴァンに同情して声をかけるも、ヴァンはその言葉に元気づけられたわけではなく、ケビンのある言葉によってたちまちに奮起するのだった。
「……ら……だから……貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いはないわぁぁぁぁ!!」
こうしてケビンはヴァレリアの里帰りで予想通りの厄介事に巻き込まれてしまい、ヴァンからの試練である鬼人無限組手をしなければならなくなったのであった。
「とりあえず、明日からでいいですかね? 今日はもう色々なことが起きてお腹いっぱいなんで休むことにします」
「クックック……聞いたか、皆の者! 明日から存分にクソジャリを叩きのめせ! ボコボコにして構わん、俺が許す!!」
「「「「「おおぉぉぉぉっ!!」」」」」
ヴァンからの言葉によって周りの鬼人族たちが雄叫びを上げるが、ケビンは一向に気にした様子はなく淡々と会話を続けていき、今日の宿を探すためにヴァンに声をかける。
「で、泊まるところってあります? なければないで別にいいんですけど」
「ケビン、俺の家に泊まれよ」
「なっ!? ならん! それはならんぞ、ヴァレリア!! 今日は俺と心ゆくまで語り合う日なんだぞ!」
「親父は弱っちぃ上にケチだな。俺はケビンのところに泊まるとするか」
「ぐはっ!」
愛娘からの度重なるグサによりヴァンのライフはもうゼロに近かったが、ケビンは内心で『俺も娘から邪険にされたらどうしよう……』と、ヴァレリアによるヴァンの扱いに親近感が湧いてしまう。
そしてケビンがそのようなヴァンに対して気を使うとヴァレリアに実家で過ごすように言うのだが、ヴァレリアが断固拒否する発言をしたせいか図らずもヴァンに対し追い討ちをかける形となってしまったのだった。
それからケビンは宿屋があったのでそこに泊まろうかとしたのだが、経営者の女性に「鬼人無限組手で私を倒したら泊めさせてあげる」と言われてしまい、どこまでも戦闘民族な鬼人族に辟易としながらも『倒せば宿代とかタダになるのでは?』と、お金に困っていないのにそのような思考が頭をよぎっていた。
その後は宿屋が使えないなら仕方がないとばかりに、ケビンたちは集落から出ると近場に携帯ハウスを設置していつも通りの野営となり、実家に帰らなかったヴァレリアまで一緒にいるので、どこか里帰りとは言わないような感覚にケビンは陥ってしまうのであった。
そして明くる日、朝食を済ませたケビンたちは鬼人無限組手がどのようにして始まるのかを聞いていなかったので、そのことを聞こうと集落に入った途端に鬼人族の男性がケビンの行く手を遮る。
「鬼人無限組手の1番手はこの俺だ!」
「え……鬼人無限組手の開始の合図とかないの?」
「開始の合図は集落に入ったその瞬間! 鬼人族であれば家から出たその瞬間なのだ! この集落に家のないお前は家の中に逃げることすら叶わない」
「集落の外に出ればいいんじゃ……」
「フハハハハ! しっぽを巻いて逃げ出すならそうするがいい! 逃げ出す腰抜けは誰も追いはしないぞ!」
「それじゃあ夜通しするってこと? 寝ないの?」
「刻限は日没までだ。それ以降もやる気があるのであればとことん戦うが、お前は所詮人族。日没まで戦い続けるだけの体力はあるまい。よって今日の半日もせずに鬼人無限組手は終わりだ!」
「ふーん……だいたいわかった」
親切に教えてくれた鬼人族の男性に対し、ケビンはせめてものお礼として手心を加えて倒すことにするのだった。
「せめてもの情けだ。先手は譲ってやろう」
「では、お言葉に甘えて」
ケビン相手に先手を譲るという愚行を犯してしまった鬼人族の男性は、ケビンの姿がブレたかのように見えてしまった瞬間、腹部に感じた痛みとともに吹き飛ばされていた。
「まず1人」
「ケビン君相手に先手を譲るなんて……」
「悪手」
「さすが私のケビンね!」
「親切な人だったのにねー」
「いい人でした!」
「さすが主殿よの」
「さすがですえ」
「俺もやってみてぇな」
「母ちゃんが族長になったら父ちゃんと離れ離れだぞ」
親切な鬼人族を倒したケビンは2人目はどこにいるのだろうかと集落の中を歩きだすのだが、探す前に相手の方からからやってきては襲われてしまったので、そのまま名乗りも聞かずに倒してしまう。
「これはあれか? 目につく端から襲われるパターンなのか」
そこからのケビンはただ歩いているだけで相手が襲ってくるので、鬼人無限組手と言うよりも集落内の散歩という何とも言えない行動を取ることとなる。
「順調に倒しているようね」
「あ、宿屋のお姉さん」
「私を倒せば貴方は集落内に拠点を得ることができるわよ」
「え、宿屋って家と認めてもらえるの?」
「曲がりなりにも一時的な家には該当するでしょ」
「ほうほう」
「どうする? 鬼人無限組手は弱いやつらから襲っていくから、私とやり合うのはまだ先になるわよ」
「へぇーお姉さん強いんだ?」
「外からやってくる魔族の客を泊めるのよ? 腕っ節が強くなければ宿代を踏み倒されて逃げられてしまうわ」
「荒くれ者とかやっぱりいるんだな」
「信用のある常連じゃないとツケは認めないのよ」
「それじゃあ夕方あたりに顔を見せるよ。あっ、それと、あとで昼飯食べに行ってもいい?」
「食事くらいなら構わないわよ」
「昼頃になったら宿屋に行くよ」
そしてケビンがまた歩き出すと話が終わるのを待っていたのか、律儀な鬼人族に敬意を表しながらも、その襲いかかってくる鬼人族たちを羽虫でも払うかのように吹き飛ばしていく。
そのような中でケビンは、宿屋のお姉さんから得た情報でもある『弱いやつらから襲ってくる』というのは本当のようで、手応えのなさを感じながらも、早く強いやつが出てこないかと期待に胸をふくらませていた。
「次は私が相手よ」
「え……女性も入ってるの?」
「当たり前じゃない。鬼人無限組手は鬼人族全員を相手にするのよ。とは言っても戦う能力のない子供たちや高齢者は含まないけど」
「マジか……お姉さん綺麗だから殴りたくないんだけど……」
「ふふっ……魔族の女にそう言うなんて、貴方変わってるわね」
「可愛い女性だったり、綺麗な女性に対して種族は関係ない!」
「そう……もし私を倒せたら夜の相手をしてあげてもいいわよ。もちろん倒せたらだけど」
「俄然やる気が出てきた」
突如対戦相手として現れた女性の言葉にケビンは別のやる気を滾らせてしまい、それを見ている嫁たちはいつも通りなケビンの様子に呆れていたり、ケビン相手に夜のお相手をしようとする女性に対して、無知で無謀だという思考を巡らせていた。
そして女性が踏み込み拳を繰り出すとケビンはそれを容易くいなしていき、反撃の手は出さずに女性に対して口を出す。
「さっきの言葉、守ってもらうからね?」
「くっ……思った以上にやるようね……でもっ――」
そこから繰り出す女性の蹴りをケビンは手で受け止めたらそのまま脚を掴み、片足立ちの女性をグイッと引き寄せてバランスを崩したところで女性の腹部に手のひらを当てる。
「え……」
ケビンの行動に戸惑いを見せる女性とは別で、ケビンは女性が戸惑った瞬間に弛緩した筋肉へ衝撃を加えたら、その衝撃をダイレクトに受けてしまった女性が気を失う。
すると、ケビンは女性が倒れないように抱きかかえたら、道の端まで連れていくと座らせるのだった。
「ケ、ケビン君っ、今のなに?!」
先程のケビンの攻撃がただ触っただけにしか見えなかったティナがそう言うと、それに関してケビンが答える。
「いやぁ、組手って言ってるから魔法縛りを勝手にしてるんだけど、それだと睡眠魔法で眠らせることができないから、不意の衝撃を加えて気絶させたんだよ」
「つ……つまり?」
「相手を殴るとその勢いで、殴られた相手が仰け反ったり飛ばされたりするだろ?」
「うん」
「その勢いを外に逃がさず体の中に押しとどめたってこと」
「ん?」
結局のところケビンの説明を聞いてもわからなかったティナは、首を傾げながらうんうんと唸っては謎の解明に挑んでみるのだが、やっぱり理解が追いつかないので『ケビン君だから』という、わからない現象は全てその言葉で片づけてしまうのだった。
それからケビンは引き続き向かってくる鬼人族を倒しては、時間も頃合いとなったところで昼休憩を取るために宿屋で食事を摂り、その間は鬼人族たちも襲ってくる者はいなかったので宿屋のお姉さんに聞いてみたところ、食事中は免除という律儀な鬼人無限組手のルールを教えてもらい、落ち着いて食事を摂ることができていた。
「まぁ、仮に私の店の中で暴れたらお仕置きするけどね」
微笑みを浮かべながらそうにこやかに言うお姉さんを見たケビンは、お仕置きできるほどの実力者なのだろうと予想を立てながら、鬼人族の作る料理というものを堪能していく。
それからケビンは午後からも並み居る猛者たちを殴っては飛ばし殴っては飛ばしと繰り返していき、ちょこちょこと現れる女性に対しては夜のお約束をこぎつけつつ、簡単に気絶させては道の端へ座らせていたのだった。
そして迎えた夕刻、ケビンは宿屋という拠点確保のためにそこを管理している宿屋のお姉さんに勝負を挑む。
「約束通り、勝ったら宿屋に泊まらせてもらうよ」
「そういうことは勝ってから言うもんだよ」
「拠点確保のために、お姉さんにはなにがなんでも勝たせてもらう」
「私の名はマーガレットだ。来な、人族の坊や」
雰囲気の変わったマーガレットのその言葉を合図にしてケビンが踏み込み拳を繰り出すと、マーガレットはその拳をいとも容易くいなしては反撃の拳をケビンに繰り出し、激しい拳と拳の応酬が続いていく。
「中々やるね、マーガレットさん」
「あんたもね」
そのような光景を見ている嫁たちはいくらケビンが手加減をしているとは言えど、今までの鬼人族とは違って拳を交わしているマーガレットの技術に感嘆としていた。
「もしかしたらヴァリーより強いんじゃない?」
「何だと、クリス!」
「技術面ではヴァリーを超えておるようだの」
「俺の方が強いんだ!」
「お主の強さは主殿の作った武器あってこそだろう? 悔しいのなら技術面を鍛えるんだの」
「むきぃぃぃぃ!」
技術面ではマーガレットに劣ると言われてしまったヴァレリアが、その場で悔しそうに地団駄を踏むというタップダンス?を披露していると、それを見せられているヴァンスは母親の姿に恥ずかしさを覚えてしまう。
「母ちゃん……」
そしてギャラリーの1人が地団駄ダンスを披露している中でケビンとマーガレットの戦いは、本気を出さないケビンによって膠着状態となっている。そのケビンの攻撃は『このくらいなら捌けるだろう』という手加減の下で行われ、反対にマーガレットは全力でケビンに攻撃を繰り出すが容易く捌かれていく。
「まったく嫌になるねぇ……こっちは全力だってのにそんな涼しい顔でいなされると、今までの鍛錬は何だったんだって気になっちまう……」
「それなら降参してくれますか? そろそろ夕食を頂きたいのですけど」
「この勝負より夕食が気になるのかい?」
「ええ、昼食が美味しかったものですから」
「ったく……それなら私の全力の1撃を受け止められたら降参してやるよ」
「その勝負、受けてたちます」
それからマーガレットが攻撃をやめて距離を取ると精神集中に入るのだが、そこへケビンから回復魔法をかけられてしまう。
「何の真似だい?」
「疲れた状態の全力なんてたかが知れてるでしょう? 正真正銘の全力攻撃を受け止めますよ」
「……フッ……後悔しても知らないよ?」
「後悔するとすれば仮にぶっ飛ばされて、マーガレットさんの夕食が食べられなくなることかな」
「……料理人冥利に尽きることを言ってくれるね。それなら無事に受け止めることができたら、腕によりをかけて夕食を作ることも条件に加えよう」
そしてマーガレットが足を踏み込み地面を抉るほどの脚力でその地面を蹴り抜いたら、一気にケビンのところまで距離を詰めて体全体を使う渾身の1撃をケビンに向けて撃ち放った。
「「……」」
最後の勝負が繰り広げられ辺りが静寂に包まれる中、マーガレットの伸ばしきった腕から放たれた拳はケビンの右手にすっぽりと収まっており、ケビンが戦いは終わりと言わんばかりに口を開く。
「夕食……楽しみにしているよ」
「……せめて両手で防いで欲しかったよ……片手だなんて……」
それから改めてマーガレットが「降参」と口にしたことで、ケビンの拠点確保という戦いは幕を下ろすのであった。
その後はみんなで宿屋へと向かっていき、その日の夕食はマーガレットが口にしたように腕によりをかけて作ったようで、豪華な食事がテーブルの上に並んでいく。
「やっぱり美味い!」
「変な人ね。魔族の料理なんて人族の口に合うような食べ物でもないだろ?」
「いやいや、誰が作ろうと美味しい料理は美味しいもんだよ」
「そう言ってくれると作りがいがあるよ。それと部屋は用意してあるからそれぞれで使うといい」
「え……個室が取れるほど部屋が空いてたの?」
「みんな戦争が忙しくてめっきり客足が途絶えたのさ。まぁ趣味でやってるような店だから、客がいなくても別に構いやしないけど」
「おお! つまり宿屋丸ごと貸し切り状態!」
「いくら勝負に勝ったとはいえ、金はちゃんと払ってもらうよ? 貸し切り代は含まないでいてやるから」
「ははっ! 宿代と食事代はちゃんと払うよ。なんなら貸し切り代も含めれば他の客が泊まれなくなるから、そっちの方が気兼ねしなくていいかも」
笑みを浮かべながら貸し切り代を含まないと言うマーガレットに対して、ケビンもまた笑いながら貸し切り代を払うと言っては、金貨入り袋をその場にドサッと置いたのだった。
「今日からこの宿屋を貸し切るから、よろしくマーガレットさん」
「……本気かい? 別に貸し切らなくても、多分……客なんて来ないよ?」
「多分の要素があるなら貸し切って置いた方がいい」
その後夕食を満喫したケビンは、マーガレットに風呂場はないのかと聞くとそんな豪華なものはないと返されてしまい、泣く泣くお湯入りの桶とタオルで久しぶりの質素な湯浴みをする羽目になる。
「はぁぁ……子供の頃の冒険者時代を思い出すなぁ……」
そう独り言ちるケビンは、携帯ハウスの前任となる携帯浴場を作り出すきっかけとなった冒険者時代の簡易的な清拭を思い出しながら、夏場で汗をかいた体を拭いていくのだった。
そのような昔を思い出し清拭をしているケビンのところに、そのケビンがすっかりと忘れていた来訪者が訪れる。
「あら、身体を拭いているの? 私がしてあげるわ」
ノックもなしに室内に入ってきていたのは、朝方の戦いで負かした鬼人族の女性である。
「あれ? 何か用?」
「……もしかして忘れてる?」
ケビンからタオルを取り上げ背中を拭き始める女性がそう問いかけると、ケビンは朝の出来事を思い出しながら慌てて弁解していく。
「わ、わわ、忘れてないよ。お姉さんみたいな綺麗な人との約束を忘れるわけないじゃないか」
「本当に?」
「本当の本当! ほら、その準備のためにこうして体を拭いてたわけだし」
「はぁぁ……そういうことにしといてあげるわ。マーガレットさんとの戦闘は激しかったみたいだし、思った以上に疲れているかもね」
鬼人族の女性がそう言うとケビンは全く疲れていないのでグサグサとその気遣いが刺さっていき、『三度の飯より閨が好き』と嫁たちの間で密かに囁かれているケビンが珍しく本当に忘れていたので、会いに来てくれた女性に対して申し訳なくなるのだった。
「お姉さんの名前は?」
「アファカよ。貴方はケビンで合ってる?」
「合ってるよ」
「そう……じゃあケビン、下を脱いで」
「え……!? もうするの?!」
「違うわよ! 上が拭き終わったから下を今度は拭くの!」
「あ、そういう……」
「まったく……ほら、立って」
全くの見当はずれなことを返してしまったケビンに、アファカは呆れながらケビンが脱いでいくのを手伝っていき、ケビンはすっぽんぽんにされてしまうとアファカから丁寧に拭かれていく。
「ねぇ……」
「なに?」
「何で拭いているだけなのに、ムクムクと大きくしていってるのかしら?」
「そりゃあ綺麗なアファカが拭いてくれてるから興奮して……」
「人族なのになに魔族の女に対して発情してるのよ! しかもこれ、大き過ぎでしょ! 切り落として小さくしなさいよ!」
「いや、切り落とすとかなに怖いこと言ってんの!?」
「これ、萎ませられないわけ? やりづらいんだけど」
「アファカが口でしてくれたらなる」
「…………は? 口? 口って何?」
「え……口は口だけど……」
「「……」」
「あの……つかぬことをお聞きしますが……前戯とか本番前の行為と言うのはご存知で?」
「は? やるんだから本番以外にすることなんてないでしょ」
「えっ!?」
ケビンはふと思い出していた。そういえばサキュバスもエロい種族なのに、リリスを筆頭にあまりそういうことを知っている人がいなかったなと。そのことを思い出していたケビンはとある仮定を導き出す。それは『魔族って性交を本当に性交のみとしてしか認識していないのでは』と。そしてそれを確定させるために、ケビンはアファカにとある疑問を投げかけた。
「アファカにとって性交とは?」
「子作りのための行為に決まってるでしょ。ケビンにそれを許すのは人族じゃ魔族を孕ませられないからよ。それに……強い男ならたとえ子供ができなくても、抱かれていいかなって思ったし……」
「よし、今日はアファカに性交とは何なのかを教授する!」
「は? なに言ってんの? 今更そんなことを教わらなくても知ってるわよ」
グダグダとそう言うアファカに対して、ケビンはまず口でのご奉仕を説明していくのだが、それを聞いたアファカがあからさまに嫌な顔をする。
「あれ? 鬼人族の女性ともあろう者がまさかビビってるの?」
「――ッ! やればいいんでしょ、やれば! ったく……何なのよもう……」
ケビンの挑発に容易く乗ってしまったアファカが舌を出しながらおずおずと顔を近づけていき、いきり立つケビンの愚息をペロッと舐める。すると、それに反応した愚息がピクっと動くと、アファカがビックリしてパッと顔を離してしまう。
「な、なにっ?!」
それに対してケビンは気持ちよかったから反応しただけだと説明をして、驚いているアファカに先を促した。
「……うっ……ペロ……何か染み出てきてる……ペロ、ペロ……変な味ぃ……」
それからケビンはアファカに袋や裏筋など舐めていくように伝えていき、ピクピクと愚息が反応を返してくるのが面白いのか、次第にアファカはケビンが何も言わずとも拙い舌捌きでペロペロと愚息を可愛がっていく。
「んふっ……また跳ねた♡ ペロペロ……ペロペロ……」
「アファカ、次は口の中に入れてしゃぶってくれ」
「口の中? ……あむ……ほへへひひほ?」
「そう……そのまま舐め回したり、頭を振って出し入れしたりするんだ」
「わはっは……ん、れろれろ……ジュブ……ジュブ……」
アファカが拙い口捌きでケビンの愚息にご奉仕をしていると、徐々に慣れ始めていき激しさが増したら、ケビンはケビンで拙い口捌きが新鮮に感じていつもとは違う刺激を受けていき達しそうになる。
「アファカ、出すから飲めよ?」
「ジュポッ……出すって何を?」
「子種だ」
「え……飲むの……?」
「ああ、飲め。病みつきになるぞ」
「……本当に? それは飲むものじゃなくてお腹の中に注ぐものでしょ?」
「問答無用!」
ケビンは高まった昂りを冷めさせたくないためアファカの頭を掴むと、そのまま口の中へ愚息を突っ込みストロークを開始した。
「ふごっ……んごっ……お"え"……」
アファカは涙目になりケビンを上目遣いに見上げるが、強い男に無理やりされているという感覚がゾクゾクと体の中を走り抜けていき、文句を言うどころかその行為を受け入れ恍惚としていたら、やがてケビンの愚息がアファカの口の奥へと放出していく。
「んんっ――?? んー! んー!」
「飲め、アファカ」
「ごく、ごく……んふぅ、ふぅ……んぐ、んぐ……ごくん……」
「残りも吸い取って綺麗にするんだ」
「ちゅうぅぅぅぅ……ジュポッ……ごく……んはぁ……ペロペロ……チュバッチュバッ……れろれろ……これでいい?」
「ああ、初めてにしてはとても上手だな」
そう伝えるケビンがアファカの頭を撫でると、アファカは嬉しそうに目を瞑ってその行為を受け入れてしまい、何故だかわからぬが最初の強気な態度はなりを潜めて従順な鬼っ娘に成り代わっていた。
そしてケビンがアファカの手を引きベッドに連れていくと、アファカの衣服を全て脱がして横たわらせると、戦いに挑んでくるだけあってその体は細く引き締まっており、胸はCカップほどだが美乳と言えるほどの形を維持している。そのようなアファカの体に今度はケビンが愛撫をしていき、前戯の素晴らしさをアファカの体に刻み込んでいく。
「ぁ……ん……」
ケビンが胸を揉む度にアファカは声を漏らし、乳首を弄ればその声が強くこぼれていき、ケビンの攻めが秘部に達する頃には、アファカの声は前戯の快感を覚えた女性としてこぼれでるものと化していた。
「入れるぞ、アファカ」
「きて……ケビン……」
そしてケビンがアファカの中を開拓していき、アファカはケビンの愚息を受け入れる。男根を受け入れるのはこれが初めてではないアファカでも、ケビンのそれは遥かに大きく長かったので、膣を押し広げられている感覚が初めてを体験しているような、そんな感覚にさせられてしまっていた。
「んっ……ケビン……大きいよぉ……奥にズンズンくる……」
「アファカの締めつけも凄いぞ。離したくないって言われてるみたいだ」
「離したくない……離したくないのぉ……こんなの覚えさせられたら他の人じゃ満足できなくなる」
「それは好都合だな。アファカの体を俺が独占できるってわけだ」
それからケビンはストロークを激しくしていき、それに比例してアファカの喘ぎ声も大きくなっていくのだが、やがてケビンが達しそうになるとアファカは中に出すことを望むのだった。
「出して……そのまま中に出していいから。孕むことはないから好きなだけ出して」
「それなら頑張って出して孕ませてやる!」
「あっ、んっ……イク、イク……奥で、1番奥で出して……」
「受け取れ、アファカ!」
「ああっ、イク――!」
ケビンからドピュドピュとかけられているのを感じ取りながらアファカが絶頂すると、アファカの膣がギュッと締まり、それを受けているケビンが更に追加で射精する。
「んっ……あっ……すごい……いっぱいかけられてる……」
「まだまだこんなもんじゃないからな。満足するまで付き合ってもらうぞ」
「そんなにできるの? 鬼人族のタフな男でも5回も出せればいい方よ? ケビンは人族でしょう?」
「既に2回出してる。あと3回で鬼人族と並ぶなら楽勝だな。人族と言うよりも、俺の凄さをわからせてやるぞ。鬼人族の記録なんか塗り替えてやる」
「ふふっ……その強気がどこまで続くか楽しみね」
「言ったな? 後悔するなよ?」
こうしてケビンはアファカにケビンの凄さと鬼人族の記録を塗り替えて新記録を出すために、いつもとは違う意気込みで朝までコースを始めていくのであった。
自分たちの周りに誰もいなくなったことで、溜まりに溜まったフラストレーションを拳に乗せて撃ち放つヴァンの剛腕を、ケビンは受けるでもなく避けた。
「避けるなゴラァァァァ!」
「いや、当たったら痛いでしょう」
「当てるために殴っとんじゃあ!」
「それなら尚更避けますよ」
「大人しく殴られとけやああぁぁぁぁ!」
更に振り下ろされ続ける剛腕からの拳をケビンはひょいひょいと避けていき、それを見ているヴァンは更にヒートアップしていく。
「漢なら撃ち合えぇぇぇぇ!」
「『漢』とかそういうの結構なんで」
そして幾度となく繰り返される光景にお約束通り熱い展開とはいかないケビンの行動は、その展開を期待していた戦闘民族(ケビン談)の鬼人族にとっては異色に映ってしまう。
だが、いくら熱い展開でなくともヴァンの繰り出す攻撃をひょいひょいと躱していくケビンに、それを見ている鬼人族たちはいったい何者なのかと色々な憶測が飛び交っている。
「ぜぇぜぇ……クソジャリぃぃぃぃ……」
そして全力全開で殴り続けて(空振り)いたヴァンはとうとう体力の限界が近づいてきたようで、一旦休憩を取ることにしたようである。
「もう若くないんですから無理はしないでくださいよ。お義父さん」
「おんどりゃあぁぁぁ! まだ『お義父さん』などと抜かしおるかああっ――ゴホッゴホッ……」
「ほらほら、もう体が限界なんですから無理は禁物ですよ。お義父さん」
「きさっ――ゴホッゴホッ……ぜぇぜぇ……」
そのような2人のやり取りを見ているティナたちは、相変わらずなケビンの対応に一部の嫁が呆れていてヴァンに対する同情が込み上げていた。
「あれって絶対わざとだよ」
「逆撫で作戦」
「さすが私のケビンね!」
「ケビン君もあくどいねー」
「いかなる時も勝負事に卑怯はないのです!」
「主殿もすぐにケリをつければ良いものを」
「ケビンはんもいけずやな」
「親父……弱いな……」
「母ちゃん……身内ならせめて応援してやれよ」
そのような中でもある程度回復したヴァンが再びケビンに挑みかかるが、回復した体力が全快時に比べると程遠いということもあり、すぐにまた限界が訪れたところでケビンが足払いをしてヴァンに尻もちをつかせる。
「俺の勝ちです」
「――ッ!」
今まで散々まともに殴り合いもせず避け続けてきておいて、最後の最後でへばっているヴァンに足払いをかけ尻もちをつかせたケビンが勝利宣言をすると、それを聞いたヴァンはワナワナと震えていたが、周りの鬼人族たちは呆気に取られポカンとしてしまっていた。
「貴様ぁぁぁぁ……何故戦わない?!」
「いや、普通に考えて嫁の父親を殴るとかナシでしょ。外道とかならいざ知らず」
「本人である俺が許可する! だから戦え!」
「そう言われてもなぁ……」
「ケビーン、俺も許可するぞ。親父なんかぶっ飛ばしちまえ」
「母ちゃん……」
「ヴァ、ヴァレリア?! 俺の応援はしてくれないのか!?」
まさか愛娘からの裏切りというほどでもないがぶっ飛ばせ宣言に、ヴァンは自分の後ろをついてきていた可愛かった頃のヴァレリアを想像しては、その面影が微塵も感じられない今の成長ぶりに対して、その原因ではないかと予想をしているケビンを見ながら奥歯をギリギリと噛み締める。
「……さん、許さんぞ、馬の骨! こうなったら鬼人無限組手だ!!」
ヴァンの宣言を聞いたケビンは意味がわからずポカンとしていたが、その代わりに鬼人族たちはその内容を知っているのか、戦々恐々としておりざわつきがあちこちで聞こえてきた。
「ヴァリー、鬼人無限組手って何?」
「知らねぇ」
「知らねぇのかよ!」
「フッフッフ……ヴァレリアが知らなくても当然のことだ。これは代々の族長を決める儀式だからな。俺が族長となってからは挑む者がいなくなったのだ! 当然生まれてくる前のヴァレリアが知るはずもない!」
「で、その中身は?」
「読んで字のごとく延々と鬼人族たちとの組手をしてもらう。集落に住む鬼人族が全て再戦できぬほどになったら挑戦者の勝ち。途中で挑戦者が再戦できなくなったら挑戦者の負けだ。どうだ、シンプルでわかりやすいだろう!」
「それをお義父さんはクリアしたと?」
「まだ『お義父さん』と言うかっ!!」
「で、クリアは?」
「チッ……俺の場合は相手が五体満足でも戦おうとせず棄権したからな。全員を倒しきる前に終わったのだ。どうだ、凄いだろう! 最強の俺と戦うのを恐れた者たちが多かったということだ!」
自信満々に自身の武勇伝を語るヴァンに対して、ケビンは素直に感じたことを口にしてしまう。
「つまり楽をしたと?」
「クソジャリぃぃぃぃ! 絶対に鬼人無限組手をクリアしなければヴァレリアとの結婚は認めんからな! 認めんからな!!」
「はぁぁ……父親を倒して終わりじゃなかったの?」
「俺は倒されてない! 尻もちをついただけだ!」
「なんだか男版のヴァリーを相手にしているみたいだ……やっぱり親子だな」
「んなっ!? 俺は弱っちぃ親父とは違うぞ!」
「ヴァレリア?!」
まさかの2度目となる愛娘からの痛烈な言葉を浴びたヴァンは、その場で膝を折り手をついて項垂れると、瞳からは愛娘からのグサによる汗が落ち、乾いた地面を濡らしていく。
「えぇーっと……まあ……気を落とさないでお義父さん」
そして同じ娘を持つ存在としてケビンがヴァンに同情して声をかけるも、ヴァンはその言葉に元気づけられたわけではなく、ケビンのある言葉によってたちまちに奮起するのだった。
「……ら……だから……貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いはないわぁぁぁぁ!!」
こうしてケビンはヴァレリアの里帰りで予想通りの厄介事に巻き込まれてしまい、ヴァンからの試練である鬼人無限組手をしなければならなくなったのであった。
「とりあえず、明日からでいいですかね? 今日はもう色々なことが起きてお腹いっぱいなんで休むことにします」
「クックック……聞いたか、皆の者! 明日から存分にクソジャリを叩きのめせ! ボコボコにして構わん、俺が許す!!」
「「「「「おおぉぉぉぉっ!!」」」」」
ヴァンからの言葉によって周りの鬼人族たちが雄叫びを上げるが、ケビンは一向に気にした様子はなく淡々と会話を続けていき、今日の宿を探すためにヴァンに声をかける。
「で、泊まるところってあります? なければないで別にいいんですけど」
「ケビン、俺の家に泊まれよ」
「なっ!? ならん! それはならんぞ、ヴァレリア!! 今日は俺と心ゆくまで語り合う日なんだぞ!」
「親父は弱っちぃ上にケチだな。俺はケビンのところに泊まるとするか」
「ぐはっ!」
愛娘からの度重なるグサによりヴァンのライフはもうゼロに近かったが、ケビンは内心で『俺も娘から邪険にされたらどうしよう……』と、ヴァレリアによるヴァンの扱いに親近感が湧いてしまう。
そしてケビンがそのようなヴァンに対して気を使うとヴァレリアに実家で過ごすように言うのだが、ヴァレリアが断固拒否する発言をしたせいか図らずもヴァンに対し追い討ちをかける形となってしまったのだった。
それからケビンは宿屋があったのでそこに泊まろうかとしたのだが、経営者の女性に「鬼人無限組手で私を倒したら泊めさせてあげる」と言われてしまい、どこまでも戦闘民族な鬼人族に辟易としながらも『倒せば宿代とかタダになるのでは?』と、お金に困っていないのにそのような思考が頭をよぎっていた。
その後は宿屋が使えないなら仕方がないとばかりに、ケビンたちは集落から出ると近場に携帯ハウスを設置していつも通りの野営となり、実家に帰らなかったヴァレリアまで一緒にいるので、どこか里帰りとは言わないような感覚にケビンは陥ってしまうのであった。
そして明くる日、朝食を済ませたケビンたちは鬼人無限組手がどのようにして始まるのかを聞いていなかったので、そのことを聞こうと集落に入った途端に鬼人族の男性がケビンの行く手を遮る。
「鬼人無限組手の1番手はこの俺だ!」
「え……鬼人無限組手の開始の合図とかないの?」
「開始の合図は集落に入ったその瞬間! 鬼人族であれば家から出たその瞬間なのだ! この集落に家のないお前は家の中に逃げることすら叶わない」
「集落の外に出ればいいんじゃ……」
「フハハハハ! しっぽを巻いて逃げ出すならそうするがいい! 逃げ出す腰抜けは誰も追いはしないぞ!」
「それじゃあ夜通しするってこと? 寝ないの?」
「刻限は日没までだ。それ以降もやる気があるのであればとことん戦うが、お前は所詮人族。日没まで戦い続けるだけの体力はあるまい。よって今日の半日もせずに鬼人無限組手は終わりだ!」
「ふーん……だいたいわかった」
親切に教えてくれた鬼人族の男性に対し、ケビンはせめてものお礼として手心を加えて倒すことにするのだった。
「せめてもの情けだ。先手は譲ってやろう」
「では、お言葉に甘えて」
ケビン相手に先手を譲るという愚行を犯してしまった鬼人族の男性は、ケビンの姿がブレたかのように見えてしまった瞬間、腹部に感じた痛みとともに吹き飛ばされていた。
「まず1人」
「ケビン君相手に先手を譲るなんて……」
「悪手」
「さすが私のケビンね!」
「親切な人だったのにねー」
「いい人でした!」
「さすが主殿よの」
「さすがですえ」
「俺もやってみてぇな」
「母ちゃんが族長になったら父ちゃんと離れ離れだぞ」
親切な鬼人族を倒したケビンは2人目はどこにいるのだろうかと集落の中を歩きだすのだが、探す前に相手の方からからやってきては襲われてしまったので、そのまま名乗りも聞かずに倒してしまう。
「これはあれか? 目につく端から襲われるパターンなのか」
そこからのケビンはただ歩いているだけで相手が襲ってくるので、鬼人無限組手と言うよりも集落内の散歩という何とも言えない行動を取ることとなる。
「順調に倒しているようね」
「あ、宿屋のお姉さん」
「私を倒せば貴方は集落内に拠点を得ることができるわよ」
「え、宿屋って家と認めてもらえるの?」
「曲がりなりにも一時的な家には該当するでしょ」
「ほうほう」
「どうする? 鬼人無限組手は弱いやつらから襲っていくから、私とやり合うのはまだ先になるわよ」
「へぇーお姉さん強いんだ?」
「外からやってくる魔族の客を泊めるのよ? 腕っ節が強くなければ宿代を踏み倒されて逃げられてしまうわ」
「荒くれ者とかやっぱりいるんだな」
「信用のある常連じゃないとツケは認めないのよ」
「それじゃあ夕方あたりに顔を見せるよ。あっ、それと、あとで昼飯食べに行ってもいい?」
「食事くらいなら構わないわよ」
「昼頃になったら宿屋に行くよ」
そしてケビンがまた歩き出すと話が終わるのを待っていたのか、律儀な鬼人族に敬意を表しながらも、その襲いかかってくる鬼人族たちを羽虫でも払うかのように吹き飛ばしていく。
そのような中でケビンは、宿屋のお姉さんから得た情報でもある『弱いやつらから襲ってくる』というのは本当のようで、手応えのなさを感じながらも、早く強いやつが出てこないかと期待に胸をふくらませていた。
「次は私が相手よ」
「え……女性も入ってるの?」
「当たり前じゃない。鬼人無限組手は鬼人族全員を相手にするのよ。とは言っても戦う能力のない子供たちや高齢者は含まないけど」
「マジか……お姉さん綺麗だから殴りたくないんだけど……」
「ふふっ……魔族の女にそう言うなんて、貴方変わってるわね」
「可愛い女性だったり、綺麗な女性に対して種族は関係ない!」
「そう……もし私を倒せたら夜の相手をしてあげてもいいわよ。もちろん倒せたらだけど」
「俄然やる気が出てきた」
突如対戦相手として現れた女性の言葉にケビンは別のやる気を滾らせてしまい、それを見ている嫁たちはいつも通りなケビンの様子に呆れていたり、ケビン相手に夜のお相手をしようとする女性に対して、無知で無謀だという思考を巡らせていた。
そして女性が踏み込み拳を繰り出すとケビンはそれを容易くいなしていき、反撃の手は出さずに女性に対して口を出す。
「さっきの言葉、守ってもらうからね?」
「くっ……思った以上にやるようね……でもっ――」
そこから繰り出す女性の蹴りをケビンは手で受け止めたらそのまま脚を掴み、片足立ちの女性をグイッと引き寄せてバランスを崩したところで女性の腹部に手のひらを当てる。
「え……」
ケビンの行動に戸惑いを見せる女性とは別で、ケビンは女性が戸惑った瞬間に弛緩した筋肉へ衝撃を加えたら、その衝撃をダイレクトに受けてしまった女性が気を失う。
すると、ケビンは女性が倒れないように抱きかかえたら、道の端まで連れていくと座らせるのだった。
「ケ、ケビン君っ、今のなに?!」
先程のケビンの攻撃がただ触っただけにしか見えなかったティナがそう言うと、それに関してケビンが答える。
「いやぁ、組手って言ってるから魔法縛りを勝手にしてるんだけど、それだと睡眠魔法で眠らせることができないから、不意の衝撃を加えて気絶させたんだよ」
「つ……つまり?」
「相手を殴るとその勢いで、殴られた相手が仰け反ったり飛ばされたりするだろ?」
「うん」
「その勢いを外に逃がさず体の中に押しとどめたってこと」
「ん?」
結局のところケビンの説明を聞いてもわからなかったティナは、首を傾げながらうんうんと唸っては謎の解明に挑んでみるのだが、やっぱり理解が追いつかないので『ケビン君だから』という、わからない現象は全てその言葉で片づけてしまうのだった。
それからケビンは引き続き向かってくる鬼人族を倒しては、時間も頃合いとなったところで昼休憩を取るために宿屋で食事を摂り、その間は鬼人族たちも襲ってくる者はいなかったので宿屋のお姉さんに聞いてみたところ、食事中は免除という律儀な鬼人無限組手のルールを教えてもらい、落ち着いて食事を摂ることができていた。
「まぁ、仮に私の店の中で暴れたらお仕置きするけどね」
微笑みを浮かべながらそうにこやかに言うお姉さんを見たケビンは、お仕置きできるほどの実力者なのだろうと予想を立てながら、鬼人族の作る料理というものを堪能していく。
それからケビンは午後からも並み居る猛者たちを殴っては飛ばし殴っては飛ばしと繰り返していき、ちょこちょこと現れる女性に対しては夜のお約束をこぎつけつつ、簡単に気絶させては道の端へ座らせていたのだった。
そして迎えた夕刻、ケビンは宿屋という拠点確保のためにそこを管理している宿屋のお姉さんに勝負を挑む。
「約束通り、勝ったら宿屋に泊まらせてもらうよ」
「そういうことは勝ってから言うもんだよ」
「拠点確保のために、お姉さんにはなにがなんでも勝たせてもらう」
「私の名はマーガレットだ。来な、人族の坊や」
雰囲気の変わったマーガレットのその言葉を合図にしてケビンが踏み込み拳を繰り出すと、マーガレットはその拳をいとも容易くいなしては反撃の拳をケビンに繰り出し、激しい拳と拳の応酬が続いていく。
「中々やるね、マーガレットさん」
「あんたもね」
そのような光景を見ている嫁たちはいくらケビンが手加減をしているとは言えど、今までの鬼人族とは違って拳を交わしているマーガレットの技術に感嘆としていた。
「もしかしたらヴァリーより強いんじゃない?」
「何だと、クリス!」
「技術面ではヴァリーを超えておるようだの」
「俺の方が強いんだ!」
「お主の強さは主殿の作った武器あってこそだろう? 悔しいのなら技術面を鍛えるんだの」
「むきぃぃぃぃ!」
技術面ではマーガレットに劣ると言われてしまったヴァレリアが、その場で悔しそうに地団駄を踏むというタップダンス?を披露していると、それを見せられているヴァンスは母親の姿に恥ずかしさを覚えてしまう。
「母ちゃん……」
そしてギャラリーの1人が地団駄ダンスを披露している中でケビンとマーガレットの戦いは、本気を出さないケビンによって膠着状態となっている。そのケビンの攻撃は『このくらいなら捌けるだろう』という手加減の下で行われ、反対にマーガレットは全力でケビンに攻撃を繰り出すが容易く捌かれていく。
「まったく嫌になるねぇ……こっちは全力だってのにそんな涼しい顔でいなされると、今までの鍛錬は何だったんだって気になっちまう……」
「それなら降参してくれますか? そろそろ夕食を頂きたいのですけど」
「この勝負より夕食が気になるのかい?」
「ええ、昼食が美味しかったものですから」
「ったく……それなら私の全力の1撃を受け止められたら降参してやるよ」
「その勝負、受けてたちます」
それからマーガレットが攻撃をやめて距離を取ると精神集中に入るのだが、そこへケビンから回復魔法をかけられてしまう。
「何の真似だい?」
「疲れた状態の全力なんてたかが知れてるでしょう? 正真正銘の全力攻撃を受け止めますよ」
「……フッ……後悔しても知らないよ?」
「後悔するとすれば仮にぶっ飛ばされて、マーガレットさんの夕食が食べられなくなることかな」
「……料理人冥利に尽きることを言ってくれるね。それなら無事に受け止めることができたら、腕によりをかけて夕食を作ることも条件に加えよう」
そしてマーガレットが足を踏み込み地面を抉るほどの脚力でその地面を蹴り抜いたら、一気にケビンのところまで距離を詰めて体全体を使う渾身の1撃をケビンに向けて撃ち放った。
「「……」」
最後の勝負が繰り広げられ辺りが静寂に包まれる中、マーガレットの伸ばしきった腕から放たれた拳はケビンの右手にすっぽりと収まっており、ケビンが戦いは終わりと言わんばかりに口を開く。
「夕食……楽しみにしているよ」
「……せめて両手で防いで欲しかったよ……片手だなんて……」
それから改めてマーガレットが「降参」と口にしたことで、ケビンの拠点確保という戦いは幕を下ろすのであった。
その後はみんなで宿屋へと向かっていき、その日の夕食はマーガレットが口にしたように腕によりをかけて作ったようで、豪華な食事がテーブルの上に並んでいく。
「やっぱり美味い!」
「変な人ね。魔族の料理なんて人族の口に合うような食べ物でもないだろ?」
「いやいや、誰が作ろうと美味しい料理は美味しいもんだよ」
「そう言ってくれると作りがいがあるよ。それと部屋は用意してあるからそれぞれで使うといい」
「え……個室が取れるほど部屋が空いてたの?」
「みんな戦争が忙しくてめっきり客足が途絶えたのさ。まぁ趣味でやってるような店だから、客がいなくても別に構いやしないけど」
「おお! つまり宿屋丸ごと貸し切り状態!」
「いくら勝負に勝ったとはいえ、金はちゃんと払ってもらうよ? 貸し切り代は含まないでいてやるから」
「ははっ! 宿代と食事代はちゃんと払うよ。なんなら貸し切り代も含めれば他の客が泊まれなくなるから、そっちの方が気兼ねしなくていいかも」
笑みを浮かべながら貸し切り代を含まないと言うマーガレットに対して、ケビンもまた笑いながら貸し切り代を払うと言っては、金貨入り袋をその場にドサッと置いたのだった。
「今日からこの宿屋を貸し切るから、よろしくマーガレットさん」
「……本気かい? 別に貸し切らなくても、多分……客なんて来ないよ?」
「多分の要素があるなら貸し切って置いた方がいい」
その後夕食を満喫したケビンは、マーガレットに風呂場はないのかと聞くとそんな豪華なものはないと返されてしまい、泣く泣くお湯入りの桶とタオルで久しぶりの質素な湯浴みをする羽目になる。
「はぁぁ……子供の頃の冒険者時代を思い出すなぁ……」
そう独り言ちるケビンは、携帯ハウスの前任となる携帯浴場を作り出すきっかけとなった冒険者時代の簡易的な清拭を思い出しながら、夏場で汗をかいた体を拭いていくのだった。
そのような昔を思い出し清拭をしているケビンのところに、そのケビンがすっかりと忘れていた来訪者が訪れる。
「あら、身体を拭いているの? 私がしてあげるわ」
ノックもなしに室内に入ってきていたのは、朝方の戦いで負かした鬼人族の女性である。
「あれ? 何か用?」
「……もしかして忘れてる?」
ケビンからタオルを取り上げ背中を拭き始める女性がそう問いかけると、ケビンは朝の出来事を思い出しながら慌てて弁解していく。
「わ、わわ、忘れてないよ。お姉さんみたいな綺麗な人との約束を忘れるわけないじゃないか」
「本当に?」
「本当の本当! ほら、その準備のためにこうして体を拭いてたわけだし」
「はぁぁ……そういうことにしといてあげるわ。マーガレットさんとの戦闘は激しかったみたいだし、思った以上に疲れているかもね」
鬼人族の女性がそう言うとケビンは全く疲れていないのでグサグサとその気遣いが刺さっていき、『三度の飯より閨が好き』と嫁たちの間で密かに囁かれているケビンが珍しく本当に忘れていたので、会いに来てくれた女性に対して申し訳なくなるのだった。
「お姉さんの名前は?」
「アファカよ。貴方はケビンで合ってる?」
「合ってるよ」
「そう……じゃあケビン、下を脱いで」
「え……!? もうするの?!」
「違うわよ! 上が拭き終わったから下を今度は拭くの!」
「あ、そういう……」
「まったく……ほら、立って」
全くの見当はずれなことを返してしまったケビンに、アファカは呆れながらケビンが脱いでいくのを手伝っていき、ケビンはすっぽんぽんにされてしまうとアファカから丁寧に拭かれていく。
「ねぇ……」
「なに?」
「何で拭いているだけなのに、ムクムクと大きくしていってるのかしら?」
「そりゃあ綺麗なアファカが拭いてくれてるから興奮して……」
「人族なのになに魔族の女に対して発情してるのよ! しかもこれ、大き過ぎでしょ! 切り落として小さくしなさいよ!」
「いや、切り落とすとかなに怖いこと言ってんの!?」
「これ、萎ませられないわけ? やりづらいんだけど」
「アファカが口でしてくれたらなる」
「…………は? 口? 口って何?」
「え……口は口だけど……」
「「……」」
「あの……つかぬことをお聞きしますが……前戯とか本番前の行為と言うのはご存知で?」
「は? やるんだから本番以外にすることなんてないでしょ」
「えっ!?」
ケビンはふと思い出していた。そういえばサキュバスもエロい種族なのに、リリスを筆頭にあまりそういうことを知っている人がいなかったなと。そのことを思い出していたケビンはとある仮定を導き出す。それは『魔族って性交を本当に性交のみとしてしか認識していないのでは』と。そしてそれを確定させるために、ケビンはアファカにとある疑問を投げかけた。
「アファカにとって性交とは?」
「子作りのための行為に決まってるでしょ。ケビンにそれを許すのは人族じゃ魔族を孕ませられないからよ。それに……強い男ならたとえ子供ができなくても、抱かれていいかなって思ったし……」
「よし、今日はアファカに性交とは何なのかを教授する!」
「は? なに言ってんの? 今更そんなことを教わらなくても知ってるわよ」
グダグダとそう言うアファカに対して、ケビンはまず口でのご奉仕を説明していくのだが、それを聞いたアファカがあからさまに嫌な顔をする。
「あれ? 鬼人族の女性ともあろう者がまさかビビってるの?」
「――ッ! やればいいんでしょ、やれば! ったく……何なのよもう……」
ケビンの挑発に容易く乗ってしまったアファカが舌を出しながらおずおずと顔を近づけていき、いきり立つケビンの愚息をペロッと舐める。すると、それに反応した愚息がピクっと動くと、アファカがビックリしてパッと顔を離してしまう。
「な、なにっ?!」
それに対してケビンは気持ちよかったから反応しただけだと説明をして、驚いているアファカに先を促した。
「……うっ……ペロ……何か染み出てきてる……ペロ、ペロ……変な味ぃ……」
それからケビンはアファカに袋や裏筋など舐めていくように伝えていき、ピクピクと愚息が反応を返してくるのが面白いのか、次第にアファカはケビンが何も言わずとも拙い舌捌きでペロペロと愚息を可愛がっていく。
「んふっ……また跳ねた♡ ペロペロ……ペロペロ……」
「アファカ、次は口の中に入れてしゃぶってくれ」
「口の中? ……あむ……ほへへひひほ?」
「そう……そのまま舐め回したり、頭を振って出し入れしたりするんだ」
「わはっは……ん、れろれろ……ジュブ……ジュブ……」
アファカが拙い口捌きでケビンの愚息にご奉仕をしていると、徐々に慣れ始めていき激しさが増したら、ケビンはケビンで拙い口捌きが新鮮に感じていつもとは違う刺激を受けていき達しそうになる。
「アファカ、出すから飲めよ?」
「ジュポッ……出すって何を?」
「子種だ」
「え……飲むの……?」
「ああ、飲め。病みつきになるぞ」
「……本当に? それは飲むものじゃなくてお腹の中に注ぐものでしょ?」
「問答無用!」
ケビンは高まった昂りを冷めさせたくないためアファカの頭を掴むと、そのまま口の中へ愚息を突っ込みストロークを開始した。
「ふごっ……んごっ……お"え"……」
アファカは涙目になりケビンを上目遣いに見上げるが、強い男に無理やりされているという感覚がゾクゾクと体の中を走り抜けていき、文句を言うどころかその行為を受け入れ恍惚としていたら、やがてケビンの愚息がアファカの口の奥へと放出していく。
「んんっ――?? んー! んー!」
「飲め、アファカ」
「ごく、ごく……んふぅ、ふぅ……んぐ、んぐ……ごくん……」
「残りも吸い取って綺麗にするんだ」
「ちゅうぅぅぅぅ……ジュポッ……ごく……んはぁ……ペロペロ……チュバッチュバッ……れろれろ……これでいい?」
「ああ、初めてにしてはとても上手だな」
そう伝えるケビンがアファカの頭を撫でると、アファカは嬉しそうに目を瞑ってその行為を受け入れてしまい、何故だかわからぬが最初の強気な態度はなりを潜めて従順な鬼っ娘に成り代わっていた。
そしてケビンがアファカの手を引きベッドに連れていくと、アファカの衣服を全て脱がして横たわらせると、戦いに挑んでくるだけあってその体は細く引き締まっており、胸はCカップほどだが美乳と言えるほどの形を維持している。そのようなアファカの体に今度はケビンが愛撫をしていき、前戯の素晴らしさをアファカの体に刻み込んでいく。
「ぁ……ん……」
ケビンが胸を揉む度にアファカは声を漏らし、乳首を弄ればその声が強くこぼれていき、ケビンの攻めが秘部に達する頃には、アファカの声は前戯の快感を覚えた女性としてこぼれでるものと化していた。
「入れるぞ、アファカ」
「きて……ケビン……」
そしてケビンがアファカの中を開拓していき、アファカはケビンの愚息を受け入れる。男根を受け入れるのはこれが初めてではないアファカでも、ケビンのそれは遥かに大きく長かったので、膣を押し広げられている感覚が初めてを体験しているような、そんな感覚にさせられてしまっていた。
「んっ……ケビン……大きいよぉ……奥にズンズンくる……」
「アファカの締めつけも凄いぞ。離したくないって言われてるみたいだ」
「離したくない……離したくないのぉ……こんなの覚えさせられたら他の人じゃ満足できなくなる」
「それは好都合だな。アファカの体を俺が独占できるってわけだ」
それからケビンはストロークを激しくしていき、それに比例してアファカの喘ぎ声も大きくなっていくのだが、やがてケビンが達しそうになるとアファカは中に出すことを望むのだった。
「出して……そのまま中に出していいから。孕むことはないから好きなだけ出して」
「それなら頑張って出して孕ませてやる!」
「あっ、んっ……イク、イク……奥で、1番奥で出して……」
「受け取れ、アファカ!」
「ああっ、イク――!」
ケビンからドピュドピュとかけられているのを感じ取りながらアファカが絶頂すると、アファカの膣がギュッと締まり、それを受けているケビンが更に追加で射精する。
「んっ……あっ……すごい……いっぱいかけられてる……」
「まだまだこんなもんじゃないからな。満足するまで付き合ってもらうぞ」
「そんなにできるの? 鬼人族のタフな男でも5回も出せればいい方よ? ケビンは人族でしょう?」
「既に2回出してる。あと3回で鬼人族と並ぶなら楽勝だな。人族と言うよりも、俺の凄さをわからせてやるぞ。鬼人族の記録なんか塗り替えてやる」
「ふふっ……その強気がどこまで続くか楽しみね」
「言ったな? 後悔するなよ?」
こうしてケビンはアファカにケビンの凄さと鬼人族の記録を塗り替えて新記録を出すために、いつもとは違う意気込みで朝までコースを始めていくのであった。
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