仰っている意味が分かりません

水姫

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何を仰っているのですか?

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「おい、エスリア!貴様私のリーナに無礼を働いたそうだな」

学校の卒業パーティー真っ最中に第一王子であるクリスハート殿下が胸元が大胆に開いたドレスを見に纏う娼婦の様な令嬢?を隣に妹であらせられるエスリアーナ殿下に意味不明な事を言い放ちました。エスリアーナ殿下は…(チラッ)素晴らしい笑顔を貼り付けていらっしゃいますね。そういえば、リーナという令嬢(もう娼婦でいいと思うのですけど)は学校で有名な方ですね、勿論悪い意味で ですけれど…。

「リーナとはどちら様ですか?お兄様」

「貴様!」

「エスリアーナ様が睨んできますぅ。クリス様ぁ~」

「安心しろリーナ私が守ってやる」

「はぁ」エスリアーナ殿下の溜め息は最もです。これは茶番でしかないのですから。そもそもエスリアーナ殿下は飛び級で早々にご卒業されています。関わりなんてないことぐらい学園に所属している人なら皆知っておりますのに。

「もうよい、妹だからと謝れば許してやろうと思っていたが貴様には要らぬ温情だった。よいかよく聞けよ、いくら王女といえ次期王妃のリーナへの無礼は決して許されるものではない。よって国外追放を言い渡す。おい、今すぐこいつを連れて行け!聞こえぬのか!」

「あの、お兄様少しよろしいですか?何故リーナ?とかいう令嬢が次期王妃なのでしょうか?」

「はっ、正気か?私の妻になるからに決まっているだろう」

「お兄様が次期王様ということですか?」

「ふっ、何を今更」

「…そうですか」

「分かったなら今すぐ謝り許しを乞うか?リーナは優しいからな貴様次第では刑を軽くしてやってもよいぞ。はっはっは」

「クリス様ぁ~」

「おぉ~よしよし」正直周りの雰囲気を感じ取って欲しいですね。まぁにもこの国の王子様ですし……。視線とか気にしないのでしょうか?

「お兄様」

「なんだまだ居たのか」

「お兄様はもっと聡明だったと記憶していたのですが、残念です」

「なんだと!」クリスハート殿下は顔を真っ赤にして叫んでいます。本当にご兄弟なのでしょうか。月とスッポンどころではないですよ。

「まず第一にお兄様は側妃様の子供ですよね。」

「はっ、それがどうしたというのだ」えっ…。

「いえ、ですからお兄様には王位継承権がありません、なのでリーナ?でしたっけ、そちらの令嬢が万が一にも王妃にある可能性はあり得ません」

「はぁ!?」

「おかしいですね、この国の常識だったと認識していたのですが…。ふふ、常識を知らない方がまさか身内にいたとは…」

「では、誰が…」

「本気ですか?この国は王妃の産んだ子にしか継承権はありません。なので…」

「まさか、貴様が…」

「少しは頭が働くようで安心しましたわ、お兄様」

「しかし、女が王になど…」

「あら?ふふ、お兄様はやはりいらしゃったのね」

先代の王様は殿下方のお婆様であったと記憶しているのですが……。
えっ、まさか本当に知らなかったのでしょうか……。

「ふ、ふざけるな!」


「これは何事か!」

「父上!(お父様)」「「「陛下」」」

「父上、エスリアーナが次期王など正気ですか?」


やっと王様の登場です。しかし、クリスハート殿下の方こそ正気なのでしょうか。エスリアーナ殿下も陛下も呆れていらっしゃいますよ。

青筋が…父親といっても多勢の前でその様な振る舞い…陛下もご苦労されてますね。

「はぁ、出来が悪いとは知っておったがここまでとは…、もうよい。貴様など後だ、そこで大人しく見ていろ」

「何故っ」あら?陛下に睨まれてやっと大人しくなりましたね。やっと卒業パーティーが始まりますわ。

「皆、卒業おめでとう。これで君たちは大人の仲間入りだ。学校を卒業したからには自身の言動に責任がつくものだ、分かっておるな?はっはっは、そんなに怯えんでもよいぞ。を取るだけの話だ」はは…、陛下から黒い何かが見えますよ。

「父上!」

「黙れ、大人しくも出来んのか」

「っ、」クリスハート殿下も懲りない方ですね。そこは王に向いているのでしょうか。

「それと……今日という喜ばしい日をぶち壊したこと、我が息子に代わって謝罪する。すまなかった」陛下が頭を下げるなど本来ならあってはならないことです。ですが、早々に側妃様に王子の教育を任せてしまった陛下にも少しばかりの責任があるので皆受け取らないわけにはいきませんね。


「そして…ふむ、ここには次代を背負うメンバーが揃っているな。よし、私は次期王となるエスリアーナに関する発表を今しようと思う。皆も気になっているであろう王婿のことだ。シャルリーゼ・アウグリア、ここに」それは皆がずっと待ち侘びていた発表でした。

「はっ」アウグリア公爵家の将来有望な次男さんです。これはエスリアーナ殿下に申し分なさそうです。

「貴殿には期待しておる。王婿としてエスリアーナを支えてやってくれ」

「承りました」皆さんも納得しているようです。目には先程とは打って変わり、期待が溢れていますね。


「王婿とは?父上!私は?」まだいらっしゃったのですね…本当に迷惑なです。

「黙れと言うておるに、誰かこやつらを連れて行け!私が行くまで別々に閉じ込めておけ。あと、そっちの娘の方は地下牢にでも入れておけ。…しかし、貴様には失望したぞ」

「何を!父上~」
「ええぇ~、クリス様ぁ~」あ~あ、やっとお馬鹿2人は連れて行かれましたよ。

「お父様」

「エスリアーナか、苦労かけたな」

「いえ」

「何故、こうも違うのだろうな。はぁ~」

「同感ですわ。まぁ、ここまで酷いとは今日初めて知りましたけど…」

「私もそうだ。どこで間違ったのだろうか…」

「まぁ、それは後ほど…。お父様」

「ん、あぁ。皆迷惑をかけた。今日は無礼講じゃ。最後まで楽しんで行ってくれ。私たちは、あいつに……(smiles)」なるほど、これ以上は知らない方が良さそうです。陛下方が退室した後は先程のことをスルーして楽しみましたよ。皆貴族ですからね。


後日の話になりますが、陛下方はクリスハート殿下とお話をしてリーナに唆されていたことを知ったようですが、はっきり言って常識を知らないのは論外ですよね。ということでを取らせて、クリスハート殿下は平民に落とされ王都に入るのを禁止されたそうです。リーナは実家と縁を切った上で北の端にある色んな意味で一番厳しいとされる修道院に送られました。

お花畑な頭を持つ2人は無事にやっていけるのでしょうか?


そうそう、クリスハート殿下は平民に落ちてからも色々とやらかしているようで、王都にまでその噂は入ってきますよ。これがエスリアーナ殿下の栄光に傷を付けないのを願うばかりですね。まぁ誰も信じないでしょう、がエスリアーナ殿下の兄弟だったなんて。

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