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学園
事件
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リリアはガレンとお茶をする為に王宮を訪れていた。
「やはり王宮の庭園は見事ですね」
「リリアのお気に入りだからね、手入れは欠かせないよ」
「ふふ、ありがとうございます」
「学園はどうだい?あんなことがあったから過ごしにくいのでは?」
「ガレンのお陰です。噂も落ち着いてそこまで周りは変わっていません」
「そうか、なら良かった」
「ふふ、私に甘いわね」
「(苦笑)リリアだからね」
「嬉しいわ(顔赤くなってないよね)」
リリアはガレンと会話するのがいつも楽しみでしかったなかった。何気ない会話から国に関することまでガレンと会話すればその時間は有意義なものになる。が、同時に耐え難い感情に飲まれる。
「時間の流れは残酷ね」
「リリア?」
「えっ?な、何でもないわ」
「リリア!私にだけは素でいて欲しい」
「っ、今日はこれで失礼します」
「リリア!」
本当なら全部話してしまいたい。
悲しませたくない。
傷つけたくない。
「・・・ごめんねガレン」
リリアは暗い表情で王宮を後にした。
いつの日からかリリアとガレンに小さなキョリができた。最初は些細なことが始まりだった。お互いがお互いを気遣い、ガレンはリリアに丁寧に接した。事実リリアは弱かったし、彼女自身も大切にされていると感じていた。でも、十分だった。リリアはガレンのことを想いあえてキョリをとった。別れが辛くないように。それはリリアにとっての初めての我が儘だったのかもしれない。自分も護るための。
「いつからだったかな?私では駄目なのか・・・」
リリアが去った後の庭園でガレンは悔しげに呟いた。
それから数日後アリスティア王国が帝国に攻めこむ準備をしていると国境から連絡が入った。
「何故だ?同盟国なのに・・・」
「父上!」勢いよく執務室の扉が開かれた。
「ん?ガレンか」
ガレンは疲れきった顔の父を見た。
「大丈夫なのですか?これが・・・」
「滅多なことは口に出すな。私には国を守る義務がある」
そこには絶対的な支配者の顔があった。
「しかし、」
「父の背中を見ていてくれ」
「っ」
ガレンはそれ以上おれず執務室を出た。が、
いてもたってもいられなくてすぐにリリアを訪ねた。
「急にどうしたの?」
「落ち着いて聞いて欲しい、帝国がこの国に攻めてくる」
「っ、そんな」
「相手はこの世界の大国だ、どうなるか分からない、リリアには幸せでいて欲しい。だから・・・」
深刻そうな顔で言われたその言葉はリリアに決意させるのに十分なものだった。
力があるなら使わなきゃ。
躊躇っていられない。
自分だけの幸せのためになんて・・・。
「私が、私がこの国を守る!王様に連絡を、アレル公爵家長女リリアが至急伝えたいことがあると」
「かしこまりました」
一礼して急いで去っていく侍女。
「リリア!どうして君は・・・」
「ガレン、これは私にしかできない。もう躊躇わない」
ガレンも頭では分かっていた。
「っ、しかし!・・・すまない」
やっとの想いで出た言葉はとても情けなかった。
リリアを守ると決めていたのに・・・。
君の人生が・・・。
頭を抱えてしまったガレンを父親に任せてリリアは急いで王宮へと向かった。
「王様、私リリアはこの国のため今こそ力を使いたく。今までの恩情忘れたわけでは御座いませんが、どうかこの我が儘を許して貰いたく」
「・・・すまない、その受け入れを認める。
この国のためにどうか・・・頼む」
「はい、失礼します」
「・・・すまないアル。リリア決意してくれて感謝する」
リリアが去った後残された王は親友に詫びる。
そして始まった戦争は王の予想を遥かに上回ったもので、結果は火を見るより明らかだった。
しかし、帝国はリリアの存在を知り得なかった。その結果リリアの圧倒的勝利。
帝国はわずか1日で撃退させられた。
「こんなことが・・・」
「化け物・・・」
「神が見方してくださった」
その戦いは王国内外に知れ渡り、それを間近で見た者は驚き、恐怖し、またある者には希望を見せた。
「これでおしまい」リリアは哀しげな表情でそう呟き、意識を手放した。
「やはり王宮の庭園は見事ですね」
「リリアのお気に入りだからね、手入れは欠かせないよ」
「ふふ、ありがとうございます」
「学園はどうだい?あんなことがあったから過ごしにくいのでは?」
「ガレンのお陰です。噂も落ち着いてそこまで周りは変わっていません」
「そうか、なら良かった」
「ふふ、私に甘いわね」
「(苦笑)リリアだからね」
「嬉しいわ(顔赤くなってないよね)」
リリアはガレンと会話するのがいつも楽しみでしかったなかった。何気ない会話から国に関することまでガレンと会話すればその時間は有意義なものになる。が、同時に耐え難い感情に飲まれる。
「時間の流れは残酷ね」
「リリア?」
「えっ?な、何でもないわ」
「リリア!私にだけは素でいて欲しい」
「っ、今日はこれで失礼します」
「リリア!」
本当なら全部話してしまいたい。
悲しませたくない。
傷つけたくない。
「・・・ごめんねガレン」
リリアは暗い表情で王宮を後にした。
いつの日からかリリアとガレンに小さなキョリができた。最初は些細なことが始まりだった。お互いがお互いを気遣い、ガレンはリリアに丁寧に接した。事実リリアは弱かったし、彼女自身も大切にされていると感じていた。でも、十分だった。リリアはガレンのことを想いあえてキョリをとった。別れが辛くないように。それはリリアにとっての初めての我が儘だったのかもしれない。自分も護るための。
「いつからだったかな?私では駄目なのか・・・」
リリアが去った後の庭園でガレンは悔しげに呟いた。
それから数日後アリスティア王国が帝国に攻めこむ準備をしていると国境から連絡が入った。
「何故だ?同盟国なのに・・・」
「父上!」勢いよく執務室の扉が開かれた。
「ん?ガレンか」
ガレンは疲れきった顔の父を見た。
「大丈夫なのですか?これが・・・」
「滅多なことは口に出すな。私には国を守る義務がある」
そこには絶対的な支配者の顔があった。
「しかし、」
「父の背中を見ていてくれ」
「っ」
ガレンはそれ以上おれず執務室を出た。が、
いてもたってもいられなくてすぐにリリアを訪ねた。
「急にどうしたの?」
「落ち着いて聞いて欲しい、帝国がこの国に攻めてくる」
「っ、そんな」
「相手はこの世界の大国だ、どうなるか分からない、リリアには幸せでいて欲しい。だから・・・」
深刻そうな顔で言われたその言葉はリリアに決意させるのに十分なものだった。
力があるなら使わなきゃ。
躊躇っていられない。
自分だけの幸せのためになんて・・・。
「私が、私がこの国を守る!王様に連絡を、アレル公爵家長女リリアが至急伝えたいことがあると」
「かしこまりました」
一礼して急いで去っていく侍女。
「リリア!どうして君は・・・」
「ガレン、これは私にしかできない。もう躊躇わない」
ガレンも頭では分かっていた。
「っ、しかし!・・・すまない」
やっとの想いで出た言葉はとても情けなかった。
リリアを守ると決めていたのに・・・。
君の人生が・・・。
頭を抱えてしまったガレンを父親に任せてリリアは急いで王宮へと向かった。
「王様、私リリアはこの国のため今こそ力を使いたく。今までの恩情忘れたわけでは御座いませんが、どうかこの我が儘を許して貰いたく」
「・・・すまない、その受け入れを認める。
この国のためにどうか・・・頼む」
「はい、失礼します」
「・・・すまないアル。リリア決意してくれて感謝する」
リリアが去った後残された王は親友に詫びる。
そして始まった戦争は王の予想を遥かに上回ったもので、結果は火を見るより明らかだった。
しかし、帝国はリリアの存在を知り得なかった。その結果リリアの圧倒的勝利。
帝国はわずか1日で撃退させられた。
「こんなことが・・・」
「化け物・・・」
「神が見方してくださった」
その戦いは王国内外に知れ渡り、それを間近で見た者は驚き、恐怖し、またある者には希望を見せた。
「これでおしまい」リリアは哀しげな表情でそう呟き、意識を手放した。
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