幼馴染の親友のために婚約破棄になりました。裏切り者同士お幸せに

hikari

文字の大きさ
13 / 13

結婚

しおりを挟む
「アントニーナ。会いたかった」

王太子が待っていた。

「王太子殿下」

「実は今日は大事な話がしたい」

大事な話?

にわかには思いつかなかった。


「とりあえず、僕の部屋へ行こう」

アントニーナは腕を引っ張られるようにして、王太子の部屋へ向かった。


王太子の部屋の壁は絵画で埋め尽くされていた。

カーテンからは夏の強い日差しが照りつけていた。


「きみに渡したいものがある」

「え!?」


「さあ、左指を差し出して」


王太子は箱を開け、中から指輪を取り出した。

「さあ、これだ」

ダイヤモンドだった。

「え!? これってもしかして!?」


「婚約指輪だよ」

と言ってアントニーナの左手の薬指に指輪をはめた。

「嬉しいわ」

アントニーナは胸が張り裂けんばかりになった。


まさか、隣国の王太子から婚約指輪をもらうとは思ってもみたかったからだ。


「でも、私はまだ聖女になっていないのに?」

「なあに。聖女になっていなくても、最高の魔道士ではないか」

王太子は微笑みかけた。


「ありがと……う」

「だから、きみは聖女になんかなる必要ない。僕ときみが出会ったのは運命なんだから」

王太子は立ち上がり、再び座った。

「王太子殿下。こんな私で本当に良いのですか?」

「何そんなに卑下しているんだよ。きみは素敵だ。さあ、僕と結婚して欲しい!」


そういう流れになり、アントニーナはアレッサンドロと婚約をした。



「アントニーナ・ミルラ・ミネルヴィーノは僕の嫁だ!」

「ありがとうございます、王太子殿下」


塞翁が馬。


マタハイムの王太子と結婚をしていれば、革命が起こり奴隷に成り下がっていた。


しかし、王太子に婚約破棄されたからこそ隣国の王太子と結婚する事ができた。


確かに婚約破棄をされた時は腹がたった。


幼馴染からの裏切りにも涙をのんだ。


しかし、今となるとそれは「何だったのだろうか?」という思いにとらわれる。


そうよ。良かったのよ。

これでお終いなのよ。


アントニーナはジョルジョに婚約破棄をされたことをむしろありがたく感じた。


「きみと二人でいい国を作り上げていくぞ!」と王太子。


「王太子殿下、宜しくお願いします」


こうしてふたりは婚約をするのであった。


「最後に一つ。キスをして良いかい?」

「ええ」

というと、王太子は頬にキスをした。
















◆◇◆◇







それから、結婚式が盛大に行われた。


式にはアーノルドやフロリアーナ、アーサーやナンシーが来てくれた。


「やっぱり王太子殿下とお似合いだったわね」

ナンシーは花柄のドレスに身を包んでいた。

「うん、お似合いだよね」

アーサーも賛同した。



「姉さん。革命から逃れてよかったわね。しかも隣国の王太子殿下をいとめるなんて」とフロリアーナ。


「そうだよ。革命の時は本当に危なかったんだから」とアーノルド。

「ありがとう。ありがとう」

アントニーナは頭を下げている。


「アントニーナさん。私の兄を宜しくお願いしますわ」

アンジェリーナ王女だった。

「はい。宜しくお願いします」


「……。宜しくお願います」

ロレンツォは相変わらず大人しい。

「そして私がロレンツォの彼女のヒラリーよ」

アントニーナと王太子は特別に彼女の出席まで認めた。




「兄貴をよろしくなのだ」

第三王子のフランチェスコだった。


そして親族同士が挨拶をした。




式は厳かに執り行われた。


「王太子殿下。あなたは病めるときもどんなときもアントニーナ・ミルラ・ミネルヴィーノを愛すことを誓いますか?」

「はい」


「アントニーナ。あなたは病めるときもどんなときもアレッサンドロ・マッティア・アンドレアを愛すことを誓いますか?」

「誓います」


「ここにてあらたな新郎新婦が誕生をしました。ではまず誓いのキスを」


王太子がアントニーナに勢いよくキスをした。


「では指輪の交換を」


王太子がアントニーナの指に、アントニーナが王太子の指にそれぞれ指輪をはめた。




そして晩餐会が開かれた。









晩餐会が終った後にパレードが開かれたがつつがなく修了した。



二人は永久に愛し合うのでした。



しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

【完結】私よりも、病気(睡眠不足)になった幼馴染のことを大事にしている旦那が、嘘をついてまで居候させたいと言い出してきた件

よどら文鳥
恋愛
※あらすじにややネタバレ含みます 「ジューリア。そろそろ我が家にも執事が必要だと思うんだが」 旦那のダルムはそのように言っているが、本当の目的は執事を雇いたいわけではなかった。 彼の幼馴染のフェンフェンを家に招き入れたかっただけだったのだ。 しかし、ダルムのズル賢い喋りによって、『幼馴染は病気にかかってしまい助けてあげたい』という意味で捉えてしまう。 フェンフェンが家にやってきた時は確かに顔色が悪くてすぐにでも倒れそうな状態だった。 だが、彼女がこのような状況になってしまっていたのは理由があって……。 私は全てを知ったので、ダメな旦那とついに離婚をしたいと思うようになってしまった。 さて……誰に相談したら良いだろうか。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

お飾りな妻は何を思う

湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。 彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。 次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。 そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。

【完結】新婚生活初日から、旦那の幼馴染も同居するってどういうことですか?

よどら文鳥
恋愛
 デザイナーのシェリル=アルブライデと、婚約相手のガルカ=デーギスの結婚式が無事に終わった。  予め購入していた新居に向かうと、そこにはガルカの幼馴染レムが待っていた。 「シェリル、レムと仲良くしてやってくれ。今日からこの家に一緒に住むんだから」 「え!? どういうことです!? 使用人としてレムさんを雇うということですか?」  シェリルは何も事情を聞かされていなかった。 「いや、特にそう堅苦しく縛らなくても良いだろう。自主的な行動ができるし俺の幼馴染だし」  どちらにしても、新居に使用人を雇う予定でいた。シェリルは旦那の知り合いなら仕方ないかと諦めるしかなかった。 「……わかりました。よろしくお願いしますね、レムさん」 「はーい」  同居生活が始まって割とすぐに、ガルカとレムの関係はただの幼馴染というわけではないことに気がつく。  シェリルは離婚も視野に入れたいが、できない理由があった。  だが、周りの協力があって状況が大きく変わっていくのだった。

【完結】私より優先している相手が仮病だと、いい加減に気がついたらどうですか?〜病弱を訴えている婚約者の義妹は超が付くほど健康ですよ〜

よどら文鳥
恋愛
 ジュリエル=ディラウは、生まれながらに婚約者が決まっていた。  ハーベスト=ドルチャと正式に結婚する前に、一度彼の実家で同居をすることも決まっている。  同居生活が始まり、最初は順調かとジュリエルは思っていたが、ハーベストの義理の妹、シャロン=ドルチャは病弱だった。  ドルチャ家の人間はシャロンのことを溺愛しているため、折角のデートも病気を理由に断られてしまう。それが例え僅かな微熱でもだ。  あることがキッカケでシャロンの病気は実は仮病だとわかり、ジュリエルは真実を訴えようとする。  だが、シャロンを溺愛しているドルチャ家の人間は聞く耳持たず、更にジュリエルを苦しめるようになってしまった。  ハーベストは、ジュリエルが意図的に苦しめられていることを知らなかった。

ただずっと側にいてほしかった

アズやっこ
恋愛
ただ貴方にずっと側にいてほしかった…。 伯爵令息の彼と婚約し婚姻した。 騎士だった彼は隣国へ戦に行った。戦が終わっても帰ってこない彼。誰も消息は知らないと言う。 彼の部隊は敵に囲まれ部下の騎士達を逃がす為に囮になったと言われた。 隣国の騎士に捕まり捕虜になったのか、それとも…。 怪我をしたから、記憶を無くしたから戻って来れない、それでも良い。 貴方が生きていてくれれば。 ❈ 作者独自の世界観です。

拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様

オケラ
恋愛
15歳のユアは上流貴族のお嬢様。自然とたわむれるのが大好きな女の子で、毎日山で植物を愛でている。しかし、こうして自由に過ごせるのもあと半年だけ。16歳になると正式に結婚することが決まっている。彼女には生まれた時から婚約者がいるが、まだ一度も会ったことがない。名前も知らないのは幼き日の彼女のわがままが原因で……。半年後に結婚を控える中、彼女は山の中でとある殿方と出会い……。

助けた青年は私から全てを奪った隣国の王族でした

Karamimi
恋愛
15歳のフローラは、ドミスティナ王国で平和に暮らしていた。そんなフローラは元公爵令嬢。 約9年半前、フェザー公爵に嵌められ国家反逆罪で家族ともども捕まったフローラ。 必死に無実を訴えるフローラの父親だったが、国王はフローラの父親の言葉を一切聞き入れず、両親と兄を処刑。フローラと2歳年上の姉は、国外追放になった。身一つで放り出された幼い姉妹。特に体の弱かった姉は、寒さと飢えに耐えられず命を落とす。 そんな中1人生き残ったフローラは、運よく近くに住む女性の助けを受け、何とか平民として生活していた。 そんなある日、大けがを負った青年を森の中で見つけたフローラ。家に連れて帰りすぐに医者に診せたおかげで、青年は一命を取り留めたのだが… 「どうして俺を助けた!俺はあの場で死にたかったのに!」 そうフローラを怒鳴りつける青年。そんな青年にフローラは 「あなた様がどんな辛い目に合ったのかは分かりません。でも、せっかく助かったこの命、無駄にしてはいけません!」 そう伝え、大けがをしている青年を献身的に看護するのだった。一緒に生活する中で、いつしか2人の間に、恋心が芽生え始めるのだが… 甘く切ない異世界ラブストーリーです。

処理中です...