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83. 魔犬退治 (2/21 9:30内容変更致しました)
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「これは……」
「なかなかですね……」
そう呟くフランクとイリスの前には襲いかかる魔犬と逃げ惑う人。魔犬と戦う数人の討伐協会のハンターとダイラス国兵たちの姿。多くの魔犬を倒しているようだが、幾人もの横たわる人がいる。まだ息があるかどうかはわからない。
それにしても魔物の数が多い。時間も経っているので王都から出た魔物もいるはず。
グルルルル……と唸るいくつかの魔犬の口からは赤い血が。真っ白な毛に赤い瞳、滴る血……見ているとゾッとする。魔犬というものの、彼らの武器はその鋭い牙と爪。異常な足の速さを持つが魔法を使うわけではない。
「仕方ないわ。来るまでに時間が空いてしまったから」
淡々と言うのはアリスだ。
凄惨な光景。
だが悲しいことに魔物がこの世に現れる以上、目にする機会は稀にある。
全ての人間を救えるほど甘い戦いばかりではない。
「あっ、アリス嬢。あー……王子妃と呼んだ方が良いですか?」
魔法で強化した剣で魔犬を薙ぎ払うショートカットの小麦色の肌を持つ女性ハンターが声をかけてきた。
「お久しぶりですお孫様。呼び方は何でも結構。援護します」
彼女は討伐協会会長の孫娘。だからお孫様とアリスは呼んでいる。
「数が多いし、動きが速いから分散してしまってあちこちで被害が出ているわ。兵士も合流してくれたけれど、全部は追いきれない状態よ。そもそも足が速すぎて追いつけない。何か案はない?」
会話の最中も皆魔犬と戦う。
「「おーい……アリス」」
思案するアリスを呼ぶ声が馬の足音と共に近づいてくる。
「あら、義兄上様」
駆け付けたのはユーリとルカだった。増援を連れてきたようだ。
「被害が大きいみたいだから、少しでも手助けできればと思ってね」
「助かります。……が、全てを討伐するには難しいかと。これを使いましょうか」
アリスの手には薄いピンク色の液体が入った小瓶が握りしめられていた。
「何それ?」
ルカが尋ねる。
「魅了薬です。魔物のですが」
この前姉のエミリアからもらったもの。相変わらずいろいろな薬を作っているようだった。
「言うこと聞くとか?大人しくなるとか?」
「言葉が通じないのに、どうやって言う事聞かせるんですか?むしろ少々荒くなるかと……」
「それ……何に役立つの?」
呆れた表情をするお孫様。
「これを服用すると、一定範囲にいる魔物に狙われます。魔物を引き寄せるフェロモンが出るそうです」
「激ウマ飯になるわけね」
激ウマ飯に向かって一直線。他に取られないように動きも速くなる……と。
「魔犬があちこちに分散していますので、被害は広がるばかりでしょう。一旦集めるのが良策かと」
「多少怪我人は出るかもしれないわね……」
魔犬が人間を避けて走るとは思えない。思いっきりぶつかったら怪我する人も出てくるはず。だがこのままでは噛みつかれ、爪で引き裂かれる人が増えるのみ。時間が経つほど遠くに行く魔犬も増えてしまう。
「……仕方ないか。アリス嬢、それでいきましょう。できるだけ魔犬に当たらないように我らは皆を避難させましょう。将軍様……お仲間にも伝達よろしく」
協会が第1発見者である為、彼らに討伐の権利がある。もちろん指揮権も協会だ。彼女の言葉を受けた近くにいた者たちが頷く。お孫様は最後に力強くアリスを見る。
「ではよろしくお願いします」
「………………私ですか?」
「もちろんです」
「援護に来た私が飲むんですか?」
「もちろんです。たくさんの魔物に狙われるんですよね?我らでは無理です」
「まあ」
そうかもしれないが……。もうちょっとなんか……まあないか。
「すみません。我らも命は惜しいので。時間がないのでお早く」
「………………」
アリスは黙ってゴクリと飲む。自身には特に何も変化はない。が、その場にいる全ての魔犬の目がアリスを捉えた。涎を垂らしながら猛スピードで駆けてくる。
「では!」
皆、それぞれ民を守るために駆けていった。
その場にただ立つアリスに大量の魔犬が襲いかかる。
が、
全滅した。
アリスが放った風の刃によって。
アリスを取り囲むように魔犬の亡骸が転がる。
静寂は一瞬だった。
次から次に襲い来る魔犬。
アリスは手に剣を出現させると、無言で襲い来る魔犬を斬り捨てていく。
どれだけの時間が経過したのか……。
魔犬の咆哮、民の悲鳴は安堵の声、歓声に変わった。
「アリス様、お疲れ様でした。討伐後にしてはおきれいですね……?」
近くの魔犬を退治しつつ、民を避難させていたイリスがアリスの元に戻ってきた。
「まあ皆を怖がらせるのもね……」
彼女は討伐後速やかに自身についた血や汚れを魔法で綺麗にしていた。皆が安堵しているところに血まみれの人間が立っていたら怖いだろうから。
ちらりと見る先には魔犬の亡骸。
「ただ他の世界から来ただけなのにね……」
「致し方ありません。やらねばやられるのですから」
「そうだけれど……」
アリスはフーと深いため息をつく。そして今回の件で命を失った人、魔犬の冥福を祈るように目を閉じる。
「アリス嬢、本当に助かったわ。帰るんでしょ?」
女性の声に目を開くアリス。
「お孫様」
「討伐料とか王様に話しに行くから、また会えるわね」
「いいえ」
「えっ!?戻らないの?旦那さんに愛想尽かしたの?実家に戻れる?戻れないならうちくる?」
やった!アリスが来たらガッポリと目を輝かせるお孫様。
「違います。この場に残ると言っているのです」
「えーーー……なんだぁ……紛らわしい」
誰が見てもガックシと項垂れるお孫様に周りのハンターが軽く笑う。仕方ないっすよお嬢と慰められている。
「診療所が近くにあるのでそちらを手伝おうと思います」
先日行った診療所が近くにある。恐らく、今かなりの患者が担ぎ込まれているはず。
「かーーーっ!すっっっごい魔力量ですね」
皆命がけで戦った。誰が頑張ったとか比べるものではないかもしれないが、やはり誰に聞いても一番身体を張って戦ったのも魔力を消費し続けたのもアリスだろう。
この後に治癒魔法など、やはり人外。
「本当に頼もしいわ!」
ガシッとこちらの肩に腕を回しニカッと笑うさまはまるでマブダチのようだとアリスは思う。最近王宮の優雅な微笑みやうざさに振り回されてばかりだったので、邪気のない笑みに心が和む。
「本当に大変なのは王宮だと思いますけど」
「うん?後処理とか?」
「まあ、それもありますけど……」
よくわからないがそれだけではないよう。
それにしても
「アリス嬢、こっわー」
王宮の方に視線を向けるアリスの顔に浮かぶは
これからの出来事を想像し、
怪しく、
仄暗く輝く、
嘲笑だった。
「なかなかですね……」
そう呟くフランクとイリスの前には襲いかかる魔犬と逃げ惑う人。魔犬と戦う数人の討伐協会のハンターとダイラス国兵たちの姿。多くの魔犬を倒しているようだが、幾人もの横たわる人がいる。まだ息があるかどうかはわからない。
それにしても魔物の数が多い。時間も経っているので王都から出た魔物もいるはず。
グルルルル……と唸るいくつかの魔犬の口からは赤い血が。真っ白な毛に赤い瞳、滴る血……見ているとゾッとする。魔犬というものの、彼らの武器はその鋭い牙と爪。異常な足の速さを持つが魔法を使うわけではない。
「仕方ないわ。来るまでに時間が空いてしまったから」
淡々と言うのはアリスだ。
凄惨な光景。
だが悲しいことに魔物がこの世に現れる以上、目にする機会は稀にある。
全ての人間を救えるほど甘い戦いばかりではない。
「あっ、アリス嬢。あー……王子妃と呼んだ方が良いですか?」
魔法で強化した剣で魔犬を薙ぎ払うショートカットの小麦色の肌を持つ女性ハンターが声をかけてきた。
「お久しぶりですお孫様。呼び方は何でも結構。援護します」
彼女は討伐協会会長の孫娘。だからお孫様とアリスは呼んでいる。
「数が多いし、動きが速いから分散してしまってあちこちで被害が出ているわ。兵士も合流してくれたけれど、全部は追いきれない状態よ。そもそも足が速すぎて追いつけない。何か案はない?」
会話の最中も皆魔犬と戦う。
「「おーい……アリス」」
思案するアリスを呼ぶ声が馬の足音と共に近づいてくる。
「あら、義兄上様」
駆け付けたのはユーリとルカだった。増援を連れてきたようだ。
「被害が大きいみたいだから、少しでも手助けできればと思ってね」
「助かります。……が、全てを討伐するには難しいかと。これを使いましょうか」
アリスの手には薄いピンク色の液体が入った小瓶が握りしめられていた。
「何それ?」
ルカが尋ねる。
「魅了薬です。魔物のですが」
この前姉のエミリアからもらったもの。相変わらずいろいろな薬を作っているようだった。
「言うこと聞くとか?大人しくなるとか?」
「言葉が通じないのに、どうやって言う事聞かせるんですか?むしろ少々荒くなるかと……」
「それ……何に役立つの?」
呆れた表情をするお孫様。
「これを服用すると、一定範囲にいる魔物に狙われます。魔物を引き寄せるフェロモンが出るそうです」
「激ウマ飯になるわけね」
激ウマ飯に向かって一直線。他に取られないように動きも速くなる……と。
「魔犬があちこちに分散していますので、被害は広がるばかりでしょう。一旦集めるのが良策かと」
「多少怪我人は出るかもしれないわね……」
魔犬が人間を避けて走るとは思えない。思いっきりぶつかったら怪我する人も出てくるはず。だがこのままでは噛みつかれ、爪で引き裂かれる人が増えるのみ。時間が経つほど遠くに行く魔犬も増えてしまう。
「……仕方ないか。アリス嬢、それでいきましょう。できるだけ魔犬に当たらないように我らは皆を避難させましょう。将軍様……お仲間にも伝達よろしく」
協会が第1発見者である為、彼らに討伐の権利がある。もちろん指揮権も協会だ。彼女の言葉を受けた近くにいた者たちが頷く。お孫様は最後に力強くアリスを見る。
「ではよろしくお願いします」
「………………私ですか?」
「もちろんです」
「援護に来た私が飲むんですか?」
「もちろんです。たくさんの魔物に狙われるんですよね?我らでは無理です」
「まあ」
そうかもしれないが……。もうちょっとなんか……まあないか。
「すみません。我らも命は惜しいので。時間がないのでお早く」
「………………」
アリスは黙ってゴクリと飲む。自身には特に何も変化はない。が、その場にいる全ての魔犬の目がアリスを捉えた。涎を垂らしながら猛スピードで駆けてくる。
「では!」
皆、それぞれ民を守るために駆けていった。
その場にただ立つアリスに大量の魔犬が襲いかかる。
が、
全滅した。
アリスが放った風の刃によって。
アリスを取り囲むように魔犬の亡骸が転がる。
静寂は一瞬だった。
次から次に襲い来る魔犬。
アリスは手に剣を出現させると、無言で襲い来る魔犬を斬り捨てていく。
どれだけの時間が経過したのか……。
魔犬の咆哮、民の悲鳴は安堵の声、歓声に変わった。
「アリス様、お疲れ様でした。討伐後にしてはおきれいですね……?」
近くの魔犬を退治しつつ、民を避難させていたイリスがアリスの元に戻ってきた。
「まあ皆を怖がらせるのもね……」
彼女は討伐後速やかに自身についた血や汚れを魔法で綺麗にしていた。皆が安堵しているところに血まみれの人間が立っていたら怖いだろうから。
ちらりと見る先には魔犬の亡骸。
「ただ他の世界から来ただけなのにね……」
「致し方ありません。やらねばやられるのですから」
「そうだけれど……」
アリスはフーと深いため息をつく。そして今回の件で命を失った人、魔犬の冥福を祈るように目を閉じる。
「アリス嬢、本当に助かったわ。帰るんでしょ?」
女性の声に目を開くアリス。
「お孫様」
「討伐料とか王様に話しに行くから、また会えるわね」
「いいえ」
「えっ!?戻らないの?旦那さんに愛想尽かしたの?実家に戻れる?戻れないならうちくる?」
やった!アリスが来たらガッポリと目を輝かせるお孫様。
「違います。この場に残ると言っているのです」
「えーーー……なんだぁ……紛らわしい」
誰が見てもガックシと項垂れるお孫様に周りのハンターが軽く笑う。仕方ないっすよお嬢と慰められている。
「診療所が近くにあるのでそちらを手伝おうと思います」
先日行った診療所が近くにある。恐らく、今かなりの患者が担ぎ込まれているはず。
「かーーーっ!すっっっごい魔力量ですね」
皆命がけで戦った。誰が頑張ったとか比べるものではないかもしれないが、やはり誰に聞いても一番身体を張って戦ったのも魔力を消費し続けたのもアリスだろう。
この後に治癒魔法など、やはり人外。
「本当に頼もしいわ!」
ガシッとこちらの肩に腕を回しニカッと笑うさまはまるでマブダチのようだとアリスは思う。最近王宮の優雅な微笑みやうざさに振り回されてばかりだったので、邪気のない笑みに心が和む。
「本当に大変なのは王宮だと思いますけど」
「うん?後処理とか?」
「まあ、それもありますけど……」
よくわからないがそれだけではないよう。
それにしても
「アリス嬢、こっわー」
王宮の方に視線を向けるアリスの顔に浮かぶは
これからの出来事を想像し、
怪しく、
仄暗く輝く、
嘲笑だった。
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