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128.ルビーちゃん教えてby双子①
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「「こんにちはー!」」
「……なんかあなた達気合入ってない?」
ルビーの前には朝からキラキラと輝く金と銀の頭。ペコリと頭を下げて挨拶するので陽が当たり眩しい。
それにいつもは地味な平民の格好をしているのに今日はオリビアは簡素ながらもきれいな水色のワンピース、ラルフは黒のパンツ、白いシャツ、黒のジャケットを羽織ってビシッと決めている。
「だってぇ」
「ねぇ」
「「今日はルビーちゃんのご主人に会うから!キャッ!」」
何がキャッ!だ。二人揃って両手を頬に当てる様は年頃の小娘のよう。
「「似合ってるでしょ?」」
不快気な顔をするルビーに構うことなくずいずい迫るキラキラと輝く透き通った紫色の4つの目。
う…………………
生意気だ。
生意気だが。
「とても似合ってます……」
彼らの美貌の前に似合っていないなどという嘘は言えなかった。
「ルビーちゃんは目の下に隈が……」
まじまじと人の顔を見て言わないでほしい。
「ちょっと寝不足でね」
ふとそう答えてちょっといたずら心が湧いた。
「あなたた達のお母様も子育てで寝不足になったことあるでしょ?」
きっとあるに違いない。あのアリスに隈……ちょっと笑える。
「「ううん、うちはお父様が隈できてたって言ってたよ」」
アリスは寝不足ー?何それーだった。
「あ、そう」
ぽかんと口を開けてしまうルビー。
アリスはなんと見事にブランクを……
「「調教力すごいでしょう?」」
……子供がそんな言葉を使って良いのか?まあ自分も思ったが。
「ねえねえルビーちゃん!旦那さんとはどこで出会ったの?」
オリビアが瞳を煌めかせながら問うてくる。
「え?そんなこと聞きたいの?」
「「聞きた~い」」
2人揃って顎の下に両手の握り拳を添える姿が可愛らしい。
「マセガキね」
「あら、女は何歳であっても女よ。恋バナ大好きな生き物なのよ」
「…………………………」
なんだその知らない?のとでも言いたげな視線は。
「オリビア、おばさんになると乙女心がわからなくなるのかもしれないよ」
「まあ!ルビーちゃん……」
可哀想なものを見る目で見るなこら。このガキたちはなんて失礼なのか。
だが
「いいわ。あの人が戻るまで時間があるから話してあげるわ」
やったー!と喜ぶ2人に笑みがこぼれる。こうして可愛らしく子供っぽいところを見ると多少の失礼な言葉など許してしまう。
つくづく見た目とは大事だと思うルビーだった。
~~~~~~~~~~
魔獣の襲来から数日後、彼女は修道院内で一人の男性を探していた。
いた。あの人だ。
ルビーの目の前には茶色の短髪をした優しげな風貌の青年が洗濯を干していた。近づくルビーに気づいたのか振り返る彼。
「君は……確かこの前の……」
「この前はありがとうございました」
「騎士として当然のことをしただけだからお礼なんていいよ」
「でも私が助けられたのは事実だからお礼を言わせて」
そう言うと彼は少しだけ照れくさそうにああと笑った。素敵な笑顔だった。
「あの……名前は………」
「トキと言います」
彼――――トキはこの前の魔物の襲撃の際に助けてくれた人だった。どこかで見た顔だと思っていたが、休日に修道院の手伝いに来てくれる騎士だと気づいた。
お礼を言って終わり……ということはなく
休日の度に修道院を訪れるトキとよく話すようになった。ルビーとてまだ若い女性。助けてくれた男性。しかも性格良し。見た目は……まあ良く言えば好青年といった感じだ。そんな彼に惹かれないはずはなかった。
修道女である以上、恋愛はご法度だ。
まあボスさんの時は金蔓というのかウェンディのこともあって皆目を瞑って……ごほんっ。
王命でここにいる以上ここから出られる可能性はない。
この淡い恋心には蓋をした。
修道院内で彼の評判は頗る高かった。多忙な騎士でありながら休日の度に必ず修道院の手伝いをするトキ。雑事をしたり怪我人の手当をしたりと色々な手伝いをしているがどんなときも丁寧で物腰穏やかで、爽やかな笑顔で……
ルビー以外にも彼にときめいている修道女もいるようだった。
でも……トキが意識したのはルビーだった。彼女を見つめているときに隠しきれない熱が瞳に宿っていたから。ルビーとトキの心の距離は近づいていった。
~~~~~
「「えーーーーー不良修道女じゃーーーーん!破門!破門!破門!あっ、だから今ここにいるのか」」
「うっさいわね!お互い思いを打ち明けもしてないし、お触りもしてないわよ!」
「お触り!?」
「いや~ん!」
「「は・れ・ん・ち」」
こいつらげんこつでも……いやいやいかん相手は子供達。しかも王族。自分の首が飛ぶ。
それよりも
「破門されたかったわよ…………できることなら」
でも
「ああ、お祖父様からの命令だから勝手に出られないし、出せないよね~」
お祖父様!?
ああ。
こんなところに頻繁に来て言動に品もないがこの子達は王孫だった。
「そうよ、だから…………」
~~~~~
トキと一緒になりたい。でもそれは許されない。
自分の犯した罪によって。
散々わがまま放題好き放題してきた報い。
修道院に来てから自分がしてしまったことを後悔することばかりだ。いや、まあ……そう感じさせるために修道院に行かされているのだから当たり前なのだが。
トキにはこの先未来がある。騎士として出世、素敵な女性との出会いもきっと…………そう考えるとか胸が痛むが、仕方ないことだ。
自分がしたことへの報いなのだから。
トキは素敵な人だからきっとすぐに相手が見つかる。そういう人に出会ったら祝福すると決めた。……口だけでも。
がルビーのそんな決意とは裏腹に、トキには良い出会いが無いようだった。いや……トキはルビーに熱い視線を向け続けた。
ルビーはその想いに応えられないのが辛かった。だから毎日毎日仕事を必死にこなすことで胸の痛みを誤魔化していた。
「……なんかあなた達気合入ってない?」
ルビーの前には朝からキラキラと輝く金と銀の頭。ペコリと頭を下げて挨拶するので陽が当たり眩しい。
それにいつもは地味な平民の格好をしているのに今日はオリビアは簡素ながらもきれいな水色のワンピース、ラルフは黒のパンツ、白いシャツ、黒のジャケットを羽織ってビシッと決めている。
「だってぇ」
「ねぇ」
「「今日はルビーちゃんのご主人に会うから!キャッ!」」
何がキャッ!だ。二人揃って両手を頬に当てる様は年頃の小娘のよう。
「「似合ってるでしょ?」」
不快気な顔をするルビーに構うことなくずいずい迫るキラキラと輝く透き通った紫色の4つの目。
う…………………
生意気だ。
生意気だが。
「とても似合ってます……」
彼らの美貌の前に似合っていないなどという嘘は言えなかった。
「ルビーちゃんは目の下に隈が……」
まじまじと人の顔を見て言わないでほしい。
「ちょっと寝不足でね」
ふとそう答えてちょっといたずら心が湧いた。
「あなたた達のお母様も子育てで寝不足になったことあるでしょ?」
きっとあるに違いない。あのアリスに隈……ちょっと笑える。
「「ううん、うちはお父様が隈できてたって言ってたよ」」
アリスは寝不足ー?何それーだった。
「あ、そう」
ぽかんと口を開けてしまうルビー。
アリスはなんと見事にブランクを……
「「調教力すごいでしょう?」」
……子供がそんな言葉を使って良いのか?まあ自分も思ったが。
「ねえねえルビーちゃん!旦那さんとはどこで出会ったの?」
オリビアが瞳を煌めかせながら問うてくる。
「え?そんなこと聞きたいの?」
「「聞きた~い」」
2人揃って顎の下に両手の握り拳を添える姿が可愛らしい。
「マセガキね」
「あら、女は何歳であっても女よ。恋バナ大好きな生き物なのよ」
「…………………………」
なんだその知らない?のとでも言いたげな視線は。
「オリビア、おばさんになると乙女心がわからなくなるのかもしれないよ」
「まあ!ルビーちゃん……」
可哀想なものを見る目で見るなこら。このガキたちはなんて失礼なのか。
だが
「いいわ。あの人が戻るまで時間があるから話してあげるわ」
やったー!と喜ぶ2人に笑みがこぼれる。こうして可愛らしく子供っぽいところを見ると多少の失礼な言葉など許してしまう。
つくづく見た目とは大事だと思うルビーだった。
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魔獣の襲来から数日後、彼女は修道院内で一人の男性を探していた。
いた。あの人だ。
ルビーの目の前には茶色の短髪をした優しげな風貌の青年が洗濯を干していた。近づくルビーに気づいたのか振り返る彼。
「君は……確かこの前の……」
「この前はありがとうございました」
「騎士として当然のことをしただけだからお礼なんていいよ」
「でも私が助けられたのは事実だからお礼を言わせて」
そう言うと彼は少しだけ照れくさそうにああと笑った。素敵な笑顔だった。
「あの……名前は………」
「トキと言います」
彼――――トキはこの前の魔物の襲撃の際に助けてくれた人だった。どこかで見た顔だと思っていたが、休日に修道院の手伝いに来てくれる騎士だと気づいた。
お礼を言って終わり……ということはなく
休日の度に修道院を訪れるトキとよく話すようになった。ルビーとてまだ若い女性。助けてくれた男性。しかも性格良し。見た目は……まあ良く言えば好青年といった感じだ。そんな彼に惹かれないはずはなかった。
修道女である以上、恋愛はご法度だ。
まあボスさんの時は金蔓というのかウェンディのこともあって皆目を瞑って……ごほんっ。
王命でここにいる以上ここから出られる可能性はない。
この淡い恋心には蓋をした。
修道院内で彼の評判は頗る高かった。多忙な騎士でありながら休日の度に必ず修道院の手伝いをするトキ。雑事をしたり怪我人の手当をしたりと色々な手伝いをしているがどんなときも丁寧で物腰穏やかで、爽やかな笑顔で……
ルビー以外にも彼にときめいている修道女もいるようだった。
でも……トキが意識したのはルビーだった。彼女を見つめているときに隠しきれない熱が瞳に宿っていたから。ルビーとトキの心の距離は近づいていった。
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「「えーーーーー不良修道女じゃーーーーん!破門!破門!破門!あっ、だから今ここにいるのか」」
「うっさいわね!お互い思いを打ち明けもしてないし、お触りもしてないわよ!」
「お触り!?」
「いや~ん!」
「「は・れ・ん・ち」」
こいつらげんこつでも……いやいやいかん相手は子供達。しかも王族。自分の首が飛ぶ。
それよりも
「破門されたかったわよ…………できることなら」
でも
「ああ、お祖父様からの命令だから勝手に出られないし、出せないよね~」
お祖父様!?
ああ。
こんなところに頻繁に来て言動に品もないがこの子達は王孫だった。
「そうよ、だから…………」
~~~~~
トキと一緒になりたい。でもそれは許されない。
自分の犯した罪によって。
散々わがまま放題好き放題してきた報い。
修道院に来てから自分がしてしまったことを後悔することばかりだ。いや、まあ……そう感じさせるために修道院に行かされているのだから当たり前なのだが。
トキにはこの先未来がある。騎士として出世、素敵な女性との出会いもきっと…………そう考えるとか胸が痛むが、仕方ないことだ。
自分がしたことへの報いなのだから。
トキは素敵な人だからきっとすぐに相手が見つかる。そういう人に出会ったら祝福すると決めた。……口だけでも。
がルビーのそんな決意とは裏腹に、トキには良い出会いが無いようだった。いや……トキはルビーに熱い視線を向け続けた。
ルビーはその想いに応えられないのが辛かった。だから毎日毎日仕事を必死にこなすことで胸の痛みを誤魔化していた。
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※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
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