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新天地篇
グルドの秘宝と峡谷
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ラミンの愉快な下僕達と一旦別行動になり先を急ぐ。
彼等下僕たちはカリュアス国の現状などを探るらしい、ボクらにも情報を流すと約束し去っていった。
「うん、便利な手駒」
渓谷には安全な通り道はない、魔物と盗賊が潜んでいるからだ。
ボクが蔦橋を造り走り抜けても構わないのだが、それでは面白くない。
「ハタ迷惑な盗賊を退治しても誰も咎めないよな?」
「その通り!名案でーす!」「私の拳が火を噴きます!」
即座にラミンとエリマは歓喜する。
「でも、馬車はどうするっす?留守番は嫌っす」
意外にゴネたのはアクティだった、彼の強力はたしかに盗賊退治にあてたい。
それならマホガニーとグルドが留守番に。
「絶対嫌です!坊ちゃんは私が護るのですから」
「こんなムッツリと留守など断固拒否であるぞ、ドリュアス殿は酷い!」
あぁやっぱりゴネた……。
傾斜のある渓谷は馬車移動は無理だ、落下してバラバラだ。なにより馬が可哀そう。
ならば簡易小屋を造って馬車だけ待機を選ぶか。
頑丈な小屋を造ろうとボクが動いたら、グルドが画期的な方法があると言い出した。
彼は馬車から自分の体の2倍ほどあるものを持ってきた。
「私の取って置き!クロノスバッグである、皆の物平伏するが良いぞ!」
クロノスバッグ!?なんだそれ?
「これは時を司る精霊クロノス殿に賜った便利袋、私の宝の一つであるぞ」
「どう便利なんだい?」
馬車小屋とどう繋がるのかさっぱりなので、全員が首を傾げた。
グルドは百聞は一見に如かずと言いバッグを開いて「クロスクロノス!」と叫んだ。
バッグがブワリと一枚の布のようになると、馬車を包み隠すように飲み込んだ。
一瞬黄金に光るとそれはシュッと縮み元のバッグに戻った。
「え?え?馬は?荷車はどこっす!?」アクティが素直な驚きをする。
「狼狽えるでないアクティ。馬車は時の加護により異空間に格納されたのだ」
グルドの説明では時の止まった空間に、あらゆるモノが保護されるのだそうだ。
生き物も食材も劣化することなくそこに存在するらしい。しかも収納枠は無限。
「便利だな、だったら大きな馬車は要らなかったのでは?」
マホガニーが至極当然のことを言った。まぁそうなるよね。
「チッチッ!それでは旅の情緒も醍醐味もなかろう?これだから石頭は」
「んな!失敬な!」
面倒な言い争いになりそうだったので二人を蔦でグルグル巻きにした。
四大精霊よりも遥か前に生まれたという時の精霊とグルドの繋がりがとても気になるが、取り合えず後回し。
ボクらの目的は目の前だ。
グルドご自慢のクロノスバッグに、馬と荷車を格納してボクらは魔物の森へ踏み入れた。
アクティが先頭を歩き道を造る、簡易獣道というところだ。
雑木林に隙間なく草花が生えている。ほとんどが薄気味悪い形をしていて、いかにも毒です近寄るなゴラァ!という警戒色のものばかりだ。
「魔の森はドリアードの加護がないのに繁茂するのですね?」
ラミンが不思議そうに歯の生えた蒲公英をつついて問う。
「まあね、本来加護を頼らずとも自然に茂るものだけど。」
「カリュアス国土は加護に頼り過ぎて自然力を失ったのですよ、肥えた土でもないのに無理やり生やしていたようなものですから」
ボクの代わりにマホガニーが答えた。
「それと、大渓谷は四大元素が地中から漏れている場所です。われら精霊が生まれた源とも言われ。近くで生まれた動植物が活性化し過ぎて魔物になるんです」
「しだい……げんそ?なんすかそれ」
ついて行けないアクティにボクが教える。
「その元素が生命の根源でエネルギー……簡単に言えばボクらはエネルギー体なんだよ。他の生物も極小エネルギーみたいなもの、食べたら元気になるだろう?」
アクティはまだ混乱している、ラミンが割って入った。
「そっか、だから坊ちゃんとゲノーモス様の御力は凄いのよ!規格外なエネルギー体なんだもの」
アクティは結局「美味しいのがエネルギーっす」と、斜め上な理解をしていた。
キミの理解力は異次元へ飛んで行ったのか。
ノーム、ウンディーネ、シルフ、サラマンドラが四大精霊。
四大精霊の力で動植物が生まれた、つまり……。
ドリアードは木から生まれた下っ端精霊なのだ。人間には魔物扱いされたりするけど。
一応それなりに強いよ?たぶん。
……チッ。
彼等下僕たちはカリュアス国の現状などを探るらしい、ボクらにも情報を流すと約束し去っていった。
「うん、便利な手駒」
渓谷には安全な通り道はない、魔物と盗賊が潜んでいるからだ。
ボクが蔦橋を造り走り抜けても構わないのだが、それでは面白くない。
「ハタ迷惑な盗賊を退治しても誰も咎めないよな?」
「その通り!名案でーす!」「私の拳が火を噴きます!」
即座にラミンとエリマは歓喜する。
「でも、馬車はどうするっす?留守番は嫌っす」
意外にゴネたのはアクティだった、彼の強力はたしかに盗賊退治にあてたい。
それならマホガニーとグルドが留守番に。
「絶対嫌です!坊ちゃんは私が護るのですから」
「こんなムッツリと留守など断固拒否であるぞ、ドリュアス殿は酷い!」
あぁやっぱりゴネた……。
傾斜のある渓谷は馬車移動は無理だ、落下してバラバラだ。なにより馬が可哀そう。
ならば簡易小屋を造って馬車だけ待機を選ぶか。
頑丈な小屋を造ろうとボクが動いたら、グルドが画期的な方法があると言い出した。
彼は馬車から自分の体の2倍ほどあるものを持ってきた。
「私の取って置き!クロノスバッグである、皆の物平伏するが良いぞ!」
クロノスバッグ!?なんだそれ?
「これは時を司る精霊クロノス殿に賜った便利袋、私の宝の一つであるぞ」
「どう便利なんだい?」
馬車小屋とどう繋がるのかさっぱりなので、全員が首を傾げた。
グルドは百聞は一見に如かずと言いバッグを開いて「クロスクロノス!」と叫んだ。
バッグがブワリと一枚の布のようになると、馬車を包み隠すように飲み込んだ。
一瞬黄金に光るとそれはシュッと縮み元のバッグに戻った。
「え?え?馬は?荷車はどこっす!?」アクティが素直な驚きをする。
「狼狽えるでないアクティ。馬車は時の加護により異空間に格納されたのだ」
グルドの説明では時の止まった空間に、あらゆるモノが保護されるのだそうだ。
生き物も食材も劣化することなくそこに存在するらしい。しかも収納枠は無限。
「便利だな、だったら大きな馬車は要らなかったのでは?」
マホガニーが至極当然のことを言った。まぁそうなるよね。
「チッチッ!それでは旅の情緒も醍醐味もなかろう?これだから石頭は」
「んな!失敬な!」
面倒な言い争いになりそうだったので二人を蔦でグルグル巻きにした。
四大精霊よりも遥か前に生まれたという時の精霊とグルドの繋がりがとても気になるが、取り合えず後回し。
ボクらの目的は目の前だ。
グルドご自慢のクロノスバッグに、馬と荷車を格納してボクらは魔物の森へ踏み入れた。
アクティが先頭を歩き道を造る、簡易獣道というところだ。
雑木林に隙間なく草花が生えている。ほとんどが薄気味悪い形をしていて、いかにも毒です近寄るなゴラァ!という警戒色のものばかりだ。
「魔の森はドリアードの加護がないのに繁茂するのですね?」
ラミンが不思議そうに歯の生えた蒲公英をつついて問う。
「まあね、本来加護を頼らずとも自然に茂るものだけど。」
「カリュアス国土は加護に頼り過ぎて自然力を失ったのですよ、肥えた土でもないのに無理やり生やしていたようなものですから」
ボクの代わりにマホガニーが答えた。
「それと、大渓谷は四大元素が地中から漏れている場所です。われら精霊が生まれた源とも言われ。近くで生まれた動植物が活性化し過ぎて魔物になるんです」
「しだい……げんそ?なんすかそれ」
ついて行けないアクティにボクが教える。
「その元素が生命の根源でエネルギー……簡単に言えばボクらはエネルギー体なんだよ。他の生物も極小エネルギーみたいなもの、食べたら元気になるだろう?」
アクティはまだ混乱している、ラミンが割って入った。
「そっか、だから坊ちゃんとゲノーモス様の御力は凄いのよ!規格外なエネルギー体なんだもの」
アクティは結局「美味しいのがエネルギーっす」と、斜め上な理解をしていた。
キミの理解力は異次元へ飛んで行ったのか。
ノーム、ウンディーネ、シルフ、サラマンドラが四大精霊。
四大精霊の力で動植物が生まれた、つまり……。
ドリアードは木から生まれた下っ端精霊なのだ。人間には魔物扱いされたりするけど。
一応それなりに強いよ?たぶん。
……チッ。
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