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それぞれの顛末
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冒険者の兄妹と知り合ったポーラは、再び進路で迷うことになった。
酒場でのことがきっかけで共に旅をしないかと誘われてしまったからだ。
大いに悩む彼女を見て、ネッテの兄フリッツは「装具師をしながらだって旅は出来る」と促すのだ。
「俺達だって年中旅しているわけじゃないよ、王都を拠点にして動けば良いのさ」
「うーん、そうね。確かに暇になる冬に装具を作って、春先に店に装具を並べれば商売はできるかも」
「やった!話は纏まったよね」
新たに仲間となったポーラを兄妹はとても歓迎した、ポーラは早速と彼らにバフ付き装具を手渡すのだ。
「ネッテには指輪ね、フリッツは腕輪と脛当てどちらにする?」
「そうだな、脛当てがいいな。手元は楽にしておきたい」
そして、装具を受け取り身に着けると身体能力を爆上げされた兄妹は身体の異変にすぐに気が付いて、スゴイ物を貰ってしまったと感激する。
「すんごーい!今ならブラッディベアも一撃で倒せる気がする!」
「お、俺もだ、剣がまるで羽のように軽いぞ」
喜んでもらえた様子を目にしてポーラは目を細めた、彼ら兄妹が彼女を裏切らない限りその身に装具はあり続けるだろう。
どうか大切に使って欲しいとポーラは願う。
***
季節は廻り3度目の春を迎えた頃。
ポーラとフリッツ兄妹は、装具店を兼ねた一軒家を購入して暮らしていた。
さらに彼らは仲間から家族へと関係を変えて幸福に満ちた日々を過ごしている。
ポーラ28歳、フリッツ31歳で夫婦になり腰を落ち着かせたのだ。時々はギルドから依頼が入れば討伐などに精を出すこともあった。
彼ら家族は3年の間に上級ランク冒険者になって名を揚げていた。ギルドに出向かずとも指名が貰えるほどに強くなっていたのである。
やがて、もう一人家族が増えてポーラは冒険者を完全に引退することにした。
フリッツ兄妹は護衛の仕事に絞り、極たまに遠出することはあったが、王都周辺を警備する仕事に従事していた。
まっすぐに生きたポーラたちは安寧の生活を手に入れたのである。
「ポーラと出会て本当に幸せだよ」
「私も!義姉さんと出会えたあの夜を忘れないから」
「ふふ、ありがとう。私こそ幸せで怖いほどだわ」
ポーラは間もなく生まれるであろう、もう一人の家族を心待ちにして、丸く膨れたお腹を撫でるのだった。
とある旅人達が少し小高い位置より周辺を眺めていた、遠目に映るのは集落の名残である。
「ここいらは豊かな子爵領だったらしいぜ」
「へぇ、だが落ちぶれたもんだなぁ。瓦礫しかねぇぞ」
田畑は荒れて背の低い雑木だらけになっている、町の中心にあった領主の豪邸は柱くらいしか残っていない。
「なんでも名が通った勇者が居ついたらしいが、それが運の尽きだったらしい」
「は?そんな強者が護る土地がこんなに廃れるもんかい、与太話はよせやい!」
「はは、そりゃそうだ。俺も人伝に聞いただけだからな」
彼らは休憩していた岩から腰を上げると王都を目指して歩き始めた。
たかがコボルトの集団に全滅させられた情けない領地は、地図に名前すら残っていない。
完
酒場でのことがきっかけで共に旅をしないかと誘われてしまったからだ。
大いに悩む彼女を見て、ネッテの兄フリッツは「装具師をしながらだって旅は出来る」と促すのだ。
「俺達だって年中旅しているわけじゃないよ、王都を拠点にして動けば良いのさ」
「うーん、そうね。確かに暇になる冬に装具を作って、春先に店に装具を並べれば商売はできるかも」
「やった!話は纏まったよね」
新たに仲間となったポーラを兄妹はとても歓迎した、ポーラは早速と彼らにバフ付き装具を手渡すのだ。
「ネッテには指輪ね、フリッツは腕輪と脛当てどちらにする?」
「そうだな、脛当てがいいな。手元は楽にしておきたい」
そして、装具を受け取り身に着けると身体能力を爆上げされた兄妹は身体の異変にすぐに気が付いて、スゴイ物を貰ってしまったと感激する。
「すんごーい!今ならブラッディベアも一撃で倒せる気がする!」
「お、俺もだ、剣がまるで羽のように軽いぞ」
喜んでもらえた様子を目にしてポーラは目を細めた、彼ら兄妹が彼女を裏切らない限りその身に装具はあり続けるだろう。
どうか大切に使って欲しいとポーラは願う。
***
季節は廻り3度目の春を迎えた頃。
ポーラとフリッツ兄妹は、装具店を兼ねた一軒家を購入して暮らしていた。
さらに彼らは仲間から家族へと関係を変えて幸福に満ちた日々を過ごしている。
ポーラ28歳、フリッツ31歳で夫婦になり腰を落ち着かせたのだ。時々はギルドから依頼が入れば討伐などに精を出すこともあった。
彼ら家族は3年の間に上級ランク冒険者になって名を揚げていた。ギルドに出向かずとも指名が貰えるほどに強くなっていたのである。
やがて、もう一人家族が増えてポーラは冒険者を完全に引退することにした。
フリッツ兄妹は護衛の仕事に絞り、極たまに遠出することはあったが、王都周辺を警備する仕事に従事していた。
まっすぐに生きたポーラたちは安寧の生活を手に入れたのである。
「ポーラと出会て本当に幸せだよ」
「私も!義姉さんと出会えたあの夜を忘れないから」
「ふふ、ありがとう。私こそ幸せで怖いほどだわ」
ポーラは間もなく生まれるであろう、もう一人の家族を心待ちにして、丸く膨れたお腹を撫でるのだった。
とある旅人達が少し小高い位置より周辺を眺めていた、遠目に映るのは集落の名残である。
「ここいらは豊かな子爵領だったらしいぜ」
「へぇ、だが落ちぶれたもんだなぁ。瓦礫しかねぇぞ」
田畑は荒れて背の低い雑木だらけになっている、町の中心にあった領主の豪邸は柱くらいしか残っていない。
「なんでも名が通った勇者が居ついたらしいが、それが運の尽きだったらしい」
「は?そんな強者が護る土地がこんなに廃れるもんかい、与太話はよせやい!」
「はは、そりゃそうだ。俺も人伝に聞いただけだからな」
彼らは休憩していた岩から腰を上げると王都を目指して歩き始めた。
たかがコボルトの集団に全滅させられた情けない領地は、地図に名前すら残っていない。
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