クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら

リヒト

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第一章 陰陽師

裏世界

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 赤く、燃え滾るように真っ赤な空。
 昼夜の境界が果たしてあるのだろうか?ただひとえに濃い血のような赤が完全に覆い尽くしている空から時刻を見ることは出来ない。
 太陽は一切ないというのに、常に空か原焼け焦げた光が地表に降り注いでいる。それは暖かさをもたらすどころか、肌を刺すような冷たさを感じさせる奇妙な光だった。
 地面はひび割れ、乾ききっている。枯れ果てた木々の影が長く伸び、風が吹くたびに枝が不気味な音を立てて揺れる。かつて街だった場所には、崩れた建物の残骸が散乱し、朽ち果てた車が道端に転がっている。舗装道路は砂と瓦礫に埋もれ、どこへ続いているのかもわからない。

「うぅーん……いや、何処っ!?」

 どれだけ自分でこの現状を冷静に見ていても、何もわからんっ。
 マジで何処だよ。僕ってばさっきまで普通に首相官邸にいたじゃん。なんで全然知らない場所にいるの?

「……?」

 なんてことを考えていた中で、再び、自分が立っている地面が揺れ始める。

「ガァァァァァアアアアアアア!?」

 何が起こるのか。
 警戒して待っていた中で、いきなり自分が立っていた地面が崩壊し、そこから一つの大きな口が飛び出してくる。

「……ッ!?」

 それを前にする僕はほぼ反射的に崩れゆく地面を蹴り、空中へと飛びあがる。
 そんな僕のすぐ足元で、甲高く狂暴な歯と歯が重なり合う音が響いた後、その口は再び地面の中へと戻っていく。

「……」

 それを見守っていた僕は空中に上がっていた地面の一部を蹴ることで進路を変更。
 先ほどまで立っていた場所とは離れたところに着地する。

「こわっぁ!?」

 そして、先ほどの巨大な口のことを思い出して困惑と恐怖の声を上げる。

「はっ!?えっ!?」

 ナニコレソレワレコレなのだがっ……あまりにも意味が分からない。何だよ、あの化け物。

「……これが、妖魔か?」

 見たこともない化け物だが、今の僕にはあいつが何なのか。その正体が何となくわかってしまった。

「……こんな形で再確認したくはなかった」

 ここはあれだね。妖魔が住んでいるという裏世界、ってやつだね……。

「はぁー」

 僕の周りに涼音も、赤羽先生もいない。
 どうやら、僕は妖魔がうようよしているという裏世界に一人で迷い込んでしまったらしい。

「……そんなことあるかねぇ」

 もっとちゃんとしてくれ。陰陽師。いきなり無辜の民を危険地帯に放り込ませないでくれ……っ。マジで、これからどうすればいいんだ。僕は。
 クソっ、裏世界に迷いこんだ時の対処法も聞いておけばよかった。助けは来るのか?これ。

「ナァ!」

「……ッ!?」

 僕が内心でこれからどう動くのが正解なのか。ただひたすらに苦心していた中で、いきなり自分の頭の上に僕は質量を感じると共に、鳴き声が聞こえてくる。

「ナァ!」

 その鳴き声の主。
 それはすぐに自分の頭から移動し、足元の方に移動してきた。そいつは少し小さめな、黒い毛玉のような奴だった。

「……何オマエ!?」

 その黒い毛玉が僕の足にすり寄り、体を擦り付けている中で、僕は心の底から再度、困惑の声をあげた。
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