クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら

リヒト

文字の大きさ
10 / 50
第一章 陰陽師

真莉愛

しおりを挟む
 迷いこんでしまった裏世界。
 そこでやみくもに真っすぐ進んでいた僕はそこで女の子を聞き、すぐさまそれに反応して動き出していた。

「あぁ……もうっ!このままじゃ……ッ!」

 声がした方向地点へと僕が辿りついた時、そこには、多数の妖魔に囲まれている一人の少女がいた。その背中に鞘へと仕舞われている剣を背負い、その手に二つの鉄扇を握る少女は今、妖魔たちとの激闘の最中。
 背中にある剣を邪魔そうにしながらアクロバティックな動きを見せる少女は鉄扇を使い、妖魔たちを次々と斬り裂いていた。ただし、彼女のことを囲んでいる妖魔の数は相当なもので、その手数はてんで足りていなかった。

「助太刀するよ」

 ここまで、全ての妖魔たちを剣一つでねじ伏せてやってきた僕はその戦いへと乱入していく。

「……ッ!?」

「よいしょっ!」

 今の僕の手にあるのは最初に握られていたような直剣ではなく、アホみたいにデカい大剣。途中から黒い毛玉の出してくる武器の切れ味が尋常ではないことから、真面目に剣を振るよりも適当にぶん回す方が強いという脳筋思考回路へと帰結したのだ。

「あっはっはっはっはっは!」

 僕は大剣をぶん回し、周りの妖魔たちをゴミのように吹き飛ばしていく。
 電柱くらいあるそいつは雑魚を一掃するのにこれ以上ないほどの強さを持っていた。

「じゅ、呪力を感じない……ッ!?」

「よいしょっ!」

 大剣をもってぶん回ること一分。
 そのほとんどの妖魔を蹴散らすことが出来た。
 残っているのはほんの数体だ。

「ほっ」

 僕は武器を大剣から弓へと持ち替え、残っている妖魔たちのすべてを弓矢で貫き切った。

「あ、貴方……何者なの?」

 すべての妖魔を倒し終えた僕が助けに入った少女。その少女が僕へと疑問の言葉を投げかけてくる。

「んー。名乗れるような肩書きなんて持っていないんだけどぉ……ただの一般通過高校生の有馬優斗だよ。よろしく」

「い、いやいや!?あれだけの大立ち回しておいて名乗れるような肩書きがないってのは無理があるわよっ!……私は、貴方のことを知らないわ。まず、陰陽師かしら?」

「いや、違いますけど」

「なら、何処の手のもの?日本人……いや、中国の人間かしら?私に接触してきて何のつもり?」

「いや、ただの一般人なんですけど」

「ただの一般人が妖魔を倒せるとでも?素晴らしい冗談を言うものね」

「……」

「それで?私をどうするつもり?……容易く、やられるつもりなんてないけど?」

「い、一応……僕ってば助けに入ったつもりなんだけど?」 

 助けに入ったつもりの僕が何故、こんなにも責められているの?

「ハッ。それで油断させて近づこうったってそうはいかないわ。それを許すほど、私の脇は甘くないわよ?」

「……マイナンバーです」

 拉致が開かないかも。
 そう判断した僕は自分の財布からマイナンバーを取り出し、それを見せる。

「えっ?」

 それを受け取った少女は驚愕の表情を見せながら、何かの機械でマイナンバーカードをスキャンする。

「……本物、ね」

 そして、その少女はナイナンバーカードを本物であると認める。

「でしょう?ちゃんと日本人だったでしょう?」

「……えっ?じゃあ、野良の陰陽師?何処の家よ、それ」

「だから、陰陽師じゃないって!?」

 なぁーんでそうなるねんっ!?素直に行こうやっ!信じてぇーな。僕のことを。

「僕のさっきの活躍もこいつのおかげっ!」

 どうしても僕のことを陰陽師にしたいらしい少女の前に黒い毛玉を差し出す。

「ナァ!」

「この妖魔が口から武器を吐き出してくれるの。こいつの武器の切れ味が抜群だから、僕があれだけのことを出来ているだけ」

「……式神じゃないの?そいつ。妖魔にしてはあまりにも害意が少なすぎるわ。妖魔よりの式神。そんなところの存在ではなく?」

「詳しいことどころか、基礎的なことも分からない僕に聞かないで。身体能力に関しては生まれつきだから」

 電柱くらいの大剣をぶん回せたりするのは生まれつきだ。
 車が大爆発の大炎上しても、燃え盛る鉄を引きちぎって脱出して生き残った男だよ。僕は。体つきが人間のそれじゃないんだから。生まれつき。

「え、えぇ……?」

「ところで、貴方の名前は?僕しか名乗っていないけど」

「えっ?あ、あぁ……私は夜風真莉愛よ。よろしく」

「真莉愛さんだね。よろしく」

 ようやく話が進みそう。

「それで、ちょっと僕は───」

 とりあえず、僕は裏世界から出たいんだけど。
 そう話を切り出そうとしたその瞬間。

「「……ッ!?」」

 再び、地面が揺れ動き始める。

「ちょっ!?」

 またか。
 そう思った僕が黒い毛玉より大剣を引き抜いたその瞬間。

「ガァァァァァアアアアアアアアアアッ!」

 地面が割れ、そこから一つの大きな腕が突き出してくる。

「……ハッ!?一級妖魔っ!?なんでそんな奴がっ!?」

「……マジかっ!?」

 自分の隣にいる真莉愛さんが驚愕の声を上げている中、大剣を振るう僕だが、それはあっさりと弾かれた。

「おっとぉ?」

 一撃で屠れないどころか、刃が通らなかった初めての相手。
 たった一発効かなかっただけだが、この裏世界について疎い僕はそれだけでまず、冷や汗を垂らした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜

咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。 そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。 「アランくん。今日も来てくれたのね」 そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。 そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。 「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」 と相談すれば、 「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。 そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。 興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。 ようやく俺は気づいたんだ。 リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。

エース皇命
青春
 高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。  そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。  最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。  陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。  以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。 ※表紙にはAI生成画像を使用しています。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜

大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!? どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

処理中です...