主人公に殺されるゲームの中ボスに転生した僕は主人公とは関わらず、自身の闇落ちフラグは叩き折って平穏に勝ち組貴族ライフを満喫したいと思います

リヒト

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第二章

第十一話

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 氷結花が繁茂する洞窟の最奥。
 そこに足を踏み入れた僕はそこで氷結花が繁茂する理由とここまで魔物が追ってこなくなった理由を悟る。

「……氷」
 
 僕が立っている場所は一見、さっきまでの洞窟と変わらない地面であるように思えるが、よく確認するとそのすべてが氷であり……更にその下。
 そこで強力な力を保有する竜が一柱、眠りについていることを感じ取ることが出来る。

「起きる気配はゼロ……ゲームにも出てきてないからイベントの発生確率もほぼゼロ。警戒する理由はあまりないが、それでも身構えざるを得ないな。これだけ強力な力を持った化け物のような奴が下で寝ていたらそりゃ魔物もここまで来れない」
 
 僕は警戒心を残しながら地面に生えている氷結花の方へと手を伸ばして摘み取る。
 
「根こそぎ持っていくことは万が一に備えてやめておこう」
 
 半分くらいの氷結花を採取した僕はガン待ちしている魔物の方へと視線を送る……採取している最中襲われないのはアドだと思っていたけど、ここまでガン待ちされていると普通にビビるね。

「……ふー」
 
 僕は息を吐き、魔法を発動させる準備を始める……僕程度の魔法であれば下のドラゴンに影響を与えないだろうし、ぶっぱなしちゃって良いだろう。

「世界は見えた。底は知れた。後は放ち、変えるだけ」
 
 僕は小さな声で詠唱をつぶやきながら腕を構える。

「これで終着『ノヴァ』」
 
 自分の使える魔法の中であればかなり強い部類に入る魔法を発動する。
 洞窟内に轟音が響き、光線が空間を穿つ。
 
「きれい、きれい」
 
 ガン待ちしている魔物を全部吹き飛ばした僕は再び地面を駆け抜け、他のみんなが待っているところへと向かった。
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