27 / 87
フェルミト王国編
第26話 聖女の祈り
しおりを挟む
「冗談がお上手ですね。私なんてお母さんの半分も強くありませんよ。あっ。今なら身体強化魔法を使えば半分くらいにはなるかもしれませんけど……。」
そう言えば……お母さんも身体強化使えるのよね。
「良く考えてみたらお母さんも身体強化が使えるわけだから、お母さんは更に強いのかしら?」
「前代未聞の聖女だわ。アリエーンさんの半分も強いだなんて。」
「この強さに加えて回復魔法や将来的には防御魔法の最高峰、聖女の祈りまで使えるようになるわけだからな。」
昨日も言ってたけど、聖女の祈りって何かしら?
「聖女の祈りってなんですか?」
「神に祈りを捧げる事で発動する奇跡の防御魔法と言われているわ。詳しい事は聖女じゃないのでわからないけど……。」
「ちょっとやってみましょうか。」
私は神様に祈ってみた。
(美味しいお菓子食べたい美味しいお菓子食べたい出来ればアイスが良い美味しいアイス食べたい神様お願いします)
「……アリエンナが聖女らしく祈ってるとこ初めて見たな。」
私は真剣に祈りを捧げると……
目の前にキラキラした半透明の壁が出現した。
「これが聖女の祈りという事ですね?」
「凄ぇじゃねぇか! 使えるようになるには結構な修行が必要だって聞いたぜ?」
「そうね。初めてで使える聖女なんて聞いた事ないわ。」
「真剣に祈ったら使えました。きっと使えない人は真剣さが足りていなかったのかもしれません。」
コンコンと出現した壁を軽く叩くギャモー。
「かなり堅そうだぜ?」
「ルディア様。試しにこの壁に魔法を撃ってみて下さい。」
「えぇ? 大丈夫かしら?」
戸惑いながらも興味津々のルディア様。
「じゃあ、二級魔法を撃ってみるわね。」
そう言ってルディア様は雷魔法を放つ。
バチィッ!!
雷が壁に接触すると、簡単にかき消されてしまった。
「凄い……。こんなにあっさり防御されるなんて。」
「今から外に出掛けて一緒に魔法で遊びませんか?」
聖女の祈りとルディア様の魔法で対決してみたい。
「良いわよ! 馬車を用意するから出掛けましょう!」
私達3人は今、王都の外に広がる草原に居る。
近衛兵エルバさんも護衛で付いて来てくれた。
「第一回……聖女の祈り 対 王女殿下の雷魔法対決―!!」
ドンドンドンパフー
エルバさんはどこから太鼓を出したんでしょう?
「エルバさんよぉ。護衛が少なくねぇか?」
「何を言ってるんですか? 王女殿下と聖女様には護衛なんて必要ないでしょう? 2人が居れば大抵の国は滅ぼせますよ。」
「アリエンナが強いって知ってんのか?」
「アリエーンさんの娘さんですよね? どうせSSSランクくらい余裕であるでしょう。」
「……間違っちゃいねぇな。」
「それでは聖女の祈りを発動します。」
(美味しいアイス食べたい美味しいアイス食べたい出来ればチョコアイスが良い美味しいチョコアイス食べたい神様お願いします)
私は真剣に祈った。
「こうして見るとかなり聖女っぽいな……。」
「実際聖女だからね。」
「なんと神々しい。お尻だけでも触らせてもらえないでしょうか?」
「エルバさん。ミンチにされるからやめといた方が良いぞ。」
「触らぬ神に祟りなしという事ですね?」
「使い方が微妙に違うんじゃねぇのかそれ。」
「貴方、妻も子も居るって言ったじゃない。」
「妻のお尻なんて比べ物にならないくらい良いお尻です。王女殿下だって触ってみたいくせに。」
「……。」
エルバさんったら、そんなに真剣な顔で褒められると照れてしまうわ。
触らせませんけどね。
そしてルディア様? 黙ってしまうという事は、もしかして本当に私のお尻触りたいの?
そんな事を考えていると聖女の祈りが発動し、先程よりも大きな半透明の壁が出現する。
「はい。発動出来ましたよ。それではルディア様、お願いします。」
「任せて。次は一級魔法でいくわね。」
ルディア様の体が帯電する。
「天雷。」
ゴォォォッ!!
ルディア様の魔法は、今まで見た事がないくらいの勢いをつけ、私が出した壁に激突する。
そして接触した瞬間、かなりの衝撃を伴い大地を揺らした。
これは流石に耐えられないかしら?
「見ろ! 全く無傷だぞ!」
「凄いわね。加減無しの一級魔法を防ぎきってるわ。」
私の使った聖女の祈りはかなりの強度を持っているようね。
「私もやってみたいです。」
「アリエンナさんも魔法が使えるの?」
「一ヶ月とちょっと前に母に習いました。」
「それだと四……アリエーンさんの娘だし才能ありそうね。三級魔法くらいかしら?」
「……多分ルディア様もビックリすんだろうな。」
ギャモーがボソッと何かを呟いている。
「じゃあいきます。天雷。」
「え?」
早速ルディア様の魔法を真似っこしてみた。
ゴォォォッ!!
私の天雷もそれ程悪くなさそう。
さっきと同じで、壁に接触するとかなりの衝撃がこちらにも伝わってくる。
ルディア様は口をあんぐりと開けていた。
それでも美人ね。美人は得って本当だったんだ。
「……一ヵ月前に魔法を習ったと聞いた気がするんだけど。」
「そうだぞ。俺も一緒に習ったからな。」
「えぇと……今までにも魔法が使えていて、コツを習ったって事なのね。」
「いや? 前までは使えなかったみてぇだな。一緒にクエスト受けてた時も攻撃魔法なんて使ってなかったしよ。」
「そ、そうよね? アリエーンさんの娘だものね。常識を当て嵌めてはいけないわね。」
それだとまるで私が非常識みたいに聞こえるんだけど……。
そう言えば……お母さんも身体強化使えるのよね。
「良く考えてみたらお母さんも身体強化が使えるわけだから、お母さんは更に強いのかしら?」
「前代未聞の聖女だわ。アリエーンさんの半分も強いだなんて。」
「この強さに加えて回復魔法や将来的には防御魔法の最高峰、聖女の祈りまで使えるようになるわけだからな。」
昨日も言ってたけど、聖女の祈りって何かしら?
「聖女の祈りってなんですか?」
「神に祈りを捧げる事で発動する奇跡の防御魔法と言われているわ。詳しい事は聖女じゃないのでわからないけど……。」
「ちょっとやってみましょうか。」
私は神様に祈ってみた。
(美味しいお菓子食べたい美味しいお菓子食べたい出来ればアイスが良い美味しいアイス食べたい神様お願いします)
「……アリエンナが聖女らしく祈ってるとこ初めて見たな。」
私は真剣に祈りを捧げると……
目の前にキラキラした半透明の壁が出現した。
「これが聖女の祈りという事ですね?」
「凄ぇじゃねぇか! 使えるようになるには結構な修行が必要だって聞いたぜ?」
「そうね。初めてで使える聖女なんて聞いた事ないわ。」
「真剣に祈ったら使えました。きっと使えない人は真剣さが足りていなかったのかもしれません。」
コンコンと出現した壁を軽く叩くギャモー。
「かなり堅そうだぜ?」
「ルディア様。試しにこの壁に魔法を撃ってみて下さい。」
「えぇ? 大丈夫かしら?」
戸惑いながらも興味津々のルディア様。
「じゃあ、二級魔法を撃ってみるわね。」
そう言ってルディア様は雷魔法を放つ。
バチィッ!!
雷が壁に接触すると、簡単にかき消されてしまった。
「凄い……。こんなにあっさり防御されるなんて。」
「今から外に出掛けて一緒に魔法で遊びませんか?」
聖女の祈りとルディア様の魔法で対決してみたい。
「良いわよ! 馬車を用意するから出掛けましょう!」
私達3人は今、王都の外に広がる草原に居る。
近衛兵エルバさんも護衛で付いて来てくれた。
「第一回……聖女の祈り 対 王女殿下の雷魔法対決―!!」
ドンドンドンパフー
エルバさんはどこから太鼓を出したんでしょう?
「エルバさんよぉ。護衛が少なくねぇか?」
「何を言ってるんですか? 王女殿下と聖女様には護衛なんて必要ないでしょう? 2人が居れば大抵の国は滅ぼせますよ。」
「アリエンナが強いって知ってんのか?」
「アリエーンさんの娘さんですよね? どうせSSSランクくらい余裕であるでしょう。」
「……間違っちゃいねぇな。」
「それでは聖女の祈りを発動します。」
(美味しいアイス食べたい美味しいアイス食べたい出来ればチョコアイスが良い美味しいチョコアイス食べたい神様お願いします)
私は真剣に祈った。
「こうして見るとかなり聖女っぽいな……。」
「実際聖女だからね。」
「なんと神々しい。お尻だけでも触らせてもらえないでしょうか?」
「エルバさん。ミンチにされるからやめといた方が良いぞ。」
「触らぬ神に祟りなしという事ですね?」
「使い方が微妙に違うんじゃねぇのかそれ。」
「貴方、妻も子も居るって言ったじゃない。」
「妻のお尻なんて比べ物にならないくらい良いお尻です。王女殿下だって触ってみたいくせに。」
「……。」
エルバさんったら、そんなに真剣な顔で褒められると照れてしまうわ。
触らせませんけどね。
そしてルディア様? 黙ってしまうという事は、もしかして本当に私のお尻触りたいの?
そんな事を考えていると聖女の祈りが発動し、先程よりも大きな半透明の壁が出現する。
「はい。発動出来ましたよ。それではルディア様、お願いします。」
「任せて。次は一級魔法でいくわね。」
ルディア様の体が帯電する。
「天雷。」
ゴォォォッ!!
ルディア様の魔法は、今まで見た事がないくらいの勢いをつけ、私が出した壁に激突する。
そして接触した瞬間、かなりの衝撃を伴い大地を揺らした。
これは流石に耐えられないかしら?
「見ろ! 全く無傷だぞ!」
「凄いわね。加減無しの一級魔法を防ぎきってるわ。」
私の使った聖女の祈りはかなりの強度を持っているようね。
「私もやってみたいです。」
「アリエンナさんも魔法が使えるの?」
「一ヶ月とちょっと前に母に習いました。」
「それだと四……アリエーンさんの娘だし才能ありそうね。三級魔法くらいかしら?」
「……多分ルディア様もビックリすんだろうな。」
ギャモーがボソッと何かを呟いている。
「じゃあいきます。天雷。」
「え?」
早速ルディア様の魔法を真似っこしてみた。
ゴォォォッ!!
私の天雷もそれ程悪くなさそう。
さっきと同じで、壁に接触するとかなりの衝撃がこちらにも伝わってくる。
ルディア様は口をあんぐりと開けていた。
それでも美人ね。美人は得って本当だったんだ。
「……一ヵ月前に魔法を習ったと聞いた気がするんだけど。」
「そうだぞ。俺も一緒に習ったからな。」
「えぇと……今までにも魔法が使えていて、コツを習ったって事なのね。」
「いや? 前までは使えなかったみてぇだな。一緒にクエスト受けてた時も攻撃魔法なんて使ってなかったしよ。」
「そ、そうよね? アリエーンさんの娘だものね。常識を当て嵌めてはいけないわね。」
それだとまるで私が非常識みたいに聞こえるんだけど……。
16
あなたにおすすめの小説
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい
花音月雫
ファンタジー
お幼頃に大聖女に憧れたアイラ。でも大聖女どころか聖女にもなれずその後の人生も全て上手くいかず気がつくと婚約者の王太子と幼馴染に断罪されていた!天使と交渉し時が戻ったアイラは家族と自分が幸せになる為地味に生きていこうと決心するが......。何故か周りがアイラをほっといてくれない⁉︎そして次から次へと事件に巻き込まれて......。地味に目立たなく生きて行きたいのにどんどん遠ざかる⁉︎執着系溺愛ストーリー。
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。
imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。
今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。
あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。
「—っ⁉︎」
私の体は、眩い光に包まれた。
次に目覚めた時、そこは、
「どこ…、ここ……。」
何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる