『悪の幹部ですが、正義のヒーローの愛が重すぎて殉職しそうです』

るみ乃。

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第3章 やさしさが、鎖に変わるまで

14.別れの雨と、歪んだ宣誓

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 実習の最終日。
 雨がまたぽつぽつ降り出して、空はどんより鉛色。
 僕の視界には、濡れた制服の背中を見せながら、
 淡々と歩くあの人……しか映っていない。

「君なら、きっと誰もが認める最高のヒーローになれる」

 その言葉は、優しくて、静かで、なのにやけに重たくて……。
 胸の奥に、すとんと落ちて、居座るみたい。

 僕は何も言えず、ただその背中を見つめ続ける。
 目が離せない。いや、正確には……
 離す気なんて、最初からなかった。

 雨に濡れた髪が、少し顔に張り付く。
 冷たいはずなのに、心地よく感じてしまうのは、きっと僕だけの感覚。

「……行っちゃうんだ?ちょっと待って……」

 胸の奥で小さく呟いた声は、自分でも驚くくらい震えていた。
 でも、口には出さない。
 むしろ、静かにその背を追いながら、心の中で小さく笑った。

 あー、もう、どうしてこんなにカッコいいんだよぉ……

 これは、ただの「尊敬」なんかじゃない。
 胸の奥で燻る、甘くて痛い気持ち。
 それは誰も奪えない、僕だけの想い。

 雨に打たれながら、誓う。
「平和とか正義とかはどうでもいい。
 僕が望むのは、ただ一つあなたが認めた“光”になること」
 いつか必ず、そこまで辿り着く。
 そして、その時は……迎えに行くからね。

 雨は止みそうにないけど、それでいい。
 濡れる僕も、この歪んだ宣誓も、誰にも邪魔させない。

 冷たい背中の向こう側にいるあなたに、
 この想いが、ちゃんと届くように。

 覚えててね。あの時の僕の約束。
 あなたが知らないうちに、僕はずっと――あなたの光でいるから♪
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