小さな貴族は色々最強!?

谷 優

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18話

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   ウィリアムとエリスは騎士団に向かった。修練場に着くと、一際空気が暑い気がした。

   「構えが、甘い!もっと腰を落とし剣を振り落とされるな!」

若き騎士団の団員達は、黙々と剣を振るっていた。訓練場の中央では、普段はウィリアムに優しい騎士団長が騎士団の前では鋭い目つきで一人一人の動きを見ている。騎士団長の怒声柄飛び交う度に、団員達は歯を食いしばり、剣を握り返す。

脇では弓術班が的を狙い、弓弦を引き絞る音が静かに響いていた。矢は次々と風を裂き、真っ直ぐに標的へと突き刺さる。中には、矢に魔法を掛け目にも止まらぬ速さで射抜く者もいたり、矢を蛇行した状態で正確に射抜く者もいた。

その背後では、魔導師達が詠唱の練習をしており、空気が一瞬だけ青く揺らめいた。

汗と土と鉄の匂いが混ざる中、民を護る為に団員達は己を鍛えている。

ウィリアムはルーカスがどこにいるのか探していた。すると、端の方で侯爵とルーカスが剣を交えていた。普段は、汗をかいた様子を一切見せないルーカスだが、爽やかな汗を流していた。対する侯爵は、まだまだ余裕さを持っている。剣術経験がないウィリアムから見てもルーカスは、押されていた。

   「お兄様、頑張れぇー!」

ウィリアムは、負けそうなルーカスに声援を送っていた。いつも、ルーカスを見つけると真っ先に走っていくウィリアムだが、身の危険と訓練の邪魔になるかもしれないと察したことから修練場の入口で大きな声援を送っていた。

    「はっ!」

鋭い掛け声ともに、ルーカスは侯爵に斬りかかろうとしたが、ルーカスの剣は僅かに軌道をずらしフェイクをかけたのだ。

侯爵はわずかに体制を崩した。

   「凄い…お兄様。」
ウィリアムは、不意をついたルーカスに驚いていた。

だが、鍛え抜かれた侯爵の身体は、崩れた体制のままルーカスの剣をはじき飛ばした。その瞬間を突き、侯爵はルーカスに首元に剣を突き立てた。

「そこまで!」副団長が号令をかけると、そこで修練は終了した。

    「ふぅ__。まだまだ、改良の余地があるな。」

侯爵は、一息ついた。子供とはいえ、一瞬意を突かれたのだ。

    「父上に勝つまでは、もう少し時間がかかりそうです。」

     「前よりも、動きが速くなっていた。掛け声と共に、フェイクをかけたのは良かったが、その後の体制が上手く取れていなかったな。それと、握りがあまい。剣士は剣を離したら終わりだ。」

    「善処します。」

ルーカスは、元々剣士向きでは無いが短期間で効率よく鍛錬を積み騎士団員よりも強く仕上がったのだ。
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