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38話 イザベラが気にしている人
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入学式にて、イケメン三人が私を巡って言い争いをしている。
(お願い、私のために争わないで! ……なんて、言ってる場合じゃないよねえ……)
美男子が私を好いてくれているのは有り難いのだが、女生徒達の敵意を少し感じる。
このまま放っておいてしまうと、バッドエンド直行になってしまう可能性があるのではないだろうか。
「イザベラ、貴様はカインが好きなのか!?」
「だから、イザベラ嬢と俺はまだそんな関係じゃねえっての」
「それでは、私の情報網にない男性がイザベラ殿とそういう関係に? いや、まさか義弟のフレッド殿が?」
エドワード殿下、カイン、オスカーが一斉にこちらを見る。
普段は優しい彼らだが、今の彼らは鬼気迫る表情をしていた。
「わ、私は……」
どうする?
どう答える?
『バッドエンドを回避するために、適当な嘘をついてはぐらかそうとしました。ごめんなさい』なんて、正直に言ったら絶対怒られる。
「ご、ごめんなさいね。さっきのは、ちょっとした冗談だったの。でも、好きかどうかは置いておくとして、気になっている人はいるのよ?」
「「「!?」」」
三人とも絶句している。
「……」
オスカーは何かを考えているようだ。
「ど、どんな奴だ?」
エドワード殿下が動揺しながら聞いてくる。
「それは……」
私は新入生の席の方を見て、ある人物を指差す。
「あの子よ」
私が指を指したのは、一人の少女であった。
まだ化粧が下手で素朴な容姿をしているが、磨けば光るだろうという予感を感じさせる可愛らしさがある。
「はわわっ!? わ、わたしですかぁ?」
少女が目を白黒させている。
「あの娘は、確かアリシア・ウォーカー。男爵家の令嬢ですね。光魔法の適性があるため、確かに気になる存在ですが……」
オスカーがアリシアについての記憶を辿るように呟く。
「イザベラ、まさか女同士が趣味だったのか? 俺のこれまでの頑張りはいったい……」
「お、俺は応援するぜ! 女同士の恋愛もありだよな、うん」
エドワード殿下が悲壮な表情を浮かべ、カインがぎこちない応援の声を上げる。
「いえ、そういう訳ではなくて。将来有望な淑女であることに対する期待ですよ。ですが貴族の常識には疎いようですし、私がしっかりサポートしてあげないと。恋愛対象としては見ていませんよ」
私は慌てて弁解する。
「ま、イザベラ嬢がそう言うんなら、そうなんだろう。俺に未来をくれたイザベラ嬢の言葉を信じるぜ」
「ふうむ。ここは、イザベラを信じるしかないか」
「私も一応は納得しました。それにしても、イザベラ殿は本当に不思議な方です。普通、入学したてでは自分のことに精一杯のはずなのに、他の人の心配までできるとは……。一体、何を見据えているというのです?」
「うふふ、それは秘密です。ただ、一つだけ言えるとすれば、この国のためになることですわ」
私は不敵に微笑みながら、その質問に答えた。
実際には、そんなに深いことは考えていないけど。
(誤魔化すために利用しちゃってごめんね、アリシアさん)
心の中で謝罪しておく。
アリシアには後でお詫びに何かしてあげよう。
……ん?
彼女とは関わらないつもりだったのに、いつの間にか関わり合いになりそうな流れになってないか?
いや、それはマズイ。
マズイのだけれど、他にいい誤魔化し方が思いつかなかった。
何だか、ひたすら墓穴を掘っている気がする。
(アリシアさんも迷惑がっているだろうなぁ……)
私は彼女に視線を向ける。
(……あれ? 何だか、憧れの人を見るような目でこっちを見ているけど……? 気のせいかしら?)
何だか、訳の分からない方向に突き進んでいる気がする。
もはや、『ドララ』では見たことがない状況になってきた。
ゲーム知識が役に立たないじゃないか!
これは、私のせいなのか?
それとも運命?
「はあ……」
これから、大丈夫かな。
不安に駆られながらも、私は小さくため息をつくのだった。
(お願い、私のために争わないで! ……なんて、言ってる場合じゃないよねえ……)
美男子が私を好いてくれているのは有り難いのだが、女生徒達の敵意を少し感じる。
このまま放っておいてしまうと、バッドエンド直行になってしまう可能性があるのではないだろうか。
「イザベラ、貴様はカインが好きなのか!?」
「だから、イザベラ嬢と俺はまだそんな関係じゃねえっての」
「それでは、私の情報網にない男性がイザベラ殿とそういう関係に? いや、まさか義弟のフレッド殿が?」
エドワード殿下、カイン、オスカーが一斉にこちらを見る。
普段は優しい彼らだが、今の彼らは鬼気迫る表情をしていた。
「わ、私は……」
どうする?
どう答える?
『バッドエンドを回避するために、適当な嘘をついてはぐらかそうとしました。ごめんなさい』なんて、正直に言ったら絶対怒られる。
「ご、ごめんなさいね。さっきのは、ちょっとした冗談だったの。でも、好きかどうかは置いておくとして、気になっている人はいるのよ?」
「「「!?」」」
三人とも絶句している。
「……」
オスカーは何かを考えているようだ。
「ど、どんな奴だ?」
エドワード殿下が動揺しながら聞いてくる。
「それは……」
私は新入生の席の方を見て、ある人物を指差す。
「あの子よ」
私が指を指したのは、一人の少女であった。
まだ化粧が下手で素朴な容姿をしているが、磨けば光るだろうという予感を感じさせる可愛らしさがある。
「はわわっ!? わ、わたしですかぁ?」
少女が目を白黒させている。
「あの娘は、確かアリシア・ウォーカー。男爵家の令嬢ですね。光魔法の適性があるため、確かに気になる存在ですが……」
オスカーがアリシアについての記憶を辿るように呟く。
「イザベラ、まさか女同士が趣味だったのか? 俺のこれまでの頑張りはいったい……」
「お、俺は応援するぜ! 女同士の恋愛もありだよな、うん」
エドワード殿下が悲壮な表情を浮かべ、カインがぎこちない応援の声を上げる。
「いえ、そういう訳ではなくて。将来有望な淑女であることに対する期待ですよ。ですが貴族の常識には疎いようですし、私がしっかりサポートしてあげないと。恋愛対象としては見ていませんよ」
私は慌てて弁解する。
「ま、イザベラ嬢がそう言うんなら、そうなんだろう。俺に未来をくれたイザベラ嬢の言葉を信じるぜ」
「ふうむ。ここは、イザベラを信じるしかないか」
「私も一応は納得しました。それにしても、イザベラ殿は本当に不思議な方です。普通、入学したてでは自分のことに精一杯のはずなのに、他の人の心配までできるとは……。一体、何を見据えているというのです?」
「うふふ、それは秘密です。ただ、一つだけ言えるとすれば、この国のためになることですわ」
私は不敵に微笑みながら、その質問に答えた。
実際には、そんなに深いことは考えていないけど。
(誤魔化すために利用しちゃってごめんね、アリシアさん)
心の中で謝罪しておく。
アリシアには後でお詫びに何かしてあげよう。
……ん?
彼女とは関わらないつもりだったのに、いつの間にか関わり合いになりそうな流れになってないか?
いや、それはマズイ。
マズイのだけれど、他にいい誤魔化し方が思いつかなかった。
何だか、ひたすら墓穴を掘っている気がする。
(アリシアさんも迷惑がっているだろうなぁ……)
私は彼女に視線を向ける。
(……あれ? 何だか、憧れの人を見るような目でこっちを見ているけど……? 気のせいかしら?)
何だか、訳の分からない方向に突き進んでいる気がする。
もはや、『ドララ』では見たことがない状況になってきた。
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それとも運命?
「はあ……」
これから、大丈夫かな。
不安に駆られながらも、私は小さくため息をつくのだった。
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