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43話 決着

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「【氷結地獄】!!」

 オスカーが叫ぶように魔法を唱えた。
 それと同時に、先ほどよりも遥かに多くの氷柱が出現する。
 その数、ざっと百以上はあるだろうか。
 しかも、今度は地面ではなく空中から生えてきたのだ。

「な、なんだと……!?」

 これにはさすがのカインも驚いたようだ。
 慌てて回避しようとするも、既に足に氷が張り付いてしまっている。

「うぐぅ……、クソォオオオッ!!!」

 カインは必死に動こうとするが、びくともしない。
 そんな中、同じく氷の餌食になってしまったエドワード殿下は落ち着いていた。

「俺の奥義を出すしかないようだな。【覇王剣】!!」

 エドワード殿下は剣を構えると、覇気を纏わせた。
 すると、眩しいほどの光が放たれ始める。

「くらえっ!」

 エドワード殿下が木刀を振ると、そこから光の刃のようなものが現れた。
 それが勢いよく飛んでいき、氷の柱を斬り裂いていく。
 そして、そのままオスカーとカインを吹き飛ばした。

「ぐあああっ!!」

「ぬおおおっ!!」

 二人とも悲鳴を上げて、その場に倒れてしまう。

「ふふふ。見たか、俺の力を。イザベラに相応しいのは、この俺エドワードだ……!」

 エドワード殿下はフラフラになっている。
 どうやら魔力切れを起こしてしまったらしい。
 それでも、何とか勝利宣言をする。
 成り行き上、エドワード殿下と秋祭りを回らないといけないのだろうか?
 私は一言も、”この勝負で勝った人と回ります”なんて言ってないんだけど。
 私の意思は無視されているような気がする。
 そんなことを考えている内に……。

「ぐ……。はあ、はあ……」

 エドワード殿下も倒れ込んでしまった。
 魔力や覇気の使い過ぎだねえ。
 まぁ、秋祭りの件は置いておこう。
 とりあえず回復魔法でも掛けてあげようかな。
 三人共大怪我はしていないけれど、小さな擦り傷切り傷がたくさんできている。

「【ヒール】」

 私が魔法を唱えると、三人の傷口がみるみると塞がっていく。
 やがて血は完全に止まり、気絶していた三人の顔色もよくなった。
 よしよし、これで大丈夫だろう。
 それにしても……。

(なんだか、三人共メチャクチャ強くない? 『ドララ』でこんなに強くなる描写があったかなぁ……)

 ゲームのカインは、初級の身体強化魔法と筋力によってゴリ押しするタイプだった。
 今の彼は、上級の身体強化魔法に加えて、剣術の技量も高い。
 オスカーが氷魔法を得意とするのは『ドララ』での設定と同じだ。
 しかし、ゲームの彼はどちらかと言えば拘束系や創造系の氷魔法を得意としていた。
 これほど大規模な攻撃魔法を使えるという設定はなかったはず。

(一番違っているのは、エドワード殿下だねぇ……)

 王族には、覇気という秘術が伝わっている。
 由緒正しき血統により各属性魔法の適性が高く、幼少より英才教育を受けてきた彼は、『ドララ』においてもかなり強い部類だった。
 しかし、さすがに今のカインとオスカーを相手取って勝てるほどではなかったはずだ。
 属性魔法も、火と水くらいしかまともに使えなかったように思う。
 そもそも、覇気を使えるようになるのは、卒業間近の頃だし……。

(まあ、覇気の使い方を教えてあげたのは私だけどね)

 今から半年以上前、入学式を控えた頃のゴブリン掃討作戦でエドワード殿下とばったり遭遇した。
 成り行き上、その後も継続的にアドバイスをしてあげることになってしまったのだ。
 その甲斐あって、今では立派な覇気使いである。

「はっ! 俺は……?」

「……ここは……?」

「いてて……、頭がガンガンするぜ」

 三人とも意識を取り戻したみたいだ。
 私は彼らに近づくと、声を掛ける。

「皆さん、大丈夫ですか?」

「ああ、イザベラ嬢。手間を掛けさせちまったようだな。すまねえ」

 カインが頭を下げる。

「相変わらず、イザベラ殿の魔法は素晴らしいです。私もますます精進しなければいけませんね」

 オスカーが爽やかな笑みを浮かべながら言う。

「まったくだな。イザベラに負けていられんぞ!」

 エドワード殿下は偉そうに言っている。
 いや、別に張り合わなくていいよ?
 私の力なんて、『ドララ』の知識に基づいて得たものだしね。
 そりゃ、七歳の頃からいろいろと頑張ってはきたけどさ。
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