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99話 ずっと前から好きでした

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 酔い潰れてしまった私は、男性によって介抱されている。
 彼に膝枕されている状態だが、魔道具の照明が逆光になっており、彼の顔はよく見えない。
 声は聞き覚えのあるものだ。
 どこかで聞いたことがあるのだが、はっきりと思い出せない。
 まだ少し酔っ払っていて、頭がうまく働かないのもあるだろう。

「酔いが覚めるまで、このままでいてくださいね」

 男性が私の髪をなでる。

「ふぇへへ……」

 なんだか心地良い。
 まるで、私がどうなでられるのが好きか、知っているかのような手つきだ。

「僕はあなたのことが好きなのです」

 突然、告白された。
 私はドキッとする。

「ふふっ。突然ですね」

 私は微笑みながら答える。
 前世では彼氏いない歴=年齢だった私にとって、異性から好意を寄せられることは嬉しいことだ。

「いえ、ずっと前から好きでしたよ。あなたは僕にとっての太陽のような存在ですから」

 ずっと前から?
 彼のような知り合いが、私にいたかしら?
 同年代なら、エドワード殿下、カイン、オスカーあたりだけれど……。
 彼の話し方や声質は、そのいずれのそれとも合致しない。
 うん?
 誰か一人の存在を忘れているような……。

「まぁ、大げさね。私はただの学生よ」

「確かにあなたはまだ学生かもしれません。でも、僕にとってはかけがえのない大切な人です」

「……」

 彼は真剣な口調で話す。
 彼の言葉には熱がこもっているように感じる。
 嘘や冗談ではないようだ。
 私は嬉しくて、つい笑ってしまう。

「ふふっ。ありがとうございます。私もあなたのことが好きかもしれません」

「本当ですか!」

 彼が喜びの声を上げる。

「はい。あなたの優しいところが好きです」

「うぅ……嬉しいです。幸せです。これからもよろしくお願いします」

 そう言って、私の頭を撫でてくれる。
 とても気持ちが良い。

「はい、こちらこそ……」

 そこまで話したところで、彼の顔が近づいてきていることに気付いた。
 同時に、彼の背後方向にあった照明の魔道具が隠れ、お互いの顔がよく見えるようになる。
 そこで初めて、私は彼の顔をしっかりと見ることができた。

「ふぇへへ……」

 あらやだイケメン。
 凄く顔が整っている。
 でも、年齢は思ったよりも下だね。
 スマートに介抱してくれていたから、私より年上かと思ったけれど。
 いや、改めて振り返ると、声は結構高めだったか。

「あなたは素敵な女性です……」

 彼はそんな甘い言葉を呟きつつ、私に顔を近づけてくる。

「……ん?」

 あれれ~?
 おかしいぞぉ?
 この声と顔は知っている。
 というより、さっきまで一緒にいたじゃない。

「フレッド?」

 なんということだ。
 彼は私の義弟ではないか!
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