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第1章 異世界での目覚め
2 眠りが浅いと変な夢を見る
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「うわっ! 空にウェルシュ・コーギーが浮かんでる……!!」
何の前触れもなく唐突に、意味不明な叫び声が薄暗い部屋の中に響き渡った。
それからしばらくして。
「……いや、今のわけがわからない叫びは何だ?」
先ほどの絶叫と同じ声で冷静にツッコミを入れた人物がその部屋の中で体を動かし。
「もしかして、俺の寝言か……?」
自分の体に掛かっていた布団を払いのけ、ゆっくりと上体を起こした。
「自分の寝言で目が覚めるなんていつ以来だ……? 昼夜問わずバイトをしていた頃はいつも眠りが浅くて、そういうことが結構あった気がするから、だいたい……」
5年ぶりぐらいか。と呟いた後、その人物はあくびをしながら枕元に手をやり、しばらくの間、何かを探していたが。
「……? スマホがない……?」
一向にその探し物であるスマホが見つからなかったため、その人物は手を動かすことをやめて周囲を確認し。
「というか、ここどこだ……?」
今、自分が全く知らない場所にいることに気づいた。
「まずベッドじゃない……。暗くてよく見えないけど、布団と畳だよな……? 家じゃないし、会社の休憩室でもない。……まずいな、全く記憶に無いぞこの場所」
そして目を凝らして薄暗い部屋の中を見回し、今自分が異常事態の真っ只中にいることに気付いたその人物は立ち上がって部屋の明かりを付けようとしたが。
「……っ。暗くて見えにくいだけかと思ってたけど、この部屋、もしかしてライト自体がないのか」
幾ら探しても照明のスイッチを見つけられず、全く知らない部屋の中でその人物は少しパニックを起こしそうになったが、そうなる前に目を瞑って深く息を吐いた。
そして。
「……慌てるな。慌てるなよ椿井翼」
その人物は自分自身を落ち着かせるために自らの名前を口にした。
「……そう、俺は椿井翼。高卒の31歳のおっさんで身長は174、体重は確か68キロぐらいだったはず。母と2人暮らしで当然未婚。仕事は株式会社ライトセレモニーで事務をやってる。趣味は学生の頃からずっと変わらずネット小説を読むこと」
それからその人物、椿井は自分のプロフィールを呟き、自分の頭がちゃんと働いていることを確かめてからゆっくりと目を開いた。
「よし、俺はおかしくなってなさそうだな。ということは、やっぱりおかしいのはこの状況か。……いつの間にか何もない部屋に閉じ込められる、か。推理小説みたいな状況だけど、俺、あんまり推理小説は読んだことないんだよな」
ファンタジーかVRMMO系の作品ばっかり読んでる。と、自分の趣味の偏りに軽く苦笑いしながら、少しリラックスできた頭で椿井は再び現状について考え始めた。
「何らかの手法で意識を失わせて、何もない部屋に軟禁。……普通に考えたら誘拐だよな。けど、こんな30過ぎた独身男を誘拐して何の意味があるんだ……?」
自分を誘拐して得をする理由がない。と自分をこの部屋に閉じ込めた犯人の動機がわからなかった椿井はもっとよく考えようと暗い部屋の中で少し遠くを見つめ。
「……閉じ込められているっていうのは、俺の勘違いかもしれないな」
その光を見つけた。
暗い部屋の奥から僅かに漏れてくる光があった。
光が漏れている場所にうっすらと扉のようなものが見えたため、そこから外に出られるかもしれないと考えた椿井は足下に気をつけながらゆっくりとその光に近づいた。
「……よし、行くぞ」
そして、その場所に到着した椿井は、この先に何があっても驚かず、何が起きてもすぐに対応できるようにと覚悟を決めてから、扉の引き手に手をかけ。
「────」
ゆっくりとその扉を開けた。
何の前触れもなく唐突に、意味不明な叫び声が薄暗い部屋の中に響き渡った。
それからしばらくして。
「……いや、今のわけがわからない叫びは何だ?」
先ほどの絶叫と同じ声で冷静にツッコミを入れた人物がその部屋の中で体を動かし。
「もしかして、俺の寝言か……?」
自分の体に掛かっていた布団を払いのけ、ゆっくりと上体を起こした。
「自分の寝言で目が覚めるなんていつ以来だ……? 昼夜問わずバイトをしていた頃はいつも眠りが浅くて、そういうことが結構あった気がするから、だいたい……」
5年ぶりぐらいか。と呟いた後、その人物はあくびをしながら枕元に手をやり、しばらくの間、何かを探していたが。
「……? スマホがない……?」
一向にその探し物であるスマホが見つからなかったため、その人物は手を動かすことをやめて周囲を確認し。
「というか、ここどこだ……?」
今、自分が全く知らない場所にいることに気づいた。
「まずベッドじゃない……。暗くてよく見えないけど、布団と畳だよな……? 家じゃないし、会社の休憩室でもない。……まずいな、全く記憶に無いぞこの場所」
そして目を凝らして薄暗い部屋の中を見回し、今自分が異常事態の真っ只中にいることに気付いたその人物は立ち上がって部屋の明かりを付けようとしたが。
「……っ。暗くて見えにくいだけかと思ってたけど、この部屋、もしかしてライト自体がないのか」
幾ら探しても照明のスイッチを見つけられず、全く知らない部屋の中でその人物は少しパニックを起こしそうになったが、そうなる前に目を瞑って深く息を吐いた。
そして。
「……慌てるな。慌てるなよ椿井翼」
その人物は自分自身を落ち着かせるために自らの名前を口にした。
「……そう、俺は椿井翼。高卒の31歳のおっさんで身長は174、体重は確か68キロぐらいだったはず。母と2人暮らしで当然未婚。仕事は株式会社ライトセレモニーで事務をやってる。趣味は学生の頃からずっと変わらずネット小説を読むこと」
それからその人物、椿井は自分のプロフィールを呟き、自分の頭がちゃんと働いていることを確かめてからゆっくりと目を開いた。
「よし、俺はおかしくなってなさそうだな。ということは、やっぱりおかしいのはこの状況か。……いつの間にか何もない部屋に閉じ込められる、か。推理小説みたいな状況だけど、俺、あんまり推理小説は読んだことないんだよな」
ファンタジーかVRMMO系の作品ばっかり読んでる。と、自分の趣味の偏りに軽く苦笑いしながら、少しリラックスできた頭で椿井は再び現状について考え始めた。
「何らかの手法で意識を失わせて、何もない部屋に軟禁。……普通に考えたら誘拐だよな。けど、こんな30過ぎた独身男を誘拐して何の意味があるんだ……?」
自分を誘拐して得をする理由がない。と自分をこの部屋に閉じ込めた犯人の動機がわからなかった椿井はもっとよく考えようと暗い部屋の中で少し遠くを見つめ。
「……閉じ込められているっていうのは、俺の勘違いかもしれないな」
その光を見つけた。
暗い部屋の奥から僅かに漏れてくる光があった。
光が漏れている場所にうっすらと扉のようなものが見えたため、そこから外に出られるかもしれないと考えた椿井は足下に気をつけながらゆっくりとその光に近づいた。
「……よし、行くぞ」
そして、その場所に到着した椿井は、この先に何があっても驚かず、何が起きてもすぐに対応できるようにと覚悟を決めてから、扉の引き手に手をかけ。
「────」
ゆっくりとその扉を開けた。
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