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第1章 異世界での目覚め
11 椿井からツヴァイに
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草むらの中から鞘を拾って刀を納めた後、椿井はこの世界で出会った2人の少女のもとへと戻った。
その2人とはゴブリンに襲われていたフードを被った少女とゴブリンを倒してくれた銀髪の少女である。
フードを被った少女は全身をマントで隠していたためわかりづらかったが、銀髪の少女と同じ白い制服を着ており、2人は同じ学校の友人であるということが想像できた。
「いや、待たせてしまって申し訳ない」
椿井はそんな異世界の学生2人に謝罪の言葉を述べてから、さて、何から話そうかと少し考えていると。
「この度は助けていだたき、本当にありがとうございました……!」
フードの少女が椿井に向かって深々と頭を下げて感謝の言葉を口にし、その想定外の言葉を聞いた椿井は慌てて声を出した。
「え、いや、頭を上げてくれ。俺はほとんど何もしてない、というかできなかった。君を、そして俺のことも助けてくれたのは……」
君の友人だ。と言って椿井が雷を操り自分たちを助けてくれた銀髪の少女に視線を向けると。
「ううん」
何故か銀髪の少女は首を横に振って椿井の言葉を否定した。
「わたしは、少し遅かった。本当に少しだったけど、その遅れは致命的だった。もし、あなたが時間を稼いでくれていなかったら、そこに転がってたのはゴブリンじゃなくてリアだったと思う。だから、わたしからもお礼を言わせて欲しい」
リアを助けてくれてありがとう。と、礼を言うべき人からもお礼を言われ、椿井はどうしたものかと頭を掻いた。
「えーっと……、だとしてもさ、君が来なければどうなっていたかわからないんだ。俺の方こそ助かった。本当にありがとう。それで俺の名前は椿井って言うんだが、ええっと君は……」
そしてこのままだとお礼の応酬が延々と続いてしまうと予測した椿井は話を変えるために自分の名前を言ってから銀髪の少女と視線を合わせた。
「アストライア」
すると椿井の意図を察した銀髪の少女は自分の名前を口にし。
「あっ……! 申し遅れました……! リアって言います!」
フードの少女も名前を教えてくれたので、椿井はリアの方に身体を向けて。
「色々大変だったけど、お互い無事で良かったな、リア」
窮地を共に乗り越えた仲間であるリアに笑いかけた。
「────はい……!」
その自分の言葉にリアが元気よく返事をしてくれたことを椿井はとても嬉しく思ったが。
「……」
……何か、この子、やけに熱の籠もった視線を向けてくるよな……。
ゴブリンとの戦闘中からずっとリアが自分に対して愛情を込めた眼差しを向けてくることに関しては理解できず、椿井は心の中で首を傾げた。
なお、このリアが向けてくる視線を椿井は家族のような信頼できる人に向ける愛情の籠もった視線、のように感じ取っているが実際は全くの別物である。
家の借金返済などのために多感な時期の殆どをバイトで消費してしまった椿井はそういった視線に気づくことなく大人になってしまったのでリアの気持ちを理解しきれていないのだ。
「……」
そのため椿井はその疑問を解決しようとリアに、俺って君の家族の誰かに似てたりする? というトンチンカンな疑問を口にしそうになったのだが。
「ん。ツヴァイ、覚えた」
その直前で自分の名前をちょっと格好良い感じに発音してるアストライアの呟きが聞こえたため、椿井はそちらの訂正を優先しようと考え、幸運にも的外れな疑問を口にすることはなかった。
「えっと……、アストライア。椿井な」
「? ツヴァイ、だよね? わかってる」
「……」
そのアストライアの発音は椿井ではなく、アインス、ツヴァイ、ドライのツヴァイに限りなく近い発音だったので椿井は正確な発音をしっかりレクチャーしようと思ったが……。
「……ああ。ツヴァイでいい」
この子達の名前も横文字だし、まあ、今のところはそれでいいか。と、考え直し、この世界で椿井はツヴァイと名乗ることを決めた。
「……?」
そして、椿井、改めツヴァイはこのとき初めて。
……あれ? そういえば俺、日本語で会話してないか?
その事実に気がついた。
その2人とはゴブリンに襲われていたフードを被った少女とゴブリンを倒してくれた銀髪の少女である。
フードを被った少女は全身をマントで隠していたためわかりづらかったが、銀髪の少女と同じ白い制服を着ており、2人は同じ学校の友人であるということが想像できた。
「いや、待たせてしまって申し訳ない」
椿井はそんな異世界の学生2人に謝罪の言葉を述べてから、さて、何から話そうかと少し考えていると。
「この度は助けていだたき、本当にありがとうございました……!」
フードの少女が椿井に向かって深々と頭を下げて感謝の言葉を口にし、その想定外の言葉を聞いた椿井は慌てて声を出した。
「え、いや、頭を上げてくれ。俺はほとんど何もしてない、というかできなかった。君を、そして俺のことも助けてくれたのは……」
君の友人だ。と言って椿井が雷を操り自分たちを助けてくれた銀髪の少女に視線を向けると。
「ううん」
何故か銀髪の少女は首を横に振って椿井の言葉を否定した。
「わたしは、少し遅かった。本当に少しだったけど、その遅れは致命的だった。もし、あなたが時間を稼いでくれていなかったら、そこに転がってたのはゴブリンじゃなくてリアだったと思う。だから、わたしからもお礼を言わせて欲しい」
リアを助けてくれてありがとう。と、礼を言うべき人からもお礼を言われ、椿井はどうしたものかと頭を掻いた。
「えーっと……、だとしてもさ、君が来なければどうなっていたかわからないんだ。俺の方こそ助かった。本当にありがとう。それで俺の名前は椿井って言うんだが、ええっと君は……」
そしてこのままだとお礼の応酬が延々と続いてしまうと予測した椿井は話を変えるために自分の名前を言ってから銀髪の少女と視線を合わせた。
「アストライア」
すると椿井の意図を察した銀髪の少女は自分の名前を口にし。
「あっ……! 申し遅れました……! リアって言います!」
フードの少女も名前を教えてくれたので、椿井はリアの方に身体を向けて。
「色々大変だったけど、お互い無事で良かったな、リア」
窮地を共に乗り越えた仲間であるリアに笑いかけた。
「────はい……!」
その自分の言葉にリアが元気よく返事をしてくれたことを椿井はとても嬉しく思ったが。
「……」
……何か、この子、やけに熱の籠もった視線を向けてくるよな……。
ゴブリンとの戦闘中からずっとリアが自分に対して愛情を込めた眼差しを向けてくることに関しては理解できず、椿井は心の中で首を傾げた。
なお、このリアが向けてくる視線を椿井は家族のような信頼できる人に向ける愛情の籠もった視線、のように感じ取っているが実際は全くの別物である。
家の借金返済などのために多感な時期の殆どをバイトで消費してしまった椿井はそういった視線に気づくことなく大人になってしまったのでリアの気持ちを理解しきれていないのだ。
「……」
そのため椿井はその疑問を解決しようとリアに、俺って君の家族の誰かに似てたりする? というトンチンカンな疑問を口にしそうになったのだが。
「ん。ツヴァイ、覚えた」
その直前で自分の名前をちょっと格好良い感じに発音してるアストライアの呟きが聞こえたため、椿井はそちらの訂正を優先しようと考え、幸運にも的外れな疑問を口にすることはなかった。
「えっと……、アストライア。椿井な」
「? ツヴァイ、だよね? わかってる」
「……」
そのアストライアの発音は椿井ではなく、アインス、ツヴァイ、ドライのツヴァイに限りなく近い発音だったので椿井は正確な発音をしっかりレクチャーしようと思ったが……。
「……ああ。ツヴァイでいい」
この子達の名前も横文字だし、まあ、今のところはそれでいいか。と、考え直し、この世界で椿井はツヴァイと名乗ることを決めた。
「……?」
そして、椿井、改めツヴァイはこのとき初めて。
……あれ? そういえば俺、日本語で会話してないか?
その事実に気がついた。
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