灰かぶりの少年

うどん

文字の大きさ
21 / 53

灰かぶりの少年21

しおりを挟む



自分がどうやって納屋まで帰ってきたのかわからないが見慣れた場所で目が覚めた


「ぅん…?」


外からの木漏れ日が壁の隙間を通り灰かぶりの視界を遮る


眩しくて目を閉じそうになるがどうしても昨日の事が脳裏に焼き付いているのでつい思い出してしまう


嫌…思い出したくない…
考えたくない


「いつもの仕事をして気を紛らわそうかな…」


本当は今、無理に体を動かさない方がいいのは分かっている
激しい体力の消耗と傷だらけの体


ボロボロでとても見窄らしく人前では出れない姿である


「今日も兄様やお屋敷の皆に邪魔にならないように仕事をしよう」


そう自分に言い聞かせ黒く汚れた薄い布を羽織り、足元をふらつかせながら納屋を出た


水辺に行き小さいバケツの中に水を入れ雑巾を淡々と洗う


同じ事を何回も繰り返すので指先は霜焼けで赤く染まりたまに出血もしていた


痛みがあっても堪えて作業を続けるのは当たり前…


水面を見ると今の自分の心情を現しているみたいにぼやけて澱んでいると錯覚させられる


冷たく凍っていく心ー






「いいもん見ーつけたっ!」


「ぇ…?」


誰もあまり近づかない水辺なのに背後から
人の気配


「…あの…もしかしてこちらの水辺にご用でしょうか?でしたら僕はすぐに立ち去りますので…申し訳ございません」


「いやいや、ハハッお前だよ!」


突然現れたそれなりに身なりの良い男は軽快に笑う


「僕に用ですか…?何でしょう?」


何だか男の笑い声に怖さを感じる


「今から追いかけっこをしよう、普通だとつまらないからな」


「…何を…ぇ追いかけっこ?」


「さぁ走れ、命令だ!走らないと殺す」


「っ!?」


「ハハハッ!」


男はスルッとナイフを取り出し灰かぶりに突きつける


「…っあぁ!誰か助けて!」


まともに歩く事もできないのに走るなんて………!
でも走らないと殺されるのだ


「走れ、走れ!!兎狩りだ!」


フラフラと必死で足を動かす


「ハァ…ハァ…」


苦しい、息が…止まりそう


「捕まえたら兎料理だ!」


「いやぁっっ!」


「ほらほら、早く走らないともうお前のすぐ後だぞ?」


「やめてぇ!やめてぇ!」


どんどん男が迫ってくる


「あっ‼︎」


ドサッ––


つまづいて転んでしまった


チャンスと言わんばかりに男が覆い被さって低い声で呟く


「捕まえた、もう逃げれねーぞ」


ナイフが鋭くギラギラと光を放つ


「…助けてください…ぃ」


「お前はゲームに負けたんだ、黙ってろ」


男の手はお構いなく灰かぶりのズボンに手をかける


「あっうぅ、いやぁ‼︎」


「おおっ、小さい突起物のお出ましだ、弄って剥いでやろう」


グリ グリ グリ グリ  にゅるんっ


「っ…つうっ!」


「まったく、まだ剥けてないとは…いつまでガキだよ」


「…ひぃ痛いよ…っ」


怖くてなかなか声が出せない


「萎えてねーで濡れろっ」


乱暴に扱かれ刺激を強制的に与えられる


「い…っ…やめてぇっ」


シュッ シュッ シュッ


「直接尻に指入れて前立腺裏突いた方が濡れるか?」


「…っ‼︎」


男は指を立てらしてグイグイと灰かぶりの尻穴の中へ無理矢理入れていく


「やだぁっっ!」


指の違和感で憎悪する


「どこだ~、ここか?」


「ひいぃ…!」


「なかなかいい具合のクリクリじゃないか、可愛い卵のようだ」


「ぁああんっ…いやぁあ!」


「気持ちが良いか?」


びちゅゔぅ…じゅくじゅくっ…ちゅゔぅ


「うおっ、前だけじゃなくて尻中にも分泌液出してんのかよ」


「…ふぁぁ、ぅぅ…いた…いぃ」


「これはたまらんなぁ、実に面白いよ」


「ごめんなさい…ごめんなさい…もう水辺に来ません…から…ぁつ」


「ふっ、まぁそんな事で俺がこんな事してるんじゃないけど…いいね~その顔唆られる」


恐怖と快楽が絡み合う
心臓の鼓動がドクンドクンと大きく主張してそれ以外何も聞こえない


「このまま犯してもいいけど、もっと面白い事をやってみたくなってきたなー」


「…ぅ…ぅ」


「よし!では今からお前を逃してやるよ、だがその代わり条件がある」


「条件…?」


「明日の午後18時またこの水辺に来い」


「えっ、またここに…?」


「ああ、そうだ…どうする?俺はどちらでもいいぞ」


男の言っている言葉に意味が分からない


「早く決めろ」


「ぁあっ…はい…来ます…ここに!」


「分かった、では約束通り逃してやる」


スッと男は灰かぶりから離れる


灰かぶりは急いで起き上がり足を引きずりながら後ろを振り返る事無く走った


自分は今の状況から逃げたくてあんな返事をしたが大丈夫だろうか?
不安な気持ちが込み上がる

言葉の意味が分からないまま…
どうか明日は何もありませんようにと祈るばかりだ_

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

悪夢の先に

紫月ゆえ
BL
人に頼ることを知らない大学生(受)が体調不良に陥ってしまう。そんな彼に手を差し伸べる恋人(攻)にも、悪夢を見たことで拒絶をしてしまうが…。 ※体調不良表現あり。嘔吐表現あるので苦手な方はご注意ください。 『孤毒の解毒薬』の続編です! 西条雪(受):ぼっち学生。人と関わることに抵抗を抱いている。無自覚だが、容姿はかなり整っている。 白銀奏斗(攻):勉学、容姿、人望を兼ね備えた人気者。柔らかく穏やかな雰囲気をまとう。

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 【花言葉】 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです! 【異世界短編】単発ネタ殴り書き随時掲載。 ◻︎お付きくんは反社ボスから逃げ出したい!:お馬鹿主人公くんと傲慢ボス

若頭と小鳥

真木
BL
極悪人といわれる若頭、けれど義弟にだけは優しい。小さくて弱い義弟を構いたくて仕方ない義兄と、自信がなくて病弱な義弟の甘々な日々。

処理中です...