9 / 69
第1章~2人の奇妙な関係~
好きな気持ちは溢れそう
しおりを挟む
「ちとせ」
〝駐車場にいて〟と学くんからLINEがきていたので、地下の駐車場のエレベーターの前で待ってると、エレベーターから学くんが降りてくる。
「お疲れ様」
「ちとせもな」
スっとあたしの手を握るとそのまま歩き出すので、あたしも学くんに続いて歩く。
すんなりと握られた手が熱を持っていくのがわかる。
この前〝あたしを使えばいいじゃない〟なんで言っておいて、こんなんでうまくやっていけるのだろうか。
結局ああ言ったあと〝一緒に寝よう〟って、ベッドに連れていかれて手を繋いだまま学くんの寝息が聞こえきた。、
このまま、学くんと……なんて覚悟もしたけどなにも起こらかった。
そばでぐっすり眠る学くんをみて、やっぱりあたしのことなんか好きじゃないかって悲しくもなった。
隣で寝れるってことは、あたしに特別な感情がないから。
きっと好きなら、意識して寝られないはず。
あたしがドキドキして全然寝れないように。
「学くんって慣れてるよね」
隣を歩く学くんを見上げる。
あたしよりも20センチくらい背の高い彼の顔は見上げないと見えない。
「慣れてるって?」
「女の子の扱い。昔から」
「別に普通にしかしてねーよ」
ふぅっと息を吐く。
「男の子に慣れてないあたしには余裕があるように見えるけどね」
「慣れてないとか言って、別に大学時代に彼氏がいなかったわけじゃないだろ?」
「それは……まぁ」
ずっと学くんのことが好きだったけど、忘れられなかったけど。
でも、1人も好きな人がその間できなかったわけじゃない。
「まぁ、過去なんてどーでもいいか。俺だってそうだし」
「学くんはモテるだろうしね」
「まぁな」
こう言って、否定しないのが学くんらしい。
学くんは自分の顔の良さを理解してる。
少しナルシストなくらいだ。
「ほら、乗れよ」
鍵を車に向けて〝ピッ〟という音とともに、ガチャっと鍵のあいた音がしてから学くんが助手席のドアを開ける。
「ありがとう」
あたしが助手席に乗ったのを確認し、ドアを閉める。
「シートベルトしろよ」
「うん」
あたしに声をかけなが、自分もシートベルトをする。
エンジンをかける姿ひとつでさえ、カッコいいなと思ってしまうあたしは重症なのかもしれない。
「家でいい?」
「うん」
「お腹すいたな」
「そうだね」
片手でハンドルを切る姿にドキドキしながらも、平然を装って答える。
そのうちぐーっと鳴りそうなくらい、お腹がすいている。
鳴らないで欲しいと願いながら、お腹をさする。
「お前、お腹なりそうなの?」
ちらっと横目に見ながら、フッと笑う。
「まぁ……」
そんなに分かりやすかっただろうか。
鳴ってないけど、鳴ってしまったような気になって恥ずかしくなる。
「家に帰ったらご飯にするから、そんな顔するなよ」
ハンドルを握ってないほうの手で、あたしの頭に軽く触れる。
✱✱✱
「お前、風呂でも入ってこいよ」
「え?ご飯……」
「いいから先に入ってこい」
家についてすぐに、あたしの背中を押してお風呂まで連れていかれる。
「や、着替えとか持ってきてないし」
「持ってきとく」
「えぇ……」
強引だけど、妙に優しい学くんな首を傾げながら、洗面所のドアを開ける。
「ふぅ……」
今日は、そんなに社員はこなかったけど書類整理が忙しくてお昼ご飯の時間もそんなに取れなかった。
服を脱ぎ終えて、浴室のドアを開ける。
「疲れた体には暖かいお湯が1番だね」
独り言を呟きながら、いついれたのか張られてるお湯につかる。
予約でもしていたのだろうか。
ちょうどいい暖かさだ。
なんだろう、このくすぐったさ。
あたしのことなんて、どうでもよさそうなのに。
実際は、どうでもいい扱いなんてされてない。
「……好き」
気持ちが溢れてしまいそうで、口元までお湯につかる。
〝駐車場にいて〟と学くんからLINEがきていたので、地下の駐車場のエレベーターの前で待ってると、エレベーターから学くんが降りてくる。
「お疲れ様」
「ちとせもな」
スっとあたしの手を握るとそのまま歩き出すので、あたしも学くんに続いて歩く。
すんなりと握られた手が熱を持っていくのがわかる。
この前〝あたしを使えばいいじゃない〟なんで言っておいて、こんなんでうまくやっていけるのだろうか。
結局ああ言ったあと〝一緒に寝よう〟って、ベッドに連れていかれて手を繋いだまま学くんの寝息が聞こえきた。、
このまま、学くんと……なんて覚悟もしたけどなにも起こらかった。
そばでぐっすり眠る学くんをみて、やっぱりあたしのことなんか好きじゃないかって悲しくもなった。
隣で寝れるってことは、あたしに特別な感情がないから。
きっと好きなら、意識して寝られないはず。
あたしがドキドキして全然寝れないように。
「学くんって慣れてるよね」
隣を歩く学くんを見上げる。
あたしよりも20センチくらい背の高い彼の顔は見上げないと見えない。
「慣れてるって?」
「女の子の扱い。昔から」
「別に普通にしかしてねーよ」
ふぅっと息を吐く。
「男の子に慣れてないあたしには余裕があるように見えるけどね」
「慣れてないとか言って、別に大学時代に彼氏がいなかったわけじゃないだろ?」
「それは……まぁ」
ずっと学くんのことが好きだったけど、忘れられなかったけど。
でも、1人も好きな人がその間できなかったわけじゃない。
「まぁ、過去なんてどーでもいいか。俺だってそうだし」
「学くんはモテるだろうしね」
「まぁな」
こう言って、否定しないのが学くんらしい。
学くんは自分の顔の良さを理解してる。
少しナルシストなくらいだ。
「ほら、乗れよ」
鍵を車に向けて〝ピッ〟という音とともに、ガチャっと鍵のあいた音がしてから学くんが助手席のドアを開ける。
「ありがとう」
あたしが助手席に乗ったのを確認し、ドアを閉める。
「シートベルトしろよ」
「うん」
あたしに声をかけなが、自分もシートベルトをする。
エンジンをかける姿ひとつでさえ、カッコいいなと思ってしまうあたしは重症なのかもしれない。
「家でいい?」
「うん」
「お腹すいたな」
「そうだね」
片手でハンドルを切る姿にドキドキしながらも、平然を装って答える。
そのうちぐーっと鳴りそうなくらい、お腹がすいている。
鳴らないで欲しいと願いながら、お腹をさする。
「お前、お腹なりそうなの?」
ちらっと横目に見ながら、フッと笑う。
「まぁ……」
そんなに分かりやすかっただろうか。
鳴ってないけど、鳴ってしまったような気になって恥ずかしくなる。
「家に帰ったらご飯にするから、そんな顔するなよ」
ハンドルを握ってないほうの手で、あたしの頭に軽く触れる。
✱✱✱
「お前、風呂でも入ってこいよ」
「え?ご飯……」
「いいから先に入ってこい」
家についてすぐに、あたしの背中を押してお風呂まで連れていかれる。
「や、着替えとか持ってきてないし」
「持ってきとく」
「えぇ……」
強引だけど、妙に優しい学くんな首を傾げながら、洗面所のドアを開ける。
「ふぅ……」
今日は、そんなに社員はこなかったけど書類整理が忙しくてお昼ご飯の時間もそんなに取れなかった。
服を脱ぎ終えて、浴室のドアを開ける。
「疲れた体には暖かいお湯が1番だね」
独り言を呟きながら、いついれたのか張られてるお湯につかる。
予約でもしていたのだろうか。
ちょうどいい暖かさだ。
なんだろう、このくすぐったさ。
あたしのことなんて、どうでもよさそうなのに。
実際は、どうでもいい扱いなんてされてない。
「……好き」
気持ちが溢れてしまいそうで、口元までお湯につかる。
0
あなたにおすすめの小説
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。
絶対に離婚届に判なんて押さないからな」
既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。
まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。
紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転!
純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。
離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。
それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。
このままでは紘希の弱点になる。
わかっているけれど……。
瑞木純華
みずきすみか
28
イベントデザイン部係長
姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点
おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち
後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない
恋に関しては夢見がち
×
矢崎紘希
やざきひろき
28
営業部課長
一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長
サバサバした爽やかくん
実体は押しが強くて粘着質
秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?
嘘をつく唇に優しいキスを
松本ユミ
恋愛
いつだって私は本音を隠して嘘をつくーーー。
桜井麻里奈は優しい同期の新庄湊に恋をした。
だけど、湊には学生時代から付き合っている彼女がいることを知りショックを受ける。
麻里奈はこの恋心が叶わないなら自分の気持ちに嘘をつくからせめて同期として隣で笑い合うことだけは許してほしいと密かに思っていた。
そんなある日、湊が『結婚する』という話を聞いてしまい……。
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜
橘しづき
恋愛
姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。
私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。
だが当日、姉は結婚式に来なかった。 パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。
「私が……蒼一さんと結婚します」
姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。
十八歳で必ず死ぬ令嬢ですが、今日もまた目を覚ましました【完結】
藤原遊
恋愛
十八歳で、私はいつも死ぬ。
そしてなぜか、また目を覚ましてしまう。
記憶を抱えたまま、幼い頃に――。
どれほど愛されても、どれほど誰かを愛しても、
結末は変わらない。
何度生きても、十八歳のその日が、私の最後になる。
それでも私は今日も微笑む。
過去を知るのは、私だけ。
もう一度、大切な人たちと過ごすために。
もう一度、恋をするために。
「どうせ死ぬのなら、あなたにまた、恋をしたいの」
十一度目の人生。
これは、記憶を繰り返す令嬢が紡ぐ、優しくて、少しだけ残酷な物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる