側妻になった男の僕。

selen

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#10

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「あーーほんっとお前らと居ると必要以上に疲れる。」

「でも今日はウィルに会えたしー、うるせえ奴とジジイはいたけど俺は楽しかったなー!」

「だから俺とお前らは4つしか…… ……はあ、なんかもういいわ。」

「ノアさん、久々に見たけど本当に綺麗だな。」

「だってお前、一時期ヘルツシュさんにガチ恋してただろ……ぷっ……くくくくく待って笑いとまんねえ!」

「黙れそろそろ殺すぞ?ゼルダ。そのドッグタグ引きちぎるぞ。」

「はは、ごめんって。」

「なあ、ゲルガー、ゼルダ。……『アレ』ほんとにやると思うか?」

「…… ……どうなんだろうな。」

「残念だが、ルイス国王はやると言ったらやる男だ。きっとやるんだろう。」

「……だからゲルガー。今のうち想い伝えとけ!」

「はあ?!何言ってんだジジイ。もういいっつってんだろ。」

「まあ、そうなったら俺らでやって行くしかないんじゃね?!!」

「うお!!急に肩組むなよゼリム……まあでも、お前達の言ってることはあながち間違いじゃねえな。珍しく。」

「…… …… ……あれ?ゲルガーお前泣いてんの?」

「…… …… …… …… …… ……うるせえよ。」


・・・

大男3人の笑い声が中央棟の長い廊下に響いた。
一人は泣き声を笑い声に変えて。
一人はそれを力強く慰めるように。
一人は2人の肩を抱きながら。
3人は口に出さなかったが、この国は何かが動き出している、と確信していた。
それも無理矢理で、馬鹿らしくて、それでいて恋物語のような……。
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