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第1章 冒険者編
プロローグ
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普門院亮はケンブリッジ大学博士課程卒の天才だった。専門は理系で一番難しいといわれる量子力学。
彼は父の系列会社である研究機関への就職が内定しており、妻と二人の就職前旅行の飛行機に乗っていたところ突然まぶしい光に包まれ、そこで意識が途絶えた。
あの有名なバーミューダトライアングル上空だったので、飛行機事故なのか、それとも異界転移のようなオカルト的な現象なのかは判別しようがない。
享年27歳。既婚で2人の女児も授かっていた。
再び意識が戻ったのが3歳のとき。生まれる前の記憶を持っていることに気がついた。
3歳児の知能で判断できるはずもないので、前世の知識によるものだ。
前世には霊魂は輪廻転生するという思想があり、現に前世の記憶の断片を持って生まれたと思料される事例は多数あった。歴代ダライラマが先代の転生者として選定されるのは有名な話である。
ただ、彼は前世の記憶をほぼ完全な形で保持していた。そんな話は聞いたことがない。
そうするとこれは夢なのか、夢にしては覚めないし、五感もリアリティーがある。やはり転生と解釈すべきだろう。
転生後の名前はフリードリヒ・エルデ・フォン・ツェーリンゲン。
物心ついてしばらくは2重人格のような気持ち悪さがあったが、3月もすると落ち着いた。子供が大人に勝てるはずもないので、27歳の前世の人格が現世の3歳の人格を取り込んで統合したような感じである。
現世の状況を把握していくうちに、この世界の情勢が前世の13世紀頃の中世ヨーロッパにそっくりなことがわかった。
フリードリヒの属する国は「神聖帝国」であるが、前世の歴史どおり進行すると、しばらくして「神聖ローマ帝国」を名乗ることとなる国である。
フリードリヒの住んでいるバーデン=バーデンの町、黒い森などの地名やフランス王国などの周辺国の名前も前世と同じで、皇帝や王の名前も前世の歴史上の人物と一致していた。
そこで地球の過去に転生したことをまず疑ったが、前世とは決定的に違う点があり、それは否定することにした。
それは天体の様子である。まず目立つのは、月が2つあることで、一つ目の月は前世でなじみのある月そのものであるが、もう一つは小さくて暗い。こちらは新円ではなく、歪んでおり、じゃがいものような形をしていた。このため、この世界の潮汐は非常に複雑な動きをしており、予測が難しくなっている。
星座の形も前世で覚えのあるものと比べて歪んでいる。天の川は前世のものよりずっと明るく見える。
このように前世との違いを挙げ始めたらきりがないが、どうやらフリードリヒは地球とは別の場所に転生したことは確定のようだ。
彼は父の系列会社である研究機関への就職が内定しており、妻と二人の就職前旅行の飛行機に乗っていたところ突然まぶしい光に包まれ、そこで意識が途絶えた。
あの有名なバーミューダトライアングル上空だったので、飛行機事故なのか、それとも異界転移のようなオカルト的な現象なのかは判別しようがない。
享年27歳。既婚で2人の女児も授かっていた。
再び意識が戻ったのが3歳のとき。生まれる前の記憶を持っていることに気がついた。
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前世には霊魂は輪廻転生するという思想があり、現に前世の記憶の断片を持って生まれたと思料される事例は多数あった。歴代ダライラマが先代の転生者として選定されるのは有名な話である。
ただ、彼は前世の記憶をほぼ完全な形で保持していた。そんな話は聞いたことがない。
そうするとこれは夢なのか、夢にしては覚めないし、五感もリアリティーがある。やはり転生と解釈すべきだろう。
転生後の名前はフリードリヒ・エルデ・フォン・ツェーリンゲン。
物心ついてしばらくは2重人格のような気持ち悪さがあったが、3月もすると落ち着いた。子供が大人に勝てるはずもないので、27歳の前世の人格が現世の3歳の人格を取り込んで統合したような感じである。
現世の状況を把握していくうちに、この世界の情勢が前世の13世紀頃の中世ヨーロッパにそっくりなことがわかった。
フリードリヒの属する国は「神聖帝国」であるが、前世の歴史どおり進行すると、しばらくして「神聖ローマ帝国」を名乗ることとなる国である。
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そこで地球の過去に転生したことをまず疑ったが、前世とは決定的に違う点があり、それは否定することにした。
それは天体の様子である。まず目立つのは、月が2つあることで、一つ目の月は前世でなじみのある月そのものであるが、もう一つは小さくて暗い。こちらは新円ではなく、歪んでおり、じゃがいものような形をしていた。このため、この世界の潮汐は非常に複雑な動きをしており、予測が難しくなっている。
星座の形も前世で覚えのあるものと比べて歪んでいる。天の川は前世のものよりずっと明るく見える。
このように前世との違いを挙げ始めたらきりがないが、どうやらフリードリヒは地球とは別の場所に転生したことは確定のようだ。
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