学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林

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西条 誠

第二話

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僕の家は庭にある大きな木で囲まれていてあまり周りからは見えないんだ。僕と西条くんは杉本さんの後ろを庭を眺めながらトコトコと歩いていた

「この先が僕の家です」
「へぇ、綺麗な庭だな」
「母さんが凄く植物が好きで趣味でガーデニングをしてるんです」
「趣味っていうレベルじゃないな」
「確かに」

僕は苦笑しながら言った

「お帰りなさい。入学式お疲れ様」

艶のある髪を腰あたりまで伸ばして綺麗な花の髪飾りをつけた美人の女性が恭介に向けてそう言った
手に持っていたスコップを地面に置いた。おそらく庭仕事をしていたんだろう

「母さん、ただいま」
「あらあら、早速お友達を連れてくると聞いていたけど、まさか西条自動車のご子息とは思ってなかったわよ」
「母さん知ってるの?」
「えぇ、もちろん知っているわよ。確か名前は西条誠くんだったかしら?私は西蓮寺彩花あやかです。よろしくね」
「はい、西条誠です。よろしくお願いします」
「あらあら畏まらなくていいのよ。西条家のご子息に頭なんて下げられたら困っちゃうわ。うふふふ」

母さんは冗談ぽく微笑んだ

「というかなんで西条くんのこと知ってるの?」
「それは貴方が知らないだけでコッチの業界では有名なのよ?貴方は社交の場にあまり出たがらないからそういう世間知らずになっちゃうのよ?まったくもう貴方って子は」

母さんはコツンと僕の頭をつついた

「は、恥ずかしながら俺もあんまり西蓮寺家についてはあまり覚えてなくて」
「それは仕方ないわよ。西条家は我が家と違ってちゃんと社交の場に出てるものね?」

そう言いながら母さんは僕をジト目で睨む
そんな目で見ないで下さいよ母さん。だって社交パーティーって色んな人の上っ面しか見えなくて怖いんだもん

「立ち話もなんだから家にあがりましょう。今日は和彦さんいると思うから西条くんを紹介してきたら?」
「うん、そうしないと後々面倒だし。西条くん行こ」
「あぁ、分かった」

今気づいたけど杉本さんは横でたって待っててくれたみたいだ。遅くなってごめんなさい!
杉本さんは屋敷の両開きの扉を開けてくれた

「杉本さんはここまででいいよ。父さんの部屋に行ってくるから」
「かしこまりました。御用がありましたらいつでもお呼びください」

僕は杉本さんと別れて二階にある父さんの書斎に西条くんと一緒に向かった

「あっ、入る前に言っときたいんだけど、僕にボールぶつけちゃった事とか父さんに言わないでね?」
「なんでだ?心配性とかか?」
「うーん、心配性を通り越して過保護なんだ」
「そっか分かった。それよりさっきまでの丁寧な話し方よりこっちの話し方の方が恭介には似合ってるぞ」
「っ───!」

そういえば家だから丁寧語使うの忘れてた。てか今名前呼んだ!?
顔を近ずけて耳元でそんなこと言われたら恥ずかしいよ!絶対顔赤くなってる

「ふふっ、恭介顔真っ赤」
「なっ!からかわないでよ!」
「ふふっ、悪い悪い。その代わり俺のことも誠って呼べよ?」

だから耳元で言わないでってば!余計に赤くなっちゃう!

「──った。」
「ん?聞こえなかった」
「分かったから!耳元で喋んないで!」
「ふふっ、恥ずかしかったのか?」
「当たり前だよ。ま、誠は僕と違ってイケメンなんだから」
「え?」
「まさか気づいてないの?誠って凄くイケメンだよ?」
「あっ、いやなんでもない」

イケメンってズルい!
こんなこと普通に出来るし、自分の顔がイケメンって自覚がないから勘違いする女の子もいるよ!ぜったい!
あっ、そろそろ書斎に入ろ

「父さん、恭介だよ。開けていい?」
「恭介、遅いぞ!早く入りなさい!」

僕はちょっと怒り気味の父さんの言葉を聞いて直ぐに扉を開けて入った

「こら!防犯カメラに恭介を迎えに行った車が家の門から入ってくるのが見えたからずっとパパは待ってたんだぞ!二十分も待ったじゃないか!人攫いにでもあったのかと思ったぞ!」
「だ、大丈夫だよ。母さんと喋ってただけだよ。それより今日はクラスメイトを連れて来たんだ」
「ママと喋っていたなら仕方ないか。それよりクラスメイトとやらを早く紹介しなさい。パパが見定めてやる!」
「もう!そんな事しなくていいから!」

僕は手招きして書斎の外にいた誠に入ってきてもらった

「西条誠です。よろしくお願いします」
「西条くん、君は恭介を一生大事にすることが出来るか?」
「もう!いきなり何言っちゃってるの!?」

父さんはいつもこうだ。僕が友達を連れて来たら毎回こんなふうに娘が彼氏を連れて来たみたいな反応をする。僕は男だし!

「もう和彦さんったら。また恭介の友達にちょっかい出して……」
「ちょっかいではないぞ!これは俺たちの大事な大事な恭介の人生に関わるだな──」
「はいはい、分かりましたから」

書斎に入ってきた母さんは父さんを軽くあしらって黙らせた

「ごめんなさいね西条くん。和彦さんは悪い人じゃないんだけどなのよ。」
「い、いえ大丈夫です」

ほら、誠もちょっとひいてるじゃん!

「恭介の部屋でゆっくりしてきたら?せっかく高校生になって友達が出来たんだから」
「うん、そうする」

僕は二度と誠を父さんに会わせないと誓った
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