学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林

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西条 誠

第四話

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入学式は保護者も来れるようにと日曜日に開催されたため翌日の月曜日は代休日となっていた

「恭介、暇なんだったら後で病院の方に行って和彦さんにお弁当届けてくれないかしら?」

自室のベットに寝転びながらスマートフォンでSNSを観覧していた恭介に彩花は呆れたように声をかける

「今ちょっと忙しいからやだぁ」
「あなた朝からずっとベットの住人じゃないの。そろそろ起きないと健康にも悪いでしょ」
「大丈夫だよ。母さんと違ってまだ若いからさ」

恭介がそう言った瞬間部屋の入口に立っていた彩花恐ろしい程の怒りのオーラが現れた

「今、な・ん・て?」
「ヒッ……!」
「あらあら、どーしたのぉ?私は何か言ったかしら?と聞いただけなんだけど」

一見微笑んでいるように見えるが目が全く笑っていない彩花を見て恭介はマズいと思った

「か、母さん!今、ちょっと散歩したい気分だから!いいい、行ってくるね!」
「お弁当はリビングの机に置いてあるわ。よろしくね?」
「は、はいぃぃ!」

僕は急いでリビングの机に置いてあった弁当をリュックに入れて急いで家を出た。家から病院までは歩いて十分くらいなので今日は杉本さんに頼らず自分で歩いていく事にした

しばらく呑気に歩いているとあっという間に病院に着いた。そこには『医療法人西連寺会 本院』という名前が刻まれた立派な看板がある。恭介は病院に入って受付に近ずいてから騒いでいる客がいることに気づいた

「だから、私の息子がしんどいって言ってるんです!早く診てあげてください!」
「お子様は熱も微熱程度のようなので順番を前後させる程のことは無いかと……」
「微熱とか関係ないでしょ!うちの子がしんどいって言ってるの!早く治して上げて!」
「し、しかし他にも患者様が……」
「私は城賀本銀行の頭取の妻よ!こんなちっぽけな総合病院なんて直ぐに潰せるんですからね!」

えっ、城賀本?私の息子?
それって……

「お母さん、やめて下さいよ。ゴホッゴホッ」

やっぱり同じクラスの城賀本樹くんだった

「そ、そうだとしても──」
「どうしたんだ?」

受付の女性が困ってオドオドしていると受付の奥から男性が出てきた

「山崎主任!?」
「君は下がっていなさい。私が対応するから」
「は、はい……」

受付の女性は奥のデスクに戻って行った

「受付交代いたしまして受付窓口主任の山崎が対応させて頂きます。それでどういったご希望でしたでしょうか?」
「だから、うちの息子が熱があるから早く診察してって言ってるんです!お金なら倍出してもいいのよ!」
「金額の問題ではございません。お母様の心配も分かりますがあまり病院内で声を荒らげるのも良くない噂を生みます。いくら城賀本銀行の奥様とはいえ他の患者様を蔑ろにすることは出来ないのです。何卒ご了承ください」
「なんなのよ!患者が苦しんでるのにちょっと診察を早めることも出来ないの!?旦那に頼んでで病院の融資を取り消してやっても良いのですからね!」
「そ、それは……」

流石にそこまで言われたら一事務員に過ぎない山崎さんに決めることは出来ないんだろう。ど、どうすれば丸く収まるなぁ

「ふんっ!分かったなら息子を早く診察してちょうだい!」
「お、お母さん……」

城賀本くんも止めようとしてるみたいだけど風邪だからやっぱりしんどそうにしてる。ここは僕が何とかしないと!

「仕方ない。息子さんを診察室へ」

山崎は諦めて樹を診察室へ案内するように周りにいた看護師に言った。だがここで恭介の登場である。

「待って下さい!」
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