学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林

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西条 誠

第十八話

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恭介は席についてからも橋爪裕翔から言われた言われた事について考えていた

(僕にあんな事を言うってことは西蓮寺家に恨みがあるってことだよね。橋爪家……確か近畿地方で割と大きな病院を経営してる一族だよね)

恭介とてバカではない
社交界に出てないとはいえ、医療業界の有力な一族の名前くらいなら覚えているのだ

(でも最近は梅田に新しく出来たウチの第六十二分院の方が立地が良くて業績が上がってるって父さんが言ってし、もしかしたら橋爪くんの家の病院の業績が落ちてるとか?)

西蓮寺家が運営する病院は日本国内だけで三百を超えており、業務提携や実質買収に近いやり方で海外の病院を傘下におく西蓮寺家は世界トップクラスの医療法人団体だ

(もしかしたら、そうかもしれない。でもなんか複雑だな。)

西蓮寺家の傘下の病院は日本全国に急速展開を始めており、今年中には奈良県、佐賀県、愛媛県、高知県、秋田県に内科クリニック、沖縄県の那覇市内に総合病院の建設が完了する予定だ
この六つの県に無事に西蓮寺家の病院が完成すると西蓮寺家は全ての都道府県に病院を持つ事になる
もちろん、それを忌々しく思う連中もいるはずだ

(もしかしたら、橋爪くんウチをあまりよく思ってないのかも。だからと言ってわざわざあんな挑発するみたいなこと言うかな?)

「……蓮寺!西蓮寺!」
「は、はい!」

恭介は名前を呼ばれて驚いて立ち上がった

「居眠りか?ホームルームの出席確認の時はちゃんと返事くらいはしろよ」

月城先生に呼ばれたのか、ビックリした
ていうか、いつの間にホームルーム始まってたんだろ

「すみません。ちょっと考え事を……」
「ま、次からはちゃんと返事しろよ。えー、次は……」

そんな事言われてもなぁ。気になって色々考えちゃうよ
まぁ、家に帰ったら橋爪くんのこと、父さんに相談しよ

そん考えて、恭介は一限目の授業の準備を始めた


◆◇◆


恭介は基本、日常的な部分で抜けていることが多い。家族といる時だろうと、友人といる時だろうと、どこか抜けているのだ。
だが、勉強は出来るのだ。中学校時代でもクラスでずっと上位の成績だった。
しかも、生まれ持った才能ではなく、恭介は毎日家に帰れば授業内容を復習したり、テスト前になると自ら自室には近付かずに客室を使って勉強したりする。つまり、自らの努力によって成績を維持しているのだ。西蓮寺家という強大な権力があれど、それを絶対に不正に使わない恭介は昔から人気があり、学友から好かれていたのだ

この学校法人桜田門学院は幼小中高大院の全ての教育機関を有する巨大学園だ。一つ一つが無駄に大きな敷地で構成されるこの学校法人団は全国の良家の子息子女が集まることで有名だが、その殆どの生徒は幼稚園からこの桜田門学院に通っている内部進学者ばかりだ。もちろん途中からこの学園に外部から入学することも可能だが、基本的にはそんなことできない。だがしかし、恭介のことに限っては話が違う。日本の医療業界を牛耳る西蓮寺家の跡取り息子が入学するとなると誰も文句は言えないし、学院側からすればば是非とも入学して貰いたいはずだ。
結果として恭介の外部入学は家柄も、学力も問題なしとされてスムーズに手続きが済んだのだ

しかし、そんな彼を裏ではよく思っていない連中もいるという事に、彼自身はまだ気づいていない
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