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子供みたいなことを言う樹貴さんに、うっかりキュンとしてしまって言葉が出てこない。
「あ、もしかして引いた?」
「いえ、ちょっと可愛すぎて言葉を失ってただけです」
「そ? 良かった」
にっこり笑う顔がまた可愛くて、大荷物の一部を受け取ると、とりあえずリビングに荷物を下ろして料理の続きに取り掛かる。
「鶏肉の豆腐ハンバーグなんですけど、嫌いなものとか聞いてなかったんで、大丈夫ですか」
「俺? 大丈夫。なんでも食べるよ」
「良かったです。じゃあご飯も炊けたので、用意しちゃいますから、手を洗ってきてください」
「はいはい」
棚から大きめのお皿を取り出して、ワンプレートで盛り付けを仕上げると、手を洗ってきた樹貴さんに手伝ってもらってダイニングテーブルに料理を並べる。
一人きりでご飯を食べる寂しさを実感していた数日間だっただけに、このテーブルで誰かと食事を囲むのがこんなに嬉しいとは思わなかった。
「美味しくなかったら、ソースとか出しますから」
「こんな良い匂いなのに、美味しくないワケないでしょ」
向かい合っていただきますと手を合わせると、樹貴さんは相当お腹が空いていたのか、ものすごい勢いでパクパクとご飯を食べる。
「凄い美味しいよ。料理上手なんだね」
「そうですか? 同居してた子に甘えっぱなしで、私はそんなに得意じゃないんですけど」
「じゃあ、味の好みが似てるのかもね。このハンバーグ青じそが入ってるの? これ好きだな」
「良かったです」
作った料理を美味しいって食べてくれる人がいることがこんなに嬉しいなんて、やっぱり私は相当寂しかったらしい。
樹貴さんと世間話をしながら少し遅めの昼食を済ませると、洗い物を早めに片付けてからリビングのソファーでコーヒーを飲んでゆっくり過ごす。
「じゃあ、引っ越してくるのは来月なの」
「そうですね。さっき調べてみたら、早くても今月末ギリギリかも知れません。樹貴さんのご実家にお世話になるなら処分する家具も多くて、準備に時間が掛かりそうで」
「そっか。なら、寂しいから泊まりに来ようかな」
「別に構いませんけど」
ギュッと抱きついて来た樹貴さんの腕を撫でると、頭の上で嬉しそうに笑う気配を感じてこっちまで嬉しくなる。
本当にこの人が私の彼氏なんだろうかと、今でも不思議な感じがするけど、付き合うって口にしてから何時間も経ってないことを考えたら当たり前かも知れない。
「香澄ちゃんは、休みの日って決まってるの」
「お休みですか? シフト制なので不規則ですね。樹貴さんは決まった曜日に休まれてるんですか」
「ヘアサロンが休みでも他が動いてるからね。土日に休むのが効率は良いけど、一応現役でフロアに出てるから俺も不規則かな」
お互いの次の休みの話をしたり、仕事の話を色々と聞かせてもらってると、不意に沈黙が訪れてなんとなく雰囲気に呑まれるみたいにキスをする。
まだ夕方にもなってなくて、窓から差し込む強い日差しに目が眩みそうだけど、大人しく目を閉じて樹貴さんのキスを受け入れる。
啄むようなキスから、舌を搦めた淫靡なキスに変わると、意識しなくても甘ったるい息遣いが鼻から抜けていく。
「香澄ちゃんって本当に可愛いね」
「また揶揄う」
「揶揄ってないよ」
楽しげに喉を鳴らすと、樹貴さんはキスをしながら私のTシャツの裾に手を忍ばせて、おへその辺りで円を描くように指先をくるりと滑らせる。
馴染みのあるその感覚に身体がぞくりと震えて肌が粟立つと、樹貴さんの手が胸元に伸びたタイミングでインターホンが鳴った。
「居留守使いなよ」
「ダメですよ。ネットで本を頼んだのでそれかも知れません」
樹貴さんの腕から逃れると、インターホンの画面を見て思わず声が出た。
「え、なにごと」
モニターの向こうには、外聞を構う様子もなく号泣する美咲の姿が映っていたからだ。
「あ、もしかして引いた?」
「いえ、ちょっと可愛すぎて言葉を失ってただけです」
「そ? 良かった」
にっこり笑う顔がまた可愛くて、大荷物の一部を受け取ると、とりあえずリビングに荷物を下ろして料理の続きに取り掛かる。
「鶏肉の豆腐ハンバーグなんですけど、嫌いなものとか聞いてなかったんで、大丈夫ですか」
「俺? 大丈夫。なんでも食べるよ」
「良かったです。じゃあご飯も炊けたので、用意しちゃいますから、手を洗ってきてください」
「はいはい」
棚から大きめのお皿を取り出して、ワンプレートで盛り付けを仕上げると、手を洗ってきた樹貴さんに手伝ってもらってダイニングテーブルに料理を並べる。
一人きりでご飯を食べる寂しさを実感していた数日間だっただけに、このテーブルで誰かと食事を囲むのがこんなに嬉しいとは思わなかった。
「美味しくなかったら、ソースとか出しますから」
「こんな良い匂いなのに、美味しくないワケないでしょ」
向かい合っていただきますと手を合わせると、樹貴さんは相当お腹が空いていたのか、ものすごい勢いでパクパクとご飯を食べる。
「凄い美味しいよ。料理上手なんだね」
「そうですか? 同居してた子に甘えっぱなしで、私はそんなに得意じゃないんですけど」
「じゃあ、味の好みが似てるのかもね。このハンバーグ青じそが入ってるの? これ好きだな」
「良かったです」
作った料理を美味しいって食べてくれる人がいることがこんなに嬉しいなんて、やっぱり私は相当寂しかったらしい。
樹貴さんと世間話をしながら少し遅めの昼食を済ませると、洗い物を早めに片付けてからリビングのソファーでコーヒーを飲んでゆっくり過ごす。
「じゃあ、引っ越してくるのは来月なの」
「そうですね。さっき調べてみたら、早くても今月末ギリギリかも知れません。樹貴さんのご実家にお世話になるなら処分する家具も多くて、準備に時間が掛かりそうで」
「そっか。なら、寂しいから泊まりに来ようかな」
「別に構いませんけど」
ギュッと抱きついて来た樹貴さんの腕を撫でると、頭の上で嬉しそうに笑う気配を感じてこっちまで嬉しくなる。
本当にこの人が私の彼氏なんだろうかと、今でも不思議な感じがするけど、付き合うって口にしてから何時間も経ってないことを考えたら当たり前かも知れない。
「香澄ちゃんは、休みの日って決まってるの」
「お休みですか? シフト制なので不規則ですね。樹貴さんは決まった曜日に休まれてるんですか」
「ヘアサロンが休みでも他が動いてるからね。土日に休むのが効率は良いけど、一応現役でフロアに出てるから俺も不規則かな」
お互いの次の休みの話をしたり、仕事の話を色々と聞かせてもらってると、不意に沈黙が訪れてなんとなく雰囲気に呑まれるみたいにキスをする。
まだ夕方にもなってなくて、窓から差し込む強い日差しに目が眩みそうだけど、大人しく目を閉じて樹貴さんのキスを受け入れる。
啄むようなキスから、舌を搦めた淫靡なキスに変わると、意識しなくても甘ったるい息遣いが鼻から抜けていく。
「香澄ちゃんって本当に可愛いね」
「また揶揄う」
「揶揄ってないよ」
楽しげに喉を鳴らすと、樹貴さんはキスをしながら私のTシャツの裾に手を忍ばせて、おへその辺りで円を描くように指先をくるりと滑らせる。
馴染みのあるその感覚に身体がぞくりと震えて肌が粟立つと、樹貴さんの手が胸元に伸びたタイミングでインターホンが鳴った。
「居留守使いなよ」
「ダメですよ。ネットで本を頼んだのでそれかも知れません」
樹貴さんの腕から逃れると、インターホンの画面を見て思わず声が出た。
「え、なにごと」
モニターの向こうには、外聞を構う様子もなく号泣する美咲の姿が映っていたからだ。
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