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あまりにも近すぎる距離に、ドキドキしてるのは私だけかも知れないと思いながら樹貴さんを盗み見ると、すかさず目が合って不意打ちでキスされた。
「ああ、やっぱり可愛い」
「急にやめてください。グラス落とすところでした」
「だって香澄ちゃん可愛いから」
「そんなこと言ってくれるのも今のうちですよね」
「すぐそうやって卑屈になるの良くないよ」
樹貴さんは困ったような顔をして、私のおでこにチュッと唇を押し当てると、中に戻ろうかとリビングの窓を開けた。
リビングに戻ってからも、全身のショットが欲しいと言われ、羞恥心を煽られながら、表情が固いとくだならないジョークで笑わされて何枚か写真を撮った。
樹貴さんが見せてくれた写真の私は、楽しそうに笑っていて、彼が見てる世界の私は、こんな風に映ってるのかと不思議な気持ちになる。
「どうかした」
「いいえ。でも三枚目と四枚目のこれ、変な顔だから消しといてくださいね」
「ヤダ。全部可愛いから消さない」
「なんでですか」
二人でスマホを奪い合って騒いでいると、不意にリビングのドアが開いて美咲が顔を覗かせた。
「あれ、ごめん。うるさかったかな」
「ううん、違う。大丈夫だよ」
「そう? どしたの、顔色悪いけど具合い悪くなったの」
「邪魔しちゃってごめん。徳明が、今からここに来るって」
「そっか。石井くんもしかして、迎えに来るのかな。美咲はそれで良いの? 私に気を遣ってるなら、そんなの気にしなくて良いんだからね」
「ありがとう。古川さんもすみません」
「俺も心配してるから、気にしなくて大丈夫だよ。旦那さんが来るなら、ここで話をするのかな」
「はい。話は向こうでするので」
美咲が自分の部屋を指差して断りを入れると、私が口を開くよりも前に樹貴さんが、一緒に居てあげなよと私の腰を抱いていた手で肩を叩く。
「香澄ちゃん立ち会ってあげなよ。俺は部屋に居るからさ。鈴木さんも一人だと熱が入っちゃうでしょ。旦那さんが来てくれるなら、誤解が解けるまできちんと話してみたらどうかな」
「でもそこまで迷惑掛けられないし」
私と樹貴さんを交互に見て、美咲は困惑したように俯いてしまう。
確かに私も逆の立場なら、そこまで甘えていいのか悩むと思うけど、美咲が家に来た時のことを考えると、外聞も考える余裕がなく泣き喚いていたし仲裁は必要だろう。
「私は良いよ。石井くんが大丈夫なら、一緒に聞くからさ。ちゃんと冷静になって話してみた方がいいよ」
美咲を説得すると、そのまま三人で雑談しながらリビングで過ごして、石井くんが来たタイミングで樹貴さんは私の部屋に移動した。
夫婦の問題に私が介入するのも、石井くんからすれば迷惑なのかも知れないけど、美咲は私を頼ってきた訳だし、大ゲンカにならないよう、少しだけなら立ち会っても問題ないだろう。
インターホンを鳴らす石井くんを招き入れると、話が入り組んでややこしくなった夫婦の揉め事の仲裁役を務めることになった。
石井くんは、浴衣姿の美咲と私にまず驚いて、更に話し合いに私が立ち会うと言うとまた驚いていたけど、顔を合わせるなりイライラし始めた美咲を見て、同席するのを承諾してくれた。
すぐに大声を出す美咲を宥めながら話を聞いてみると、本当になんでもないこと過ぎて拍子抜けする結果になった。
結局のところ、石井くんと元カノは密会していた訳でも、元カノが妊娠していた訳でもなく、海外から戻る上司のサプライズパーティーの幹事を任されて企画を練っていただけ。
確かに石井くんも仕事が絡むこととはいえ、元カノと幹事を任されたのなら、いくら何もやましいことがないとはいえ、美咲への配慮が必要だったと頭を下げた。
明らかに説明不足なところはあるけど、梅原くんの暴走で話がややこしくなっただけで、なんの問題もなかったようで、美咲たちはバタバタと帰っていった。
「ああ、やっぱり可愛い」
「急にやめてください。グラス落とすところでした」
「だって香澄ちゃん可愛いから」
「そんなこと言ってくれるのも今のうちですよね」
「すぐそうやって卑屈になるの良くないよ」
樹貴さんは困ったような顔をして、私のおでこにチュッと唇を押し当てると、中に戻ろうかとリビングの窓を開けた。
リビングに戻ってからも、全身のショットが欲しいと言われ、羞恥心を煽られながら、表情が固いとくだならないジョークで笑わされて何枚か写真を撮った。
樹貴さんが見せてくれた写真の私は、楽しそうに笑っていて、彼が見てる世界の私は、こんな風に映ってるのかと不思議な気持ちになる。
「どうかした」
「いいえ。でも三枚目と四枚目のこれ、変な顔だから消しといてくださいね」
「ヤダ。全部可愛いから消さない」
「なんでですか」
二人でスマホを奪い合って騒いでいると、不意にリビングのドアが開いて美咲が顔を覗かせた。
「あれ、ごめん。うるさかったかな」
「ううん、違う。大丈夫だよ」
「そう? どしたの、顔色悪いけど具合い悪くなったの」
「邪魔しちゃってごめん。徳明が、今からここに来るって」
「そっか。石井くんもしかして、迎えに来るのかな。美咲はそれで良いの? 私に気を遣ってるなら、そんなの気にしなくて良いんだからね」
「ありがとう。古川さんもすみません」
「俺も心配してるから、気にしなくて大丈夫だよ。旦那さんが来るなら、ここで話をするのかな」
「はい。話は向こうでするので」
美咲が自分の部屋を指差して断りを入れると、私が口を開くよりも前に樹貴さんが、一緒に居てあげなよと私の腰を抱いていた手で肩を叩く。
「香澄ちゃん立ち会ってあげなよ。俺は部屋に居るからさ。鈴木さんも一人だと熱が入っちゃうでしょ。旦那さんが来てくれるなら、誤解が解けるまできちんと話してみたらどうかな」
「でもそこまで迷惑掛けられないし」
私と樹貴さんを交互に見て、美咲は困惑したように俯いてしまう。
確かに私も逆の立場なら、そこまで甘えていいのか悩むと思うけど、美咲が家に来た時のことを考えると、外聞も考える余裕がなく泣き喚いていたし仲裁は必要だろう。
「私は良いよ。石井くんが大丈夫なら、一緒に聞くからさ。ちゃんと冷静になって話してみた方がいいよ」
美咲を説得すると、そのまま三人で雑談しながらリビングで過ごして、石井くんが来たタイミングで樹貴さんは私の部屋に移動した。
夫婦の問題に私が介入するのも、石井くんからすれば迷惑なのかも知れないけど、美咲は私を頼ってきた訳だし、大ゲンカにならないよう、少しだけなら立ち会っても問題ないだろう。
インターホンを鳴らす石井くんを招き入れると、話が入り組んでややこしくなった夫婦の揉め事の仲裁役を務めることになった。
石井くんは、浴衣姿の美咲と私にまず驚いて、更に話し合いに私が立ち会うと言うとまた驚いていたけど、顔を合わせるなりイライラし始めた美咲を見て、同席するのを承諾してくれた。
すぐに大声を出す美咲を宥めながら話を聞いてみると、本当になんでもないこと過ぎて拍子抜けする結果になった。
結局のところ、石井くんと元カノは密会していた訳でも、元カノが妊娠していた訳でもなく、海外から戻る上司のサプライズパーティーの幹事を任されて企画を練っていただけ。
確かに石井くんも仕事が絡むこととはいえ、元カノと幹事を任されたのなら、いくら何もやましいことがないとはいえ、美咲への配慮が必要だったと頭を下げた。
明らかに説明不足なところはあるけど、梅原くんの暴走で話がややこしくなっただけで、なんの問題もなかったようで、美咲たちはバタバタと帰っていった。
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