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長い休みが完全に終わる前に、祖母に別れを告げて福岡から東京に戻ると、家に帰ったタイミングで、家の管理を任されているという武田さんに初めて遭遇した。
「初めてお目にかかりますね。管理を任されています武田で御座います」
「初めまして。お世話になってます、伊原です」
武田さんは友梨さんに聞いてた通り、五十代後半くらいの品のある印象を受ける女性で、簡単に挨拶を済ませると仕事がありますのでと、すぐにその場を離れてしまう。
私も気兼ねすることなく二階の自室に戻ると、窓を開け放して空気の入れ替えをしながら、祖母の家で洗濯を済ませた洋服をクローゼットに戻していく。
そして空になったトランクケースを片付けると、ベッドのシーツを取り替えて、二階のランドリーで洗濯機を回す。
武田さんは私が間借りしてる部屋のことは関知しないように言われているらしく、他の部屋には出入りしてるようだけど、私の部屋に入ってくることはない。
私がくつろいでる間も、家中を掃除して回る武田さんに気を遣わない訳じゃないけど、向こうも仕事なのだから変に手伝ったりしないでと断りを入れられた。
手持ち無沙汰になってしまってテレビを見ていると、部屋のドアがノックされて、武田さんが帰る前に挨拶に来てくれた。
会えたら渡そうと思っていた福岡土産を手渡すと、最初は遠慮していたけど、優しく笑ってありがとうございますと受け取ってくれたのでホッとする。
そうして少し立ち話をして、玄関まで武田さんを見送ると、また広い家に一人きりになった。
「夕飯を作ってしまおうかな」
福岡行きを勢いで決めてしまったので、冷蔵庫の傷んだ食材は処分してしまったと武田さんが言っていたが、冷凍庫の物はまだ使えるはずだ。
カレールーを見つけたので、ご飯を炊いて、簡単にカレーを作ると、作ってから寝かせてる間にシャワーを浴びてお風呂を済ませてしまう。
そして寝る支度を整えてからキッチンに戻ると、お鍋を火にかけ、炊き立てのご飯とカレーをよそう。
「いただきます」
両手を合わせてからカレーを頬張ると、祖母の家で二人でご飯を食べるのが当たり前になっていたので、またこんな風に一人きりでご飯を食べることに寂しさを覚える。
明日はいよいよ、TOKYOガールズパーティーが開催される。
二日にわたってショーと、出店ブランドの直売会が行われるはずだから、タイミングが合えば休み中に樹貴さんと会えるかも知れない。
今は樹貴さんも準備で忙しいだろうし、連絡するのも気を遣うので、それが落ち着いたら直接会うことも出来るだろうか。
樹貴さんは、遥香さんのことを自分の口から説明したいから、友梨さんと会うのは少し待って欲しいと言っていた。
それに実際、その肝心の友梨さんも遥香さんが体調を崩しているせいで、私に会いに来てる暇もないみたいなので、私はただ黙って待つしかない。
食べ終えた食器を片付けると、一階の電気を消して二階の自室に戻る。
「ふう。お腹いっぱい」
ベッドに座ってヘッドボードにもたれると、テレビをつけてスマホを眺める。
働き始めてから、こんなに長く休むのは初めてのことで、仕事に復帰して、またうっかりミスすることがないように、頭の中で何度もシミュレーションする。
マネージャーには、休んでる間に問題を解決しろと言われたけど、約束通り解決させられるかは分からない。
連絡をくれた同僚の真理恵さんの話では、私がミスをして休まされてることは噂になっていないと言うが、あの場に居た人たちはきっと気付いてるだろう。
私のおかげでみんなが有給休暇を取りやすいと、真理恵さんは気にすることはないと言ってくれてるけど、同じようなミスはもう二度としてはいけない。
「初めてお目にかかりますね。管理を任されています武田で御座います」
「初めまして。お世話になってます、伊原です」
武田さんは友梨さんに聞いてた通り、五十代後半くらいの品のある印象を受ける女性で、簡単に挨拶を済ませると仕事がありますのでと、すぐにその場を離れてしまう。
私も気兼ねすることなく二階の自室に戻ると、窓を開け放して空気の入れ替えをしながら、祖母の家で洗濯を済ませた洋服をクローゼットに戻していく。
そして空になったトランクケースを片付けると、ベッドのシーツを取り替えて、二階のランドリーで洗濯機を回す。
武田さんは私が間借りしてる部屋のことは関知しないように言われているらしく、他の部屋には出入りしてるようだけど、私の部屋に入ってくることはない。
私がくつろいでる間も、家中を掃除して回る武田さんに気を遣わない訳じゃないけど、向こうも仕事なのだから変に手伝ったりしないでと断りを入れられた。
手持ち無沙汰になってしまってテレビを見ていると、部屋のドアがノックされて、武田さんが帰る前に挨拶に来てくれた。
会えたら渡そうと思っていた福岡土産を手渡すと、最初は遠慮していたけど、優しく笑ってありがとうございますと受け取ってくれたのでホッとする。
そうして少し立ち話をして、玄関まで武田さんを見送ると、また広い家に一人きりになった。
「夕飯を作ってしまおうかな」
福岡行きを勢いで決めてしまったので、冷蔵庫の傷んだ食材は処分してしまったと武田さんが言っていたが、冷凍庫の物はまだ使えるはずだ。
カレールーを見つけたので、ご飯を炊いて、簡単にカレーを作ると、作ってから寝かせてる間にシャワーを浴びてお風呂を済ませてしまう。
そして寝る支度を整えてからキッチンに戻ると、お鍋を火にかけ、炊き立てのご飯とカレーをよそう。
「いただきます」
両手を合わせてからカレーを頬張ると、祖母の家で二人でご飯を食べるのが当たり前になっていたので、またこんな風に一人きりでご飯を食べることに寂しさを覚える。
明日はいよいよ、TOKYOガールズパーティーが開催される。
二日にわたってショーと、出店ブランドの直売会が行われるはずだから、タイミングが合えば休み中に樹貴さんと会えるかも知れない。
今は樹貴さんも準備で忙しいだろうし、連絡するのも気を遣うので、それが落ち着いたら直接会うことも出来るだろうか。
樹貴さんは、遥香さんのことを自分の口から説明したいから、友梨さんと会うのは少し待って欲しいと言っていた。
それに実際、その肝心の友梨さんも遥香さんが体調を崩しているせいで、私に会いに来てる暇もないみたいなので、私はただ黙って待つしかない。
食べ終えた食器を片付けると、一階の電気を消して二階の自室に戻る。
「ふう。お腹いっぱい」
ベッドに座ってヘッドボードにもたれると、テレビをつけてスマホを眺める。
働き始めてから、こんなに長く休むのは初めてのことで、仕事に復帰して、またうっかりミスすることがないように、頭の中で何度もシミュレーションする。
マネージャーには、休んでる間に問題を解決しろと言われたけど、約束通り解決させられるかは分からない。
連絡をくれた同僚の真理恵さんの話では、私がミスをして休まされてることは噂になっていないと言うが、あの場に居た人たちはきっと気付いてるだろう。
私のおかげでみんなが有給休暇を取りやすいと、真理恵さんは気にすることはないと言ってくれてるけど、同じようなミスはもう二度としてはいけない。
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