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シニアクラスのアクアビクスを終えて、次のレッスンのボクササイズの準備をしていると、個別トレーニングを終えた真理恵さんと顔を合わせる。
「お疲れ」
「お疲れ様です」
「それにしても、まさかあのワンナイトの彼と結婚だなんてね」
「真理恵さん、こんなところでやめてください」
「ごめんごめん。でもなんか夢があるじゃない。しかもあの〈アンヘル〉の経営者なんでしょ? 玉の輿もいいところじゃない。羨ましい」
「いやいや、プレッシャーでしかないですよ」
「旦那さんに頼んで私にもイイ男紹介してよ」
「良い人が居るか分かんないですけど、聞くだけ聞いときます」
「言質は取ったからね」
真理恵さんはニッと笑うと、じゃあねとフィットネスフロアに戻って行った。
私もボーッとしてられない。
スタジオに移動すると、早めに来てる利用者さんと会話しながら、スピーカーのチェックをしたり、フロアが濡れていないかチェックして回る。
スイミングでのミスがあって以来、私は以前にも増して仕事中に緊張の糸を緩めることがないように注意を払っている。
今日は見学の利用者さんが数名参加するので、さらに気を引き締めると、ヘッドセットを取り付けてから、自分も怪我をしないためにストレッチを入念にこなす。
程よい緊張感の中、休憩を挟みながら四十五分のレッスンを終えると、スタジオ内を回って、滑りやすくなってる所がないかチェックして次のレッスンのために場所を整える。
今日はなかなかハードなシフトで、ボクササイズのレッスンが連続して入っているから、疲労も溜まっていく。
だからこそ気が抜けなくて、改めてストレッチをして体をほぐすと、二回目のレッスンを受ける利用客がスタジオに入って来て、少し緩んだ気持ちを切り替える。
二回目は中級クラスで、見学や体験レッスンもなく、さっきよりも動きはハードになるし、ますます周りに気を配らないといけない。
利用者さんとコミュニケーションを取りながら、レッスン前に丁寧にストレッチをすると、また四十五分間のボクササイズをこなしていく。
本当はバテバテで、今ここで利用者さんに混じって大の字になって倒れ込みたいけど、健康的な笑顔を浮かべながらみんなを起こしてスタジオの清掃に取り掛かる。
この後は確かヨガのレッスンがあるはずなので、スタジオを汚したまま出る訳にはいかない。
バタバタと片付けを済ませて引き継ぎをすると、休憩を挟んでから、畳み掛けるようにフィットネスフロアでトレーニングのサポートに入る。
私がここで見るのは、だいたい初心者の利用者が中心なので、器具の使い方に困っている人や、希望者の食事についての提案をしたりするのがメインの業務になる。
利用客が使い終わった器具を清掃しながら定位置に戻したり、声を掛けられたら説明をしたり、時には実際にサポートしつつ、時間が来たら応接ブースで食生活の提案をする。
そうこうしてるうちにあっという間に時間が過ぎて、ようやく自分のトレーニングをこなしてバックヤードに戻ると、体は心地よい悲鳴をあげている。
シャワールームで汗を流して着替えを済ませると、明日以降のシフトや担当レッスンの確認をしてタイムカードを切った。
「お疲れ様でした。お先に失礼します」
ジムを出て駐輪場に向かいながら、何気なくスマホを手に取ると、珍しく樹貴さんからメッセージが届いていて、迎えにいくから連絡が欲しいと書かれている。
慌てて電話をかけると、どうやらジムの駐車場に車を停めているらしく、私はクロスバイクを担いで樹貴さんの元に向かった。
「お疲れ様。あ、自転車は後ろに積んで」
「お疲れ様です。それにしても、急にどうしたんですか」
ラゲッジスペースから後部座席に突き出すように、半ば無理やりクロスバイクを突っ込むと、扉を閉めて助手席に乗り込む。
「お疲れ」
「お疲れ様です」
「それにしても、まさかあのワンナイトの彼と結婚だなんてね」
「真理恵さん、こんなところでやめてください」
「ごめんごめん。でもなんか夢があるじゃない。しかもあの〈アンヘル〉の経営者なんでしょ? 玉の輿もいいところじゃない。羨ましい」
「いやいや、プレッシャーでしかないですよ」
「旦那さんに頼んで私にもイイ男紹介してよ」
「良い人が居るか分かんないですけど、聞くだけ聞いときます」
「言質は取ったからね」
真理恵さんはニッと笑うと、じゃあねとフィットネスフロアに戻って行った。
私もボーッとしてられない。
スタジオに移動すると、早めに来てる利用者さんと会話しながら、スピーカーのチェックをしたり、フロアが濡れていないかチェックして回る。
スイミングでのミスがあって以来、私は以前にも増して仕事中に緊張の糸を緩めることがないように注意を払っている。
今日は見学の利用者さんが数名参加するので、さらに気を引き締めると、ヘッドセットを取り付けてから、自分も怪我をしないためにストレッチを入念にこなす。
程よい緊張感の中、休憩を挟みながら四十五分のレッスンを終えると、スタジオ内を回って、滑りやすくなってる所がないかチェックして次のレッスンのために場所を整える。
今日はなかなかハードなシフトで、ボクササイズのレッスンが連続して入っているから、疲労も溜まっていく。
だからこそ気が抜けなくて、改めてストレッチをして体をほぐすと、二回目のレッスンを受ける利用客がスタジオに入って来て、少し緩んだ気持ちを切り替える。
二回目は中級クラスで、見学や体験レッスンもなく、さっきよりも動きはハードになるし、ますます周りに気を配らないといけない。
利用者さんとコミュニケーションを取りながら、レッスン前に丁寧にストレッチをすると、また四十五分間のボクササイズをこなしていく。
本当はバテバテで、今ここで利用者さんに混じって大の字になって倒れ込みたいけど、健康的な笑顔を浮かべながらみんなを起こしてスタジオの清掃に取り掛かる。
この後は確かヨガのレッスンがあるはずなので、スタジオを汚したまま出る訳にはいかない。
バタバタと片付けを済ませて引き継ぎをすると、休憩を挟んでから、畳み掛けるようにフィットネスフロアでトレーニングのサポートに入る。
私がここで見るのは、だいたい初心者の利用者が中心なので、器具の使い方に困っている人や、希望者の食事についての提案をしたりするのがメインの業務になる。
利用客が使い終わった器具を清掃しながら定位置に戻したり、声を掛けられたら説明をしたり、時には実際にサポートしつつ、時間が来たら応接ブースで食生活の提案をする。
そうこうしてるうちにあっという間に時間が過ぎて、ようやく自分のトレーニングをこなしてバックヤードに戻ると、体は心地よい悲鳴をあげている。
シャワールームで汗を流して着替えを済ませると、明日以降のシフトや担当レッスンの確認をしてタイムカードを切った。
「お疲れ様でした。お先に失礼します」
ジムを出て駐輪場に向かいながら、何気なくスマホを手に取ると、珍しく樹貴さんからメッセージが届いていて、迎えにいくから連絡が欲しいと書かれている。
慌てて電話をかけると、どうやらジムの駐車場に車を停めているらしく、私はクロスバイクを担いで樹貴さんの元に向かった。
「お疲れ様。あ、自転車は後ろに積んで」
「お疲れ様です。それにしても、急にどうしたんですか」
ラゲッジスペースから後部座席に突き出すように、半ば無理やりクロスバイクを突っ込むと、扉を閉めて助手席に乗り込む。
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