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後日譚
太陽は、月と共に
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エレオラが宮廷に戻ってきている―――。
フラムアークからその報せを聞いたスレンツェの足は、自然と彼女の元へと向かっていた。
フラムアークが皇帝となった後、帝国全土に教育機関を創設したいと考える彼の名代として中央と地方を結ぶ役割を担うこととなったエレオラは、連日のように帝国各地を飛び回っており、その姿を宮廷で見かけることはほとんどなくなった。
フラムアークの第四皇子時代は何かと行動を共にすることが多かったスレンツェにとっては、常に傍らにあった彼女の存在が日常から消えてしまったようであり、どこか空虚感を覚える日々を過ごしていた。
そのエレオラが、今日は久し振りに宮廷へ顔を出しているという。
先を急ぐスレンツェの足が人通りの少ない抜け道に差しかかった時だった。
「―――この私が後妻に迎えてやろうと言っているんだ。君にとっても悪い話じゃないだろう?」
不意に耳に飛び込んできた、あまり人聞きが良いとは言えない内容に、ついそちらを覗き込んだスレンツェは、声を掛けられている人物がエレオラだったことに驚いて足を止めた。
「先程も申し上げましたように、謹んで辞退させていただきます」
形だけニッコリと礼節を守って、不躾な誘いを断るエレオラの目の奥は凍っている。
相手の男は後ろ姿しか見えなかったが、恰幅の良い壮年の貴族のようだ。どこでエレオラを見初めたのか、男は苛立ちも露わに彼女に詰め寄っていた。
「何故だ? 君のような年増をこの私がもらってやると言っているんだぞ? それも三十も半ばを過ぎた、平民の行き遅れをだ!」
「ええ、私のような平民の年増は明らかに貴方様にふさわしくありませんし、貴方様にはもっと寛容で懐が深い女性がお似合いかと存じます。ええ、それこそ聖母のように慈悲深い方が宜しいのではないかと」
笑顔を貼り付けたエレオラは頑なに拒絶するが、しつこい相手は居丈高に食い下がる。
「この私が君でいいと言っているんだ! 君はその年で結婚出来て、そのうえ爵位も得ることが出来るんだぞ!?」
「私は結婚を損得で考えておりませんので」
「君は一度も結婚をしたことがないんだろう? 女として生まれながら、女の喜びを知らずに年老いていくのはどうなんだ!? それを寂しいとは思わないのか!?」
「何を喜びとするかは人によると思いますので。性別でひと括りにされるのはいかがなものかと」
「経験してみることもせず、そうやって線引きをするのもどうかと思うがね。なあ、一度くらい試してみてはどうだ? せっかくのチャンスじゃあないか」
じれた男は鼻息荒くエレオラの肩を掴んだ。
「! 何を―――」
「君のその男を食った物言いは経験がないからだろう? 一度男に抱かれる経験をしてみてはどうかと言っているんだ」
「結構です、離して下さ―――」
揉み合いのような状態になり、エレオラが自己防衛に動こうとしたその時だった。肩を掴んでいた握力が消え、目の前の相手から情けない悲鳴が上がったのは。
「先程から見ていれば―――貴族にあるまじき言動だな。しかも、未婚の女性に同意なく触れるとは―――」
静かに深く激するスレンツェに背後から腕を掴み上げられた男は、突如として現れた長身で精悍な相手に分かりやすく怯みながらも、抗議の声を上げた。
「―――っ、突然何なんだ君は!? ぶ、無礼じゃないかっ」
「無礼は果たしてどちらか?」
眼光鋭い切れ長の双眸に射抜かれ、一瞬にして竦み上がった男は、目の前の相手の名をエレオラが呼んだ瞬間、完全に戦意を喪失した。
「スレンツェ様……!」
「!? スレッ―――こ、近衛騎士団長殿!?」
脂ぎった顔を青ざめさせる相手に、剣呑な表情でスレンツェがとどめを刺す。
「貴殿のことは陛下に報告させてもらおう。それと―――公にはしていないが、彼女は私のパートナーだ。金輪際、二度と近づくな」
「―――っ! は、し……失礼致しましたッ!!」
圧倒的強者の牽制を受けた小物は、尻尾を巻くようにして逃げて行った。
「……ありがとうございました、スレンツェ様。久々の再会だというのにお見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ありません」
「お前に非はないだろう。ケガはなかったか?」
「はい、おかげさまで」
掴まれた肩を軽く手で払いながら笑顔を見せるエレオラに、スレンツェは苦い表情で尋ねた。
「あの男は誰だ? あれだけ脅しておけば、もうお前に関わってくることはないと思うが……ああいうことは頻繁にあるのか?」
「お耳汚しをするまでもない相手ですので、ご心配なく。同じような被害に遭われる方があってもいけないので、陛下には私からキッチリと報告を上げさせていただきます。頻繁ではないですが、ああいう手合いは時々いますね。私を介して陛下と繋がりを持ちたいのでしょうが、あまりにも女性を馬鹿にし過ぎです。陛下が貴賤や性別に関係なく能力のある者を登用するお考えであるということも、誇りをもって仕事に生きる女性がいるのだということも未だに理解来ていないのかと、嘆かわしくなりますね」
大仰に吐息をついてみせた後、エレオラはやや上目遣いにスレンツェを気遣った。
「あの、おかげさまで私は助かったのですが、スレンツェ様は宜しかったのですか? その……私のことをパートナーなどと言ってしまわれて―――……明日には宮廷中に誤解が広まってしまうやもしれませんよ?」
それを聞いたスレンツェは今更ながら、エレオラを守る為にとっさに口にしたことが彼女の迷惑になるかもしれないのだと思い至って、謝罪した。
「すまない、お前には余計なことだったな。他にも言いようはあっただろうに、あんな牽制しか思い付かなかった。オレは別にそれで困らずとも、お前は違うのかもしれないのに―――」
「! いいえ、とんでもありません! あの、光栄です。スレンツェ様がご迷惑でなければ、私としてはそのように装っていただけるのは、非常に光栄でありがたいです、とても」
頬を紅潮させてそれが不服ではないことを強調しながら、エレオラはスレンツェの表情を窺った。
「あの、ところで、スレンツェ様は何故ここに? もしや私に何か御用でしたか?」
そう問われたスレンツェは沈黙した。
「……」
「……? スレンツェ様?」
「……。用……用か。果たして用と言えるのか、これは……。いや、用と言えば用か……」
ぼそぼそと自問自答した後、スレンツェは不思議そうな顔をするエレオラに少し言いにくそうにして口を開いた。
「……お前に、会いに来たんだ」
「えっ?」
「フラムアークから、お前が久々に宮廷へ戻ってきていると聞いて―――それで、久し振りにお前の顔を見て話をしようと―――特別な話があったわけではなく、他愛もない話を出来たらいいと、そう思って……そうしたら、先程の現場に遭遇した」
そう経緯を説明することで客観的に自身の状況を理解したスレンツェは、そんな自分の心の有り様に驚いた。
フラムアークからエレオラが宮廷に戻ってきていると聞いて、ごく自然に、足は彼女の元へと向かっていた。ただエレオラの顔を見て、彼女の声が聞きたいと思ったのだ。単純にそれだけだった。
そして先程の場面に遭遇し―――あの男が無遠慮に彼女の肩に触れた瞬間、激しい憤りに支配された。
人としての正義感から来る憤りというよりは、直情的な衝動、という方がしっくりとくる憤りだった。
―――これでは、まるで……。
青みを帯びたエレオラの黒い瞳がゆっくりと驚きに彩られる様を直視出来なくて、スレンツェはつと視線を逸らした。
その拍子に彼女の衣服の肩口がほつれかけている様子が目に留まり、この状態で宮廷内を歩かせるわけにはいかないと、自身の外衣を脱いで彼女に手渡す。近衛騎士団長が身に纏う紺地に金の刺繍が施されたものだ。
「肩口が綻びている。あの男のせいだな……これを羽織るといい」
「あっ……ありがとうございます」
少し緊張した面持ちでそれを受け取ったエレオラが遠慮がちに紺色の外衣を羽織るのを見やりながら、スレンツェはずっと気になっていたことを尋ねた。
「……昔、お前がオレをかばって肩を負傷したことがあっただろう。あの時の傷は……残らなかったのか?」
彼としては内心緊張しながら尋ねたのだが、エレオラは何でもないことのように軽く微笑んで、あっけらかんとこう答えた。
「だいぶ薄くはなりましたが、残っています。ですが、どうか気になさらないでくださいね。これは大切な方を守れた証であって、私にとっての勲章のようなものなのですから」
真っ直ぐに胸を張って、全く気に病んでなどいない様子の彼女は、それを誇らしくすら思っているのが伝わってきて、そんな彼女の姿に、スレンツェはずっと胸につかえていた重しがゆっくりと消えていくのを感じた。
いつかユーファが言っていた通りだった。エレオラは自身の行動に誇りと覚悟を持ち、その結果を悔やんでなどいなかった。
それを目の当たりにしたスレンツェの口からは、自然と感謝の言葉がこぼれ出ていた。
「ありがとう―――あの時お前が身を挺してかばってくれなければ、オレは今、こうしてこの場に立っていることがなかったのかもしれない。カルロとも和解出来ないまま、再び同じ道に立つことなどかなわないまま、訣別の道を進むことになっていたのかもしれない。お前の献身がオレを今この場に導いてくれたのだと言っても過言ではないと、本気でそう思っている。エレオラ、お前には言葉に出来ないほど感謝しているんだ―――本当に」
「スレンツェ様……」
長い時を置いて、ようやくあの時の感謝の気持ちをエレオラに伝えることが出来た。
スレンツェの精悍な顔に柔らかな微笑が広がり、それを見たエレオラは、感極まったように自身の口元を両手で覆った。
「―――っ……」
言葉を詰まらせるエレオラにスレンツェはゆっくりと歩み寄り、涙ぐむ彼女を見つめた。
思えばエレオラはいつだって嘘偽りなくスレンツェと向かい合い、その心に寄り添って、陰日向から献身的に支えてくれていた。
そして聡明な彼女は何事においても決して踏み込み過ぎることなく、常に臣下としての一線を守ってくれていた。
そんな彼女の存在に、自分はどれだけ救われてきたことだろう。
改めて過去を振り返り、彼女という存在の大きさを噛みしめた時―――もはやその存在が自身にとってなくてはならないものになっていることに、唐突にスレンツェは気が付いた。
―――そうか、オレは……。
常に傍らに在ることが当たり前で、離れていると心にぽっかりと穴が開いたようで、寂しかった―――そう、エレオラにしばらく会えていなかったから、自分は寂しかったのだ。
だから今日は久し振りに彼女に会えると分かって、嬉しかった。そうと意識しないまま、足は自然に彼女の元へと向かっていた。
目の前で小さく肩を震わせて涙を堪えているエレオラを見つめ、スレンツェは自問した。
彼女が臣として守っているその一線をこちらから踏み越えようとするのは、愚かな行為だろうか。
今ハッキリと自覚した自分の気持ちを感情のままに告げることは、彼女の忠心につけ込むことにはならないだろうか。困惑させてしまうことにはならないだろうか―――。
様々な懸念が頭をかすめたが、自分の中でいくら考えてみてもその答えは出ることはなく、これは彼女に尋ねてみなければ埒が明かないことなのだと、年齢を重ねたスレンツェには分かっている。
今日この機会を逃したら、彼女とはまた当面会えなくなるだろう。
行動に移せないまま、後悔はしたくない。
自分の知らぬところでどこの誰とも知らぬ男に彼女を奪われてしまう可能性を考えると、居ても立っても居られなかった。
「エレオラ」
スレンツェの声にエレオラが濡れた瞳を上げた。
「さっきのパートナーの件だが……害虫除け、という意味合いではなく、本当の意味で考えてみてもらえないだろうか」
「えっ?」
彼女にとっては思いも寄らない申し出だったのだろう、エレオラは珍しく理解がおぼつかない様子で長い睫毛を瞬かせた。
「もちろん強制ではないし、お前自身の心に従ってもらって構わない。お前が嫌でなければ……オレの生涯のパートナーになってもらえないだろうか」
「……! ええっ……!?」
エレオラがこれ以上ないほど大きく目を見開いて、珍しく動揺を露わにする。そこに彼女が受けた衝撃の大きさを見取ることが出来て、スレンツェはふ、と頬を緩めた。
「物事にあまり動じないお前でも、そんなふうに驚くことがあるんだな」
「……! いえ、だって、これは……! これは無理です、驚きます……!」
驚きのあまり一度引っ込んでいた涙が、エレオラの瞳にみるみる浮かび上がり、溢れ出した。
「だって……!」
身体をわななかせながら両手で顔を覆う彼女に、スレンツェは言葉を選びながら声をかけた。
「驚かせてすまない……返事は今すぐでなくてもいい。落ち着いてからでいいから、よく考えてみてくれないか」
その言葉にエレオラはかぶりを振って、しゃくり混じりに言い募った。
「―――っ、わ、私の心はもう、決まっていてっ……。貴方は覚えていらっしゃいませんでしたが、社交界デビューしたあの夜、貴方に救われたあの時から、私はずっと、貴方のことをお慕いしていてっ―――。おこがましくも心の底で想うだけなら許されるかと、ずっと、自分を律していて……」
彼女の告白にスレンツェは驚いた。そして、喜びを覚えると同時に彼女の自制心とその想いの深さに改めて胸を打たれた。
そんなにも昔から、それほど長い時間自分のことを想いながら、彼女はそれを一切表に出すことなく臣下としての一線を貫き、常に適切な距離を置いて自分を見守り続けてくれていたのか。
ユーファへの想い敗れ、スレンツェが失意に沈んでいたあの時も―――聡いエレオラは何かしら察するものがあったはずだが、彼女はそこにつけ込んだりするような真似はしなかった。ただスレンツェの話を聞いて、彼女なりの見解を述べ、新しい視点を与えてくれた。
そのおかげで沈んでいた心が少しだけ軽くなったことを、スレンツェは覚えている。
凜として見返りを求めず、一歩引いたところでただそっと寄り添う―――そんな彼女の姿勢はまるで、主張しない静かな輝きで夜の闇を優しく照らし出す月のようだと、スレンツェはそんなふうに思った。
まるで月のような女性だ、と―――。
「顔を見せてくれないか、エレオラ。お前の顔を見て、話がしたい」
そう請うスレンツェに、エレオラは小さく鼻をすすりながらかぶりを振った。
「……お見せするのも憚られる、ひどい状態になっていると思います」
「どんなお前も見てみたいし、知りたいんだ―――ダメ、だろうか?」
「……っ。そんなふうに言われたら、断れないじゃないですか……」
諦めの口調と共に顔を覆っていた掌がためらいがちに外されて、眦と鼻の頭が赤らんだ、初めて目にするエレオラの顔が現れた。
潤んで艶めかしさを帯びた蒼黒の双眸がスレンツェの瞳を照射し、その容貌に息を止めて見入っていた彼の脳裏に、いつかの光景が色鮮やかに思い浮かんだ。
あれは、グリファスの計略でやむを得ずカルロ達と戦闘になった時のことだ。
スレンツェとの一騎打ちに敗れたカルロが戦場から引き揚げる際、ただやるせなさを握り締めてそれを見送ることしか出来なかったスレンツェの代わりに、エレオラが涙を流してくれた。
ほんのひと筋頬を伝わったその涙に陽光が反射して、煌めいていた。その穢れのない涙に、当時のスレンツェの心はずいぶんと救われたものだ。
「―――美しいな」
自然と唇からそんな言葉がこぼれ出ていた。
そうだ―――確かあの時も、そう思った。
「美しくなど……」
面映ゆそうに顔をうつむけるエレオラを真摯に見つめて、スレンツェはこう尋ねた。
「……触れても?」
「……! は、はい」
戸惑いながらもぎこちなく頷いたエレオラにスレンツェはそっと腕を伸ばして、その目元を優しく指先で拭うと、涙の痕の残る頬に触れた。
「……もっと、触れても?」
見つめ合いながら再び尋ねると、耳まで赤く染まったエレオラは無言で頷いて、この状況に耐えられなくなったようにきゅっと目をつぶった。
その様子が、普段の毅然とした彼女の姿からは想像もつかないほど可愛らしくて―――……。
「あ……スレンツェ、さっ……」
互いの距離がなくなる気配を察したエレオラが薄眼を開けて声を発するのと、スレンツェがその唇を自身の唇で塞ぐのとがほぼ同時だった。
「……っ」
一瞬強張ったエレオラの身体が抱きしめた腕の中でゆっくりと弛緩していくのを感じながら、スレンツェは一度唇を離して彼女の上気した表情を至近距離で確認してから改めて彼女を抱き寄せ、先程よりも深く長く唇を重ねていく。
唇から伝わる熱と自身を包み込む鋼のようなスレンツェの質感に、これが夢ではないことを改めて実感したエレオラは、気が遠くなりそうな幸福感に胸を震わせながら、ためらいがちに腕を回して彼の身体を抱きしめ返した。こんな形で積年の想いが報われる日が来ようとは、夢にも思っていなかった。
故国を失ってから様々な思惑と情勢に翻弄され、激動の青年時代を過ごした二人にとって、ようやく手にした互いの存在は、この上なく特別で愛しいものだった。
後に皇帝フラムアークからアズール領を任されることになったスレンツェ夫妻は、その生涯をより良いアズールの発展の為に捧げ、誠心誠意民の為に尽くしたという。
皇帝が掲げる「不条理な差別をなくし、真面目に生きる全ての人々が健全に笑って暮らせる社会」を目指し、アズールの一部地域に根強く残る穴熊族への差別の根絶を始め、自警組織“比類なき双剣”と連携して様々な観点からそれを実現する為に尽力した。
かつてアズール王国の王子であったスレンツェの領主としての着任を「事実上の王の帰還」として称える領民がいる一方、それをきな臭い方向に持ち上げようとする反帝国派の存在や反皇帝派の画策もあったが、皇帝の騎士の称号を戴くスレンツェは一貫して帝国との共存共栄を謳い、平和的解決を遵守した。
皇帝の騎士の名に恥じることのないスレンツェの政策や人柄は多くの領民や帝国民に高く支持され、彼の出自もさることながら、皇帝フラムアークとの固い絆や、仲睦まじい夫婦の様子は、数々の武勇伝とも相まって、様々な物語や演目として語り継がれ、その没後も、吟遊詩人の歌や書物の中にその姿を見ることが出来るという―――。
フラムアークからその報せを聞いたスレンツェの足は、自然と彼女の元へと向かっていた。
フラムアークが皇帝となった後、帝国全土に教育機関を創設したいと考える彼の名代として中央と地方を結ぶ役割を担うこととなったエレオラは、連日のように帝国各地を飛び回っており、その姿を宮廷で見かけることはほとんどなくなった。
フラムアークの第四皇子時代は何かと行動を共にすることが多かったスレンツェにとっては、常に傍らにあった彼女の存在が日常から消えてしまったようであり、どこか空虚感を覚える日々を過ごしていた。
そのエレオラが、今日は久し振りに宮廷へ顔を出しているという。
先を急ぐスレンツェの足が人通りの少ない抜け道に差しかかった時だった。
「―――この私が後妻に迎えてやろうと言っているんだ。君にとっても悪い話じゃないだろう?」
不意に耳に飛び込んできた、あまり人聞きが良いとは言えない内容に、ついそちらを覗き込んだスレンツェは、声を掛けられている人物がエレオラだったことに驚いて足を止めた。
「先程も申し上げましたように、謹んで辞退させていただきます」
形だけニッコリと礼節を守って、不躾な誘いを断るエレオラの目の奥は凍っている。
相手の男は後ろ姿しか見えなかったが、恰幅の良い壮年の貴族のようだ。どこでエレオラを見初めたのか、男は苛立ちも露わに彼女に詰め寄っていた。
「何故だ? 君のような年増をこの私がもらってやると言っているんだぞ? それも三十も半ばを過ぎた、平民の行き遅れをだ!」
「ええ、私のような平民の年増は明らかに貴方様にふさわしくありませんし、貴方様にはもっと寛容で懐が深い女性がお似合いかと存じます。ええ、それこそ聖母のように慈悲深い方が宜しいのではないかと」
笑顔を貼り付けたエレオラは頑なに拒絶するが、しつこい相手は居丈高に食い下がる。
「この私が君でいいと言っているんだ! 君はその年で結婚出来て、そのうえ爵位も得ることが出来るんだぞ!?」
「私は結婚を損得で考えておりませんので」
「君は一度も結婚をしたことがないんだろう? 女として生まれながら、女の喜びを知らずに年老いていくのはどうなんだ!? それを寂しいとは思わないのか!?」
「何を喜びとするかは人によると思いますので。性別でひと括りにされるのはいかがなものかと」
「経験してみることもせず、そうやって線引きをするのもどうかと思うがね。なあ、一度くらい試してみてはどうだ? せっかくのチャンスじゃあないか」
じれた男は鼻息荒くエレオラの肩を掴んだ。
「! 何を―――」
「君のその男を食った物言いは経験がないからだろう? 一度男に抱かれる経験をしてみてはどうかと言っているんだ」
「結構です、離して下さ―――」
揉み合いのような状態になり、エレオラが自己防衛に動こうとしたその時だった。肩を掴んでいた握力が消え、目の前の相手から情けない悲鳴が上がったのは。
「先程から見ていれば―――貴族にあるまじき言動だな。しかも、未婚の女性に同意なく触れるとは―――」
静かに深く激するスレンツェに背後から腕を掴み上げられた男は、突如として現れた長身で精悍な相手に分かりやすく怯みながらも、抗議の声を上げた。
「―――っ、突然何なんだ君は!? ぶ、無礼じゃないかっ」
「無礼は果たしてどちらか?」
眼光鋭い切れ長の双眸に射抜かれ、一瞬にして竦み上がった男は、目の前の相手の名をエレオラが呼んだ瞬間、完全に戦意を喪失した。
「スレンツェ様……!」
「!? スレッ―――こ、近衛騎士団長殿!?」
脂ぎった顔を青ざめさせる相手に、剣呑な表情でスレンツェがとどめを刺す。
「貴殿のことは陛下に報告させてもらおう。それと―――公にはしていないが、彼女は私のパートナーだ。金輪際、二度と近づくな」
「―――っ! は、し……失礼致しましたッ!!」
圧倒的強者の牽制を受けた小物は、尻尾を巻くようにして逃げて行った。
「……ありがとうございました、スレンツェ様。久々の再会だというのにお見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ありません」
「お前に非はないだろう。ケガはなかったか?」
「はい、おかげさまで」
掴まれた肩を軽く手で払いながら笑顔を見せるエレオラに、スレンツェは苦い表情で尋ねた。
「あの男は誰だ? あれだけ脅しておけば、もうお前に関わってくることはないと思うが……ああいうことは頻繁にあるのか?」
「お耳汚しをするまでもない相手ですので、ご心配なく。同じような被害に遭われる方があってもいけないので、陛下には私からキッチリと報告を上げさせていただきます。頻繁ではないですが、ああいう手合いは時々いますね。私を介して陛下と繋がりを持ちたいのでしょうが、あまりにも女性を馬鹿にし過ぎです。陛下が貴賤や性別に関係なく能力のある者を登用するお考えであるということも、誇りをもって仕事に生きる女性がいるのだということも未だに理解来ていないのかと、嘆かわしくなりますね」
大仰に吐息をついてみせた後、エレオラはやや上目遣いにスレンツェを気遣った。
「あの、おかげさまで私は助かったのですが、スレンツェ様は宜しかったのですか? その……私のことをパートナーなどと言ってしまわれて―――……明日には宮廷中に誤解が広まってしまうやもしれませんよ?」
それを聞いたスレンツェは今更ながら、エレオラを守る為にとっさに口にしたことが彼女の迷惑になるかもしれないのだと思い至って、謝罪した。
「すまない、お前には余計なことだったな。他にも言いようはあっただろうに、あんな牽制しか思い付かなかった。オレは別にそれで困らずとも、お前は違うのかもしれないのに―――」
「! いいえ、とんでもありません! あの、光栄です。スレンツェ様がご迷惑でなければ、私としてはそのように装っていただけるのは、非常に光栄でありがたいです、とても」
頬を紅潮させてそれが不服ではないことを強調しながら、エレオラはスレンツェの表情を窺った。
「あの、ところで、スレンツェ様は何故ここに? もしや私に何か御用でしたか?」
そう問われたスレンツェは沈黙した。
「……」
「……? スレンツェ様?」
「……。用……用か。果たして用と言えるのか、これは……。いや、用と言えば用か……」
ぼそぼそと自問自答した後、スレンツェは不思議そうな顔をするエレオラに少し言いにくそうにして口を開いた。
「……お前に、会いに来たんだ」
「えっ?」
「フラムアークから、お前が久々に宮廷へ戻ってきていると聞いて―――それで、久し振りにお前の顔を見て話をしようと―――特別な話があったわけではなく、他愛もない話を出来たらいいと、そう思って……そうしたら、先程の現場に遭遇した」
そう経緯を説明することで客観的に自身の状況を理解したスレンツェは、そんな自分の心の有り様に驚いた。
フラムアークからエレオラが宮廷に戻ってきていると聞いて、ごく自然に、足は彼女の元へと向かっていた。ただエレオラの顔を見て、彼女の声が聞きたいと思ったのだ。単純にそれだけだった。
そして先程の場面に遭遇し―――あの男が無遠慮に彼女の肩に触れた瞬間、激しい憤りに支配された。
人としての正義感から来る憤りというよりは、直情的な衝動、という方がしっくりとくる憤りだった。
―――これでは、まるで……。
青みを帯びたエレオラの黒い瞳がゆっくりと驚きに彩られる様を直視出来なくて、スレンツェはつと視線を逸らした。
その拍子に彼女の衣服の肩口がほつれかけている様子が目に留まり、この状態で宮廷内を歩かせるわけにはいかないと、自身の外衣を脱いで彼女に手渡す。近衛騎士団長が身に纏う紺地に金の刺繍が施されたものだ。
「肩口が綻びている。あの男のせいだな……これを羽織るといい」
「あっ……ありがとうございます」
少し緊張した面持ちでそれを受け取ったエレオラが遠慮がちに紺色の外衣を羽織るのを見やりながら、スレンツェはずっと気になっていたことを尋ねた。
「……昔、お前がオレをかばって肩を負傷したことがあっただろう。あの時の傷は……残らなかったのか?」
彼としては内心緊張しながら尋ねたのだが、エレオラは何でもないことのように軽く微笑んで、あっけらかんとこう答えた。
「だいぶ薄くはなりましたが、残っています。ですが、どうか気になさらないでくださいね。これは大切な方を守れた証であって、私にとっての勲章のようなものなのですから」
真っ直ぐに胸を張って、全く気に病んでなどいない様子の彼女は、それを誇らしくすら思っているのが伝わってきて、そんな彼女の姿に、スレンツェはずっと胸につかえていた重しがゆっくりと消えていくのを感じた。
いつかユーファが言っていた通りだった。エレオラは自身の行動に誇りと覚悟を持ち、その結果を悔やんでなどいなかった。
それを目の当たりにしたスレンツェの口からは、自然と感謝の言葉がこぼれ出ていた。
「ありがとう―――あの時お前が身を挺してかばってくれなければ、オレは今、こうしてこの場に立っていることがなかったのかもしれない。カルロとも和解出来ないまま、再び同じ道に立つことなどかなわないまま、訣別の道を進むことになっていたのかもしれない。お前の献身がオレを今この場に導いてくれたのだと言っても過言ではないと、本気でそう思っている。エレオラ、お前には言葉に出来ないほど感謝しているんだ―――本当に」
「スレンツェ様……」
長い時を置いて、ようやくあの時の感謝の気持ちをエレオラに伝えることが出来た。
スレンツェの精悍な顔に柔らかな微笑が広がり、それを見たエレオラは、感極まったように自身の口元を両手で覆った。
「―――っ……」
言葉を詰まらせるエレオラにスレンツェはゆっくりと歩み寄り、涙ぐむ彼女を見つめた。
思えばエレオラはいつだって嘘偽りなくスレンツェと向かい合い、その心に寄り添って、陰日向から献身的に支えてくれていた。
そして聡明な彼女は何事においても決して踏み込み過ぎることなく、常に臣下としての一線を守ってくれていた。
そんな彼女の存在に、自分はどれだけ救われてきたことだろう。
改めて過去を振り返り、彼女という存在の大きさを噛みしめた時―――もはやその存在が自身にとってなくてはならないものになっていることに、唐突にスレンツェは気が付いた。
―――そうか、オレは……。
常に傍らに在ることが当たり前で、離れていると心にぽっかりと穴が開いたようで、寂しかった―――そう、エレオラにしばらく会えていなかったから、自分は寂しかったのだ。
だから今日は久し振りに彼女に会えると分かって、嬉しかった。そうと意識しないまま、足は自然に彼女の元へと向かっていた。
目の前で小さく肩を震わせて涙を堪えているエレオラを見つめ、スレンツェは自問した。
彼女が臣として守っているその一線をこちらから踏み越えようとするのは、愚かな行為だろうか。
今ハッキリと自覚した自分の気持ちを感情のままに告げることは、彼女の忠心につけ込むことにはならないだろうか。困惑させてしまうことにはならないだろうか―――。
様々な懸念が頭をかすめたが、自分の中でいくら考えてみてもその答えは出ることはなく、これは彼女に尋ねてみなければ埒が明かないことなのだと、年齢を重ねたスレンツェには分かっている。
今日この機会を逃したら、彼女とはまた当面会えなくなるだろう。
行動に移せないまま、後悔はしたくない。
自分の知らぬところでどこの誰とも知らぬ男に彼女を奪われてしまう可能性を考えると、居ても立っても居られなかった。
「エレオラ」
スレンツェの声にエレオラが濡れた瞳を上げた。
「さっきのパートナーの件だが……害虫除け、という意味合いではなく、本当の意味で考えてみてもらえないだろうか」
「えっ?」
彼女にとっては思いも寄らない申し出だったのだろう、エレオラは珍しく理解がおぼつかない様子で長い睫毛を瞬かせた。
「もちろん強制ではないし、お前自身の心に従ってもらって構わない。お前が嫌でなければ……オレの生涯のパートナーになってもらえないだろうか」
「……! ええっ……!?」
エレオラがこれ以上ないほど大きく目を見開いて、珍しく動揺を露わにする。そこに彼女が受けた衝撃の大きさを見取ることが出来て、スレンツェはふ、と頬を緩めた。
「物事にあまり動じないお前でも、そんなふうに驚くことがあるんだな」
「……! いえ、だって、これは……! これは無理です、驚きます……!」
驚きのあまり一度引っ込んでいた涙が、エレオラの瞳にみるみる浮かび上がり、溢れ出した。
「だって……!」
身体をわななかせながら両手で顔を覆う彼女に、スレンツェは言葉を選びながら声をかけた。
「驚かせてすまない……返事は今すぐでなくてもいい。落ち着いてからでいいから、よく考えてみてくれないか」
その言葉にエレオラはかぶりを振って、しゃくり混じりに言い募った。
「―――っ、わ、私の心はもう、決まっていてっ……。貴方は覚えていらっしゃいませんでしたが、社交界デビューしたあの夜、貴方に救われたあの時から、私はずっと、貴方のことをお慕いしていてっ―――。おこがましくも心の底で想うだけなら許されるかと、ずっと、自分を律していて……」
彼女の告白にスレンツェは驚いた。そして、喜びを覚えると同時に彼女の自制心とその想いの深さに改めて胸を打たれた。
そんなにも昔から、それほど長い時間自分のことを想いながら、彼女はそれを一切表に出すことなく臣下としての一線を貫き、常に適切な距離を置いて自分を見守り続けてくれていたのか。
ユーファへの想い敗れ、スレンツェが失意に沈んでいたあの時も―――聡いエレオラは何かしら察するものがあったはずだが、彼女はそこにつけ込んだりするような真似はしなかった。ただスレンツェの話を聞いて、彼女なりの見解を述べ、新しい視点を与えてくれた。
そのおかげで沈んでいた心が少しだけ軽くなったことを、スレンツェは覚えている。
凜として見返りを求めず、一歩引いたところでただそっと寄り添う―――そんな彼女の姿勢はまるで、主張しない静かな輝きで夜の闇を優しく照らし出す月のようだと、スレンツェはそんなふうに思った。
まるで月のような女性だ、と―――。
「顔を見せてくれないか、エレオラ。お前の顔を見て、話がしたい」
そう請うスレンツェに、エレオラは小さく鼻をすすりながらかぶりを振った。
「……お見せするのも憚られる、ひどい状態になっていると思います」
「どんなお前も見てみたいし、知りたいんだ―――ダメ、だろうか?」
「……っ。そんなふうに言われたら、断れないじゃないですか……」
諦めの口調と共に顔を覆っていた掌がためらいがちに外されて、眦と鼻の頭が赤らんだ、初めて目にするエレオラの顔が現れた。
潤んで艶めかしさを帯びた蒼黒の双眸がスレンツェの瞳を照射し、その容貌に息を止めて見入っていた彼の脳裏に、いつかの光景が色鮮やかに思い浮かんだ。
あれは、グリファスの計略でやむを得ずカルロ達と戦闘になった時のことだ。
スレンツェとの一騎打ちに敗れたカルロが戦場から引き揚げる際、ただやるせなさを握り締めてそれを見送ることしか出来なかったスレンツェの代わりに、エレオラが涙を流してくれた。
ほんのひと筋頬を伝わったその涙に陽光が反射して、煌めいていた。その穢れのない涙に、当時のスレンツェの心はずいぶんと救われたものだ。
「―――美しいな」
自然と唇からそんな言葉がこぼれ出ていた。
そうだ―――確かあの時も、そう思った。
「美しくなど……」
面映ゆそうに顔をうつむけるエレオラを真摯に見つめて、スレンツェはこう尋ねた。
「……触れても?」
「……! は、はい」
戸惑いながらもぎこちなく頷いたエレオラにスレンツェはそっと腕を伸ばして、その目元を優しく指先で拭うと、涙の痕の残る頬に触れた。
「……もっと、触れても?」
見つめ合いながら再び尋ねると、耳まで赤く染まったエレオラは無言で頷いて、この状況に耐えられなくなったようにきゅっと目をつぶった。
その様子が、普段の毅然とした彼女の姿からは想像もつかないほど可愛らしくて―――……。
「あ……スレンツェ、さっ……」
互いの距離がなくなる気配を察したエレオラが薄眼を開けて声を発するのと、スレンツェがその唇を自身の唇で塞ぐのとがほぼ同時だった。
「……っ」
一瞬強張ったエレオラの身体が抱きしめた腕の中でゆっくりと弛緩していくのを感じながら、スレンツェは一度唇を離して彼女の上気した表情を至近距離で確認してから改めて彼女を抱き寄せ、先程よりも深く長く唇を重ねていく。
唇から伝わる熱と自身を包み込む鋼のようなスレンツェの質感に、これが夢ではないことを改めて実感したエレオラは、気が遠くなりそうな幸福感に胸を震わせながら、ためらいがちに腕を回して彼の身体を抱きしめ返した。こんな形で積年の想いが報われる日が来ようとは、夢にも思っていなかった。
故国を失ってから様々な思惑と情勢に翻弄され、激動の青年時代を過ごした二人にとって、ようやく手にした互いの存在は、この上なく特別で愛しいものだった。
後に皇帝フラムアークからアズール領を任されることになったスレンツェ夫妻は、その生涯をより良いアズールの発展の為に捧げ、誠心誠意民の為に尽くしたという。
皇帝が掲げる「不条理な差別をなくし、真面目に生きる全ての人々が健全に笑って暮らせる社会」を目指し、アズールの一部地域に根強く残る穴熊族への差別の根絶を始め、自警組織“比類なき双剣”と連携して様々な観点からそれを実現する為に尽力した。
かつてアズール王国の王子であったスレンツェの領主としての着任を「事実上の王の帰還」として称える領民がいる一方、それをきな臭い方向に持ち上げようとする反帝国派の存在や反皇帝派の画策もあったが、皇帝の騎士の称号を戴くスレンツェは一貫して帝国との共存共栄を謳い、平和的解決を遵守した。
皇帝の騎士の名に恥じることのないスレンツェの政策や人柄は多くの領民や帝国民に高く支持され、彼の出自もさることながら、皇帝フラムアークとの固い絆や、仲睦まじい夫婦の様子は、数々の武勇伝とも相まって、様々な物語や演目として語り継がれ、その没後も、吟遊詩人の歌や書物の中にその姿を見ることが出来るという―――。
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