ネトウヨのお姫様

花咲蝶ちょ

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宿命の枷、運命の鍵

5☆マスゴミの間者

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「あなたは!何をしているんですか!!」

 李流はすざまじく怒鳴り、トミの持っているスマホを取り上げる。

《木野田さん!それはホントか!さっそく報道をかけよう!》

 その部長らしきモノの驚きの声が廊下に響き渡る。

《ン?どうした!木野田さん!?》

 李流は取り上げたスマホの電源を切る。


 李流はいつも持っている緊急内線のボタンを密かに押す。

「……適切な処分をされたいようですね……」

 険しくトミを睨む。
 そんな李流の表情など、意に返さず、美しい顔を不敵な笑みを浮かべる。

「あなたって適切な処分を受けるのが妥当じゃないの?ニダ国の王の生き残りさん?」

 やはり聞いていたのか。
 眉間のシワが更による。

「私が生き残った訳では無いですけど、皆が信じるとお思いですか?」

「あなたのお父様のことは本国では有名ですよ?」

 人差し指を口に当て、微笑む瞳は笑ってない。
 只者の女ではないとわかる。
 マスゴミのスパイではなく、本格的なスパイだ。

 李流は、フッとバカにした笑いをするけれど、瞳に殺気を宿す。

「……仮説程度にでしょう?」

 父の手下か?そこまでよくも出世したものだ……

「この事が有名になれば仮説ではなくなる。知り渡ることでしょう」

 ふふふとトミは嬉しそうに笑う。


 やはり、政権が変わってから変なものが宮中に入ってきているようだ……

 それにしても、ネットでその手の復活を望む者が父を担ぎ上げていることは知っていた。

 いずれ暗殺されるとは思っていたが、擁護団体もあったのか。

 この女は、その団体の繋がりのものだったのか。


「私の出自が皇室の傷になるなら、婚約を破棄すればよいだけでしょう」

 ニダの者が国をダメにしていることを知っている保守層はさらに激怒することだろう。

 そしてさらに、今回の大統領の暴言はニダを許さない。

 ニダの血をひくなら尚更反発される。
 ならば、法子様との婚約はなかったことにすれば良いだけ。

 法子を諌める為の告白がここまで広がるとは思わなかったけれど、問題はもうない……

「あなたたちの婚約は、マスゴミが必死になって擁護してくれると思わない?今回の大統領の言葉など忘れさせるほどに…」

 ニダ国との繋がりを強化したい一派か。

「そんな擁護いりませんよ。無意味だ」

 李流は断言する。有無を言わせない。

「深く知らない一般人なら歓迎してくれると思うけど不満?」

 お互いの意見の相違にイラッした感情が言葉に含まれている。

「歓迎してもらおうとも思っていない。それが答えだ」

 一切の迷いもない答だった。
 皇室を守るためなら私情などいらない。
 ただ、法子を『祈り姫』として尊敬敬うも、一人の女性として愛していた。

 けれど、法子がニダを憎む限りオレのことを見限ったも同然。

『祈り姫』に不要な憎しみを与えてしまったオレの罪。
 そばにいることはもう無理だ。

 せめて、
 片手をあげると柱の側から警備隊がすっと現れて侍女を素早く取り押さえた。

 この気配を消して現れた警備は人ではない。
 もしくは、もともと人だった者を霊的に生まれ変わらされたものたち。
 さすがのトミも背筋に寒気が走る。

「なっ、はなして!」

「宮中の秘め事を外部に漏らした罪は消えませんよ…」
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