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11. デビュタント
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そして気が付くと、秋も深まりデビュタントボールが来週へと迫っていました。
デビュタントに関しては、この国では学園の一年生が該当するので、私たちが参加の中心となるのです。こう話題を耳にすることが多くなるのも頷けます。
デビュタントボールと一緒に行われる舞踏会には上級生も出席するので、卒業生との最後の交流もできますし。
そのデビュタントですが、家族か婚約者がエスコートすることになっています。
私の場合は成人の婚約者がいますから、本来ならルカ様がエスコートするはずなのです。でも、ルカ様はどうするつもりなのでしょうね。ドレスを一から準備するとなると、遅くても一か月前にはドレスについての打ち合わせをしておく必要がありますが、その時期はとうに過ぎています。
デビュタントに関しては白のドレスですから相談も何もないのですけど、話しの一つもないのはやはり傷つくものです。
というより未だに学園でも声をかけていただいた覚えがないのですから、相談っていうことは論外ですね。お姿をお見掛けしてもリリアンナ様と並び歩く姿ですし、それを知ったお父様も少々苛立っておりますわ。
「あの男は何を考えている。無理なら無理と連絡の一つも寄こせばよいものを!」
「お父様、いいではありませんか。私はお父様と参加するのが夢だったのですから、気になさらなくてもよいですわ」
「リズ、だがな」
「気にしていても仕方ないですし」
お父様も政略結婚だと理解していらっしゃるのでしょうが、もうイライラするくらいなら最初から期待はしない方がいいですわ。
いい思い出として記憶したいですものね。
◇
そしてあっという間にデビュタント当日です。
予想通りと言いますかルカ様からは一切の連絡はありませんでしたので、お父様は少々意地悪心を出しまして、コゼルス侯爵様が屋敷を出る直前に手紙が届くようにと一通の便りをお書きになりました。
高位貴族のご当主様と奥様は参加するのが決められていることもあって、コゼルス侯爵夫妻はご出席なさるのですが、ルカ様はそのことはどう思っていらっしゃるのかしら。
まあ、ここまでくると私が気にすることでもないですけど、お父様のお手紙を読んだ侯爵様はどう思われるのか気になりますわね。
『本日、娘のエリザベスがデビュタントを迎えることとなりました。ルカ殿からは連絡がない為、私がエスコートすることになりましたが娘のエスコートが出来るとは思っていなかった為、連絡もしてこないルカ殿には感謝しかありません。会場で顔を見ましたら是非言葉をかけてくださいますと娘も喜びます』
もちろん、ルカ様のご両親の侯爵様宛ですが、完全に嫌味ですわね。
実際、婚約者の方がデビュタント前ですと家族がエスコートする場合が多いです。でも、私の場合は婚約者はデビュタントを終えていますし、20歳ですからね。世間からするとエスコートするべきなのですが、どうやら彼にはその常識がないようです。
以前、侍女に前髪の事を話したら「ずっと気になっていたのです。切りましょう!」とあっさりと切られていたこともあって、この日は前髪を整えて、しっかりと目が見えるようになっています。
みんなから言われたこともあって、今では昔思ってたほど瞳の色を気にすることも少なくなりました。
実は、深みのある緑は強い生命力を意味するのだとマテオ様から言われて、少し舞い上がっているのです。なんだか小さなことにクヨクヨとしているくらいならもっと強く生きなければと思ったほどですわ。
そして当日の朝は侍女たちに磨かれ、お姉さまが選び抜いた白いドレスに身を包み、お母様が準備してくださった私の色の濃い緑の石を使ったアクセサリーを身に着け、お父様にエスコートをしていただいて会場の王宮へと到着しました。
我が家は伯爵家なので、入場の順番は真ん中くらいですね。ちょうどいいくらいです。
ローズマリーと、ルシア、ジーナも一緒にデビュタントですから、会場でお会いするのが楽しみなのです。学園でお会いするよりも新鮮な気持ちですわ。
さて、そろそろ順番ですわね。
お父様の手を取り、一緒に会場へと入場しましょう。
会場はとても広く、中央の奥には二階のテラスへ続く大階段があり、その奥には王族の方が登場される大きな扉があります。
この日は二階への出入りは禁止になっているので、大階段は王族の皆様が降りてこられるだけのようですね。
そして会場にはジーナとルシアの姿が見えましたので、先に挨拶を交わしました。ローズマリーはまだあとからのご入場でしょうし、しっかりと入場口を見ながら話をします。
「エリーはお父様のエスコート?」
「ええ、お兄様とどちらがエスコートをするか言い合いになってましたわ」
「結局ルカ様からは何もなし?」
「連絡もなかったのでなにをなさっているのか。大方、あの方と一緒にいらっしゃるのではないですか?」
ルシアもジーナも上に姉が兄がいらっしゃるので、ルカ様の噂を知っていらっしゃるのです。
私にも心配して話してくださいましたし、気になさっていたのでしょうね。
本当に優しい方々です。
デビュタントに関しては、この国では学園の一年生が該当するので、私たちが参加の中心となるのです。こう話題を耳にすることが多くなるのも頷けます。
デビュタントボールと一緒に行われる舞踏会には上級生も出席するので、卒業生との最後の交流もできますし。
そのデビュタントですが、家族か婚約者がエスコートすることになっています。
私の場合は成人の婚約者がいますから、本来ならルカ様がエスコートするはずなのです。でも、ルカ様はどうするつもりなのでしょうね。ドレスを一から準備するとなると、遅くても一か月前にはドレスについての打ち合わせをしておく必要がありますが、その時期はとうに過ぎています。
デビュタントに関しては白のドレスですから相談も何もないのですけど、話しの一つもないのはやはり傷つくものです。
というより未だに学園でも声をかけていただいた覚えがないのですから、相談っていうことは論外ですね。お姿をお見掛けしてもリリアンナ様と並び歩く姿ですし、それを知ったお父様も少々苛立っておりますわ。
「あの男は何を考えている。無理なら無理と連絡の一つも寄こせばよいものを!」
「お父様、いいではありませんか。私はお父様と参加するのが夢だったのですから、気になさらなくてもよいですわ」
「リズ、だがな」
「気にしていても仕方ないですし」
お父様も政略結婚だと理解していらっしゃるのでしょうが、もうイライラするくらいなら最初から期待はしない方がいいですわ。
いい思い出として記憶したいですものね。
◇
そしてあっという間にデビュタント当日です。
予想通りと言いますかルカ様からは一切の連絡はありませんでしたので、お父様は少々意地悪心を出しまして、コゼルス侯爵様が屋敷を出る直前に手紙が届くようにと一通の便りをお書きになりました。
高位貴族のご当主様と奥様は参加するのが決められていることもあって、コゼルス侯爵夫妻はご出席なさるのですが、ルカ様はそのことはどう思っていらっしゃるのかしら。
まあ、ここまでくると私が気にすることでもないですけど、お父様のお手紙を読んだ侯爵様はどう思われるのか気になりますわね。
『本日、娘のエリザベスがデビュタントを迎えることとなりました。ルカ殿からは連絡がない為、私がエスコートすることになりましたが娘のエスコートが出来るとは思っていなかった為、連絡もしてこないルカ殿には感謝しかありません。会場で顔を見ましたら是非言葉をかけてくださいますと娘も喜びます』
もちろん、ルカ様のご両親の侯爵様宛ですが、完全に嫌味ですわね。
実際、婚約者の方がデビュタント前ですと家族がエスコートする場合が多いです。でも、私の場合は婚約者はデビュタントを終えていますし、20歳ですからね。世間からするとエスコートするべきなのですが、どうやら彼にはその常識がないようです。
以前、侍女に前髪の事を話したら「ずっと気になっていたのです。切りましょう!」とあっさりと切られていたこともあって、この日は前髪を整えて、しっかりと目が見えるようになっています。
みんなから言われたこともあって、今では昔思ってたほど瞳の色を気にすることも少なくなりました。
実は、深みのある緑は強い生命力を意味するのだとマテオ様から言われて、少し舞い上がっているのです。なんだか小さなことにクヨクヨとしているくらいならもっと強く生きなければと思ったほどですわ。
そして当日の朝は侍女たちに磨かれ、お姉さまが選び抜いた白いドレスに身を包み、お母様が準備してくださった私の色の濃い緑の石を使ったアクセサリーを身に着け、お父様にエスコートをしていただいて会場の王宮へと到着しました。
我が家は伯爵家なので、入場の順番は真ん中くらいですね。ちょうどいいくらいです。
ローズマリーと、ルシア、ジーナも一緒にデビュタントですから、会場でお会いするのが楽しみなのです。学園でお会いするよりも新鮮な気持ちですわ。
さて、そろそろ順番ですわね。
お父様の手を取り、一緒に会場へと入場しましょう。
会場はとても広く、中央の奥には二階のテラスへ続く大階段があり、その奥には王族の方が登場される大きな扉があります。
この日は二階への出入りは禁止になっているので、大階段は王族の皆様が降りてこられるだけのようですね。
そして会場にはジーナとルシアの姿が見えましたので、先に挨拶を交わしました。ローズマリーはまだあとからのご入場でしょうし、しっかりと入場口を見ながら話をします。
「エリーはお父様のエスコート?」
「ええ、お兄様とどちらがエスコートをするか言い合いになってましたわ」
「結局ルカ様からは何もなし?」
「連絡もなかったのでなにをなさっているのか。大方、あの方と一緒にいらっしゃるのではないですか?」
ルシアもジーナも上に姉が兄がいらっしゃるので、ルカ様の噂を知っていらっしゃるのです。
私にも心配して話してくださいましたし、気になさっていたのでしょうね。
本当に優しい方々です。
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