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19. ローズマリーのお節介
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この裏庭に行く細い道の脇道の先にあるガゼボを見つけたのは、入学早々の比較的早い時期だだったのよね。
植え込みが茂りすぎていて目に入ることがない隠れ家的場所だったんだけど、偶然、庭師さんに遭遇して教えてもらった私たちの秘密の場所。庭師さんも誰にも言ってないらしいから、私たちの隠れ家的な場所になってる。
今日はマテオ様はお休みだからいないけど、いつもは6人でここでランチタイムを過ごしてるの。
「ルカ様に?」
「そうなのよ。でも意味が解らなくて」
私は今日の朝の出来事をみんなに話したんだけど、やっぱり私と同じで首をかしげてる。
舞踏会のあとに屋敷に来られた時に私が不在だったから、その話かとも思ったんだけど何も言わないし。
「なに?声をかけて来たのに用件も言わなかったの?」
「そのままリリアンナ様と腕を絡ませてどっか行っちゃうなんて、バカなんじゃない?」
「私もそう思う。4年ぶりに会った会話がこれだもの。先が思いやられるわ」
「婚約してる意味ないわよね。解消できないの?」
「伯爵家が侯爵家にそんなこと言えないわ。よほどの事がない限りは無理よ」
「それって余程の事に入らないのかしらね」
そんなことを話して、それぞれの考えを聞いているとヒース様がなんだか考え込まれるような、そんな顔をなさってて、何を考えているのかと声をかけると「実はね…」と自論を話し始めたのです。
「今日のルカ殿だけど、エリザベス嬢のことを気にするような顔をしてたんだ。そりゃぁ理由なんかはわからないけどさ」
「私が4年も会ってないことを嫌味のように言ったからかしら?」
「でもエリー。この一年、婚約者としての交流もしないような人は信用できないわよ。ご両親に話したの?」
「話すも何も、知ってらっしゃるもの。この間のデビュタントの時、お父様は侯爵様宛に嫌味満載のお手紙を出されてたし」
「それなのに解消にならないって、侯爵家のお力かしらね」
本当にそこまでして縁付けたいのかしら。
確かに港の使用に関しては私もよくは知らないけれど大きなお金が掛かるらしいから、私一人がどうなろうと関係ないのかしら。
「ねえ、エリー。あのルカ様の噂を確かめて、ルカ様の有責で解消はできないの?」
「…リリアンナ様とのことでしょう?今日、初めて間近で見ましたけどお綺麗でしたわ。腕を組んで仲がよろしかったですし。本当にそうしようかしら」
「そうしなさいよ!エリーならあんな男よりもっと良い人がいるわ」
「そうよ。私のお兄様も婚約者がいないもの。エリーなら推薦したいわ」
ローズマリーがとんでもないことを言い始めました。
ローズマリーのお兄様はヴィルマ侯爵家の嫡男のブレイク様です。次期宰相との呼び声も高い、宰相補佐の一人ですわよ。
無理です!絶対に私などが側に居て良い人ではありません!
「ローズマリー!それはちょっと…あなたのお兄様にはもっとしっかりとした方がお似合いだと思うわ」
「そうかしら?お兄様も早く決めていただかないと困るのに、仕事が忙しいとか言って釣り書に目を通さないしご自分で見つけることもしないのよ。お母様もお兄様の顔を見るたびに嘆いてたわ」
「そうよね。女性は結婚適齢期などと言うのに、男性は何歳になっても言われないなんて差別もいいところよ」
話の内容がどんどんと違う方に向きつつあるなと思っていると、そろそろお昼休みが終わる鐘の音が聞こえてきました。残念ながら楽しい休み時間が終了ですわね。
でも、こうして気負うことなく話せる友人がいることは、本当にありがたいです。
教室に戻ると、クラスメイトのオーブリーさんが私に、休み時間が始まってすぐにルカ様が訪ねて来たと教えてくださいました。
なぜでしょうか。
これが少し前なら嬉しかったでしょうね。
いえ…正直言って、今も嬉しく思います。ただ、その理由がわからないので素直に受け取れずに湾曲して受け止めてますけど。
いないと言ったら、また来るとおっしゃられたそうですが、結局は何の用事があるのかしら。
まあ来ると言うなら放っておけばいいのかしら。
そう考えていつも通りに生活をしました。
ええ、いつも通りに。
しかし、次の日になっても、その次の日になってもルカ様にお会いすることはありませんでしたわね。
植え込みが茂りすぎていて目に入ることがない隠れ家的場所だったんだけど、偶然、庭師さんに遭遇して教えてもらった私たちの秘密の場所。庭師さんも誰にも言ってないらしいから、私たちの隠れ家的な場所になってる。
今日はマテオ様はお休みだからいないけど、いつもは6人でここでランチタイムを過ごしてるの。
「ルカ様に?」
「そうなのよ。でも意味が解らなくて」
私は今日の朝の出来事をみんなに話したんだけど、やっぱり私と同じで首をかしげてる。
舞踏会のあとに屋敷に来られた時に私が不在だったから、その話かとも思ったんだけど何も言わないし。
「なに?声をかけて来たのに用件も言わなかったの?」
「そのままリリアンナ様と腕を絡ませてどっか行っちゃうなんて、バカなんじゃない?」
「私もそう思う。4年ぶりに会った会話がこれだもの。先が思いやられるわ」
「婚約してる意味ないわよね。解消できないの?」
「伯爵家が侯爵家にそんなこと言えないわ。よほどの事がない限りは無理よ」
「それって余程の事に入らないのかしらね」
そんなことを話して、それぞれの考えを聞いているとヒース様がなんだか考え込まれるような、そんな顔をなさってて、何を考えているのかと声をかけると「実はね…」と自論を話し始めたのです。
「今日のルカ殿だけど、エリザベス嬢のことを気にするような顔をしてたんだ。そりゃぁ理由なんかはわからないけどさ」
「私が4年も会ってないことを嫌味のように言ったからかしら?」
「でもエリー。この一年、婚約者としての交流もしないような人は信用できないわよ。ご両親に話したの?」
「話すも何も、知ってらっしゃるもの。この間のデビュタントの時、お父様は侯爵様宛に嫌味満載のお手紙を出されてたし」
「それなのに解消にならないって、侯爵家のお力かしらね」
本当にそこまでして縁付けたいのかしら。
確かに港の使用に関しては私もよくは知らないけれど大きなお金が掛かるらしいから、私一人がどうなろうと関係ないのかしら。
「ねえ、エリー。あのルカ様の噂を確かめて、ルカ様の有責で解消はできないの?」
「…リリアンナ様とのことでしょう?今日、初めて間近で見ましたけどお綺麗でしたわ。腕を組んで仲がよろしかったですし。本当にそうしようかしら」
「そうしなさいよ!エリーならあんな男よりもっと良い人がいるわ」
「そうよ。私のお兄様も婚約者がいないもの。エリーなら推薦したいわ」
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ローズマリーのお兄様はヴィルマ侯爵家の嫡男のブレイク様です。次期宰相との呼び声も高い、宰相補佐の一人ですわよ。
無理です!絶対に私などが側に居て良い人ではありません!
「ローズマリー!それはちょっと…あなたのお兄様にはもっとしっかりとした方がお似合いだと思うわ」
「そうかしら?お兄様も早く決めていただかないと困るのに、仕事が忙しいとか言って釣り書に目を通さないしご自分で見つけることもしないのよ。お母様もお兄様の顔を見るたびに嘆いてたわ」
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ええ、いつも通りに。
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