【完結】SS級の冒険者の私は身分を隠してのんびり過ごします

稲垣桜

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31 ラリー side

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 この日、俺は再度、兄上達に呼び出された。

 昨日、リサとのことを認めてもらう代わりに、どんなことでもすると言ってしまったのだから仕方ないのだが。
 まあ、言ったことに後悔はしていない。だからこそ、もっと詰めた話をするために時間をかけてじっくりと話し合う必要があった。

 話し合っている中で、兄上も宰相もリサの正体がエリザベスだということを知っていると知り、二人とも彼女を王家へ引き込むのも悪くないと考えていると気が付いた。
 だが、自由なリサを堅苦しい世界に閉じ込めたくはない。そう思うと、どうにかして自分に有利な条件で彼女とのことを認めさせようと、出来る限り有利な状況を維持しつつじっくりと話し合った。

 宰相は俺に国の要職に就くようにと詰め寄ってきたが、もちろんそれを突っぱねる。王宮に留まるより、今までのように国内の状況を調べて回る方がいいと訴えた。

 そう、リサとなら結果を出せるだろう。
 リサとならその日々も楽しいだろう。

 そして二人で過ごした日々に思いを馳せた。



 日も暮れ始めた頃にようやく話が終わり、今日こそはリサと一緒に食事ができると屋敷に戻ったが何処にもリサの姿がなかった。
 侍女が言うには、王太子のジークフリートが先触れなしにリサを訪ねてきて、色々とリサに暴言を吐いたらしい。
 内容は聞いたが、リサの正体を知らないあの甥は余計なことを言ったものだ。

 だが、誰が何と言おうと俺はリサがいればそれでいい。


 それなのに、彼女の部屋のテーブルには俺宛ての手紙が残されていた。


『あなたの邪魔にはなりたくないわ。愛している』


 そう書かれた手紙を読んで目の前が真っ暗になった。



 俺はすぐにガレーヌのギルドへと向かった。
 リサの正体を知っているのは国王と宰相、騎士団長、それと滞在地区のギルド長だけだという話だった。だからガレーヌのギルド長のグレンはリサの事を知っていたのだ。

 もしリサがガレーヌに戻ったのならグレンに聞けばわかるだろう。そんな安直な考えが浮かんだ。
 戻っているなら連絡があるかもしれないと、それに一縷の望みをかけていたのだ。

 そしてすぐにガレーヌに向かい、ギルド長に会った。
 だが、この日の昼にリサが来て町を離れると告げたと聞かされた。そして何処へ行くとも何をするとも聞いていないと。



 グレンに教えてもらった彼女が住んでいた家に向かったものの、そこは人のいる気配がなかった。



 俺の判断ミスで最愛の人を失ってしまった。


 このまま永遠に会えないのか??


 どうしたらリサに会える?


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