【完結】SS級の冒険者の私は身分を隠してのんびり過ごします

稲垣桜

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 それから二人プラス三人の不思議な共同生活が始まった。

 とはいっても、いつもはリサとアレックスの二人だけの生活だが「俺たちも親になる」と言った言葉通り、三人が入れ替わり立ち代わり訪ねて来て、その度にアレックスにプレゼントを持って来る。

 アレックスからすると三人はみんな父親のような存在なのかもしれない。




 そんな毎日を過ごしながら、また三年の月日が過ぎた。

 アレックスもすくすくと大きくなり、会話も成り立つようになってきた。
 彼の愛くるしい笑顔はリサのみならず、ランドルフたちも魅了されていた。それが来る度のプレゼントに拍車がかかるのだろうとリサは思うのだが、いらないと言っても持ってくるのだからもう諦めているところもあった。

 そんな時、ランドルフ達が何やらこそこそと話しているのがリサの耳に入った。なんだか気になってしまい、つい口をはさんでしまう。


「ねえ、ランディ。どうしたの?」

「リサ……」


 ランドルフは数秒考えたが、リサの目をしっかりと見て口を開く。黙っているよりもいいだろうと判断したのだが、もし何かあってもみんながいるし大丈夫だろうと思ったのだ。


「町で耳に挟んだだけだが…王弟殿下が行方不明らしい」

「行方不明…?」

「ハーピーの群れが目撃されたザザ地区で、討伐部隊を率いていた王弟殿下が渓谷の崖の上に大量の血痕を残して行方不明になっているという話だ」

「……それ…嘘よね…。だって、彼は…強いわ……ハーピーなんかに……」

「リサ……俺は、この話には裏があると思っている」

「裏?裏ってなに?そんなことする必要があるの?私がザザに行って確かめてくるわ」


 ランドルフは転移陣を展開しようとしたリサの手を掴んでその発動を停止させた。そして彼女をじっと見て冷静になるように声をかけた。


「待つんだリサ。俺たちが行く。お前はここでアルと待っていろ」

「ランディ……」

「大丈夫。お前の心配するようなことはない」


 そう言って、ランドルフとセオドアは彼の家へ続く扉をくぐった。




 ランドルフとセオドアは、危険はないだろうと思いながらも一応準備をしてザザへと向かった。
 彼らも王弟殿下の実力はかなりのものだと知っている。だからこそ、ハーピーの群れに後れを取るなどありえないと考えていた。

 何か裏があるのだろうと思っていたが、そのに何があるのかは全く思いつかなかった。


 セオドアが転移陣を発動し一瞬でザザの町へ到着し、それとなく聞き込みをしてみたが、ハーピーの群れ目撃情報が事実にもかかわらず、討伐隊が編成されたという事実は確認できなかった。

 場所は間違いがないはずだが、彼らが聞いた話しと違うということはやはり何かがあるということなのだと思い至り、話しの中に出てくる崖と思われる有力な場所へと向かった。


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