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「わたくし、まさかメアリー様が学園にいらっしゃると思っていませんでしたの」
「どうしてですの?」
「それは、本当にアルノーだけが目的なら、他の攻略対象者に会ってしまうと面倒なことになると思いません? お友達ルートって意外と大変ですのよ? あの攻略対象者たちが本気で口説いてくるのを、ちょうど良く断り続けるのはすべて知っていても大変だと思いますの」
「確かに、そうですわね。でも、メアリーさんは学園では逆ハールートを選んでいましたよね?」
「えぇ、びっくりしました」
「見事に逆ハーでしたものね」
「でも、そのおかげで婚約解消の目途が立ちました。それでアルノーと一緒に一芝居打つことができたんです」
「そうでしたのね。本当に素晴らしいお芝居でしたわ!」
「ありがとうございます」
私はアドリアナさんと顔を見合わせて笑いました。
「ところでリエスタ様は、メアリーさんと似た容姿の筈ですわよね? 今は少し変えていらっしゃるのですか?」
「ええ、魔法で色を養父に似せていますの」
【愛は突然始まる】のヒロインは、ピンクブラウンの髪に、同じピンクの瞳でした。
そして頭が良く、強大な魔力を持っているのです。
この学園で主席を取り続けているアドリアナさんなら、髪の色だろうと瞳の色だろうとかえるのは自由自在でしょう。
アドリアナさんはにっこりとほほ笑んで、魔法を使いました。
ふわりと風が吹き、アドリアナさんはヒロインの色になりました。
メアリーさんと同じ色なのに、メアリーさんとは違う、理知的な美少女が現れます。
「ミシェル様、明日からわたくしのことはアドリーとお呼びください」
「よろしいのですか?」
「もちろんです。わたくしこれからは、貧乏人ルートを攻略するゲーマーとして過ごすことにしますから、ぜひわたくしの初めてのお友達になってくださいませ」
アドリアナさんはヒロインの笑顔でそう宣言しました。
そして宣言通り、次の日から生徒会への立候補を始め、ぐいぐいと学園の攻略を始めました。
メアリーさんの取り巻きだった人たちを手足のように使いながら、びしびしとしごき、彼らの新たな一面を引き出し、プロデューサーとして歌って踊れるアイドルとして売り出したり、メアリーさんのせいで婚約解消となってしまった人たちに新たなる出会いを探したりと、パーティーやイベントなどなどその手腕はゲームのヒロインそのものでした。
そして、メアリーさんの爪痕がすっかり消えたころ、私はアドリアナさんにアルノーさんをどう思っているのかと聞きました。
アルノーさんは毎日のように、アドリアナさんに告白しに来ています。
私は、アルノーさんと早く婚約くらいすればいいと言うのですが、アドリアナさんは
「自分は出来る女を目指しているの。アルノーは好きだけど、今のままでは身分が違うし、ヒロインとしても納得できない。わたくしは、自分の力で出世して、いつかアルノーに逆プロポーズするのが夢なの」
とか言って、毎日のようにお断りをしています。
アドリアナさんの気持ちは分かるけど、頑固過ぎるのはアドリアナさんの悪いところです。
最近はもう日課のように、アルノーさんがアドリアナさんに告白し、断られ、警備員に追いかけられたり、縄をかけられたりしています。
アルノーさんはそれなりに身分も年齢も高い方なのに、警備員に引きずられていく姿は本当に哀れです。
ほら、今日もアルノーさんがアドリアナさんを心配……いいえ、告白しに学園にいらっしゃいました。
アドリアナさんは困ったわねぇと言っていますが、本当に困っているのは警備員や私たちです。
このままでは、アドリアナさんが困ったヒロインちゃんになってしまいます。
そろそろ素直になってほしいですわ!
――――作者より一言―――――
このお話はここで終わりです。
稚拙なお話を
最後まで読んでくださりありがとうございました。
またよろしくお願いします。
「どうしてですの?」
「それは、本当にアルノーだけが目的なら、他の攻略対象者に会ってしまうと面倒なことになると思いません? お友達ルートって意外と大変ですのよ? あの攻略対象者たちが本気で口説いてくるのを、ちょうど良く断り続けるのはすべて知っていても大変だと思いますの」
「確かに、そうですわね。でも、メアリーさんは学園では逆ハールートを選んでいましたよね?」
「えぇ、びっくりしました」
「見事に逆ハーでしたものね」
「でも、そのおかげで婚約解消の目途が立ちました。それでアルノーと一緒に一芝居打つことができたんです」
「そうでしたのね。本当に素晴らしいお芝居でしたわ!」
「ありがとうございます」
私はアドリアナさんと顔を見合わせて笑いました。
「ところでリエスタ様は、メアリーさんと似た容姿の筈ですわよね? 今は少し変えていらっしゃるのですか?」
「ええ、魔法で色を養父に似せていますの」
【愛は突然始まる】のヒロインは、ピンクブラウンの髪に、同じピンクの瞳でした。
そして頭が良く、強大な魔力を持っているのです。
この学園で主席を取り続けているアドリアナさんなら、髪の色だろうと瞳の色だろうとかえるのは自由自在でしょう。
アドリアナさんはにっこりとほほ笑んで、魔法を使いました。
ふわりと風が吹き、アドリアナさんはヒロインの色になりました。
メアリーさんと同じ色なのに、メアリーさんとは違う、理知的な美少女が現れます。
「ミシェル様、明日からわたくしのことはアドリーとお呼びください」
「よろしいのですか?」
「もちろんです。わたくしこれからは、貧乏人ルートを攻略するゲーマーとして過ごすことにしますから、ぜひわたくしの初めてのお友達になってくださいませ」
アドリアナさんはヒロインの笑顔でそう宣言しました。
そして宣言通り、次の日から生徒会への立候補を始め、ぐいぐいと学園の攻略を始めました。
メアリーさんの取り巻きだった人たちを手足のように使いながら、びしびしとしごき、彼らの新たな一面を引き出し、プロデューサーとして歌って踊れるアイドルとして売り出したり、メアリーさんのせいで婚約解消となってしまった人たちに新たなる出会いを探したりと、パーティーやイベントなどなどその手腕はゲームのヒロインそのものでした。
そして、メアリーさんの爪痕がすっかり消えたころ、私はアドリアナさんにアルノーさんをどう思っているのかと聞きました。
アルノーさんは毎日のように、アドリアナさんに告白しに来ています。
私は、アルノーさんと早く婚約くらいすればいいと言うのですが、アドリアナさんは
「自分は出来る女を目指しているの。アルノーは好きだけど、今のままでは身分が違うし、ヒロインとしても納得できない。わたくしは、自分の力で出世して、いつかアルノーに逆プロポーズするのが夢なの」
とか言って、毎日のようにお断りをしています。
アドリアナさんの気持ちは分かるけど、頑固過ぎるのはアドリアナさんの悪いところです。
最近はもう日課のように、アルノーさんがアドリアナさんに告白し、断られ、警備員に追いかけられたり、縄をかけられたりしています。
アルノーさんはそれなりに身分も年齢も高い方なのに、警備員に引きずられていく姿は本当に哀れです。
ほら、今日もアルノーさんがアドリアナさんを心配……いいえ、告白しに学園にいらっしゃいました。
アドリアナさんは困ったわねぇと言っていますが、本当に困っているのは警備員や私たちです。
このままでは、アドリアナさんが困ったヒロインちゃんになってしまいます。
そろそろ素直になってほしいですわ!
――――作者より一言―――――
このお話はここで終わりです。
稚拙なお話を
最後まで読んでくださりありがとうございました。
またよろしくお願いします。
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