49 / 317
第四章 ヘタレ領主
第六話 ジャンピング土下座
しおりを挟む
「お帰りお兄ちゃん!」
「お帰りなさい兄さま!」
孤児院の扉を開けると、がばっと嫁と婚約者が抱き着いてくる。
「ごめんな、心配かけたな」
「ちょっとだけ心配したけど、クリスお姉ちゃんとシルお姉ちゃんが一緒だったし、すぐに使いの人が来て知らせてくれたから!」
「兄さま、次はちゃんと私もついて行きますからね!」
「お前たちを危険な場所に連れて行くわけにはいかなかったんだがな、次はちゃんと相談してから決めるよ」
俺の胸に頭をこすりつけてる二人の頭を優しくなでながら言う。
「うん!」
「はい!」
ぽててとミコトがミリィに連れられてやってくる。
「おにーさん、おねーさんたちおかえりなさいー」
「ぱぱ! くりすねー! しるねー!」
「ただいま戻りました皆さま。ミコトちゃんクリスねえが帰ってきましたよー」
「皆さまご心配をおかけしましたが、無事お兄様を連れて戻りました」
ミコトがぽててと小走りで向かってくるのを確認した駄姉はしゃがんでミコトを迎え入れて抱きしめる。
その表情はメロメロだ。
ミコトの艶やかな黒髪を愛おしそうに撫でているし、ミコトも大好きなお姉ちゃんに抱きしめられて向日葵のような笑顔を見せている。
「ミコトちゃんミコトちゃん、シルねえも帰ってきましたよー」
「あい!」
駄姉の拘束から逃れてしゃがんで待ち構えてた駄妹に抱き着くミコトを、名残惜しそうに眺める駄姉。
その気持ち凄くわかる。
ミコトは基本ここにいる全員が好きなので、呼ばれると喜んでそっちに行っちゃうのだ。
託児所全員のアイドルなので独占が出来ない。
「ミコトちゃんは将来この国一番の美人になりますねー」
「きゃっきゃっ」
今度は駄姉に変わって駄妹がミコトの頭をなでる。
大好きな姉二人に構われてミコトのテンションはマックスだ。
ここにいる全員が好きなミコトだが、最近特に懐いてるのが駄姉妹だ。
何故だ、柔らかいからか。
「エリナ、クレア、ちょっといいか」
「はーい」
「はい兄さま」
「駄姉妹はちょっとの間ガキんちょどもを頼むな」
「「お任せください」」
嫁と婚約者を連れて、自室に戻る。
二人をベッドに座るように促すと、俺は扉を後ろ手で締めた後、二人の座っているベッドに向かって、二メートルほどの距離を一息に飛んで、ジャンピング土下座を披露する。
「どうしたのお兄ちゃん、また発作?」
「いきなりどうしたんですか兄さま?」
「すまん! 駄姉妹と婚約することになった! 決してお前たち二人をないがしろにしたわけじゃないし、嫌いになったとか飽きたとかそういうのじゃないのだけは信じてくれ! それと詳しくは駄姉妹から話があると思うが、一番目の嫁はエリナ、二番目はクレアっていうのは絶対に譲れないと釘を刺しておいたから、もし無茶な事を言いだしたら俺に言ってくれ! 本当にスマン!」
土下座のまま釈明し終わったあとはひたすら額を床にこすりつける。
一応カーペットのような薄い布を敷いているが、石の床なので固くて痛い。
領主になるために仕方がなくとは言いたくなかったし、正直あの駄姉妹を憎からず思ってしまっているのは確かだ。
過激な言動をする姉とポンコツな妹だが、子供への接し方を見てれば悪い奴じゃないどころか、見た目も相まって凄く輝いて見えてしまうのだ。
肉親に向かってあそこまで子供たちの為に意見してくれたのが決定打になったと思うんだが、いつからこんな気持ちになったのかは良くわからん。
俺ああいう母性を感じる女性に弱いのかな……。
ミコトも滅茶苦茶懐いてるしな。
「「へ?」」
「やっぱそうだよな、一ヶ月くらい前までは人殺しは死ねクソ領主家とか言ってた位だしな。でもあいつらが一生懸命ガキんちょどもの為に動いてくれたりしたのを見てたらな……いや、言い訳だよな。本当にスマン!」
「お兄ちゃん何を言ってるの?」
「兄さまはとっくにクリス姉さまとシル姉さまと結婚するつもりだと思ってましたが」
「は?」
「順番はクレアが先にしたあとなら私は大歓迎だよ? 子供たちもみんなクリスお姉ちゃんとシルお姉ちゃんの事大好きだしね」
「私はまだ十歳ですから、クリス姉さまとシル姉さまが先に兄さまと結婚しても良いと言ったのですが、お二人がそれだけはと固辞されたので」
「あれ? もうそういう話をしてるの?」
「してるけど?」
「してますよ? ハンナやニコラ、ミリィは結婚はいつでもいいし順番も気にしないと言ってますしね」
「なんでみんなと結婚する前提の話し合いが行われてるの?」
「お風呂に入ってる時なんかそういう話をするよ! 女の子だけだしね!」
「ついでに姉さまたちの胸をいっぱい触ってますけどね、あの子たち」
「あれはすごいもんね!」
「でも兄さまはひんにゅー好きなんですよね! 私もひんにゅーなのでしょうか?」
「知るか。まあ納得してくれているならよかったよ」
立ち上がって椅子に座る。
ジャンピング土下座を披露して損したわ。
しかし俺の知らぬ間に勝手に俺との結婚の順番が話し合われていたとは……。
あと胸の話はやめて貰っていいですか?
「お帰りなさい兄さま!」
孤児院の扉を開けると、がばっと嫁と婚約者が抱き着いてくる。
「ごめんな、心配かけたな」
「ちょっとだけ心配したけど、クリスお姉ちゃんとシルお姉ちゃんが一緒だったし、すぐに使いの人が来て知らせてくれたから!」
「兄さま、次はちゃんと私もついて行きますからね!」
「お前たちを危険な場所に連れて行くわけにはいかなかったんだがな、次はちゃんと相談してから決めるよ」
俺の胸に頭をこすりつけてる二人の頭を優しくなでながら言う。
「うん!」
「はい!」
ぽててとミコトがミリィに連れられてやってくる。
「おにーさん、おねーさんたちおかえりなさいー」
「ぱぱ! くりすねー! しるねー!」
「ただいま戻りました皆さま。ミコトちゃんクリスねえが帰ってきましたよー」
「皆さまご心配をおかけしましたが、無事お兄様を連れて戻りました」
ミコトがぽててと小走りで向かってくるのを確認した駄姉はしゃがんでミコトを迎え入れて抱きしめる。
その表情はメロメロだ。
ミコトの艶やかな黒髪を愛おしそうに撫でているし、ミコトも大好きなお姉ちゃんに抱きしめられて向日葵のような笑顔を見せている。
「ミコトちゃんミコトちゃん、シルねえも帰ってきましたよー」
「あい!」
駄姉の拘束から逃れてしゃがんで待ち構えてた駄妹に抱き着くミコトを、名残惜しそうに眺める駄姉。
その気持ち凄くわかる。
ミコトは基本ここにいる全員が好きなので、呼ばれると喜んでそっちに行っちゃうのだ。
託児所全員のアイドルなので独占が出来ない。
「ミコトちゃんは将来この国一番の美人になりますねー」
「きゃっきゃっ」
今度は駄姉に変わって駄妹がミコトの頭をなでる。
大好きな姉二人に構われてミコトのテンションはマックスだ。
ここにいる全員が好きなミコトだが、最近特に懐いてるのが駄姉妹だ。
何故だ、柔らかいからか。
「エリナ、クレア、ちょっといいか」
「はーい」
「はい兄さま」
「駄姉妹はちょっとの間ガキんちょどもを頼むな」
「「お任せください」」
嫁と婚約者を連れて、自室に戻る。
二人をベッドに座るように促すと、俺は扉を後ろ手で締めた後、二人の座っているベッドに向かって、二メートルほどの距離を一息に飛んで、ジャンピング土下座を披露する。
「どうしたのお兄ちゃん、また発作?」
「いきなりどうしたんですか兄さま?」
「すまん! 駄姉妹と婚約することになった! 決してお前たち二人をないがしろにしたわけじゃないし、嫌いになったとか飽きたとかそういうのじゃないのだけは信じてくれ! それと詳しくは駄姉妹から話があると思うが、一番目の嫁はエリナ、二番目はクレアっていうのは絶対に譲れないと釘を刺しておいたから、もし無茶な事を言いだしたら俺に言ってくれ! 本当にスマン!」
土下座のまま釈明し終わったあとはひたすら額を床にこすりつける。
一応カーペットのような薄い布を敷いているが、石の床なので固くて痛い。
領主になるために仕方がなくとは言いたくなかったし、正直あの駄姉妹を憎からず思ってしまっているのは確かだ。
過激な言動をする姉とポンコツな妹だが、子供への接し方を見てれば悪い奴じゃないどころか、見た目も相まって凄く輝いて見えてしまうのだ。
肉親に向かってあそこまで子供たちの為に意見してくれたのが決定打になったと思うんだが、いつからこんな気持ちになったのかは良くわからん。
俺ああいう母性を感じる女性に弱いのかな……。
ミコトも滅茶苦茶懐いてるしな。
「「へ?」」
「やっぱそうだよな、一ヶ月くらい前までは人殺しは死ねクソ領主家とか言ってた位だしな。でもあいつらが一生懸命ガキんちょどもの為に動いてくれたりしたのを見てたらな……いや、言い訳だよな。本当にスマン!」
「お兄ちゃん何を言ってるの?」
「兄さまはとっくにクリス姉さまとシル姉さまと結婚するつもりだと思ってましたが」
「は?」
「順番はクレアが先にしたあとなら私は大歓迎だよ? 子供たちもみんなクリスお姉ちゃんとシルお姉ちゃんの事大好きだしね」
「私はまだ十歳ですから、クリス姉さまとシル姉さまが先に兄さまと結婚しても良いと言ったのですが、お二人がそれだけはと固辞されたので」
「あれ? もうそういう話をしてるの?」
「してるけど?」
「してますよ? ハンナやニコラ、ミリィは結婚はいつでもいいし順番も気にしないと言ってますしね」
「なんでみんなと結婚する前提の話し合いが行われてるの?」
「お風呂に入ってる時なんかそういう話をするよ! 女の子だけだしね!」
「ついでに姉さまたちの胸をいっぱい触ってますけどね、あの子たち」
「あれはすごいもんね!」
「でも兄さまはひんにゅー好きなんですよね! 私もひんにゅーなのでしょうか?」
「知るか。まあ納得してくれているならよかったよ」
立ち上がって椅子に座る。
ジャンピング土下座を披露して損したわ。
しかし俺の知らぬ間に勝手に俺との結婚の順番が話し合われていたとは……。
あと胸の話はやめて貰っていいですか?
1
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる