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第一章
7時間前のキス
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7時間前。
私は夫となる人に初めてキスをされた。
思えば、第一王子ウィリアムが私の初の婚約者だったけれども、彼は私の唇に触れたことはなかった。私を殺そうとした(未遂に終わった。なぜなら私は不死鳥のように死神と契約して時間を生き戻って人生の選択肢を変えたから)公爵家の次男も、私の体に触れようとはした(服の上から触った)けれども、唇には触れなかった。
異性に唇を奪われたのは、私の夫となるラファエルが初めてだ。私の花嫁衣装を見た彼は、部屋に入ってくるなり、私の目の前にかかったヴェールをそっとあげて、私のむき出しの肩に手を添えた。そしてそっと口付けをしたのだ。
暖炉がはぜる音がしていた。部屋は暖かく、侍女が3名とお針子が4人いた。私は衣装合わせをしていて、豊満な胸の割りには腰が細いので彼女たちがせっせと私の体に合うように花嫁衣装を少しずつ直していくのを待っているところだった。
ラファエルは花婿の衣装を着ていた。部屋に入ってくるなり、凛々しい顔立ちを一際輝かせて大股で私の方に歩いてくると、お針子たちがサッと後ろに下がったのと同時に私の肩を両手で抱きしめて、私の姿をじっくりと眺めた。
次の瞬間にはヴェールが挙げられて、そのまま私は温かい彼の唇を自分の唇に感じて、驚きのあまりに身動きが取れなかった。
あぁっ
「妻よ、なんて美しいんだ」
彼はかすれた声でそうつぶやくと、顔を頬を赤く染めて「すまない。衝動を抑えられなかった」と謝った。
「えっ……あなたは私の夫になる人ですから、問題ありません」
私は動揺を抑えきれないままに答えた。私の全身に広がったのは知らない感覚だった。拒絶する感じは全くなかった。未知の感覚で、胸の奥がうずくような今まで知らなかった感覚だ。
その後、サッとラファエルは部屋を出ていって、胸の動揺を抑えきれない私が部屋に残された。お針子たちと侍女は再び黙々と準備を再開した。明日の朝には本番なのだ。彼女たちも自分たちの使命を果たすために黙々と働いてくれ、私もじっと体の動きを止めて彼女たちが仕事を早く仕上げられるように協力した。
宮殿での午後はこのように過ぎて行き、夕食の時間がやってきた。ここで初めて私は陛下に久しぶりにお会いした。
「やあ、ロザーラ!結婚おめでとう。君と可愛い甥のために城を上げて準備に取り掛かっているのだが、持参金となる馬や羊の大半はコンラート地方の近くで調達することにしたよ。長旅では家畜が台無しになってしまうからな。金も分けて運ぶ。なーに、心配するな。私の力で全てうまく運ぶように所持万端抜かりなく計算して届けよう」
陛下は私を見るなり大袈裟に両手を広げ、私を迎え入れ、抱きしめながらそう囁いてくれた。
陛下の瞳はイタズラっぽく輝き、口元は喜ばしい慶事を前に嬉しくてたまらないと言った様子で口角が上がっていた。上機嫌でありながらも私のことを案じていることも伝わってきた。
「大切な甥なんだ。君が結婚を承諾してくれて本当にありがたい。感謝している。君がこの結婚の意味を理解するのは何年もかかるだろうが、悪いようには決してしない」
陛下は率直な言葉で私にそっとささやいた。
「陛下。勿体無いお言葉です。この国ではもはや結婚は無理だと思っていた私ですのに、そんな私のために準備も何から何までしてくださり、本当に感謝しております。大切なお方の妻に私を選んでいただきまして、畏れ多いですわ。私はリシェール伯を幸せにできるように精進いたします」
私は陛下だけに聞こえる声でささやいた。
「よしっ大丈夫だなっ!さすが私が見込んだけでのことはある」
陛下はそこだけ大きな声で言うと、満面の笑みを浮かべて私の背中にそっと手を回して、私の席までエスコートしてくださった。
「其方は娘のようなものだから」
陛下はそう言うと、そばに控えて立っていたラファエルの方を見てうなずいた。
「明日は晴れると聞いたぞ。良い結婚式になるだろう」
「はい、陛下」
「ありがとうございます。陛下」
私とラファエルは並んで立って陛下にうなずいた。
思うに、この時、陛下の胸に去来していたのは自分が亡き後の大国ジークベインリードハルトの皇帝となった、自分が可愛がっていた甥っ子の姿とその皇帝の妻となった私の姿だったのかもしれない。私たち二人なら、陛下の亡き後も陛下の国をとても大切に扱ってくれると陛下は予想していたのだと思う。その陛下の結婚戦略は当たっていたのだけれども、この時は誰もまだその未来を知らない。
第一王子ウィリアムと第二王子ケネスもにこやかにラファエルと私を祝福してくれた。
「ロザーラ嬢にはラファエルの方がピッタリだよ、ねえ兄上」
「うるさいなっ、ケネス。僕の傷心を弄ぶな。僕はもうラファエルとロザーラを心から祝福しているんだからっ!」
ニヤニヤと兄を揶揄うケネスと、ムキになるウィリアムの様子に陛下も朗らかに笑っていた。早くに亡くなった王妃様を私は存じ上げない。二人の王子の行く末を案じながら亡くなったと聞いたけれども、二人の王子は陛下とはとても仲が良かった。
「明日、ウィリアムの想い人も祝いにやってくるしな」
「えっ?」
私は陛下の何気ない言葉にハッとして聞き返したのだけれども、陛下にウィンクされて黙った。当のウィリアムは顔を真っ赤にしていながらも、どこか嬉しそうだった。
私は明日になれば、第一王子ウィリアムの結婚相手に紹介されるのだと考えて、明日が少しだけ楽しみになった。自分の急な結婚式は楽しいというより怖さの方が優る状況で、はらはらするようなドキドキが止まらなかったから。
食事の席は賑やかだった。従兄弟同士のラファエルと王子たちは十年来の仲の良さで、そこに陛下も加わり、実に和やかだった。
私もいつの間にか笑みが増えて、明日の結婚式への怖さが薄れていくようだった。
そして今、私は明日に備えて早めに就寝しようと用意された暖かいベッドの中に入っていたけれども、よく眠れなかった。暖炉の火で温められた石のかいろを使って、侍女がベッドを十分に温めてくれていたのだけれども、私が緊張しているせいでなかなか寝付けない。7時間前のキスが頭をよぎってしまって落ち着かない。
――明日は夫と一緒の寝室に眠るのよね……?夫婦だからそうなのでしょうけれども。
心の準備は全くできていなかった。婚約期間もない。知り合っていきなりの結婚だ。
――例えば私が洗濯女だったとしましょう。
私は架空の設定で、彼の姿を遠くから眺めるだけの女性になったつもりで彼の姿を心に描いてみた。
――私が洗濯女ならば、彼に恋をするかしら?
私は心の中に彼の凛々しい顔と、私をジェラールから救ってくれた時の毅然とした行動力を思い出し、「守る」と言って手に口付けをしてくれた時のこと、花嫁衣装の私に口付けをしてくれた時のことを思い出した。
――恋のときめきはきっと生まれるわっ……彼は魅力的だもの。
私はそこまで考えて、花嫁ではなく彼の洗濯女だったらという設定で彼を見つめた場合は、間違いなく彼に憧れて恋焦がれるだろうと断定した。
――ならば、私が侍女だったらどうでしょう。
私はもう一度侍女の立場から彼の姿を心の中で考え直した。
眠りにつく寸前、私は、洗濯、冒険、恋のときめき、恋のぎこちなさ、恋のすれ違いを想像して、私の夫となるリシェール伯爵ラファエル・ジークベインリードとの結婚に前向きになっていた。
大陸を横断する旅に彼と共に出かけるのだ。冒険の旅を想像して、辛さや不安よりもワクワクを胸に眠りについたのだ。
私は夫となる人に初めてキスをされた。
思えば、第一王子ウィリアムが私の初の婚約者だったけれども、彼は私の唇に触れたことはなかった。私を殺そうとした(未遂に終わった。なぜなら私は不死鳥のように死神と契約して時間を生き戻って人生の選択肢を変えたから)公爵家の次男も、私の体に触れようとはした(服の上から触った)けれども、唇には触れなかった。
異性に唇を奪われたのは、私の夫となるラファエルが初めてだ。私の花嫁衣装を見た彼は、部屋に入ってくるなり、私の目の前にかかったヴェールをそっとあげて、私のむき出しの肩に手を添えた。そしてそっと口付けをしたのだ。
暖炉がはぜる音がしていた。部屋は暖かく、侍女が3名とお針子が4人いた。私は衣装合わせをしていて、豊満な胸の割りには腰が細いので彼女たちがせっせと私の体に合うように花嫁衣装を少しずつ直していくのを待っているところだった。
ラファエルは花婿の衣装を着ていた。部屋に入ってくるなり、凛々しい顔立ちを一際輝かせて大股で私の方に歩いてくると、お針子たちがサッと後ろに下がったのと同時に私の肩を両手で抱きしめて、私の姿をじっくりと眺めた。
次の瞬間にはヴェールが挙げられて、そのまま私は温かい彼の唇を自分の唇に感じて、驚きのあまりに身動きが取れなかった。
あぁっ
「妻よ、なんて美しいんだ」
彼はかすれた声でそうつぶやくと、顔を頬を赤く染めて「すまない。衝動を抑えられなかった」と謝った。
「えっ……あなたは私の夫になる人ですから、問題ありません」
私は動揺を抑えきれないままに答えた。私の全身に広がったのは知らない感覚だった。拒絶する感じは全くなかった。未知の感覚で、胸の奥がうずくような今まで知らなかった感覚だ。
その後、サッとラファエルは部屋を出ていって、胸の動揺を抑えきれない私が部屋に残された。お針子たちと侍女は再び黙々と準備を再開した。明日の朝には本番なのだ。彼女たちも自分たちの使命を果たすために黙々と働いてくれ、私もじっと体の動きを止めて彼女たちが仕事を早く仕上げられるように協力した。
宮殿での午後はこのように過ぎて行き、夕食の時間がやってきた。ここで初めて私は陛下に久しぶりにお会いした。
「やあ、ロザーラ!結婚おめでとう。君と可愛い甥のために城を上げて準備に取り掛かっているのだが、持参金となる馬や羊の大半はコンラート地方の近くで調達することにしたよ。長旅では家畜が台無しになってしまうからな。金も分けて運ぶ。なーに、心配するな。私の力で全てうまく運ぶように所持万端抜かりなく計算して届けよう」
陛下は私を見るなり大袈裟に両手を広げ、私を迎え入れ、抱きしめながらそう囁いてくれた。
陛下の瞳はイタズラっぽく輝き、口元は喜ばしい慶事を前に嬉しくてたまらないと言った様子で口角が上がっていた。上機嫌でありながらも私のことを案じていることも伝わってきた。
「大切な甥なんだ。君が結婚を承諾してくれて本当にありがたい。感謝している。君がこの結婚の意味を理解するのは何年もかかるだろうが、悪いようには決してしない」
陛下は率直な言葉で私にそっとささやいた。
「陛下。勿体無いお言葉です。この国ではもはや結婚は無理だと思っていた私ですのに、そんな私のために準備も何から何までしてくださり、本当に感謝しております。大切なお方の妻に私を選んでいただきまして、畏れ多いですわ。私はリシェール伯を幸せにできるように精進いたします」
私は陛下だけに聞こえる声でささやいた。
「よしっ大丈夫だなっ!さすが私が見込んだけでのことはある」
陛下はそこだけ大きな声で言うと、満面の笑みを浮かべて私の背中にそっと手を回して、私の席までエスコートしてくださった。
「其方は娘のようなものだから」
陛下はそう言うと、そばに控えて立っていたラファエルの方を見てうなずいた。
「明日は晴れると聞いたぞ。良い結婚式になるだろう」
「はい、陛下」
「ありがとうございます。陛下」
私とラファエルは並んで立って陛下にうなずいた。
思うに、この時、陛下の胸に去来していたのは自分が亡き後の大国ジークベインリードハルトの皇帝となった、自分が可愛がっていた甥っ子の姿とその皇帝の妻となった私の姿だったのかもしれない。私たち二人なら、陛下の亡き後も陛下の国をとても大切に扱ってくれると陛下は予想していたのだと思う。その陛下の結婚戦略は当たっていたのだけれども、この時は誰もまだその未来を知らない。
第一王子ウィリアムと第二王子ケネスもにこやかにラファエルと私を祝福してくれた。
「ロザーラ嬢にはラファエルの方がピッタリだよ、ねえ兄上」
「うるさいなっ、ケネス。僕の傷心を弄ぶな。僕はもうラファエルとロザーラを心から祝福しているんだからっ!」
ニヤニヤと兄を揶揄うケネスと、ムキになるウィリアムの様子に陛下も朗らかに笑っていた。早くに亡くなった王妃様を私は存じ上げない。二人の王子の行く末を案じながら亡くなったと聞いたけれども、二人の王子は陛下とはとても仲が良かった。
「明日、ウィリアムの想い人も祝いにやってくるしな」
「えっ?」
私は陛下の何気ない言葉にハッとして聞き返したのだけれども、陛下にウィンクされて黙った。当のウィリアムは顔を真っ赤にしていながらも、どこか嬉しそうだった。
私は明日になれば、第一王子ウィリアムの結婚相手に紹介されるのだと考えて、明日が少しだけ楽しみになった。自分の急な結婚式は楽しいというより怖さの方が優る状況で、はらはらするようなドキドキが止まらなかったから。
食事の席は賑やかだった。従兄弟同士のラファエルと王子たちは十年来の仲の良さで、そこに陛下も加わり、実に和やかだった。
私もいつの間にか笑みが増えて、明日の結婚式への怖さが薄れていくようだった。
そして今、私は明日に備えて早めに就寝しようと用意された暖かいベッドの中に入っていたけれども、よく眠れなかった。暖炉の火で温められた石のかいろを使って、侍女がベッドを十分に温めてくれていたのだけれども、私が緊張しているせいでなかなか寝付けない。7時間前のキスが頭をよぎってしまって落ち着かない。
――明日は夫と一緒の寝室に眠るのよね……?夫婦だからそうなのでしょうけれども。
心の準備は全くできていなかった。婚約期間もない。知り合っていきなりの結婚だ。
――例えば私が洗濯女だったとしましょう。
私は架空の設定で、彼の姿を遠くから眺めるだけの女性になったつもりで彼の姿を心に描いてみた。
――私が洗濯女ならば、彼に恋をするかしら?
私は心の中に彼の凛々しい顔と、私をジェラールから救ってくれた時の毅然とした行動力を思い出し、「守る」と言って手に口付けをしてくれた時のこと、花嫁衣装の私に口付けをしてくれた時のことを思い出した。
――恋のときめきはきっと生まれるわっ……彼は魅力的だもの。
私はそこまで考えて、花嫁ではなく彼の洗濯女だったらという設定で彼を見つめた場合は、間違いなく彼に憧れて恋焦がれるだろうと断定した。
――ならば、私が侍女だったらどうでしょう。
私はもう一度侍女の立場から彼の姿を心の中で考え直した。
眠りにつく寸前、私は、洗濯、冒険、恋のときめき、恋のぎこちなさ、恋のすれ違いを想像して、私の夫となるリシェール伯爵ラファエル・ジークベインリードとの結婚に前向きになっていた。
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